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Rising Sun

Author:Rising Sun
日本を愛するリヴァタリアン
倉山塾生・江崎塾生

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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世界は感情で動く/ マッテオ・モッテルリーニ



★★★★

人間の本性をわかりやすく解説

前作同様、人間の本性を世の中の出来事と関連付けながらわかりやすく解説しています。また、キーワード解説もついており、本文のストーリーとのバランスもいいと思います。

さらに脳科学・神経科学の発展に歩調を合わせ、この領域の知見を(全てにではないですが)取り込んで解説していますので、より人間の本性を明らかに見せてくれます。

例えば、快と不快は、よく同一直線上の対極に置かれたりしますが、各々の発生元となる脳の領域が異なることがわかると、同一直線上の対極に置くのではなく(別々のものですので)、2軸のマトリクスに置く必要があるということがわかってきます。


心理学の知見によって、これまでの経済学に大幅な見直しを要求しているところは前作と同様ですが、脳科学・神経科学の知見によって、これまでの心理学にも見直しを要求しているところもあります。

心理学をブリッジとして当面活用しながらも、いずれ経済学と脳科学・神経科学が融合する(既に神経経済学という領域が生まれていますが)ことで、より世の中の捉え方が適切に(但し複雑なものにはなるでしょうが)なっていくことでしょう。


但し、これらの本性を踏まえて上手く世の中と渡り合っていくためにどうすればよいか、については、多少の解説はしているものの、本書でも述べられているように決して容易ではない、というのが結論です。

すなわち、常に論理的な分析(確率や統計を活用しながら)をし、またその時々の自分自身の感情を見つめ、本書で述べられている本性が姿を現しているかどうかを確認したうえで、適切な判断をしましょう、というのが解決策なのですが、なかなかできるものではないでしょう。

ただ、認知科学オンリー(感情を取り扱わないということ)の学者・著書とは異なり、これが非常に難しいことだと著者は認識していますので、まだ許容できるものだと思います。


前作「経済は感情で動く」やダニエル・ギルバートの「幸せはいつもちょっと先にある」などを併せて読むと、より人間の本性がわかるようになると思います。何れの著書もわかりやすく解説(但し、決して内容に手を抜いていません)していますので。


影響力のマネジメント/ジェフリー・フェファー



★★★★★

パワーを適切に行使するために

最近のリーダーシップ論やチーム・組織運営論は、どちらかというとメンバーをモチベートさせながら、またコーチング・カウンセリングしながら、その気にさせて仕事をしてもらうタイプのものや、参画、民主主義的なアプローチのものが増えてきています。

これらについては、権力や圧力だけでは人は動かず、また動かしたとしてもメンバーの能力を最大限に発揮されないという、過去の反省・反動から来ているものであり、また有効な手法であることは間違いないと思います。

ただ、これらがあまりにも主張されるために、権力や圧力が必要な場合でも活用しないという状況が生じているようであり、本書はそのことに警告を発しつつ、適切なパワーの使い方や、パワーの影響、発生から消滅までの流れを解説しています。

変革において、ソフトアプローチとハードアプローチの両方を上手く活用しながら進めていくことの必要性を再考させてくれる本です。

また、参考文献も豊富に掲載されており、更に学習を進める際には参考になります。

Xチーム/デボラ・アンコナ等



★★★★

ステークホルダー経営のチーム版

様々な変革プロジェクトなどでチームを上手く率いるために「チームビルディング」が重視されていますが、それを内向きに捉えすぎないように、チームはあくまでも外部との関係で成り立ち、成果は外部が価値を見出すのですよ、と警告している本です。

チームビルディングそのものもそれほど簡単ではないため、とかくチームメンバーの一体感を醸成することをリーダーは重視するのは仕方がないことですが、それが外部とのバランスを欠くとチームの目的を果たせなくなる、ということです。

述べられている主旨は、内向きに固まらずに外部のステークホルダーの利害を踏まえて経営しましょうという、ステークホルダー経営のチーム版であり、それほど新たな機軸が出ているわけではありません。

但し、どんな集団も、とかく内向きになりがちですので、本書の警告は十分に認識しておいたほうがよいと思います。

また、内向きになりすぎないような処方箋も体系的に述べられていますので、参考になると思います。

フロー体験とグッドビジネス/M・チクセントミハイ



★★

フロー理論、ビジネスへの応用、何れも新規性はない

チクセントミハイがビジネスを語るという本なので期待しましたが、フロー理論そのものも「フロー体験 喜びの現象学」から発展しているわけではなく、またフロー理論のビジネスへの応用についても、人間を重視したマネジメント類似本を超えるような新規性や新たな発見はありません。

フロー理論を学習されたい方には「フロー体験 喜びの現象学」を読まれたほうがよいでしょう。
また人間を重視したマネジメントのあり方については、ドラッカーの書籍を読まれたほうがよいでしょう。

