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Rising Sun

Author:Rising Sun
リヴァタリアン


マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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孫子の盲点 ~信玄はなぜ敗れたか?/海上知明



★★★★

孫子兵法に基づく信玄分析

武田信玄が孫子兵法を活用していたことは「風林火山」の旗印などからも、
また、様々な小説やドラマにおいても孫子兵法が触れられていることからも、
知らない人の方が少ないでしょう。

しかし、人文科学系学者・学界において、
武田信玄が孫子兵法をどのように活用していたのか、
についてほとんど研究されていないというのは驚愕でした。

日本の歴史において最も孫子兵法を知り尽くし活用していた
武田信玄の孫子兵法の活用方法が研究されていないことが、
日本の戦略構築の弱さの一因であることは疑いようがないでしょう。

本書では多分、日本で初めて武田信玄が孫子兵法を如何に活用したのか、
戦史を紐解きつつ、孫子兵法のエッセンスや内容を当てはめながら解説した本だと思います。

読んでいくうちに、武田信玄が見事に孫子兵法を使いこなしていることがよくわかりました。
また、武田信玄が負けた時には孫子兵法から外れた戦法を使っていたこともわかりました。


そのうえで、織田信長と武田信玄との天下取りにおける比較が興味深いものでした。
ここで孫子兵法の弱点が露わになります。春秋戦国時代のチャイナの時代背景から来るものかもしれません。
それは、時間(スピード)という概念の欠如だと著者は論じています。

たしかに「兵は拙速を聞くも、いまだ巧の久しきをみざるなり」など、短期戦を重視はしていますが、
主目的は生き残ることです。
武田信玄は上洛においても孫子兵法を使い続けました。
そして上洛前に病没してしまいました。

これに対して織田信長は、「君主論」的人物、マキャベリストだと著者は論じています。
「君主論」の主目的は、ルネッサンス時代に群雄割拠するイタリア半島を統一することです。
そして、統一するためにはスピードを重視する革命家でなければなりません。
織田信長は絶えず「敦盛」(人間50年)をうたい、自らの寿命を意識し、自らに急ぐことを言い聞かせていました。

これが、天下取りにおける、武田信玄と織田信長の差につながっていくとのことです。
ただし、織田信長も孫子兵法を軽んじていたために、
明智光秀の謀反にあい本能寺の変で殺害されてしまったとのことです。

ただ、「君主論」を読みましたが、
スピード重視・革命家を彷彿とさせる記述は見受けられませんでした。
著者の解釈なのでしょうか?

また、孫子兵法の「時間(スピード)という概念の欠如」も疑問です。
孫子兵法の解説書で最も参考にしている、
デレク・ユアン著「真説-孫子」を何度も読んでいますが、
孫子兵法でこのような解釈はできそうにありませんでした。

孫子兵法が原因ではなく、単に武田信玄の慎重な性格に起因するものだったのではないでしょうか。
よって、その分評価を下げました。

とはいえ本書は、武田信玄に孫子兵法を適用して分析した珍しいものでしたので、
非常に興味深く読むことができました。

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