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伝統・科学・世界を知りマネジメントに活かす

日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

仏教を一通り学んで。

ここ半年ぐらい、レビューしてきたのは、ほとんど仏教、それも真言密教でした。
現代科学が未だ解き明かすことのできない、ヒトについての様々な問題のヒントを仏教に求めてみたかったからです。

レビューとしては書いていませんが、門外漢の私が仏教を学ぼうとした際に、たまたま読んだのが、ひろさちや氏の書籍でした。その後、ひろさちや氏の書籍を何冊も読んで様々な宗派の思想に触れ、最後に手にとったのが、『ひろさちやの「空海」を読む』でした。この本で初めて真言密教に出会うことになりました。
そして、真言密教と他の宗派との決定的な違いを知り、真言密教にフォーカスして20冊ぐらい読んでレビューしてきました。真言密教と他の周波との違いはいろいろとあるのですが、私が最も気にいたのは、真言密教は「この世」に焦点を当てていることでした(他宗派は「あの世」)。
仏教を信じるか否か、どの宗派を信じるかは個人の自由だと思います。ただ、このブログで取り上げる対象としては、また私自身の関心としては、「あの世」を扱う宗派は全く対象外です。


また、真言密教を学んでいくにつれ、真言密教が東洋思想を凝縮したものであるという解説に触れることができました。東洋思想といっても国家や民族、時代により細分化はできると思いますが、西洋思想との比較においては、その差はあまり大きくないようです。

こうしたことから、経営において真言密教を理解したほうが良い理由が1つ出てきました。
ビジネスのルールや経営手法は凡そ西洋文化から生まれ、MBAホルダーやコンサルタントがそれをそのまま日本企業、日本人に植え付けようとしています。その際に自らが属する東洋思想が如何なるものかを十分理解したうえで導入するのか否かでは結果に大きな差が生まれると思います。
また、グローバル化が叫ばれて久しいですが、どのようにグローバル化するべきかを考えるための材料にもなると思います。


次に、真言密教の成り立ちについても学ぶことがあると思います。密教はあくまでも仏教ですが、伝播先の宗教や文化を否定・批判することなく取り込み、仏教的な意味合いを付加して居場所を与えています。それでいて密教の根幹をなす教えは不変・普遍です。これはキリスト教やイスラム教のような一神教の宗教ではできないことです。

このような成り立ちから、グローバル展開をしている企業の現地化の方法や、M&A後のソフト面の統合の際にヒントをくれると思います。


また、人材マネジメントでもヒントが詰まっていると思います。
例えば、各人には各人の強みがあるので、それを最大限に活かすと共に、弱みもあるので、それを補い合うこと、なとが説かれています。コンピテンシーモデルなどで人を改造しようとして失敗している企業にはうってつけだと思います。また、「五智」や「四摂」など人事評価制度に取り入れたくなるような教えもあります。


更に、環境経営においてもヒントが詰まっています。
「一切衆生」という教えがありますが、これはすべての人間だけでなく、すべての動植物、鉱物、すなわち地球全体、宇宙全体に仏が宿っているというときに使われる言葉です。この言葉を念頭におけば環境経営において何をすべきか、何をしてはいけないか、がみえてくると思います。


もちろん、信じることができる正当な宗教を持っていることは、ストレスがより激しくなる競争社会では心の拠り所になると思います。質の高いセラピストやカウンセラーからのアドバイスを容易に受けることができればよいのですが、日本ではなかなかそのような環境ではありません。


一通り読み終えただけですので、上記程度しか思いつきませんが、読み返しながら更に智慧を授かりたいと思います。


2012/09/04 哲学・思想のカテゴリーに「仏教」を追加しました。

  1. 2013/03/18(月) 14:43:20|
  2. 仏教思想
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知識ゼロからの空海入門/福田亮成



