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伝統・科学・世界を知りマネジメントに活かす

日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

HRスコアカード/ブライアン・E. ベッカー等





肝心なことが書かれていない

HRスコアカードの経営における意義・重要性については書かれており、頷けるものはありました。

ただし、実際のHRスコアカードの体系・項目といった具体的な中身については、冒頭の意義・重要性を反映しているとは思えず、表層的なものに留まっていると言わざるを得ません。

また、全般的に文章が構造化されておらず、個々の解説においても濃淡が明確でなく、著者らが述べたいことを脈絡なく述べているだけであり、何が重要なのか、それは何故か、が全く伝わってきません。

更に、邦訳がまともな日本語になっていないため、非常に読みづらいものとなっています。

とても実務に活用できるものではありません。

  1. 2009/11/26(木) 11:26:50|
  2. 人事
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カオティクス/フィリップ・コトラー等



★★

期待はずれ

市場がカオスであることの提言、カオスの状況の解説そのものは頷けるものが多いです。これについては現在の市場を俯瞰する上で役には立ちます。

しかし、ではカオス下で如何なるマネジメントが効果的なのか、という点については全くお粗末な内容しか提示されていません。まともなマネジメント書籍であれば既に提示されているものばかりです。読む価値はありません。

現在の市場は複雑系科学の知見を借りなければ紐解けないことは最近言われていますので、複雑系をベースとした体系的なマネジメント書籍を探していましたし、ドラッカー等の先人の延長線上に本書を書いているという本文中の触れ込みがありましたので読んでは見たのですが、全くの期待はずれでした。


ドラッカーの『乱気流時代の経営』原著初版1980年や『イノベーションと企業家精神』原著初版1985年をじっくりと読んだほうがはるかに役に立ちます。

ドラッカーのこれらの書籍から20年以上経ったあとで書かれた本書ですが、ドラッカーほどの知見はなく、かえってドラッカーの凄さを再確認させてくれる程度のものでした。


  1. 2009/11/22(日) 18:46:22|
  2. 複雑系のマネジメント
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MBAの人材戦略/デーヴ・ウルリヒ



★★★★★

人材マネジメントを役割&成果から体系的に解説した稀有な本

人材マネジメントについて解説した本は数多くありますが、それらのほとんどは既存の人事機能(配置・育成・評価・報酬・組織・コミュニケーション)における作業・ツールの解説を断片的に行っているものがほとんどです(それらはそれらで役に立つのですが)。

しかし、本書は人材マネジメントを企業経営を成功させるための役割や成果という観点から体系的に解説しようと試みている稀有なものです。

経営環境の大きな変化を俯瞰したうえで、人材マネジメントの役割と成果を、戦略VS運営軸、プロセスVS人材軸を用いて4つに分類し(戦略的人材経営のマネジメント、トランスフォーメーションと変革のマネジメント、企業のインフラストラクチャーのマネジメント、従業員からの貢献のマネジメント)、それぞれについて事例を紹介しながら解説しています。

更に、これらの役割と成果を推進するための人事部門の3つの要件(戦略的HRM、HRM戦略、HRM組織)についても解説しています。

原著初版から10年以上経過しているのですが、個別事例の紹介を除いて全く古さは感じさせません。むしろ10年以上経過しているにも拘らず、本書で解説されているような企業経営に価値ある貢献をしている人事部門はほどんど見受けられません。


環境が変化し、景気が悪化し、企業業績が落ち込む度にコストカット中心の人事思索が強固になっている昨今ほど、本書で解説されている原理原則(役割と成果)に立ち戻った人材マネジメントを重視すべきだと思います。

人材マネジメントに携わる方にとっては最初に読むと有益な本だと思います。また、個別の作業・ツールについての書籍を読む際に、それらが全体のどこに位置づけられるのか、を本書に求めるのも効果的だと思います。


なお、本書は人材マネジメントの体系化を試みてはいますが、構造的に脆弱なところも幾つか見受けられますし、文章も冗長なところが目立ちますので、決して読みやすいものではありません。

