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Rising Sun

Author:Rising Sun
元経営コンサルタント
専門分野:ヒト

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。
また、マネジメントは企業だけのものではなく、国家を含めあらゆる組織体や個人にとっても必須のものです。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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2018/07/18、突然Amazon.co.jpが事前通知なく全レビュー強制削除&レビュー投稿禁止措置を発動。

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韓非子(上下巻)/安能務



★★★★★

老子が理想を描き韓非子が具現化したマネジメント体系論

韓非子は、冷酷無情な法家の書だと勝手に思い込んで、
これまで手に取ることはありませんでした。

しかし、本書を読了すると、
その思い込みが如何に間違っていたかを思い知らされました。

韓非子は、老子が理想を描いたマネジメントのあり方を、
法治国家のあり方として具現化したものであることが、
はっきりと理解することができました。

老子の「道」を「法」で具現化したということです。

まだまだ読み込みが足りませんが、
韓非子が狙いとしていた国家統治はもちろんのこと、
企業・組織のマネジメントにも十分に活かすことができると思います。
むしろ凡百の政治理論・マネジメント理論に関する書籍を読むよりも、
韓非子を熟読した方が遥かに役に立つと言っていいでしょう。

更には、私のコンサル時代の師匠(勝手にそう思っているだけ)であった、
P.F.ドラッカーの主要なエッセンス(イノベーション除く)が、
紀元前に著された韓非子に全て書かれています。
韓非子をコンサル現役時代に読んでいれば、
もっと優れたサービスをクライアントに提供できたのではと、
反省しきりです。

なお、韓非子のイメージを悪く歪め、歴史改竄ともいえることをしたのは、後の儒家です。
韓非子は孔子が語った復古主義を徹底的に批判していたのが理由だと思います。
ただし、その批判は正当なものであり、後の儒家による歴史改竄は逆ギレでしかありません。
時代と環境が変われば当然、統治方法も変えねばならないのに、
単に復古を理想として唱えることは、むしろ弊害の方が多いでしょう。
また孔子が復古の理想とした堯舜殷周の王朝も、
権謀術数で自国を興し、他国を滅ぼしています。

韓非子からみれば、
孔子・儒家は時代に合わない妄想を抱き、
理想とされる国家・君主・宰相などの言動の中から自分たちの都合の良いところだけを抜き出し、
それをさも統治の王道であるかのように拡散し、無能な君主・宰相などをを惑わすことで、
むしろ国家統治を困難にし、民を苦しめている、邪道だということなのでしょう。

あと著者曰く、
巷に出回っている韓非子に関する書籍などは、
後の儒家によって改竄されたもの、それをそのまま受け止めて解説したもの、
がかなり多いとのことです。
比較をしていないのでなんとも言えませんが、その可能性は十分にあるかもしれません。

あと、著者がどのような経歴の方かは存じ上げませんが、
かなり生の政治について精通しているのでは無いか、と思いました。
そうでなければ、本書のような生々しい解説はできないからです。

たまたま、数多くの韓非子本の中から著者版を選んで読みましたが、
最初の韓非子書がこの本でよかったと思います。

今後、韓非子に関する書籍を読み、比較することで、
上記の意見が変わってくるかもしれませんが、
ひとまずは著者の韓非子、それに関連した著者の書籍で学んでいきたいと思います。
守・破・離の守から始めたいと思います。


権力とは何か―中国七大兵書を読む/安能務



★★★★★

権力=秩序

初めに「権力」は「秩序」であった。
そして究極的にも、やはり「権力」は「秩序」である。
権力は「法」に保障されて存在し、秩序は「制度」に支えられて存続した。
制度は権力の表徴で、権力者はその表徴の具現である。
単なる標識で「交通信号」のようなものだ。

上記は、本書最後での著者によるまとめです。

老子から始まり、
春秋戦国時代に生まれ現在でも通用する乱世での思想・哲学に基づいて、
権力とは何か、その存在意義は何か、その正当な根拠は何か、如何に使うべきか、などを
時代に沿いつつ、時代背景を踏まえながら解説し、
最後に韓非子にたどり着きます。