★★★★

わかりやすい入口

空海&真言密教の基本を図・表・絵などを使用してわかりやすく解説しています。

但し、紙面の制約からか最低限度の解説となってしまっています。
(空海&真言密教の書籍を20冊程度読んだあとで本書を再読した感想です)

入口としては良書だと思いますが、更に理解を深めたいのであれば別の書籍を読むことをオススメします。
私が読んできた空海&真言密教の書籍では、本書の次に読むものとして以下がオススメです。
・加藤精一氏『いま、空海の救い
・松長有慶氏『密教・コスモスとマンダラ
・大栗道榮氏『図説「理趣経」入門

なお、★ですが、本書があくまでも入門書であることを踏まえて、1つだけ減らしました。
  1. 2013/03/18(月) 13:46:31|
  2. 空海関連
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密教・コスモスとマンダラ/松長有慶



★★★★★

入門書の次に読む本

密教の教えについて幅広く解説しています。
著者によれば密教を俯瞰しているとのことです。

また、それぞれの教えの根拠となる経典や資料を挙げて解説していたり、
著者の得意技であるチベット密教や密教の歴史などにも触れていますので、
密教について、入門的な知識の習得だけでは終わらせたくない方にはオススメです。

なお、仏教や密教の専門用語が頻繁に使用されていますので、
本書を読む前に、やさしい入門書を読んでおかれた方がよいかと思います。
福田亮成『知識ゼロからの空海入門』が良いのではないかと思います。

欲を言えば、索引があればよかったのに、と思います。
上述のことから、索引があれば密教用語の辞典としても活用できると思いましたので。

  1. 2013/03/11(月) 17:56:53|
  2. 密教思想
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仏教と科学/松長有慶



★★★★★

仏教と科学の関係を探る

章ごとに、仏教と科学の関係の提示方法が異なるため、決して読みやすい本だとは思えませんが、
仏教と科学の関係についての書籍をほとんど見かけませんので、貴重な本だとは思います。

本書に登場する仏教と科学の関係については、主に以下のものがあります。

1.心についての仏教と心理学での捉え方の相違
2.近代科学の基礎である要素還元主義の功罪と仏教の視点
3.地球的規模の問題に対する仏教の役割

1については、心と体は一つのものであり、意識の下に無意識があると仏教では言われています。
一方心理学では、心と体は別であるというデカルトの思想の呪縛が解け始め、
深層心理学やトランスパーソナル心理学において、仏教と同様の知見が得られているとのことです。
この部分を読んだ際に、以下の書籍が役に立つのではないかと思いました。
・アントニオ・R・ダマシオ『生存する脳、改題版デカルトの誤り

2については、個の相互性や全体性を仏教では言われています。
一方現代科学においては、要素還元主義万能というニュートンをはじめとした思想に加えて、
複雑系やネットワーク理論などで、仏教と同様の知見が得られるのではないかということです。
この部分を読んだ際に、以下の書籍が役に立つのではないかと思いました。
・M・ミッチェル・ワールドロップ『複雑系

3については、地球や宇宙全体を1つの生命体として捉え、
欲望に基づく科学技術文化の過剰な発展、その闇の部分の解消そのものが仏教の役割といっても過言ではないようです。
この部分を読んだ際に、以下の書籍が役に立つのではないかと思いました。
・ジェームズ・ラブロック『ガイアの復讐

あと、本書では科学と関連付けて述べられている箇所はほとんどないのですが、
遺伝学や進化学によって、人間と他の動植物・微生物などが根源的には同じであること、
素粒子物理学や量子物理学によって、生命と非生命も根源的に同じであること、
を感じさせられます。

私の知っている範囲に限りますが、仏教は実は最新科学と親和性が高いのではないかと思います。
というより、最新科学の手法が東洋文化にヒントを得て発展し続けているのかもしれません。
続きを読む
  1. 2013/03/07(木) 12:57:32|
  2. 仏教思想
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二十一世紀に生かす真言密教の智慧/松長有慶



★★★★

真言密教の智慧は書かれているが...