また、参考文献が掲載されていません(原著からなのか、邦訳でなのかはわかりませんが)。これだけの内容の書籍ですので、様々な文献が参照されているはずであり、それらも紐解いていくことでより理解が深まると思うだけに、残念です。

更に、とにかく邦訳がひどいですのでかなり疲れます。本書の価値を相当下げていることは間違いありません。

ただ、本書の内容そのものの価値が高く稀有であることから、★は減らしていません。



  1. 2009/11/18(水) 20:11:36|
  2. 戦略的人事
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経営の未来/ゲイリー・ハメル



★★★

新たなマネジメントの提言

20世紀前半に工業社会を前提として効率化を最優先したマネジメントのあり方が現在の世の中では限界を呈しているとして、新たなマネジメントのあり方を提言した本です。

生命進化の多様性、市場の効率性、民主主義の有益性、などを引き合いに出しつつ、またこれまでとは原則を異にする事例を紹介しつつ、イノベーションを誘発し続けられるようなマネジメントができるよう、マネジメントをイノベーションすべきだとしています。

また、これまで様々な議論がされてきたマネジメント手法の変革は、あくまでもこれまでのマネジメント手法の一部についての変革であり、今求められているのは原理原則からマネジメントを変革することであり、破壊的なマネジメントのイノベーションが必要である、としています。


著者が提言している方向については理解できますし、その方向に行くべきだとは思います。但し、著者が提示している内容そのものが、まだまだ断片的なものに留まっていますので(著者も認めていますが)、説得力に欠けると言わざるを得ません。

例えば、著者の提言に適う企業のマネジメント事例がいくつも紹介されていますが、同じ手法を採用している企業で失敗しているところがあるのかどうか、については全く解説されていません。これでは新たなマネジメントが成功要因になり得るのかどうかがわかりません。

また、著者の提言が、さも全く新しいものであるかのように紹介されていますが、個別事例の斬新さを除けば、提言している内容のほとんどは、ドラッカーが30年以上前に提言しているものと何ら変わりません。しかもドラッカーの提言の方が体系的です(『マネジメント』参照)。


なお、この著者は特段新しくもないものでも、クローズアップして斬新なタイトルを付けて提言することが得意なようですので、冷静に読む必要があると思います(『コア・コンピタンス経営』参照)。マーケティングが上手いんでしょうね。
とはいえ、既存のマネジメント体系の中で大事なものを再認識させてくれるという点においては有益ではあります。


ただ、著者の提言の方向性そのものは適切でしょうし、著者の提言に類するものは最近色々出てきていますので、知識のインプットそのものは有益だと思います。

この方向性と同じ提言をしているもので、マネジメントの外の世界からのものでは、以下の書籍が参考になります。

マーガレット・J・ウィートリー『リーダーシップとニューサイエンス』
  1. 2009/11/14(土) 09:25:34|
  2. 複雑系のマネジメント
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手ごわい問題は、対話で解決する/アダム・カヘン



★★★★★

「対話」による可能性の追求

あまりにも複雑で、一筋縄では解決できない問題について、その全体像を把握する、解決の可能性を検討する必要がある場合に有益な方法としての「対話」の在り方を紹介しています。


原因と結果が明確でないという複雑性、未来が予測できない(過去の知見が適用できない)という複雑性、関係者の立場・利害が一致しないという複雑性、これらが高い場合には、トップダウンでの命令、所謂有識者の知見では解決することはできない、として「対話」を活用する必要があるとしています。

そして「対話」において重要なのは、人間の本性としての怒り・恐れを認めたうえで、それらを発現させないようなリラックスできる環境を整備することが先ず求められるとのことです。
そのうえで、互いが問題の構造の発見、問題構造の解決可能性の探究、様々な解決代替案の作成を促進していけるようなファシリテーションが必要であるとのことです。
そのためのには人々の「話す」「聴く」方法の変換が重要であるとし、新たな可能性を見出すことを目的とした「話し方」「聴き方」を重視・活用していくことがカギであるとしています。

