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Rising Sun

Author:Rising Sun
元経営コンサルタント
専門分野:ヒト

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。
また、マネジメントは企業だけのものではなく、国家を含めあらゆる組織体や個人にとっても必須のものです。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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意識は傍観者である/デイヴィッド・イーグルマン



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意識できない膨大な潜在意識

脳は進化によって継ぎ足された数多くのモジュールから構成されており、
各々のモジュールが(単独で、協調して、競合して、)機能することで様々なアウトプットが生まれるようです。
それらのモジュールにおいては、顕在意識レベルと潜在意識レベルのものがあるのですが、
顕在意識レベルのモジュールよりも潜在意識レベルのモジュールの方が圧倒的に多いようです。
そして潜在意識レベルのモジュールは、顕在意識の介入を受けないことで(無用なノイズを排除することで)、
モジュールとして果たすべき機能を自律的かつ効率的に行うようにできているようです。
更に潜在意識によって行われていることは、思考や判断の領域にまで及んでいるようです。

従って、人間が通常考えている「意識」というものは、脳の中核というよりも諸々の機能の一つとして考えるべきとのことです。


脳のモジュール理論については、他の書籍を読んで知っていましたが、
脳の研究が進んだことにより、モジュール理論でかなりのことが説明できるようになってきたようです。
また、他の書籍でも脳のモジュール理論について踏み込んだ説明がされていましたので、
この理論は脳科学の世界ではスタンダードになっている、もしくはなりつつあると推察されます。
(社会科学の分野では、この理論は異端のようですが、なぜ異端であるかについての科学的な反証はないようです)


そのうえで、本書の特筆すべき点は、
ある人が犯した罪について、その人にどこまで法的責任を負わせることできるのか、
という問いを発し、その答えについて触れていることだと思います。

ある人が罪を犯した場合、それが顕在意識によるものか、潜在意識によるものか、
また潜在意識によるものでも、顕在意識によって防ぐことができるものなのか、できないものなのか、
更には潜在意識によるものであった場合、再発を防ぐことができるものなのか、できないものなのか、
といったことが脳の科学的な解明が進むにつれて、より適切な判定ができるようになっていきます。
そしてこれらを踏まえて、刑罰を課すか否か、如何なる更生方法が適切か、社会から隔離すべきか否か、などが
科学的に判断できるようになっていくし、そのような方向に司法が進む必要があるとしています。

犯罪被害者の感情やケアといった問題には触れていませんので、十分な解決策とはいえませんが、
犯罪加害者への対処についての科学的アプローチについては興味深いものがあります。
これまで、科学は「なんであるか」を解明するものであり「どうあるべきか」は主題ではありませんでしたが、
領域は限定されつつも、「どうあるべきか」についても科学的なアプローチが可能になってきたようです。


蛇足ですが、著者曰く顕在意識が潜在意識を完全にとらえることは不可能だとのことですので、
仏教をはじめとした様々な内観瞑想が科学的にどれほど効果があるのか、注意しておく必要を感じました。


ここで使用している「科学」「科学的」という用語は、再現可能かつ反証可能なもののみを意図しています。

なお、「意識」「自己」についての2017年時点での自然科学における知見は以下の書籍から得ることができます。
脳はいかに意識をつくるのか
神経科学・哲学・精神医療を横断して「意識」「自己」に迫っている素晴らしい本です。
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