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Rising Sun

Author:Rising Sun
リヴァタリアン


マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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米中覇権戦争の行方/北野幸伯



★★

米中覇権戦争についての戦略的側面からのわかりやすい解説

米中覇権戦争については現在も進行中ですが、
本書は、なぜ起こったのか、どちらが勝つのか・それは何故か、日本はどうすべきか、
について戦略的側面からわかりやすく解説しています。

しかし、内容は
「中国に勝つ日本の大戦略」出版以降のアメリカ・トランプ大統領の動向を加えた以外は、
「中国に勝つ日本の大戦略」とほぼ同じで、
タイトルを「反日統一共同戦線戦略」から「米中覇権戦争」に置き換えただけのようなものです。

ですので、「中国に勝つ日本の大戦略」を読まれた方で、
それ以降の米中の動向をメディアやネットで追っている方にとっては、読む必要はありません。
私は2冊まとめて読んだので、ほとんど読む意味がありませんでした。

本書で、著者の本のレビューが7冊目になりますので、
すこしまとめをしておきたいと思います。

この著者、及び著書の良いところは、
ある大きな事象が生じた原因を歴史的事実に求め、時系列で表してくれることと、
勝利するための戦略的な解決策を提示する際に、
歴史上の成功例や失敗例とその原因という、事実から導き出してくれること、
つまり、徹底したリアリスト・リアリズムであるということです。

一方で、この著者及び著書に欠けていると思われるところも挙げておきます。

1つ目
勝利するための最高の大戦略を提言するのはいいのですが、
それができないことを現実の実態を精査せずに批判することです。

例えば本書では、トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」や有言実行を批判しています。

しかし「アメリカ・ファースト」は、
Make America Great Againの一環として大統領選挙公約として掲げられたものであり、
これを掲げ続けない限り民主主義国家であるアメリカ国内での支持は得られず、
まさに今行われている2期目の大統領選挙に勝つことはできません。
もし2期目の大統領選挙でトランプ大統領が勝利できなければ、
米中覇権戦争においてアメリカが勝利することはできないでしょう。

また有言実行についても、
トランプ大統領得意のディール戦術であり、
先に言ってしまうことでアメリカの強い意志を示し、既成事実化してしまい、
そのうえで交渉において妥協案も含めて様々な選択肢を示すことで、
国益に資する果実を得ようとするものだと思われます。
当然、リスクは伴いますが、リスクを覚悟のうえでやっていることだと思われます。
また、これもMake America Great Againを相手に見せると同時に、
国内世論をもMake America Great Again、
ひいてはトランプ大統領支持に繋げる作戦にも見えます。
こちらもアメリカ国内で支持が得られず、
2期目の大統領選挙でトランプ大統領が勝利できなければ、
米中覇権戦争においてアメリカが勝利することはできないでしょう。


さらに言えば、トランプが大統領に就任したこと自体が、
著者が指摘している批判を補って余りある、
アメリカおよび自由民主陣営にとっての戦略的優位性を確立しています。
アメリカ国内のパンダハガーをドラゴンスレイヤーに転向させ、
ネオコンを押さえ込むことで武力による戦争を回避し、
GAFAに代表される、
金儲けのためにはチャイナと組むことも厭わない連中を
なんとかチャイナから引き剥がそうとしています。

もしクリントンが大統領になっていたら、
真逆のことを行ってアメリカはチャイナに飲み込まれていたかもしれません。

どうも著者は
この辺りの政治の生々しい現実や、
民主主義国家におけるトップの権力維持の難しさなど、
を見ずに批判しているように思えてしまいます。
ですので、著者の提言する大戦略に重厚さが感じられないのだと思います。