真言密教の智慧として、主要な項目は非常にわかりやすく解説されています。

但し、タイトルの「二十一世紀に生かす」という点についてはどうかな、と思います。
21世紀において地球規模で生じている様々な問題(温暖化、貧困、人口爆発、資源、食糧など)に対して、
本書は真言密教の智慧を駆使して直接的に解答を示しているわけではありません。

様々な問題だけを最初に提示して、あとは時々問題点は提起されながらも、
一般的な真言密教の解説に終始しています。

ただ、真言密教の性質や著者の他の書籍を踏まえると、
発展とともに負の側面が顕著になってきた近代西洋文化に対して、
東洋文化の凝縮系である真言密教に取り込んで、
真言密教の智慧で西洋文化を再構成して活用すべきだ、ということが言いたいのだと思います。

真言密教の智慧を知るという意味では有益な本だと思いますが、
タイトルぴったりの具体的な内容を期待している方々にはオススメできません。
  1. 2013/03/06(水) 12:47:12|
  2. 密教思想
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大宇宙に生きる-空海/松長有慶



★★★★★

空海&真言密教のわかりやすい入門書

空海と真言密教について、文献を紐解きながら、著者自身の言葉でわかりやすく解説しています。
更に、単なる解説に留まらず、現代の諸問題に照らしながら、密教の有効性を訴えています。
現代の諸問題と真言密教を関連付けさせているので、真言密教がよりわかりやすくなっています。
空海&真言密教の入門書としてオススメです。

また、ビジネスやマネジメントにも役立つような内容も幾つかありましたので、
仏教に興味のない方でも読んで損はしないと思います。

なお、本書は単行本、文庫本いずれもありますが、
単行本にある村上陽一郎氏とひろさちや氏との約40ページにわたる対談が文庫本にはありません。
40ページ足らずですが結構面白い対談ですので、単行本をオススメします。
  1. 2013/03/05(火) 18:20:08|
  2. 空海関連
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こだわらない/松長有慶



★★★★★

密教に学ぶ日常生活の送り方

本書は、著者の過去の出版物や講演録などから、
現代(出版当時)において必要と思われるものを抽出し、
テーマ(章)ごとに加筆・修正されたものです。

密教・仏教の専門用語はできるだけ控えた文章で、
また専門用語を使用する際にはその意味をわかりやすく提示しならが、
密教に学ぶ日常生活の送り方、といった指南書に仕上がっています。

密教についての予備知識があまりなくても、読み通すことができるのが本書の特徴だと思います。
とはいえ、密教についての予備知識があると、本書の内容の理解がより進むと思われます。

ただし、本書の生成過程が上述の通りですので、
必要な要件を過不足なく論理的に構成されているようには思えません。
従って、左脳優位の方にとっては読んでいてストレスが溜まるかもしれません。

そのうえで★5つにしたのは、私が読んできた密教の書籍のなかでは、
本書が、最も専門用語を使わずに書かれている本だからです。
  1. 2013/03/03(日) 17:28:02|
  2. 密教思想
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密教/松長有慶



★★★★★

真言密教ではなく、密教の入門書

本書は、真言密教ではなく、密教全般という視野で、
その歴史、変遷、伝播、特色、東洋思想との共通点などについて、基本的なことを解説しています。
ですので、チベット密教と真言密教との相違点やその理由も解説されています。

世界に現存する密教の基本を学びたい方にとっては、オススメの一冊です。

また、真言密教を学びたい方にとっては、周辺知識を与えてくれますので、より理解が広がり、深まります。
ただ、ある程度真言密教を知っておかないと本書の内容が頭に入りにくいことが懸念されますので、
真言密教の入門書を先に読んでおかれたほうが良いと思います。
入門書としては、加藤精一氏『いま、空海の救い』がオススメです。
  1. 2013/03/02(土) 12:36:00|
  2. 密教思想
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プロフィール

I am that I am.

Author:I am that I am.
誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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