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Rising Sun

Author:Rising Sun
日本を愛するリヴァタリアン
倉山塾生・江崎塾生

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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からだの一日/ジェニファー・アッカーマン



★★★

人体の取扱概要説明書

本書は、人体の様々な機能についての最新知見を、幅広くかつ数多く紹介しています。
その分、一つ一つの知見については、ツボは押さえつつも、奥深さは犠牲にしていると思います。

取り上げられているトピックとしては、
・体内時計によって体が支配されていること
・睡眠と覚醒サイクルには個人差(朝方・夜型)があること
・脳はシングルタスク向きにデザインされていること(マルチタスクは不得手)
・日中の時間帯別に能率差があること
・ヒトは体内微生物と共生しなければ生きていけないこと
・腸は第二の脳といわれ、脳からの指示なしで機能していること
・代謝には個人差があること
・午後に睡魔が訪れることと、昼寝をすることが重要であること
・疲労が未だ科学的に理解されていないこと
・慢性的なストレスが脳・身体・遺伝子に悪影響を及ぼすことと、ストレス解消法(瞑想・音楽・社会的絆・笑い)
(不安や恐怖の詳しい研究は本書でも引用されている、ジョセフ・ルドゥーの『エモーショナル・ブレイン』を参照)
・有酸素運動はストレスや不安を取り除く最良の方法。運動によって適した時間帯があること
・運動は代謝だけでなく脳の能力も上げること。学習力と記憶力が強化され、認知症の予防につながる
(運動効果の詳細は本書でも引用されている、ジョン・J・レイティ等の『脳を鍛えるには運動しかない!』を参照)
・笑いが血管の健康に与える好影響は有酸素運動に匹敵すること
・アルコールの代謝率は1日のうちの時間帯でことなること
・男女間の評価や魅力に関する限り、嗅覚は視覚や聴覚と同等に重要な要因であること
・男女間で認知処理方法に差があること
・風邪を治療する薬はまだないこと
・多くの病気は生物リズムの影響下にあること(症状が大きく日内変動する)
・同じ量の薬を服用しても体は時間帯によって異なる反応を示すこと
・健康管理のうえでは、食事・運動・遺伝ですら重要性において睡眠には及ばないかもしれないこと
・睡眠は5つの段階を繰り返すこと。各段階で脳波・体温・生化学・筋肉・感覚活動・思考・意識レベルが変化すること
・運動や自然光を浴びることが質の良い睡眠につながること。逆に酒は質の悪い睡眠につながること
・睡眠不足は集中力・動機・知覚の欠陥を促し、体の免疫反応を低下させ、基本的代謝機能を損なうこと
・脳は睡眠によって自己修復すること
・新しいことを学ぶためには、学ぶ前にも学んだ後にも十分な睡眠が必要であること。但し「睡眠学習」は効果がないこと
・脳は睡眠中に、記憶を新しいものから恒久的なものに変える過程でシャッフルすることで、新たな洞察を生みだすこと
・老化によって体内時計のリズムが狂ってくること。老人が若者より寝るのも起きるのも早いのはこれが原因であること
・睡眠を一度にまとめてとる習慣は現代生活の所産であるということ
・人工の光がヒトの体内時計を狂わせていること。夜間に人工光を浴びると健康面での問題が生じること
・長距離フライトに5年間従事すると、記憶力や認知能力に問題が生じること。交代勤務でも同様に問題が生じること
・徹夜や不規則な夜勤は、労働者への悪影響が引き金になって事故を起こしやすくなること
などを始めとして数多く散りばめられており、トピックごとに最新の研究で得られた知見が並べられています。

例えば、日中の時間帯別の能率差については、以下のようなことが挙げられていました。
・脳の中には体をコントロールしている時計があり、概日リズムと呼ばれている
(概日リズム:サーカディアンリズムのこと。本書内ではこちらの語源だけが記されていましたので付記しました)
・概日リズムには年齢差や個人差があり、遺伝子が関係しているらしい
・概日リズムによって、一日のうちでも脳機能の活動水準が変化する


個々のトピックについて基本的なことから解説しているのは良いのですが、理解するうえで本書は以下の難点があります。

・一日の始まりから終わりまでという順序で章立てされおり、人体機能を体系的に理解するのには苦労すると思います。
(ある人体機能が複数の章にまたがってちらばっています。また同じ章内で別機能が並んでいたりもします)
・章内で異なるトピックに移る際、見出しもなく突然異なるトピックが始まりますので、頭の切り替えに疲れると思います。
・余談が多く、科学的な要点だけを知りたいという方にとっては、無駄な情報が結構あるな、と思われるかもしれません。
・文章が構造的ではありませんので、一読するだけでトピックのポイントを掴むのにも苦労すると思います。
・逆に、この類の書籍をかなり読まれている方にとっては、冗長だと思われるかもしれません。

従って、プレゼンテーションという観点からすれば本書は落第です。
取り扱っているトピックそのものは興味深いものが多いだけに残念です。

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