中国には古来より絶対的な一神がおらず、つまり絶対的な権力が存在せず、
すべてが「陰」と「陽」相互補完と相互天下で成り立っている混沌の世界であり、
それゆえ権力が相対的なものとなり、権力争いが途絶えなかったことから、
春秋戦国時代の550年間を費やして、権力について議論され収斂してきたそうです。
ですので、チャイナでは一神教である西洋とは権力の概念が異なるようです。


日本にそのまま当てはめることはできませんが、学ぶべきことは多くあると思います。
既得権益・利権などで腐り切った日本の政官財トライアングルについて、
紀元前後の思想・哲学がはっきりとその原因・弊害・解決方法を示しています。

権力は制度に依拠し
(全ての権力に自前のものはなく、全て制度からの借り物)、
それゆえ権力を手にしたものは驕ってはならず、
「礼」を尽くさなければならない。
その「礼」は君が臣に、将が兵に尽くすものである。
また権力の要諦は「信賞必罰」であり、
その正当性により「権力」が民によって正当性が承認されるものである。
そして、その根幹は「隗より始めよ」です。

権力を持つものがこれに少しでも反すれば、国は滅亡します。
日本の権力者・支配者層はこれを学んで実践すべきですし、
日本国民もこれを読んで権力の正当性を監視すべきですね。


老子道徳経
兵法七書(孫氏・呉子・尉繚子・司馬法・李衛公問対・六韜・三略)
管子・商君書・韓非子など
様々な古典を引用しながら解説されていますので、
中国古典、その位置付けを知る上でも有益です。


始皇帝―中華帝国の開祖/安能務



★★★★★

始皇帝へのイメージがかなり変わりました

著者によれば、
始皇帝が韓非子に基づく法治国家を作ろうとし、
孔子の人治国家を却下したことから、
後の儒家達に逆恨みされ、
悪虐非道の独裁者という印象を延々と刷り込み続けてきたために、
始皇帝のイメージが極めて悪くなってしまった、とのことです。
さらに、同様に韓非子のイメージまで悪くなってしまった、とのことです。

本書では、
統一帝国を築き上げ、
500年以上続いた春秋戦国時代を終わらせ、
秦帝国を安定・維持することで民を安らかにするために、
始皇帝は必要不可欠かつな存在であったとされています。

ただし、
韓非子の掲げる法治主義の下に皇帝自身が組み込まれることに意を唱え、
法の上に皇帝自身を位置付けたことが、
秦帝国が長続きしなかった理由であったとされています。
法治国家は賛成でも、今で言う立憲君主制には反対だったと言う事です。

キングダムが話題になっており、アニメをみていましたので、
脚色を排した始皇帝の実像を知りたくなり本書を手に取りました。
著者の解釈ではあるものの(実際は誰にもわかりません)、
始皇帝の実像を知ることができたのは収穫でした。

本書に触発されて、著者の手による「韓非子」も読み始めています。
まだ読みかけで、かつ読み進めるのが容易ではない本ではありますが、
なるほど、と思わせる内容満載です。

なお、
韓非子と孫子を合わせると、
現在CCPが行っている超限戦になるのでは、と思いました。

米中戦争が既に始まっており、
またアメリカ大統領選挙に絡み米国内が混乱の極みに達していますので、
これらの情勢を理解するためにも、
韓非子・孫子は読み込んで理解しておく必要があるのではないか、と思います。

「三流は三国志を読み、二流は孫子を読み、一流は韓非子を読む」という格言があるそうです。
孫子は好んで読んでいますので、韓非子もこれからしっかり学んでいこうと思います。


いちばん大事な生き方は、伊勢神宮が教えてくれる/吉川竜実



★★★★★

本当に「一番大事な生き方」を教えてくれました

神宮禰宜による神道の教えについての解説です。
非常にわかりやすく、優しく、温かく教えてくださっています。
神道そのものが優しく、暖かいものだからなのでしょうね。

私個人としては、
宗教・思想・自己啓発書などで「生き方」をいろいろ模索して、
「梵我一如」に辿り着きましたが、
まさに神道がそうであることを再確認することができました。