2つ目
自然科学についての知見がかなり欠如していることです。

著者は勝つためには感情に流されるのではなく、
歴史の事実に学びながら、冷静に大局をつかんで大戦略を立てるべき、
と言われると思います。

ですが、人間はどこまで行っても感情の種です。
ですので、感情を無視して、もしくは抑えて大戦略を立てるべき、ではなく、
感情をも包含した上で、どのように大戦略を立てるべきか、
感情をも包含した上での大戦略はこのようになる、
と提言しなければ実効性が高くないと思います。

これは、脳科学・進化心理学・遺伝学などの
人間についての自然科学の知見が欠如していることが原因と思われます。

また、環境関連で、
再生エネルギーや地球温暖化(パリ協定など)について言及していますが、
日本における再生エネルギーがいかに非効率かについて全く知らないようですし、
地球温暖化はそもそも正しいのか、正しいとして悪影響があるのか、
などについて全く知らないようです(物理学)。

特にパリ協定など、そもそも怪しい地球温暖化をEUが利権化したい、しているだけですので、
アメリカが離脱するのは当たり前のことであり、
日本でも利権化・既得権益化していますので、日本も一刻も早く離脱すべきものです。

今や自然科学を知らずに社会科学・人文科学ひいては哲学すら語ることはできない時代です。
ですので、大戦略についても当然、自然科学の知見を前提としなければなりません。

ですので、著者の提言する大戦略に、しっかりした土台が感じられないのだと思います。


3つ目
著書間にかなり内容の重複が多いことです。

上記でも指摘しましたが、かなり内容の重複が多いです。
著者の本これ一冊だけ読む、というのであれば良いのですが、
著者の本を必ず読むという方々の中には、
あまりの重複の多さに辟易する方も少なくないのではないでしょうか。

著者が重要であるが故に重複してでも知らせたいというのであれば、
無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』に掲載しておけばいいのではないでしょうか。
そうでなければ、ただ単に文章を膨らませて書籍の単価を引き上げるだけだと思われても仕方ないでしょう。

あと、ダイレクト出版の「現代君主論」を全て観ましたが、出版済の書籍と概ね同じ内容でした。
それにも関わらず、値段は全5部で大幅割引価格で5万円弱です。
キャンセル可能期間内に全て観終えましたので、速攻でキャンセル・返金処理しました。

著者は本書で、トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」について、
自分ファースト、自社ファーストだと嫌われるという例を引き合いに出して批判していますが、
先ずは、ご自身を見つめ直されたほうがよろしいのではないかと思います。

中国に勝つ 日本の大戦略 プーチン流現実主義が日本を救う/北野幸伯



★★★

反日統一共同戦線戦略に勝つための戦略的側面からの基礎的な解説

チャイナによる反日統一共同戦線については現在も進行中ですが、
本書は、なぜ起こったのか、プレーヤー間・プレーヤーと日本の間の歴史はどうだったか、
そのうえで日本はどうすべきか、
について戦略的側面からわかりやすく解説しています。

反日統一共同戦線に対して、日本が戦勝国になり、
70年以上続いた敗戦国から抜け出すためには、
日米同盟をより強固にした上で、
イギリス・EU・ロシア・韓国との関係を良くしておく必要があるとのことです。

またアメリカを勝利に導くためにも、
日本はイギリス・EU・ロシア・韓国との関係を良くしておくことで、
アメリカを支援する必要があるのでしょう。


イギリス・EUは最早覇権国家・国家連合ではありませんが、
人権意識が強くその国際的な発信力も強いことと、
諜報能力は日本と比較にならないほど優れていること、
から味方につける必要があります。
また、イギリス・フランスは核保有国でもあり、国連安保理常任理事国でもあります。

ロシアも覇権国家ではありませんが、
覇権を狙う大国であり、チャイナと同盟関係にある国です。
また、最盛期ほどではありませんが、
プーチン大統領の政治的手腕は日本のいかなる政治家よりも優れています。
ロシアの致命的な弱点は経済ですので、
日本が経済協力(一方的な支援ではなく)をロシアに申し出れば、
中露同盟に楔を打つことができるかもしれませんし、
米中覇権戦争において中立の立場をとってくれるかもしれません。
また、ロシアは核保有国でもあり、国連安保理常任理事国でもあります。


