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伝統・科学・世界を知りマネジメントに活かす

日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

この世で一番おもしろいマクロ経済学/ヨラム・バウマン



★★★★

わかりやすい入門書

この世で一番おもしろいかどうかはわかりませんが、マンガで平易にマクロ経済学を解説しています。
また、様々な経済思想の対立を極力排して解説していますので、偏らずにマクロ経済学を理解できると思います。

主要な経済学者・経済思想からマクロ経済学を学ぼうとするとどうしても、そのバイアスにとらわれてしまいます。
ですので、本書を先ず読んで、それから主要な経済学者・経済思想を読まれるほうがよいと思います。
(如何なる経済思想も、それが生まれた時代や場所や現象に基づいていますので、普遍的ではありません)


また、主要な経済学者・経済思想についても、比較しながら学んだ方がよいと思いますので、
池上彰さんの『池上彰のやさしい経済学』を本書の次に読まれることをオススメします。

主要な経済学者・経済思想の信奉者たちは、
自身が信奉する経済思想の利点と、それに反する経済思想の欠点を比較して、
自身が進歩する経済思想が正しい、といったおよそ科学とは思えないことをよくやっていますので、
(特に、ケインズ信奉者がミルトン・フリードマンを攻撃するときに目立ちます)
特定の経済学者・経済思想とは縁の無い人が解説した本が役に立ちます。


そのうえで、
アダム・スミス、カール・マルクス、フリードリヒ・ハイエク、ジョン・メイナード・ケインズ・ミルトン・フリードマンなど、
を読まれると理解が進むと思います。
それも、できれば本人の著した本がよいと思います。
なぜならそれらの信奉者たちが書いた本は、本人の思想とはズレていることが少なくないからです。


更に、複雑な経済現象を単純化せずに複雑なまま捉えようとする、複雑系経済学も発展しつつあります。
これまでの経済学は、複雑な経済現象の流れの断片を切り取って分析しようとするもののようですが、
複雑系経済学では、その流れそのものを分析しようとするもののようです。
複雑系経済学を学ぶためには、以下の書籍が有益だと思います。

・デイヴィッド・オレル『なぜ経済予測は間違えるのか?
・W・ブライアン・アーサー『収益逓増と経路依存

  1. 2012/06/30(土) 09:41:54|
  2. 経済学
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幸福論/ヒルティ



★★★★

教条主義的な幸福論

結論からいえば、
キリスト教(多分カトリック)とストア哲学の教えを守れば幸福になれる、
というものだと思います。

従って、内容を冷静に理解するためには、
キリスト教や宗教そのもの(宗教の意義、主要宗教の教義、宗教間の相違点など)
についての基礎的な知識が必要になると思います。

また、文体が、
本書の内容を疑問を持たずに実践せよといった、教条主義的な上から目線のものに思えます。
これは本書のベースがキリスト教であり、キリスト教は一神教であり、
一神教の信者は神の命令に疑問をはさまず従うことで自由を得られる、というものですから、
当然のことだと思います。

ですので、
宗教についてのアレルギーのある方や、上から目線が嫌いな方は、
読まないほうがいいと思います。
私もこれに当てはまりますので、★を一つ減らしました。


なお、本書が主張している内容は、老荘思想や大乗仏教とかなり似ているところがあります。
これは洋の東西で幸福について同じような結論がでていることをあらわしていますので、
本書の内容自体は信じてよいのではないか、と思います。


あと、三大幸福論の中での比較においては、
ラッセルの幸福論と比べると、あまり論理的ではありません。個人的にはラッセルの方が馴染みます。
アランの幸福論ままだ読んでいませんので、読み終わり次第、追記したいと思います。

※追記(2012/7/8)
アランの『幸福論』を読みました。
アランは散文形式で書かれています。
文学的にも優れているようですが、そちらの見識が私に無いので、よくわかりません。
ただ、散文の内に最新の人間についての科学が見えます。
簡潔であり、文学的にも優れ、科学的にも齟齬が無いという点から、アランの方が好きです。
  1. 2012/06/25(月) 14:31:27|
  2. 西洋思想・哲学
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ラッセル幸福論/バートランド・ラッセル



★★★★★

幸福に関する古典にして最先端の思想

NHKで「アランの幸福論」についての番組を観て、
三大幸福論というものが世の中にあることを初めて知り、
本書を手に取りました。
(ちなみに最初にアランでなくラッセルを手に取ったのは、たまたまです)