内容について論理的にコメントすること自体、野暮ですので、
興味のある方は、手にとって体感していただければと思います。

多分、体感していただければ、本書1冊で「生き方」の中核は十分だとわかるのではないでしょうか。
あとは「生き方」のスキルとして、他の書籍を参考にされるのが良いのではないか、と思います。

オードリー・タン 自由への手紙/クーリエ・ジャポン編集チーム



★★★★★

真の自由と平等がわかります

真の自由と平等とは何か、それをどうすれば実現できるのか、
について真剣に語られている本です。

氏は、フリーダム(自由)をネガティブ・ポジティブの2つに分けています。
①ネガティブ・フリーダムは、個人として何かから自由になること
②ポジティブ・フリーダムは、自分だけでなく他の人も解放し、自由にしてあげること

まずは①を実現した後、②を推進して、自由をお互いにシェアしようとアドバイスしています。

そのうえで様々なことから自由になろうと提言しています。
以下、目次から引用します。

01:不平等から自由になる
02:不安から自由になる
03:年齢から自由になる
04:競走から自由になる
05:国家から自由になる
06:対立から自由になる
07:正しさから自由になる
08:男と女から自由になる
09:ジェンダー概念から自由になる
10:家族から自由になる
11:強制から自由になる
12:ヒエラルキーから自由になる
13:支配から自由になる
14:言葉の壁から自由になる
15:スキルセットから自由になる
16:一枚岩から自由になる
17:お金から自由になる

いわゆる保守と言われる人たちからは猛反発を受けそうな内容です。
でも、それを相手にしていては自由にはなれません。

いわゆるリベラルと言われる人たちからは一見歓迎されそうな内容です。
でも、リベラルの無責任な戯言とは全く次元が異なります。
ポリコレでもありません。

いわゆるリヴァタリアンと言われる人たちからも一見歓迎されそうな内容です。
でも、公(社会)への貢献や、自己責任を謳っていますので、
自由と自分勝手は全く異なります。

このようなイデオロギー・カテゴリーからも
自由になろうと言っているのではないでしょうか。

オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」のレビューでも触れましたが、
私にとって数十年ぶりに私の人生観を変えてくれた方の提言ですので、
しっかりと何度も読み込んで、自分自身に染み込ませたいと思います。


Au オードリー・タン 天才IT相7つの顔/アイリス・チュウ、鄭 仲嵐



★★★★★


オードリーの人生を辿りながら、その凄さに迫っています

オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」が、
氏自身が自らの希望・願い・実績などを直接述べているのに対し、
本書は著者らがオードリーへのインタビューなどを基に、
他者によって氏の足跡を辿りながら、人格と実績の凄さを解説しています。

併せて読まれると、より氏の素晴らしさを実感できると思います。
「オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」を
先に読んでから本書を読んだ方がいいでしょう。

そうすると、著者の希望・願い・実績がわかったうえで、
それは何故なのか、を理解することができます。

こういう生い立ち、人生を歩んでくると、
このような素晴らしい人物になるんだな、と想像できます。

優れた副読書だと言えるでしょう。

平和の地政学/ニコラス・スパイクマン



★★★★★

本物の地政学というものを学ばせていただきました。

地政学に関する本は何冊か読みましたが、
本書ほど地政学について理解を深めることのできる本は初めてです。

単に地図上の地形の関係だけでなく、
国土の規模・国土の状態・国境の性質・天然資源の存在など、国土に関連する様々な状況
労働力・製造力・経済力・技術革新など、国土で行われている様々な営みの状況
民族構成・社会の統一性など、様々な社会の有り様
など、
あらゆる視点を取り込んだ総合的な国家間、地域間比較が重要であることを示しています。

