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Rising Sun

Author:Rising Sun
日本を愛するリヴァタリアン
倉山塾生・江崎塾生

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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ディープエコノミー/ビル・マッキベン



★★★

地域社会主導の経済にむけて

ひたすら経済成長だけを重要視していること(新古典派経済学)が、
自分達を幸福にすることなく(行動経済学より)、地球の生態系を破壊寸前まで追い込んでいる(生態経済学より)。
すなわち、量の追求=質の追求とはならなくなってきているのに、相変わらず量を追い求めている。

これは著者が、人類が一つの種として犯した数ある過ちの中で、かなり上位に位置すると考えているものです。
また、その大失敗の原因は、昔は通用したことを、今後もそうだと思い込んでしまったからだとしています。
そのうえで、これらの大失敗を解決するためには、もっと掘り下げて問うような新しい経済学が必要だと訴えています。


まず、最も身近な食糧について解説しています。
(世界の資産と消費者支出の50%は食料体系に費やされています)
現代農業は大量の食糧を安価に生産しており、これは人類による偉業であると認めています。
(巨大な汚水池、哀れな動物、労働者の酷使、テロへの脆弱性などの問題があるものの、改善可能としています)
一方で、現代農業は、水と石油を大量に使う持続不能な資源に頼った、食のバブル経済を作り上げてきたとし、
我々の食生活を変えなければ取り組むことができない難しい問題であるとしています。

そのうえで、代替案として、小規模農家・有機栽培・地元販売を事例を踏まえて提示しています。
理由としては、大規模農家よりも生産性が高い、石油の使用を減らせる、味がよい、などを挙げています。


次に、個人主義について解説しています。
過去500年の物語は度重なる解放の物語であり、総じて利益をもたらしたと認めています。
一方で、現在ではこれらが行き過ぎており、人々は孤独に見舞われているとしています。
また、孤独は心理学的にも(満足感の低下)、医学的にも(疾病発症率の増大)、悪い状況を生み出すとしています。

そのうえで、代替案として、経済・社会・個人が上手くバランスする地域社会の形成を提示しています。


そこで、地域社会に必要なものとして、事例付きで以下のような要件を挙げていいます。
・ローカルラジオ(自分の周辺に関する事柄を知ることができる)
・分散型エネルギー(送電ロスによる化石燃料の浪費を抑えることができる)
・公共交通機関(徒歩・自転車を除く交通機関よりも安上がりである。化石燃料の浪費を抑えることができる)
・コ・ハウジング・コミュニティ(人と人との触れ合いを生み出すことができる)
・森林計画(大量生産の効率から地元仕入の効率へ、物資の費用から労働力の費用へシフトすることができる)
・地域通貨(地元での消費を促すことで地域の経済基盤をつくることができる)
・直接民主主義(参加者が自分が良い市民である、世の中と結びついていると感じることができる


また、世界の様々な場所で、各々が独自の伝統と資源と希望を考え合わせると何ができるかを考えることで、
量だけを追い求めない地域社会が作られていることを、幾つもの事例で紹介しています。
そしてこれらの例は量の追求を前提としたグローバル経済や経済開発に過度に依存しなくても、
地域社会が自立できることも示している、としています。


著者の基本的な主張は納得できますが、
著者のいわんとする「質」の定義が曖昧であるからか、文章の構成の仕方が上手くないからか、
各々の事例が如何なる「質」を代弁しているのかを読み取るのに少し労力を要します。
またこれらの事例は環境関連本を何冊か読まれている方にとっては既出のものが多いでしょう。

あと、「おわりに」で地球温暖化の危機について強調していますが、
強調するのであれば、本文中でもっと事例や解説を加えて欲しいと思います。
著者のいわんとする「質」の一つが環境保全であるとすれば、なおさらです。

最後に、著者が冒頭で「もっと掘り下げて問うような新しい経済学が必要だ」と述べている割には、
それほど掘り下げられているとは思えません。
地域社会ありきの主張とも受け取れるところもありますし、事例も地域社会のものばかりです。
またグローバル企業(ウォルマートなど)が地域を滅ぼすという主張が何箇所も出てきています。
既存の経済の歪みを指摘することや、それとは異なる経済の実例を提示することはできていますが、
それらをもって「掘り下げて問う」とはいえないと思います。

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