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伝統・科学・世界を知りマネジメントに活かす

日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

意識と脳/スタニスラス・ドゥアンヌ



★★★

無意識から意識に変わる瞬間の実験結果

『意識』という言葉は様々な意味にとれますが、
本書では無意識と比較した意識に絞り込み、
無意識から意識に変わる瞬間に脳のどこがどのように機能しているのか、
について豊富な実験に基づいて解き明かしています。
意識のこの部分については本書で挙げられた実験結果によって脳に還元できると思われます。

この観点に興味のある方にとっては貴重な内容なのだと思います。

しかし、『意識』を、私とは何か、また私という感覚はどこからくるのか、
という哲学者等が延々と議論してなお解決に至らない本筋と思われる課題については、
本書はほとんど対象としていません。
最終章で若干触れていますが、目新しいものではありませんし、実験はなされていません。

また、意識のコンピュータによる再現(=AI)というホットな話題については、
ほとんど根拠のない楽観的な意見のみです。

こちらの意味での『意識』に興味がある方にとっては有益な情報はほとんど得られません。
私はこちらの意味での『意識』に興味がありましたので、評価を下げています。
本書のテーマが事前にわかっていたら読んでいないと思います。

とはいえ、あくまでも実験を重ねて事実を見出すという科学者としてあるべき姿勢を貫いていること、
またこれで『意識』の残された謎が少し絞り込まれたこと、
更に本書で挙げられた実験結果の医学への貢献は少なくないと思われますので、
その分評価は上げています。

なお、「意識」「自己」についての2017年時点での自然科学における知見は以下の書籍から得ることができます。
脳はいかに意識をつくるのか
神経科学・哲学・精神医療を横断して「意識」「自己」に迫っている素晴らしい本です。
  1. 2016/05/18(水) 19:53:15|
  2. 脳科学・神経科学
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I am that I am.

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誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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