FC2ブログ

≪プロフィール≫

Rising Sun

Author:Rising Sun
日本を愛するリヴァタリアン
倉山塾生・江崎塾生

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

Amazon殿堂入りレビュアー
(2017・2018)
2018/07/18、突然Amazon.co.jpが事前通知なく全レビュー強制削除&レビュー投稿禁止措置を発動。

Amazon.co.jpアソシエイト
iTunesアフィリエイト

レビューごとに、Amazon.co.jp指定の商品画像バナーリンクを貼っています。もし、「書籍タイト/著者名だけでは、どんな本かわからん!」という方で、商品画像リンクが表示されない場合は、広告ブロックを解除してください。Amazon.co.jpおよびTunes以外のバナー広告は一切掲載しておりません。

≪FC2カウンター≫

≪カレンダー≫

04 | 2020/05 | 06
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

≪カテゴリーサーチ≫

≪カテゴリーツリー≫

≪ブログ内検索≫

≪リンク≫

≪最近の記事≫

≪月別アーカイブ≫

国家はなぜ衰退するのか/ダロン・アセモグル&ジェイムズ・A・ロビンソン



★★★★★

シンプルかつ強力な理論

国家の繁栄と衰退は、その国家が採用している政治・経済の制度にかかっていると論じている本です。

その政治・経済の制度は、包括的なものと収奪的なものの2つに分けることができるとしています。
包括的とは、権力や富が幅広く分散し、中央集権による法の秩序の元で公平性が担保されていること、
収奪的とは、権力や富が一部のエリートに集中し、独裁者の裁量若しくは法の秩序の欠落により公平性が歪められていること、と定義しています。

また、包括的な制度を採用し、その正のフィードバックにより更に包括的になることで、より繁栄し、
収奪的な制度を採用し、その負のフィードバックにより更に収奪的になることで、より衰退するとしています。

更に、包括的・収奪的のいずれが採用されるかは、
その国の制度、権力の構造、岐路での決断、歴史的偶然などによって決まってくるとし、
それがいかに小さなものでも後々に大きく影響を及ぼすとしています。

そして、包括的制度は、国民のモチベーションと産業のイノベーションによる創造的破壊を上手く取り入れることによって国家を繁栄させ、収奪的制度は、これらを排除・弾圧することによって国家を衰退させる、としています。

そのうえ、国家として採用される制度のデフォルトは収奪的なものであり、
よほど意識的な決断がない限り包括的な制度を採用・維持し続けることはできない、とされています。


以上が、本書の要約ですが、包括的・収奪的な政治・経済制度というシンプルな枠組みで、
国家の繁栄と衰退の理由をかなり説明できているという点に本書の価値があると思います。
社会科学の分野ですから、本書の枠組みの例外は当然あると思いますが(本書では提示されていませんが)、
本書で採用されている豊富な事例を踏まえると、かなり強力な理論なのだと思われます。

本書でも触れられていますが、開発経済が上手くいかない理由も本書を読めば納得できると思います。
収奪的な制度を採用している国に、いくら経済援助をしても一部のエリートに富が集中するだけですし、
民主主義のルールを形だけ採用させても、一部のエリートがそれを都合のいいように利用するだけです。
最悪の場合には善意による経済開発援助が収奪的な制度をより強固にしてしまう場合もあるようです。

デフォルトが収奪的制度であるが故に包括的制度に移行させるのは容易ではないことですけれど、
制度は人が変えられるものですから、衰退し貧困から脱却できない国(民)が一筋の光明を得られるのは良いことだと思います。


なお、本書が対象としている国家の繁栄と衰退については、
類書として著名な、ジャレド・ダイアモンド氏の『銃・病原菌・鉄』があります。

本書では、『銃・病原菌・鉄』では説明できない繁栄と衰退の実態があるとして、この理論を否定しています。
確かに『銃・病原菌・鉄』は地理的特性によって繁栄と衰退が決まるとしていますので、
本書で挙げられた同一地域での繁栄と貧困の格差の理由は説明できませんから、否定する理由もわかります。
但し、『銃・病原菌・鉄』が、地理的特性だけ繁栄と衰退のかなりの部分が説明可能であると証明した本だと位置づければ、本書と相互補完関係にあるのではないかと思われます。


ちなみに、本書は電子書籍で購入し、iPhone5にダウンロードして読みました。
画面は書籍よりも小さいですがストレスなく読むことができました。
また、片手で持って寝っ転がって読むことができたことが楽でした。
更に、このような良書を常に手元に置いておけるというのもいいと思いました。
この便利さを知ってしまいましたので、『銃・病原菌・鉄』も伝書書籍で購入してしまいました。

<< 聞き上手 話し上手/佐藤可士和  【BACK TO HOME】  99%の人が知らない「内向的な自分」の磨き方/榎本博明 >>


◆ コメント ◆

≫≫ コメント投稿フォーム


*管理者にだけ表示を許可

 BLOG TOP