また地政学は重要ではあるものの、バランス・オブ・パワーの1つの視点に過ぎないとして、
パワーの源泉、バランス・オブ・パワーの観点から地政学を捉えています。

更に、世界を1つとして俯瞰・様々な重心へのフォーカスなど、
地政学を最大限に利用するための視点を与えてくれます。

なにより素晴らしいことが2つあります。
1つめは、
著者が理想を持ったリアリストであり、
平和を実現するための手段としてバランス・オブ・パワーが必要であると提言していることです。
2つめは、
著者が本書で提言していることが普遍的なものであり、時代を超えて通用するものであることです。
著者が本書で提言していることについて、現在でもその理論が通用します。

まるで米中戦争が起きるのは(時期はともかく)必然であるかのように、
著者の地政学について、日本政府が国家安全保障において何ら学んでいないことを叱責しているように、
読めます。

現在でも通用する本物の地政学というものを学ばせていただきました。
地政学書としては勿論のこと、国家戦略・国家安全保障戦略書としても優れた書籍だと言えます。
古典というのは、こういう本を差すのでしょうね。
これでもう半端な「地政学」というタイトルの付いた本を買うことも読むこともないでしょう。

あとは、著者がベースとしつつも本書内で反駁・ダメ出ししているマッキンダーを読むかどうか、
迷っているぐらいでしょうか。

世界が称賛する 日本人が知らない日本/伊勢雅臣



★★★★★

日本人の「根っこ」を凝縮して紹介・解説

先に「世界が称賛する 日本人が知らない日本2」を読んで、
和の心がどれだけ素晴らしいかを実感できましたので、
先に出版されたこちらの本も読んでみました。

日本の良き伝統・文化については、これまでも様々な本で学んできましたが、
本書は、これまでの学びを連結させ、昇華させるとともに、
更にこれまでの学びでも知らなかったことがまだまだあることを教えてくれました。

日本の良き伝統・文化を学ぶ際には、
まず本書と続書を読んでおけば、より効率的かつ体系的に学べたのではないか、
と思った次第です。
思想が一貫していますし、それに沿った文献の大事な部分の引用も豊富ですので。

まあ、著者の想いがこめられた本ですので、取捨選択は必ずあるとは思います。
ただ、そのことをもって本書を批判するのは如何なものかと思います。
現代の日本人が忘れてしまった「根っこ」をしっかりと覚醒させようという試みですので、
もし「足りないな」「おかしいな」と思えば、更に他の書籍から学べば良いと思います。


トケイヤーのユダヤ格言集/ラビ・M・トケイヤー



★★★★★

ユダヤ人(ユダヤ教徒)の強さについて、少しわかった気がします。

有史以来、迫害され続けてきたユダヤ人(ユダヤ教徒)の方々が、
何故これほどまでに強いのか・賢いのか、その一端が本書に書かれています。

本書だけで彼ら/彼女らの凄さの根源が全てわかるとは思えませんが、
(そんなに底の浅いものではあり得ないと思いますので)
本書を読むだけでも凄いな、と思わされました。

聖書(キリスト教でいう旧約聖書)とタルムード(ラビたちによる聖書の解釈)を基に、
彼ら/彼女らがユダヤ人(ユダヤ教徒)としての誇りを持ち続け、学び続けることで、
精神・知恵の両面で、迫害に耐え抜く強さを身につけてきたことが理解できます。

何よりも、実際の生活で生き抜くための知識・知恵が詰まっていますので、
空理空論ではなく実学・実践哲学を学んでいることが強さの源泉なのではないか、と思います。


日本人とユダヤ人には共通点があります。

神と伝統を守りながら(精神面)、国を発展させてきました。
いずれも西洋近代の唯物論(究極系は共産主義)に陥らずにいます。
→日本人は八百万の神々に守られ、万世一系の天皇を中心とした君民共治のもとで。
→ユダヤ人は神と聖書とタルムードの教えを厳格に守ることで。
また、いずれの民族の宗教も民族宗教であることが特徴だと言えるでしょう。

