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伝統・科学・世界を知りマネジメントに活かす

日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

グリーン革命 増補改訂版/トーマス・フリードマン



★★★★★

『アメリカらしい』グリーン革命

アル・ゴアの『不都合な真実』以降の調査・研究で、より不都合なデータが続々発見されているようです。
ですので、著者は(私が読んだ類書よりも)かなり危機感を募らせて本書を著しています。

また、著者の前著である『フラット化する世界』と整合がとれるように本書を著しています。


上巻では、

原著のタイトルでもある、地球の温暖化・世界のフラット化・人口の過密化が重なることで、
5つの大きな問題、エネルギー需要と供給・石油独裁主義・気候変動・エネルギー貧困・生物多様性の喪失が、
ティッピング・ポイントを遥かに超えて、地球も人類も未だかつて経験したことがない新しい領域に突入しようとしているとして、
それぞれについて解説しています。

この中では石油独裁主義について紙面を割いているのが『アメリカらしい』と思われるところです。
アメリカ国内で石油を浪費した分の多額の支払いを中東諸国に渡し、そのお金がテロリストに渡りアメリカを攻撃する武器になっている、というものです。

そして、これらの5つの大きな問題に対処するためには、
統合的なアプローチとして、クリーンな電気の創出・エネルギー効率の増大・世界中での家族計画の普及、自然保護の倫理の浸透、既に組み込まれている気候変動への適応準備が必要である、としています。
更に、これらを『革命』といえるだけの重要性・緊急性で取り組むべきだとしています。


下巻では、

上巻で取り組むべきとした統合的なアプローチの中から、クリーンな電気の創出・エネルギー効率の増大・自然保護の倫理の浸透に絞って話を進めています。


クリーンな電気の創出・エネルギー効率の増大については、スマートグリッドの未来像を見せた上で、
これらの危機は大きなビジネスチャンスであると捉えるべきだとしています。
そのうえで、ビジネスを拡大させるためには適切な市場が必要であり、そのためには政府が適切な関与(税制・規制など)をすべきだとしています。
このように捉えることで、市場に人材と資本が入りイノベーションが数多く起き、課題が解決されるとしています。
市場主義・イノベーションという手段で解決しようとするのが『アメリカらしい』といえます。

自然保護の倫理の浸透については、現地の草の根運動、それらへの様々な支援が必要だとしていますが、
最後は自然を敬うという倫理を浸透させる(教育?)しかないとしています。
このあたりはもっと調査して、体系的・具体的なアプローチを提示してほしいところです。

あとは、アメリカ政府とクリーン・エネルギー反対派への批判と愚痴に終始しています(下巻の1/3ぐらい)。
EUや日本に既に先を越されているうえに、中国にも先を越されそうな状況に、
アメリカ人である著者は我慢がならないようです。

  1. 2011/02/28(月) 07:30:32|
  2. 持続可能性
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地球の法則と選ぶべき未来/ドネラ・メドウズ



★★★★

持続可能な世界を願う力強いメッセージ

本書は、、『成長の限界 人類の選択』の共著者である、ドネラ・メドウズが、
持続可能な世界を願って書き下ろした数多くの新聞コラムから抜粋されたものです。

持続可能な世界になるようにと、力強いメッセージが伝わってきます。
ドネラ・メドウズのファンの方には必須アイテムだと思います。

ただ、個人的には『成長の限界 人類の選択』の続編として、 
体系的な戦略を期待して手に取りましたので★1つへらしました。
  1. 2011/02/27(日) 08:48:17|
  2. 持続可能性
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グッド・ニュース/デヴィッド・スズキ



★★★★★

持続可能な社会に向けた草の根活動の事例集

持続可能な社会に向けて、世界の様々な地域において、
その地特有の環境・問題に対して独自のアプローチで解決している事例が数多く盛り込まれています。

持続可能な社会に向けては、政治のリーダーシップによるトップダウンが必須ですが、
政治のリーダーシップを待つまでもなく、自らが進んで解決していくボトムアップアプローチも重要です。
更に、トップダウンでやろうとしても市民のモチベーションがなければ進みませんので、
トップダウンアプローチを進める必要条件としてボトムアップアプローチがあるのだとも思います。

本書は、草の根活動をしている方々や、これから草の根活動をやろうとしている方々にとって、
有益な情報源になるとともに、世界の数多くの地域に仲間がいるという意識をもたせてくれると思います。

また、政治・行政がトップダウンアプローチをする際にも、成功事例として活用できるでしょう。


持続可能な世界を確立するためには、本書に登場する活動だけでは全く足りないのですが、
それでもこのような活動が数多くなされていることには勇気付けられるのではないでしょうか。
  1. 2011/02/26(土) 10:34:14|
  2. 持続可能性
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プランB 4.0/レスター・ブラウン



★★★★★

持続可能な世界に向けたトータル・ソリューション

世界が現状のままで進むことをプランAとし、これは持続不可能であると断言し、代替策としてプランBを提唱しています。

現状のまま進むと、人口の過剰、農地と水の不足、気候の温暖化などの問題が重大な危機をもたらすことになり、
これらを回避することが必要であるとしています。


そのうえで、プランBとして以下の4つの目標を提示しています。

・2020年までに二酸化炭素の正味排出量を80%削減
・人口を80億人以下で安定
・貧困の解消
・地球の自然システムの修復(土壌、地下水、森林、草地、漁場など

そして、これらの目標は相互に繋がっており、目標の一つでも達成できなければ、他の目標も達成できなくなるとして、総合的な実践を提唱しています。

また、これらの目標達成の具体的方策とそれに必要なコストも提示しています。
コストは毎年1870億ドルと決して安価ではないのですが、著者は世界の軍事予算(1兆4640億ドル)と対比させ、
世界の軍事予算の13%をこれらの目標に回せばよい、としています。


