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Rising Sun

Author:Rising Sun
日本を愛するリヴァタリアン
倉山塾生・江崎塾生

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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知性誕生/ジョン・ダンカン



★★★★★

知性について心理学と脳科学を統合した稀有な本

本書は、ヒトの知性について心理学と脳科学を統合しようと試みている稀有な本です。

まず、知性研究の先駆けであるスピアマンの100年程前の研究成果を振り返ることからはじめています。
そのなかでヒトの知性には以下の2種類のものがあること、
 ・一般因子(g):人が何かに取り組むときにどんなことにでも用いているもの
 ・特殊因子(s):特定の能力に特有のもので、他の活動にほどんど、あるいは全く影響しないもの
活動によってはsがほとんど関与しないものからsがほとんどを司るものまで様々なものがあること、
を紹介しています。

そのうえで対象を一般因子(g)に絞り、この1世紀、gの正体が何なのかについてはずっとおぼろげなままだとして、
それは何か、どこでどのように機能しているのかを探求していきます。

ここで脳科学の知見が登場してきます(但し新皮質に特化)。
脳機能はモジュール構造であることを紹介しつつ、特殊因子(s)が存在することを簡単に確認した上で、
これまでの前頭葉損傷患者の研究や、最近のfMRIを使った研究などを踏まえて、
前頭葉内の2箇所と頭頂葉の一部(多重要求回路と命名)が知性の中心である一般因子(g)を司っているとしています。

そして、知性の中心である一般因子(g)は、
人工知能の知見から、思考の構造化された心的プログラムを組み立てることだけであることを示し、
その枠組みを脳の多重要求回路がどのように機能することで処理しているのかを探っていきます。

そこで、多重要求回路の一部が含まれる前頭葉の研究から得られた知見として、
他の脳領域(機能特化)とは異なり、前頭葉は様々な問題解決に集中するために柔軟に活動することを示しています。
(同じ神経細胞が異なる問題・処理に対しても発火するようです)
またその活動のために、前頭葉は様々な感覚、記憶、特殊因子(s)から入力を処理・統合していることを示しています。

一方で、その集中が、知能や理性に制限を生み出すことがあることも示しています(認知バイアスなど)。


なお著者は、本書で提示した自説を信じつつも、異なる結果が将来出てくる可能性があることを否定していません。
(一般因子(g)と様々な課題との間の正の相関の理由について、他の考え方もありうることを示しています)
自説にこだわり他の説を受け入れない科学者(社会科学者に多い?)もいる中で、この姿勢は素晴らしいものだといえます。


これまで何冊か知能についての書籍を読んできましたが、
IQについては脳科学の最新知見と組み合わせて提示されたものはなく、
また何が知能と呼べるのか、知能とIQは同じなのか、
(脳科学の書籍で読んだものには、知能とIQが同じだとしているものはありませんでした)
知能は1つか複数かといった不毛な議論に終始するものがほとんどでした。
(まさか100年前にスピアマンが結論を出していたことなど知りませんでした)
本書を持って知性の研究が完成したわけではないでしょうけれど(著者も最終章を使ってそのように述べています)、
本書を読むことで頭の中がかなりすっきりしました。


あとタイミングのいいことに、著者のインタビューが掲載されていましたので、リンクを張っておきます。
いつ掲載がネット上から消えるかはわかりませんので、リンクできない場合はご容赦ください。

ダイヤモンドオンライン
「頭のいい人とそうでない人の差はどこでつく?」
『知性誕生』の著書で脳科学の権威が語る“インテリジェンス”の正体とその高め方

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