一方で科学技術(物質面)を駆使することでも、国を発展させてきました。
→日本人は改善(Kaizen)をとことん繰り返すことで世界一の製品を世に出し続けました。
→ユダヤ人はイノベーションをとことん繰り返すことで世界初の製品を世に出し続けています。

優秀な民族であるが故に、西洋社会から弾圧されてきました。
→日本人は有色人種として差別され、大東亜戦争では国際法を無視した西洋列強からジェノサイドを受けた
→ユダヤ人は有史以来差別され続け、WW2ではナチスドイツを「中心」にホロコースト・ジェノサイドを受けた


ユダヤ人は何度も何度も迫害を受けてきながらも、
その度に立ち上がりイスラエル建国をはじめとして、世界を席巻しています。

一方で日本人は大東亜戦争でアメリカだけに一度だけ負けただけなのに、
WGIPの影響とそれに便乗する売国奴に押されて、いまだに独立主権国家を築き上げていません。

ユダヤ人の手法をそのまま利用するのは無理だとは思いますが、
日本が得意としてきた和魂洋才(ここではユダヤの才)を駆使して、
ユダヤの伝統と知恵から学びながら上手く日本化して、
ユダヤと肩を並べるような国家・民族をつくらなければならない、という思いに至りました。

読みやすい本であり、日常生活にも役立つ格言が満載なのですが、
同時に、いろいろと考えさせてくれる本でもあります。


オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る/オードリー・タン



★★★★★

数十年ぶりに人生観を変えてくれました。

個人的な話で恐縮ですが、
令和3年は私にとって新たな人生をスタートさせる年です。

以前から気になっていたオードリー・タン氏自筆の著作を知り、
この天才がどのような「デジタルとAIの未来を語るのだろう」と興味津々で手に取りました。
最初はタイトル通り、デジタルとAIの分野における最新技術を知りたくて読み始めたのですが、
期待を良い意味で大きく裏切ってくれました。

もちろん技術的な話がないわけではありませんが、
それはあくまでも補助的なものであり、
本筋は、
個々人が輝きながら、いかによりよい社会を創っていけるか、
よりよい社会を創りながら、いかに個々人が輝くことができるか、
についての著者の考えを披露したものです。

これは著者が自身を「保守的なアナーキスト」と定義していることからくるものです。
いずれの単語も誤解を生みやすいですので、著者自身の定義を引用しておきます。
保守:
・日本語の「保守」より中国語の「持守」に近い
・「持守」には「自分の意思を堅持する、貫く」という意味がある
・私の考える「持守」は、進歩という理由で文化を破壊せず、「伝統文化」を守ること
・自分が守りたい伝統文化を守るために、多くの人を巻き込んで実現したいと思って行動している
・自分が守っていればいい。他の人のことは知らないよ」という傍観者的な態度でいるわけではない
・私が「持守」という言葉を使うのは、攻撃的な意味が含まれていないから
アナーキスト:
・無政府主義とアナーキズムは同じではない。決して政府の存在そのものに反対しているわけではない
・権力に縛られない。政府が脅迫や暴力という方法を用いて人々を命令に従わせる仕組みに反対する
・権力や強制といったものをどのように平和的に転換させればいいか、に関心がある
・皆がお互いを理解し合った新しいイデオロギーに持っていくにはどのようにすればいいか、に関心がある
・古臭い権威主義や上から目線の命令・高圧的な態度には全く興味がない
・命令などの強制力がないことが重要である

何より素晴らしいのは、著者が自身のアイデンティティに基づいて、
実際に行動し、人々を自主的に巻き込み、イノベーションを起こし、成果を出し続けていることです。
そしてあくまでもその手段としてデジタルとAIを上手く利用していることです。

著者自身のアイデンティティがこのようなものであれば大賛成ですし、
著者の活動にも加わりたいと思いますし、
私自身もこのような人物に少しでも近づきたいと思います。

また著者は天才だと言われ、それ故に注目されているようですが、
それよりも、著者の実際の行動・成果の基盤であり、かつこれらに裏付けられた、
極めて高いIntegrity・妥協しない徹底したInclusionなどの、
人間性・人徳に惹かれました。