この中で日本人にとって最も難しいのは韓国との関係を良くしておくことだと思います。

最初はそうかなと思い、これに沿ったレビューを書いてみたのですが(追記参照)、
考えれば考えるほど、どうも違うな、と考え改めました。

まず、
日本人にとっては対等な関係というのは成り立ちますが、
韓国人にとっては対等な関係というのは成り立ちません。あくまでも上下関係しかありません。
ですので、前提としてWin-Winな関係というのが絶対に成立しません。

また、著者が述べていることで、韓国には当てはまらないことがあります。
著者が歴史を紐解きながら勝つためには敵国であった国でも関係構築する必要がある、
と述べながら韓国との関係構築の必要性を述べています。
しかし著者が引き合いに出している関係構築する必要のある国は大国ばかりであり、
韓国のような国ではありません。
ですので、パワー・オブ・バランスの観点からは韓国は関係構築する重要性が
相対的に低くなります。

次に、反日・用日と事大主義が国家イデオロギーである韓国に対して、
仮に関係構築するとして、有限のエネルギーを割く意味がどれだけあるのか、
極めて疑問であるということです。
関係構築に要するエネルギー、
反日を抑えるエネルギー、
用日を抑えるエネルギー、
事大主義を抑えるエネルギー、
これらを韓国に対して使用しているだけで日本のエネルギーは枯渇します。
それでも、いつ裏切るかわからないことは、歴史が証明しています。
エネルギーは主敵であるチャイナと、
それに対抗するための日米同盟強化、ロシア・EUとの関係構築に使うべきです。
これらを全力で行ったら、韓国に使う余計なエネルギーなど残っていません。
福沢諭吉翁の方が著者よりも優れているのは誰でも認める事実でしょう。
脱亜論の方が正しいと思います。
「悪友を親しむ者は共に悪名を免かる可らず。我は心に於て亜細亜東方の悪友を謝絶するものなり」です。
今でいう非韓三原則ですね。

また、著者は韓国はチャイナと日本の緩衝地帯であることを理由に、
韓国との良好な関係構築の必要性を説いています。
しかし、すでに北朝鮮による南下工作がほぼ完了している韓国が果たして緩衝地帯になり得るのでしょうか。
また、上記でも述べたように緩衝地帯であることを期待しても、いつ裏切られるかわかりません。
獅子身中の虫ほど危険なものはありません。
あてになるかどうかわからないものを大戦略のパラメータに入れるわけにはいきません。
むしろ、韓国を大戦略から外し、対馬全体を第軍事基地化し防衛ラインを対馬まで下げた方が確実です。
そしてここに、自衛隊と在日米軍を配備することで、韓国を結果的に黙らせることができます。
また、韓国で有事があった際の難民の日本本土への流入阻止も確度が高くなります。

以上のことから、著者のいう韓国との関係を良好にしておくという主張には賛成できません。

あとは、韓国の歴史捏造プロパガンダへの対抗策を講じておく必要があります。
韓国に対しては戦略的無視。
日本に対して実害がでたら即制裁。
チャイナ・韓国・北朝鮮以外の世界各国に対して、
韓国の歴史捏造と歴史の真実に対するホワイトプロパガンダを全省庁あげて推進。


上記のイギリス・EU・ロシア・韓国との関係について、
基本的な関係のあり方は本書に書いてありますが、
そこからかなり膨らませてみました。


なお、米中覇権戦争において、日本が戦勝国になるうえで最も危惧されるのは、
日本の政府・政治家・官僚の現実認識・闘う決意と覚悟・戦略構築&実行力の欠如と、
これらの中に多数入り込んでいる媚中派連中や、
この期に及んでチャイナでの金儲けに邁進する経済界との利権にまみれた連中です。
このような連中のために、日本がまた敗戦国にならないことを願って止みません。