今から80年以上も前に書かれた、いわば古典と言えるほどの書物ですが、
書かれている内容は、現在でも通用するものばかりだと言えます。
それどころか、未だ黎明期である幸福に関する心理学や脳科学が導き出した知見よりも、
はるかに広く、かつ深く、人間の不幸・幸福とその原因や対処方法が書かれています。

これまで、マズロー、チクセントミハイ、セリグマン等の、
幸福を扱った学者の書籍をそれなりに読んできましたが、
それらをもってしても、本書一冊には及ばないと思いました。

また、かなりロジカルに書かれていますので、体系的に理解したい方には相応しいと思います。
ちなみに訳者の解説では、三大幸福論の特徴は以下のとおりであるようです。
ラッセルの幸福論(本書):合理的・実用主義的
アランの幸福論:文学的・哲学的
ヒルティの幸福論:宗教的・道徳的
アランもヒルティもまだ読んでいませんが、読むのが楽しみです。

一読しただけでは本書の内容やメッセージを完全に理解したとは思えませんが、
どの章をとっても、多かれ少なかれ自分自身に当てはまることばかりでしたので、
何度も読み返しながら、少しずつ自らに照らしつつ理解・実践していければいいな、と思います。

また、生命科学の最先端の技術・知見を駆使して、
本書の内容が科学的に検証されることを期待したいと思います。
そうなれば、本書の内容が思想から科学になりますので、より上手く活かされると思います。

ちなみに、本書の原題は「幸福の獲得」です。
つまり、幸福は自然と与えられるものではなく、自らの意思で獲得すべきものだということなんだと思います。
本書のなかでも、自らの精神をコントロールすることの重要性が説かれています。

なお、表紙の文章や、訳者の解説は、読み進めるための参考にはなりますが、
ラッセルのメッセージの一部分のみをとって強調している印象がありますので、
あくまでも参考程度に留めることをおすすめします。
  1. 2012/06/24(日) 14:47:56|
  2. 西洋思想・哲学
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喜びはどれほど深い?/ポール・ブルーム



★★★

「喜び」についての最先端の心理学

本書は、人間が抱く様々な「喜び」について、
その裏には、この世の森羅万象には、人間が見た目ではわからない本質が宿っていること、
その本質を追求することが「喜び」の根源である、という説を、
最新の実験や理論を含め、様々な角度からの心理学的な知見を紹介することで、紹介しています。

心理学にしても脳科学にしても「喜び」についての研究は、「恐れ」「疾患」の研究と比べると少ないですので、
このような本が出版されること自体に価値はあると思います。

ただ、ふんだんに知見を盛り込んでいますので、核となる結論があまり見えてきません。
本書でも登場する、スティーブン・ピンカーやリチャード・ドーキンスのような切れ味がないように思えます。
「喜び」についての研究が黎明期であるからか、
切れ味の良い書籍が結論ありきだからか、
著者の文章構成力が今ひとつなのか、
私の読解力が足りないからか、
理由はわかりませんが、「これだ!」というものが見つけられませんでした。

「喜び」についての様々な知見を知りたいと思われる方々にとっては良い本だと思いますが、
骨太の結論を苦労せずに知りたいと思われる方々にはおすすめできません。
  1. 2012/06/08(金) 14:50:34|
  2. 進化心理学
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マンガ老荘3000年の知恵/蔡志忠・野末陳平・和田武司



★★★★★

こちらもわかりやすいです

先日、「マンガ老荘の思想」を読んでとてもわかり易かったので、続編である本書を手に取りました。
本書では、「老子道徳経」全文をマンガ・セリフ・読み下し文・解説でもって紹介しているとのことです。

「マンガ老荘の思想」では「老子道徳経」は主要な項目を抜粋して説明していましたので、
本書を読むことで「老子道徳経」すべてをインプットできるようになります。

老子にしても荘子にしても、読めば読むほど、その思想の深さを感じざるを得ません。
理解することも、ましてや実践することも容易ではないと思わされます。
荘子の説明の中にもありましたが、一歩一歩理解し、実践していけたらいいな、と思います。

ちなみに、仏教が中国で受け入れられたのは老荘思想があったからだと、何かの本で読んだことがあります。
ひろさちやさんの仏教解説書も読み始めていますが、仏教と老荘思想はかなり近い関係にあるような気がしています。

  1. 2012/06/07(木) 11:00:02|
  2. 東洋思想・哲学
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プロフィール

I am that I am.

Author:I am that I am.
誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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