人間が組織で仕事をするということ、についてある程度学習されている方にとっては、それほど有益な情報はないと思います。


また、参考文献ですが、邦訳されているものが幾つもあるにも拘らず、全て英語表記のままです。

更に、注釈がついているのですが、本文中にリファレンスがありません。

これらは明らかに出版社・訳者の手抜きです。本書を踏まえて更に学習したい方々にとって壁をつくるものです。フロー理論を紹介する書籍がこんなことをしてはいけません。

著者解説(wiki):ミハイ・チクセントミハイ

リーダーになる/ウォレン・ベニス



★★★★★

リーダーになる=自分自身になる

*以下のレビューは初版を読んだ際のものです。増補改訂版については読んだ後に追加でレビューする予定です。


今から20年前に書かれたものとは思えないぐらい、現在の、そしてこれからのリーダー、リーダーシップとして相応しい内容だと思います。

工業社会モデルが限界に達し、組織の危機といわれているようですが、それを見越したように、人間と人間関係を中心とした提言となっています。


特筆すべきは、リーダーになるということは、自分自身になる(自分の価値観・性格・才能を開花させる)ことということを真正面から提唱していることです。

様々なテクニックを紹介、またリーダーとしての要件を抽出した書籍は山のようにあり、それなりに読んできたのですが、どうもやらされ感を抱いていました。リーダー個人の人間としての視点がないのではないかと。また周りからの要請でリーダーに強要しているだけではないかと。

そのような書籍が多い中で、本書はリーダーになる個人そのものに焦点を当て、その個人が人間として成長することがリーダーに繋がると説いています。

よって、優れた自己啓発書で述べられていることと重なるものが多い内容となっています。

更に、自分自身になっている独自性のあるリーダー、その多様性を上手く活かすことで変革やイノベーションも可能になるとしており、これからの組織に必要な課題にもつなげています。

また、リーダーが自分自身になる成長をしていくことで、他の人間に対しても人間としての扱いができるようになり、その人たちをモチベートさせながら成長させていくことができるとしています。

そして、これらの中心にある営みが学習であり、学習する個人・学習する組織といった、これから求められる組織文化の原動力としても繋がっていきます。


本書で取り上げられている上記の内容については、幅広い視野、深い洞察、豊富な実戦経験、心理学をはじめとした人間に関する科学知見を踏まえたリーダー論を提唱していますので、安心して読むことができます。

その上で、理屈に終始するのではなく、実際の事例を豊富に紹介し、わかりやすく伝えています。


さすがリーダーシップの大家だけのことはあって、王道を示しているといえます。


個別具体的なテクニックはそれほど書かれていませんが、本書でも述べているようにテクニック紹介本は世の中に氾濫していますので、本書を紐解きながら必要なテクニックはそれらの紹介本で習得すればよいのでしょう。

リーダーシップの書籍としては最高の部類にはいるといえます。

サーバントリーダーシップ/ ロバート・K・グリーンリーフ等



★★★★

give&takeのリーダーシップ

本書が提唱しているリーダーシップを一言で要約すると“give&take”になります。

それをサーバント(奉仕)という言葉を用い、人に奉仕し、それを持って奉仕される関係を自ら積極的に創り出し、それによって互いの追求したいことを成し遂げていくという、ことです。

人間関係という観点からは、特に新しくも珍しくもないのですが、リーダーシップと絡めたことがポイントなのだと思います。


類書はこれまで幾つも出ていましたが、本書を読むことで本来の「サーバント・リーダーシップ」が理解できると思います(類書は本書の提唱する内容と結構違ったりしていますので。例えば、部下にとにかく奉仕せよ、という一方的な内容の本だったり)。


本書は、ピーター・センゲが「これ一冊でよい」と論じたものですが(その後もう一冊増えましたが)、それは人間関係に踏み込んだものであり、彼の提唱する「学習する組織」に上手く繋がるからだと思います。


これまで様々なリーダーシップ関連文献を読んできましたが、マネジメントとの関連では、今後もせめぎあいが続くのだと思います。

マネジメントの全体像を最初に提唱したのが、P.F.ドラッカーですが、彼はマネジメントにはリーダーシップが必須だとしており、特段区別して論じてはいませんでした。

但し、マネジメントがcommand&controlを中心に実践されてきたことから、マネジメントとリーダーシップを区別することで、これまでのやり方を変革する必要が出てきたのだと思います。ジョン・コッター等のリーダーシップ論は、このあたりを踏まえて提唱されたのだと思います。

それでもリーダーシップという言葉のイメージから、誰かを率いる、先頭に立つ、などが彷彿されることから、変革が思うように進まず、また、世の中の変化により工業社会モデル(軍隊型モデルをベースとした)の形態が通用しなくなるにつれて、人間・人間関係により焦点を当てたリーダーシップが求められるようになってきたのでしょう。本書はこの段階に相当すると思います(であるからこそ、25年も前に提唱されたこと自体、凄いことだとは思いますが)。

これらの経緯を踏まえて、今後どのようなことに焦点をあてたリーダーシップ論が出てくるのか、楽しみではあります。


あと、感じたことですが、結構キリスト教の影響を受けた内容だと思います。巻末に金井教授が「日本人に受け入れられやすい」旨のコメントを寄せていますが、一概にそうともいえないと思います。

レイアウト変更

少し遅くなりましたが、新たな年になりましたので、気分転換も含めてレイアウトを変更しました。
書評そのものについては、一切変更していません。

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