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日本の生き筋ーー家族大切主義が日本を救う/北野幸伯



★★★★

一つの実現可能な国難解決策が提示された。
それを阻むのは政官財の利権・既得権益である。


本書では、日本の大きな国内課題に対する実現可能な解決策が提示されています。

国家・国民の品格を保ち、更に高めながら、
少子化問題を解決し、
地方再生を行い、
国民の幸福度を高め、
世界の人々に親日になってもらう、
そのような解決策が提示されています。

細かく見ていくと、
例えば再生可能エネルギーについては科学的根拠の乏しいものもあったりしますが、
(これについては、著者自身が武田邦彦先生に教えていただいたほうがいいと思います)
基本戦略としては間違っていないと思います。

むしろ、これだけの大きな課題の解決策を、
1つの実現可能な戦略として練り上げたことを評価すべきだと思います。


ただ、実現可能ではあるものの、現在の日本では実行はかなり困難だと言わざるを得ません。
政官財の利権・既得権益がこれらを確実に阻もうとするからです。

例えば、

少子化問題解決に要する予算増額については、
いくら投資効果が高くても財務省が反対するでしょう。

地方ごとに法人税を一律にしない方法についても、
財務省が反対するでしょう。
また、地方自治を強化することになるので、
総務省も反対するでしょう。

給食についての地産地消や農産品の無農薬化などについては、
農協と農林水産省の利権が絡みますので反対するでしょう。

真の働き方改革(残業規制の強化や罰則化など)については、
経団連・経済同友会・日本商工会議所などと、
これら経済団体との利権にまみれた自民党が反対するでしょう。

また、世界中の災害に対する自衛隊の派遣は賛成ですが、
その分国防に必要な予算を財務省は削ってくるでしょう。
これをやられたら、自衛隊の本来任務ができなくなってしまいかねません。


ですので、本書で提言された解決策を実施する前に、
もう一つ解決しなければならない大きなことがあります。

あらゆる利権構造・既得権益の破壊です。
そのためのすべての税金に対する増税停止、減税実施です。
そして、そのための大戦略構築が必要になってきます。

著者には、その大戦略を描いて出版していただきたいと思います。
そう、ロシアのプーチン大統領が就任直後におこなった、
腐敗した利権構造・既得権益の粛清を、
議会制民主主義国家の日本でどのようにすべきなのかについて。

隷属国家 日本の岐路―今度は中国の天領になるのか?/北野幸伯



★★★★★

本書出版当時(2008年)よりも日本の状況はひどくなっている

本書で提起された日本の様々な大問題は、全く放置され、
本書で提言された問題の解決策は、全く採用されず、
日本は2008年より12年を経て更にひどくなっていることが、よくわかりました。

国際的な地位は低下し、国力は落ち、国民はより不幸になっています。
3年間は民主党政権でしたが、残りは自民党政権です。
民主党政権もひどかったですが(悪夢の民主党政権)、
自民党政権は更にひどいのではないでしょうか(悪魔の自民党政権)。

また、依存体質・奴隷根性は全く改善されておらず、
政府・自民党内にも媚中派が跋扈している始末であり、
まるで、政府・自民党内部で米中代理戦争が行われているかのように見受けられます。

しかも、本当の米中戦争においてはアメリカが勝利する確率が高いにもかかわらず、
政府・自民党内の米中代理戦争ではチャイナが勝利しているかの有り様です。
これではいずれアメリカに見放されかねず、日本は孤立してしまい、
最悪チャイナの属国・属省となり、チベット・ウイグルのような目に合わされるでしょう。

本書のなかで唯一改善したのは、自虐史観の洗脳が一部解かれたことですが、
一方で保守勢力の一部には真逆の日本礼賛(日本が全て正しい、日本は全く悪くない)史観が登場し、
別の意味で危うくなり始めています。
いずれの史観も、事実に基づく自国の歴史を検証し、学び、未来に活かそうとしていないからです。
これも日本が孤立する道へとまっしぐらに進んでいき、最悪日本が世界のどの国からも相手にされなくなるでしょう。