著者はワールドウォッチ研究所を創設した方です。
そのような方であるからこそ、地球で起きている問題を見渡し、そのうえで総合的な解決アプローチを提唱できるのだな、と思いました。

アル・ゴアの『私たちの選択』も様々な視点で解決策を提示していますが、本書の方がより包括的だといえます。
また、ドネラ&デニス・メドウズの『成長の限界 人類の選択』よりも解決策を明確に提示しているといえます。
  1. 2011/02/25(金) 08:37:52|
  2. 持続可能性
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成長の限界 人類の選択/デニス・メドウズ、ドネラ・メドウズ



★★★★★

持続可能な発展へのシミュレーション

本書は、「ワールド3」という地球環境シミュレーションプログラムを元に、様々な将来シナリオを提示し、
人類が持続可能な発展を続けるためになすべきことを提示しています。

浪費を抑え、資源効率を高め、技術革新を行わなければ、持続可能な発展はないと述べています。

そして、現在は持続可能な発展のための適切なフィードバックループがないだけでなく(炭素税など)、
持続可能な発展を阻むフィードバックループがある(化石燃料への補助金など)ことから、
経済・社会・政治のシステム構造そのものを変革する必要があると述べています。


「ワールド3」そのものの信頼性がどれほどのものなのかがわかりませんので、
提示されている各種のシナリオや提言がどれほどの真実味があるのかもわかりません。
しかし、未来を想像して現在の行動に反映させるためには、このようなスタディは必要なものであり、
「ワールド3」そのものに対して、予測と現実の対比を踏まえて適切にフィードバックをかけ、
精緻化を進めることでより役立つ情報が得られるでしょう。

なお、本書をわかりやすく要約したものに『地球のなおし方』があります。
手軽に情報を得たい方には、こちらの本をお勧めします。
但し、内容としてはほとんど同じですので、両方買う必要はないと思います。
  1. 2011/02/23(水) 11:27:28|
  2. 持続可能性
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

地球のなおし方/デニス・メドウズ、ドネラ・メドウズ



★★★★★

持続可能な発展へのシミュレーション

本書は、「ワールド3」という地球環境シミュレーションプログラムを元に、様々な将来シナリオを提示し、
人類が持続可能な発展を続けるためになすべきことを提示しています。

浪費を抑え、資源効率を高め、技術革新を行わなければ、持続可能な発展はないと述べています。

そして、現在は持続可能な発展のための適切なフィードバックループがないだけでなく(炭素税など)、
持続可能な発展を阻むフィードバックループがある(化石燃料への補助金など)ことから、
経済・社会・政治のシステム構造そのものを変革する必要があると述べています。


「ワールド3」そのものの信頼性がどれほどのものなのかがわかりませんので、
提示されている各種のシナリオや提言がどれほどの真実味があるのかもわかりません。
しかし、未来を想像して現在の行動に反映させるためには、このようなスタディは必要なものであり、
「ワールド3」そのものに対して、予測と現実の対比を踏まえて適切にフィードバックをかけ、
精緻化を進めることでより役立つ情報が得られるでしょう。

なお、本書は、著者の『成長の限界 人類の選択』をわかりやすく要約したものです。
更に詳しい情報を得たい方には、こちらの本をお勧めします。
但し、内容としてはほとんど同じですので、両方買う必要はないと思います。
  1. 2011/02/22(火) 09:43:24|
  2. 持続可能性
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  4. | コメント:0

繁栄(上・下巻)/マット・リドレー



★★★

合理的な楽観主義に基づく人の文明進化の解説

人類のこれまでの文明進化は交易などによるアイデアの生殖であるとして、
古い時代から現代までの様々なイベントを提示して証明しようとしています。

著者はこれまで人類と他の生命体との類似点を解説する目的で4冊執筆していますが、
本書はそれらとは異なり、人類特有のものを探し出そうとし、上記結論にたどり着いたようです。

過去から現在までの解説については、
著者のこれまでの著作での知識(遺伝学・進化学)を踏まえた異色の歴史物語となっており、
興味深く読むことができました。


但し、これから問題となってくる地球温暖化・気候変動については、
著者が自身を「合理的な楽観主義者」と宣言していることから、
これまでの文明がアイデアの生殖で反映し続けてきたことや、
これまでの悲観主義者が唱えてきたが起きなかった危機を紹介することで、
かなり楽観的なものとなっています。
一方で、楽観視してよいだけの十分な情報は提供されていません。

持続可能な社会が問われている昨今において、
繁栄がこれからも続くのだろうか?という問いに対する解(仮説でも構わない)が、
本書にとって最も肝心な情報だと思うのですが、解がないので肩透かしをくらったようです。

未来を語らずに現在まででやめておけば、★5つにしたのですが。
  1. 2011/02/17(木) 14:40:21|
  2. 持続可能性
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

プロフィール

I am that I am.

Author:I am that I am.
誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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