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Rising Sun

Author:Rising Sun
日本を愛するリヴァタリアン
倉山塾生・江崎塾生

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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脳を鍛えるには運動しかない!/ジョン・J・レイティ等



★★★★

運動と脳の科学的な解説書

本書は、適切な運動が脳に良い影響をもたらすことを科学的に説明しています。

タイトルの「脳を鍛える...」という言葉からは、頭が良くなるための運動についての本であることを連想させますが、
それに割かれているのは1章のみで、他は、脳に何らかのダメージを持つ人の治療・予防への運動の影響の解説です。
(ですので以下のレビューは脳のダメージと運動について書かれている章についてのものです)


運動と脳との関係を要約すれば、以下のようになるとのことです。
・義務ではなくやりたいと思って行う運動が脳に良い影響を与える。
・運動(有酸素運動がよいらしい)がなによりの刺激となって、脳は学習の準備をし、意欲を持ち、その能力をたかめる。
・運動が、ニューロンやシナプス、有益な神経伝達物質や神経栄養因子の生成に関与し、脳の活性化に繋がる。
・運動した後に脳を使うことでより効果的に能力を高めることができる。
・人は狩猟するように進化してきたので、それに逆らわないように運動することが必要である。
(ただ、進化の説明は疑問です。女性は狩猟していませんし、農耕文明以降ヒトは進化の方向を変えたという説もあるため)


これらを基に、脳が受ける様々なダメージ(本書の章立て)と運動との関係について、以下のような内容を提示しています。
・ストレス:ニューロンは筋肉と同様な方法で鍛えられるので、克服可能な軽度のストレスを運動で与えると良い。
・不安障害:運動すると体の筋肉の緊張が緩むので、脳に不安をフィードバックする流れが断ち切られる。
・うつ病:運動を習慣として行っている人はうつ病になりにくい。運動はうつ病治療の他の方法と同様の効果が得られる。
・ADHD:武術のように型の決まった複雑で集中力が求められるスポーツが効果的である。
・依存症:運動は解毒剤であるとともに予防注射にもなり得る。また絶望感や無力感を埋める方法の一つである。
・女性のホルモンバランスの変動:運動は変動のマイナス面を軽減し、プラス面を強化する。
・加齢:運動は老化の進行を阻むことのできる数少ない方法の一つである。

さらに、各々のダメージの解説では、脳の状態と運動について、神経科学の知見を駆使した詳細な解説がなされています。
(運動によりどんな物質が生成され、それが脳のどこに運ばれ、どう影響することで、如何なる効果が得られるのか)
この解説で、運動がいかに脳に良い影響を与えるのかを、正しく理解することができます。

最後に、運動がどれほど健康を支えてくれるかとして、以下を示しています。
心血管系を強くする、燃料を調整する、肥満を防ぐ、ストレスの閾値を上げる、気分を明るくする、免疫系を強化する、
骨を強くする、意欲を高める、ニューロンの可塑性を高める


一方で、各々のダメージを回復するための個別具体的な運動方法については、
各章の終わりと最終章を割いて書かれていますが、科学的な説明と比較して情報量が少ないと思います。
(ベースとなる個体差・ダメージの種類と重症度・治療の段階などの違いによる、適切な運動の手段・量・頻度・負荷など)
運動が脳に良いことは事実ではあるものの、まだ研究は成熟していない、というのが実態のようです。

ですので、本書はあくまでも運動と脳の科学的な解説書であり、実践を促すものではありますが、
本書で挙げられたダメージを持つ方が、本書を読んで独力で最適な運動方法を作成・実践するのは、
容易ではないでしょうし、場合によっては危険でもあります。
本文中でも何度か記されていますが、専門医に相談の上、運動の可否やメニューを決める必要があると思います。


なお、最終章で「運動は脳の機能を最善にする唯一にして最強の手段」という文章が出てきますが、飛躍があると思います。
本書で、運動が脳に良いことを科学が証明したことはわかりますが、唯一・最強であることを証明しているとは思えません。
また、幾つかの章で、脳のダメージを治療するために薬物療法や心理療法などを併用している、という記述と矛盾します。
更に、運動とそれ以外の手法との厳格な比較をしている箇所は見受けられませんでした。
あと、ヨガや太極拳に簡単に触れていますが、様々なリラクゼーション手法、瞑想手法についての言及はありませんでした。
(リラクゼーションの重要性と方法については、グレッグ・D・ジェイコブズ『脳内復活』が役に立つと思われます)

優しく解釈するならば、
「著者が知りえた科学的知見」のなかで「唯一・最強」なのでしょう。
この文章に影響されてか、邦訳タイトルも少しあおりぎみになっています。

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