愚かとしか言いようがありません。


日本人の知らない「クレムリン・メソッド」世界を動かす11の原理/北野幸伯



★★★★★

国家大戦略の前提条件の提示であると同時に、個人の生き方指南書

本書で提示された11の原理は、
国家が生き残りを賭けて大戦略を構築・実行するための前提であり要素を提示したものであると同時に、
個々人が泣き寝入りせず、したたかに世の中を生きていくための指南を提示したものだと思います。

個別の原理だけを見れば、どこかで誰かが提言しているでしょうけれど、
世界を動かす11の原則として抽出・提示されたことは非常に価値が高いと思います。

本書を読むと、自分自身が非常に狭い閉じられた世界で生かされてきたことが、よくわかります。


特に衝撃を受けたのは、
第11の原則 「イデオロギー」は大衆を支配する「道具」に過ぎない、でした。
これは個人の政治的・経済的なアイデンティティにも繋がるものであり、
極めて重要な警告であることがわかりました。

私は保守をやめました。
保守のダークサイドが見えてしまったこともありましたが、
この原則を理解したことも大きな理由でした。
また、あらゆるイデオロギーから距離を置くことにしました。


本書は、迷った時、気になった時などに読み返すべき本だと言えます。
かなり多くの本を読んできましたが、このような本に巡り合えたのは久しぶりです。

日本自立のためのプーチン最強講義 /北野幸伯



★★★★★

楽しく学べる日本の大戦略

プーチンがロシアを追われ日本に亡命して、日本の政治家に戦略をアドバイスするという小説部分と、
その裏付けとなるファクトや理論の解説部分の二段構成でつくられている本です。

小説部分がとにかく面白く、また極めて戦略面で重要な内容が含まれていますので、
日本の大戦略を楽しく学ぶことができる本です。


小説部分でプーチンが本当にそのように言うかどうかはわかりませんが、
プーチンが実際に大統領としてロシアでやってきたことをベースにしていますので、
当たらずとも遠からず、といったところではないかと思います。


解説部分では、特に経済理論について正確ではない解説もあり、
専門家からは指摘されることが十分にあり得るレベルですので、
気をつけながら読む必要はあると思いますが、
日本自立のための大戦略という本書の主旨を崩すほどのものではありませんので、
評価を下げることはしませんでした。
気になる方は、他の良書で補われたほうがいいと思います。


肝心の大戦略についてですが、当然賛否はあると思います。
著者の思考のベースは、自立国家になること、勝ち組に入ること、戦勝国になること、です。
個人的にはTPPに対する著者の見解について、なぜそんなに受け身で考えているのか、疑問です。
またTPPについては安全保障の観点からも議論すべきこともあると思います。
とはいえ、大戦略を提言したこと自体が画期的だと言えます。

特に、保守言論人による日本の大戦略の提言を聞いたことがありません。
大戦略が大事だという言葉は聞きますが、それらの方々から大戦略そのものは出てきません。
なお、左翼は日本を破壊する勢力なので日本自立のための大戦略が出てくるわけがありません。

大戦略同士を、またそのベースとなる考え方同士を競わせながら、
より優れた大戦略を構築していけばよいのではないか、と思います。


日本自立のための大戦略という難しい課題を扱っているにもかかわらず、
それなりに気軽に読める本だと思いますので、
興味のある方にはおすすめです。

プーチン 最後の聖戦/北野幸伯



★★★★★

少し古いが(2012年初版)、ロシア・プーチンの大戦略がはっきりわかる

ロシアやプーチン大統領に関する書籍がそもそも少ない中で、
本書はロシア・プーチン大統領の大戦略がはっきりわかる価値ある本です。

少し古い本ですので、
著者の世界構図についての将来予測は完全には当たっていませんが、
それでもプーチン大統領の基本的な大戦略については変化はないと思います。

国内におけるインターネットなどへの情報統制には全く賛成できませんが、
ロシアの国益を最優先に位置付け、理想を持ちつつも現実を冷静に見極めた上での
世界を見据えた大戦略の構築・実行能力は、見事としか言いようがありません。