「対話」のための「話し方」「聴き方」については、実際の国際・国内紛争での著者の成功体験や失敗体験を盛り込みつつ、重要なポイントを提示しています。


「話し方」「聴き方」の個別具体的なテクニックについてはほとんど紹介されていません。またそれらを促すためのファシリテーションのテクニックについてもほとんど紹介されていません。あくまでも著者の豊富な体験に基づく「対話」の在り方についての解説本です。

ですので、テクニックは他の書籍で習得する必要があります。

とはいえ、「対話」の在り方、「話し方」「聴き方」のカギについては鮮明に理解することができますので、本書の価値としては高いと思います。


なお、本書での「対話」についての主なメッセージは、イノベーションの推進や人間の多様性の活用に関する理論・知見と同様のものですので、そちらに興味のある方にとっても参考になる部分が多いと思います。

また、参考文献が掲載されていますので、本書内容の背景や、本書で紹介されていないテクニックについて知りたい方にとっては参考になります。
  1. 2009/11/09(月) 09:12:04|
  2. コミュニケーション
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ミラーニューロンの発見/マルコ・イアコボーニ



★★★★★

ミラーニューロンの全貌を平易に解説

ミラーニューロンが物真似細胞だということは他の脳科学・神経科学の書籍を通じて知ってはいましたが、本書を読んでミラーニューロンが人間個人と集団、社会に及ぼす影響の大きさを知ることができました。

例えば、

ミラーニューロンを通じて様々な言動が模倣されていくことで文化が生まれ、その文化をミラーニューロンを通じて更に模倣されていくという、文化形成スパイラルの一翼をミラーニューロンが担っているとのことです。ドーキンスが提唱したミーム(文化遺伝子)とミラーニューロンがここで繋がります。今後はミラーニューロンを介したジーン(遺伝子)とミームの関係についての研究が進んでいくのでしょう。

ミラーニューロンが進化の過程で形成されてきたことから、ミラーニューロンが模倣しやすいのは人間の本性に適ったもののようであり、なんでもかんでも模倣すうわけではないとのことです。従って文化として形成されるものは人間の本性という制約から逃れることは容易ではなさそうです。人間と社会がここで繋がります。今後は文化の要素と人間の本性との関係につての研究が進んでいくのでしょう(最近、集団志向的な文化を持つ国々の国民の多くに特異的な遺伝子の変異が見られたというプレスリリースがありました)。

ミラーニューロンは島という脳領域を経由して感情を司る大脳辺縁系につながっていることから、言動を意識的に認知するより前に、無意識下で情動が呼び起こされるとのことです。ダマシオの仮想身体ループ・ソマティックマーカー仮説とミラーニューロンがここで繋がります。これまで認知科学の領域だけで説明されてきた模倣・学習という人間の能力について、今後は理性と感情の関係がより上手く整理されていくのでしょう。

これら以外にも、ミラーニューロンの研究が進むことによって、関連する様々な学術領域(大小含めて)での知見の再構築がなされる可能性があるようです。

ミラーニューロンの発見が、「生物学におけるDNAの発見に匹敵する」と称されるだけのことはあると思わされます。


また、これらの解説を様々な研究結果・仮説を紹介しながら、かつ最小限の専門用語で行っていますので、読みやすいものとなっています。

なお、原注にて参考文献が記載されていますので、本書を機に更に学習を進めたり、本書の内容を別の角度から検証することも可能です。
  1. 2009/11/06(金) 17:56:41|
  2. 脳科学・神経科学
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事実に基づいた経営/ジェフリー・フェファー、ロバート・I・サットン





装いだけが科学的な危険な本

社会科学系の一般向け学術書によく見受けられる良くないパターンで構成された本です。


良くないパターンはこのようなものです。

・一見すると類書とは異なった本であるように見せかけます。

?他の同業者の書籍について、事実を正しく伝えていない、思想信条をベースに事実を恣意的に選んでいる、質的な情報だけである(インタビューやセッションのみ)、落とし所ありきの統計処理による量的な情報である、などと並べ立てて批判する。そうすることで、この書籍はそうではないんだな、と読者に思わせる。