これまで、
「この人の切り口は凄い」:デレク・ユアン氏(戦略理論家)など
「この人の理論は凄い」:ミルトン・フリードマン氏(政治経済学者)など
「この人の研究は凄い」:アントニオ・ダマシオ氏(脳科学・神経科学者)など
という方々には書籍などを通じて出会ってきました(決して多くはありませんが)。

しかし、
人生観を変えてしまうような人物に書籍を通じて出会うのは数十年ぶりのことです。
経営コンサルタントとして仕事を始め、P.F.ドラッカーに出会って以来のことです。
新たな人生を始める年のはじめに、この本に出会えたことは最高の幸せです。
私にとっての新たな人生への羅針盤になると確信しています。


それにしても、
このような方が政府の要職を勤める、
このような方を政府の要職に招聘する台湾という国は、
素晴らしいですね。


翻って、日本の自称保守・リヴァタリアンの多くは、
束になっても著者には遠く及ばないのではないでしょうか。

日本の自称保守の多くは、
国民一人ひとりのことなどあまり眼中にありませんし、
ポリコレでない真のマイノリティに対して平気で差別する人もいます。
(人権=左翼というステレオタイプに自ら囚われているのでしょうか?)
日本のリヴァタリアンには、
本場アメリカの表面だけなぞって自己中・自分勝手なだけの人もいます。
(自由には自己責任が伴うという当たり前のことが理解できていないのでしょうか?)

更に、いずれも言説だけはご立派な一方で、
自分の世界・蛸壺に閉じこもり、
自身の言説に異を唱える方がいれば、
よりレベルを引き上げるための機会と捉えるのではなく、
自分自身への攻撃と断定して排斥してしまう方々が少なくありません。

そのうえ、
口だけは達者ですが、
実行に移し世の中を変えるという成果を出している方をほとんど見かけません。
自分は言論人だから、学者だから、という言い訳で安全地帯を作っているように見えますが、
世の中を変えられなければ、単なる机上の空論と言われても仕方がないと思います。
本当に世の中を良くしたいのか、変えていきたいのか、疑問です。

挙げ句の果てに、活動を中心としている方々を「右翼」と
ステレオタイプにカテゴライズして見下している有り様です。
一体彼らは何様のつもりなのでしょうかね?

しかも、デジタル・AIの知見はおろか、自然科学の知見すら
学ぶことなく、学ぼうともせずに、
この領域に関連するテーマを平気で語り、
かつ自分の意見が正しいと断言するような、
身の程知らずが少なくありません。
(自分の狭い世界が全てだと思っているのでしょうか?)

現代において、未来を語る際には、また大戦略や政策を構築する際には、
これらの領域の知見を駆使し活かすことが不可欠であるにもかかわらず、
無知の知を自覚していない人が少なくありません。
この体たらくで、幾ら未来を語り、大戦略や政策を構築したとしても、
可能性・選択肢を狭めるだけでなく、間違った解決策を言いふらしかねません。
極めて危険です。

ちなみに、これらはプロフェッショナルの世界では職業倫理の欠如と言われ、
真面目にサービスを提供している仲間・適切なサービスを受けたいクライアントから、
忌み嫌われます。

日本にいる自称保守、自称リヴァタリアンとは、
得も志も実力も成果も比較するのが失礼なぐらい、著者のレベルは高いですね。

日本の様々な言論人・学者の書籍を数多く読んできましたが、
私の中でこの日本の惨状に当てはまらないのは、
藤井厳喜氏・武田邦彦氏、次いで坂東忠信氏・山岡鉄秀氏以外にほとんど知りません。
(私が著書を読んでいないだけで、未だ出会っていない方もいらっしゃるとは思います)

日本の現状がこのような始末ですので、より著者に魅力を感じるのだと思います。


現時点で2冊ほど、著者に関する書籍が出版されていましたので、
読了後すぐに注文しました。

本書と合わせて3冊、じっくり読みながら、
著者への理解を深めていきたいと思います。


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