残念ながら、
日本にはプーチン大統領に匹敵するような政治家は存在しないでしょう。
また、プーチン大統領が実行している大戦略を構築できる政治家や官僚も日本には存在しないでしょう。
したがって、北方領土も日本の思うような交渉は全く進まないでしょう。

ですので、
どのようにロシア・プーチン大統領と付き合うのが中長期的に日本の国益に最も叶うのかを、
戦略的に考え抜いた上で付き合う必要があると思います。

本書を読んだだけなので、まだまだロシア・プーチン大統領に対する認識は十分とは言えませんが、
本書を読んだだけでも、ロシア・プーチン大統領の凄さはよくわかりました。

アフターコロナでまた世界の動きが大きく変わっていきそうですので、
著者にはアップデート版を出版していただければと思います(「プーチン新たな聖戦」とか)。

あと、著者についてはダイレクト出版の「パワーゲーム」「現代君主論」で初めて知りました。
いずれも良いと思うのですが、
個人的には映像を観るよりも文字を読むほうが相性が良いようですので、
今後は書籍やブログで著者の知見を学んでいきたいと思います。


縄文文明と中国文明/関裕二



★★★★★

比較することで縄文文明が更によくわかる。
眠っている本能を目覚めさせる必要がある。


著者の『「縄文」の新常識を知れば日本の謎が解ける』が非常によかったので、
こちらの本も読んでみました。

縄文文明の解説自体は、上記の著作の方が詳しかったのですが、
中国文明や一神教文明との比較により、
縄文文明がいかに素晴らしいものであり、また誇りに思えるものか、よくわかりました。
(全面的に礼賛するものではありませんが、素晴らしいことは間違いありません)


ただ、本書で著者は極めて重要な問いかけをしています。
「文明とは何か?」「文明は人を幸せにしているのか?」です。

これについては、議論百出だと思います。

しかし、
人間が大脳皮質で考えることは所詮限界があり、
脈々と受け継がれてきたDNAと比べれば大したことはないし、
宇宙や大自然にはまだまだ未知のもののほうが膨大にある
というのは自然科学(脳科学・遺伝学・生物学・物理学など)では常識的な知見です。

最先端科学が、
日本の縄文から受け継いだ自然信仰や、インド哲学などに、
やっと追いついてきた、といったところでしょうか。

文明が生み出した便利なものは使えばよいと思いますし、
これからも更に科学技術は発展を続けるでしょう。
ただし、これらはあくまでも生きていくための手段であり、目的ではありません。

日本人が幸せに生きていくためには、
縄文時代からDNAに刻み込まれた眠っている本能を目覚めさせる必要があるのではないか、
とおもいます。

比較文明論の本だと思って読んだのですが、
非常に重要な問いかけをしてくれましたので、
本のタイトルとは異なりますが、非常に良い本だと思います。

「コロナショック」台湾からの警告/林建良 監修

台湾からの警告 「コロナショック」台湾からの警告(ダイレクト出版)

★★★★★

One Taiwan Projectが鮮やかに蘇るよう!

One Taiwan Projectにもオンライン参加していました。
本書を読み進めるうちに、
まるでOne Taiwan Projectが鮮やかに蘇ってくるようでした。

よい復習にもなってよかったです。

また、綺麗な写真が添えられた、
台湾の日本に対する熱い想いについての解説は感じるものがありました。
本当に日本を大切にしてくださっているのだな、
日本はこの想いに対してしっかりと応えなければならないな、と思いました。

さらに、藤井厳喜氏の投稿2本、
・ポスト武漢ウィルスの社会構造 反グローバル化とローカル化
・武漢ウィルスから見る文明史 「自由」と「隷属」の二項対立
は、それぞれ短いものでしたが、内容が深く、非常に読み応えがありました。