?そのうえで膨大な知見を賛成・反対併せて引用する。そうすることで、この書籍は科学的・客観的・中立的な情報に基づいて解説しているんだな、と読者に思わせる。

・ただしその中身を注意深く読んでいくと、以下のようなテクニックが使われています。

?著者らの思想信条に沿わない説のネガティブな部分のみを紹介して貶めつつ、一方で著者らの思想信条に沿った説のポジティブな部分のみを紹介して持ち上げることで、思想信条に沿った説を優位に立たせる。

?著者らの思想信条に沿わないが科学的に検証されている説についてはネガティブな表現を使って紹介し、思想信条に沿った科学的に検証されている説については過剰なポジティブさと過剰な解説量を使って紹介することで、思想信条に沿わない知見の印象を極小化する。

?著者らの思想信条に沿わないが科学的に検証されている説が厳然と存在する場合には、本筋とあまり関係のないトピックを相当量挿入して、結論を濁す。または、その説そのものを引用しないことで無視する。


例えば、

第3章:仕事とプライベートは根本的に違うのか?違うべきか?において、ワークライフバランスという問題を解消するには、会社が従業員の家族までも巻き込むべき(面倒をみるということで会社に貢献させるべき)としていますが、以下のように説明が非常に脆弱です。

・ワークとライフを厳格に分離している会社とワークとライフを統合している会社の長期的な業績比較がされていません。分離している会社のデメリットをネガティブな表現で解説し、統合している会社のメリットをポジティブな表現で解説しているだけです。

・個人の嗜好性が全く考慮されていません。分離しているほうが望ましいと思う人もいれば、統合しているほうが望ましいと思う人もいるはずです。自説を押し付けているだけです。

・ワークとライフの分離と統合のいずれが企業・社員の双方にとって有益か、という問いで始まっているものの、最後は道徳レベルでの社会における個人の在り方と会社における個人の在り方が違うのはおかしい、といったかたちでねじ曲がってしまっている。道徳レベルは大事だが、論点は他にもたくさんあるのだが。

企業はリベラル系の全体主義でなければならないという思想信条が見え隠れしています。何を思想信条とするかは自由ですし、企業における課題によっては結果としてこのような思想信条が適切なものもあると思います(選択肢を最初から除外するのはもったいないですから)。ただし、巧妙な解説手法でこのような思想信条に誘導するのは「事実に基づいた」ものではありません。


第4章:業績の良い会社には優秀な人材がいる?において、才能は後天的にどれだけでも伸ばすことができる、とされていますが、少なくとも現時点での才能についての科学的な知見は以下のものです(将来的に更新されることはあるでしょうが)

・知能の個人差の半分程度(要素により差あり)は遺伝子が決めている(残りは独自環境)。
・知能については上限が遺伝子で決められており、環境によって上限を限度として発現する。
・個性の内、気質と呼ばれる部分についてはほぼ遺伝子が決めている。

本書で述べられているように、才能をフルに開花させるには環境・努力が必要なのは言うまでもありませんが、上述した科学的な知見は一切引用されていません(ただし、この部分を追及されても言い逃れできるようなコメントは上記パターンを上手く使ってしっかりと本文に掲載してはいますが)。

また、同章では、人の才能よりも企業のシステム(組織・業務・制度など)が重要だとしていますが、これは優秀な人材がいるのか?というテーマからは外れていますし、優れたシステムを作り出すためには優秀な人材が必要であることについては全く言及されていません。


第5章:金銭的インセンティブは会社の業績を上げるか?にいたっては金銭的インセンティブか非金銭的インセンティブかというレベルの低い二者択一の論調に終始しています。

そして、金銭的インセンティブのデメリットと、非金銭的インセンティブのメリットを比較するという全く作為的な展開をしたうえで、非金銭的インセンティブが良いんだと強引に結論づけています。

更に金銭的インセンティブの例として、それらの弊害(確かにあります)が軽減・改善される前の酷いレベルのもののみを引用しており、改善を重ねた効果的な仕組みについては何ら紹介されていません。

また、大手人事コンサルティングファームの提供している人事制度について、金銭的インセンティブに終始していると攻撃しています。確かにその風潮自体はあります(日本でも)が、本書の解説はそれとは主旨だけ異なるものの、レベルとしては同程度のものだといえます。

