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Rising Sun

Author:Rising Sun
元経営コンサルタント
専門分野:ヒト

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。
また、マネジメントは企業だけのものではなく、国家を含めあらゆる組織体や個人にとっても必須のものです。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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組織文化 経営文化 企業文化/梅澤 正



★★★★

高邁な理念を持った企業文化論

企業経営に関する書籍にしては珍しく高邁な理念に基づいて書かれています。
文化と同様に使われる言葉として風土がありますが、本書では、文化はヒトの意思で創造していくもの、風土は様々な状況下で自然に出来上がっていくもの、であると明確に区分して定義しています。
そのうえで、文化はヒトが望む普遍的な価値(真善美)であるとし、これを最終目的地として設定したうえで創造していくものであるとしています。
更に、企業が社会的な公器であるならば、全ての企業がこれを目指し、その中で経済的な利益を創出・享受することが必要であるとしています。

ここ数年、企業の不祥事が報道されない日はないといっていいぐらい、頻繁に起きていますが、著者によれば、これらは今に始まったことではなく、バブル崩壊期にも同様のことが起きているし、また日本的経営が賛美された高度成長期(最近の懐古趣味的な日本的経営論の復活論者が拠り所にしているものですが)においても何ら変わらない、としています。
元々日本企業は一部を除いて文化を創造もせず定着もさせずにきたが故に、不況期にその悪い部分が表出しているだけ、だということでしょう。
また、近年様々な企業変革が推進されていますが、企業の本質に立ち戻らずに表層的な、また短期的なコストダウンを主目的とした経営ツールの導入に終始している企業が多く見受けられます。これも著者によれば、昔から同じことが繰り返されてきているだけであるとしています。バブル期のCI・SISなどを挙げれば、今と何も変わっていないことがわかると思います。
これらも文化を創造もせず定着もさせずにきたが故に、浅薄な議論から抜け出せなくなっているだけ、だということでしょう。

このように振り返ってみると、企業は本気で文化を創造し定着させる必要がある、という著者の主張は的を射ていると思いますし、当たり前のことだとも思います。

ただ、企業がこの重要性に気付いたとしてもなかなかできないのは、これが他の経営課題の解決よりもはるかに難しいことだからなのだと思います。重要であるが難しいことを、企業がどのようにすれば思索・創造していくことができるのか、それも環境変化が激しくリソースに余裕がないなかで短期的な処方を打ち続けなければならない状況下で推進していくことができるのか、について全く提示されていないのが残念です。このあたりは、経済的な内容に限定はされるでしょうけれど、確かな理念と真剣な浸透を重視している、GE・P&G・J&Jなどのビジョナリーカンパニーの事例研究で補うしかないでしょう。

とはいえ、ヒトの普遍的な価値(真善美)の追求が文化である、という指摘はそれこそ普遍的でしょうし、ヒトがコミットしモチベートしながら自らの能力を最大限に引き出し活用して成果を生み出すためには、ここに立ち戻る必要があるということも本質なのだと思います。
これについては、マーカス・バッキンガム「最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと」において、リーダーはヒトの普遍性に着目してリードする、というリーダーの定義に整合しますので、こちらも参考にされるとよいでしょう。


あと企業文化については様々な書籍が出ていますが、本書は類書にはない特徴が幾つかあります。

まず、様々な企業文化論について概要レベルではありますが俯瞰しています。文化論は自然科学のように完全なモデル化は期待できませんので、様々な文化論が紹介されているというのは、特定の文化論に固執されるよりは有益だと思います。

また、これらの文化論を比較整理しているのも助かります。これも自然科学とは異なり、一つのモデルに収斂することは期待できませんので、各々の文化論が何に重きを置いているのか、如何なる軸で展開しているのか、が比較されているのは有益だと思います(勿論、この比較整理そのものも著者のモデルを使っているので、厳密にいえば比較整理の方法自体も様々なモデルがあるはずですけれど)。

更に、文化論の歴史も簡単ではありますが紹介しています。どんな学術分野でも知見の発展の仕方はありますし、その時々の世の中の環境の影響を受けています。特定の文化論が如何なる文脈で登場したかを少しでも知ることで、その文化論の見方・参考の仕方が適切になっていきますので、これも助かります。
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