あと、飯柴智亮氏の投稿
・新型コロナウィルスと米軍
もとてもよかったです。
飯柴氏については、藤井氏との対談を観たり著作を読んだりしていますが、
元米国陸軍大尉で実戦経験もおありですので、
自衛官(元を含む)と比べると、情報がリアルで信頼できます。

これからも台湾発のインテリジェンスは要注視ですね。
Taiwan Voiceを観てインテリジェンスを入手し続けたいと思います。

台湾を知ると世界が見える/藤井厳喜 林建良

台湾を知ると世界が見える 台湾を知ると世界が見える(ダイレクト出版)

★★★★★

台湾ごめんなさい。ありがとう。日本は今こそ台湾から学ぶべき。

個人的な台湾との接点は、1990年代に仕事で台湾に出張した時です。
その時は仕事半分・遊びと観光半分で、それ以外は全く台湾について無知でした。

数年前から、自分の中にある東京裁判史観・自虐史観を払拭するために、
藤井厳喜先生の著書をはじめとして様々な著作を読み、
そのなかで多少、台湾についても知識をみにつけることができたとは思います。

しかし、本書を読んで、
これまでの自身の台湾に対する知識の浅さ・狭さに驚かされました。
台湾の皆様には、この場を借りて深くお詫び申し上げます。

台湾には、古き良き日本があります。
もちろん、日本統治時代の日本文明だけがあるわけでなく、
台湾は多様な文化を持つ国家ですので、
古き良き日本とともに、台湾が持つ多様な文化がうまく融合しているのだと思います。
それでも、日本が戦後捨ててしまった「日本精神」を、
台湾の方々が大切にしてくださり、守り続けてくださっていることには感謝しかありません。

そして台湾の方々は、国として、また個人として、
日本に対して親しみを持ってくださり、
日本が災害に遭った際には、真っ先に救援・支援の手を差し伸べてくださっています。

それに対して日本政府は何を台湾にしてきたのか。
国交を断絶し、台湾を国家として認めず、
台湾の国家としての支援を断るなど、
恩を仇で返すという、
およそ「日本精神」とは真逆な無礼千万な態度を示しています。

いま、このレビューを書いている時期、
台湾では蔡英文総統の2期目が始まり、就任演説がありました。
蔡英文総統は、力強いリーダーシップ、明確な国家戦略、国民への暖かい想いを兼ね備えた、
素晴らしい国家元首であり、台湾の誇りであり、アジアの自由民主陣営の誇りです。

本来であれば、このような素晴らしい国家元首を擁する台湾と日本があらゆる分野で同盟関係を築き、
そのうえで、アメリカをはじめとしたファイブ・アイズとも同盟を築くことで、
自由民主国陣営のコアとなり、対中包囲網を確固たるものにし、
チャイナの覇権狙いを断固阻止すべきです。

しかし、一番頼りないのが日本です。
アメリカのトランプ大統領が、
せっかく日本に軍事的な面で独立主権国家になるチャンスを与えてくれたにもかかわらず、
安倍政権はこれを断り、
一方で、
チャイナの尖閣諸島侵攻に対して何ら対処せず、
習近平の国賓来日に拘り続け、
香港弾圧目的の「国家安全法」非難の呼びかけにも参加せず、
政府は単に政権維持のため、与党は利権核のためだけに奔走している有様です。
国益など全く眼中にありません。

これでは、いずれ自由民主陣営から見捨てられ、
チャイナの植民地になりかねません。
そうなれば、チベットやウイグルのような目にあうのは必然です。
日本の政府・国会議員は、どこまで国民を愚弄し、悲惨な目に会わせれば気が済むのでしょうか。

日本統治時代に台湾が日本から学んだように、
今度は日本が今の台湾から学ばなければなりません。

そうしなければ日本はいずれ滅ぶでしょう。

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