少なくとも人材マネジメント領域においては、知見の使い方も含めて学生の論文レベルの低さだといわざるを得ません。


このような方法で本書は展開されていきます。したがって、本書で引用された全ての知見を使って全く逆の展開・結論をつくることもできます。「事実に基づいた」解釈に基づいた書籍です。

「事実に基づいた経営」が正しい道を拓く、との本書のメッセージは、本書の展開そのものによって著者ら自らが打ち消したといえるでしょう。

最近、巧妙に仕組まれた一見科学的な書籍が増えているように思えます(ビジネス書だけではありませんが)ので、お気をつけください。私がこれまで読んだ本の中では以下のようなものがあります。国内外問わず、またどの分野でもこのような本はあるようです。

なぜビジネス書は間違うのか/フィル・ローゼンツワイグ(経営学)
虚妄の成果主義/高橋伸夫(経営学)
経済幻想/エマニュエル・トッド(経済学)
進化と経済学/ジェフリー・M・ホジソン(経済学)
増補ケインズとハイエク(経済学)
IQってホントは何なんだ?/村上 宣寛(心理学)
遺伝子神話の崩壊/ディヴィッド・S・ムーア(生物学)


とはいえ、現実の経済・社会においては、確かな事実を見つけるのは容易ではありません。人の観点の数だけ事実があるといってもよいでしょうし、事実と言われているもののかなりのものが単なる現象です。なにせ学術の世界でも再現性のある経済モデル・社会モデルが打ち出されていませんので。

ですので「事実に基づいた経営」が如何に理論的に重要なことであっても、それを実現するのは容易なことではなく、かつそれを追求することが正しいとも言い切れないと思います。

それよりも、ある現象に対して多様な観点・解釈を重視・駆使することで物事を見極めたり、正反対の知見があることを前提として自社にとっては何が重要なのかを議論したり、既に検証済みの科学的知見を探し出したり、複数の学術領域を横断して知見を探し出したり、するほうが現実的かつ効果的だと思います。

結論としては、「経営は事実に基づいているか」という問い自体が適切でない、ということです。
このあたりについては、ドラッカーが深い洞察に基づいて解説をしていますので、そちらを確認されるといいでしょう。科学的な装いをした危険な経営学への警鐘もしています。
  1. 2009/11/04(水) 17:46:48|
  2. マネジメント
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慮る力/岡本 呻也



★★

ビジネス雑誌記事レベルの本

EQのフレームを使って整理してはいるものの、基本的にはビジネス雑誌に掲載されているレベルの深さの記事を羅列しただけの本です。
ですので「慮る力」についての体系化された理論や、科学的な裏付けを学びたい方にとっては物足りないレベルであることは間違いないでしょう。

また本書では「慮る力」を顧客対応全般とかなり広く定義していますので(それはそれでいいのですが)、内容が薄く広いものになっています。
ですので、マーケティングにおける顧客ニーズの深い把握、接客サービスにおける良質なホスピタリティ、といった個別テーマを深く学びたい方にとっては物足りないレベルであることは間違いないでしょう。

一方で様々な業界での事例を広く浅くいろいろと知りたいという方にとっては参考になる情報だと思います(本書の内容を一通り知ったからといって実務に活用できるとは思えませんが)。


ただし、明らかに心理操作で顧客を動かそうとしている事例も含まれていること、著者による整理&提言の仕方が総花的であること、参考資料として掲示されているものが見にくいこと、日本国内の事例しか掲載されていないこと、「慮る力」を如何に習得することができるか、またそれらは誰にでも習得できるのか否かについての言及がないこと、などから本書のスタンスそのものに読者への「慮る力」が欠けているように思えます。

「慮る力」についてしっかりと習得されたい方は、この力を差別化・競争優位の要件として努力している企業についての良質の紹介本を何冊か読まれた方がよいでしょう。
  1. 2009/11/03(火) 15:29:13|
  2. ホスピタリティ
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プロフィール

I am that I am.

Author:I am that I am.
誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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