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伝統・科学・世界を知りマネジメントに活かす

日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

地球白書2008-09/クリストファー・フレイヴィン



★★★★★

持続可能な経済に向けて

この年の地球白書では、持続可能な経済に向けて解決すべき諸課題に焦点を当てています。

まず新古典派経済学のイデオロギーや、GDPを追い求めることでは持続可能な経済は不可能だとしています。
そのうえで、既に開発・活用されている代替指標を提示し、これらを活用することを求めています。

そして、持続可能な経済へ移行するために、
資源効率の向上、ライフスタイルの転換、環境負荷の少ない食事への移行、低炭素経済の構築、
排出量取引市場の発展、水資源のマネジメント、生物多様性の価値認識、コミュニティの活用、
モチベーションの向上、インセンティブの活用、投資の活用、貿易の適切なガヴァナンスの確立、
といった要素を挙げ、
それらに対して、国、自治体、大学、研究所、企業、NPO/NGP、コミュニティ、市民、消費者らが、
実際に取り組んでいる、また取り組もうとしている例を豊富に提示しつつ、成功要因と問題点も指摘しています。


興味深かったのは、「共有地の悲劇」という現象についての解説でした。
実はこれを提唱したギャレット・ハーディンは、科学的な研究をせず、推論だけに基づいて提唱していたそうです。
さらに、彼は後に自説の欠陥を認めたそうです。
また、本書では1章を割いて「共有地」有効活用の成功例・失敗例が幾つも登場しますので、
「共有地の悲劇」が無条件に生じるわけではないことがわかります。


なお、本書を通してみてみると1つの矛盾がでてきました。
低炭素社会を目指すためには地産地消費が必要である一方で、
貧困解消を目指すためには国際貿易が必要であるというものです。
本書では貿易ガヴァナンスの章で、これらのバランスが必要とだけ述べられています。
これについてはもう一歩踏み込んで解説して欲しかったと思います。
ただ、難しい問題であることはわかりますので、★を減らすことはしていません。
  1. 2011/10/19(水) 11:57:28|
  2. 地球白書
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誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

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このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

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