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日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

戦争論/カール・フォン・クラウゼヴィッツ


★★

「戦争の目標は敵の完全な打倒」ねえ

第1,2,8章は精神面という戦いと名のつくものに重要かつ普遍的なテーマを扱っています。
クラウゼヴィッツが生きた時代の戦争だけから導出したにしては秀逸だと思います。
いろいろと悩ましい問題提起がなされていますが、ここは孫子の兵法で補うべきところでしょう。

一方で残りの章はクラウゼヴィッツの生きた時代特有のものですので、
現代においては、適用できるところは次第に少なくなっていくでしょう。

問題は、戦争の目標は敵の完全な打倒と定義しているところです。
クラウゼヴィッツだけの責任にはできませんが、
この定義が、総力戦・殲滅戦と言われたWW1とWW2を引き起こし、
日本においては広島と長崎への原爆投下につながったと言われても仕方ないと思います。

この本は、あくまでも戦争のことしか考えていません。
戦争の後に行うべき政治の仕事については全く無視しています。
ですので、この本に従って戦争を行い勝利した後、勝者敗者何れにも平和は訪れません。
そういう内容の本だという認識のもとで読まれた方がいいでしょう。
孫子の兵法の方が遥かに優れています。

これがもし国家戦略の名の下に行われるとしたら、
部分最適を優先することで全体最適を犠牲にする愚策の典型と言わざるを得ませんね。
ですから、後の戦略論ではこれを打ち消すように、別概念として大戦略を定義しているのでしょう。

クラウゼヴィッツの戦争論をわかりやすく例えるなら、
捻りのない直線的なハリウッドのアクション映画みたいなものだと言えるでしょう。
クラウゼヴィッツが未だに支持されているのは、理論的優位性というより文化的嗜好性故なのかもしれません。

追記(20180628)
念のため、リデル・ハート「戦略論」のまとめの章である、第19〜22章を読んでみました。
私のクラウゼヴィッツに対する所感が間違っていないことが確認できました。
今後、クラウゼヴィッツ信奉者の戦略論は読まないようにしたいと思います。
  1. 2018/06/27(水) 20:43:28|
  2. 戦略論
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誇りある日本の復活を望む一日本人

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