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Rising Sun

Author:Rising Sun
日本を愛するリヴァタリアン
倉山塾生・江崎塾生

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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(2017・2018)
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チェンジマネジメント/佐藤文弘



★★★

チェンジマネジメントの丁寧な実務書

チェンジマネジメントの進め方について、ある程度の割り切りをもって、コミュニケーション、トレーニング、サポートの3つに集約し、各々のプロセスを明確に切り出して解説しています。

また、各々の領域について、関連する学術的な知見を取り込んで解説しています(参考文献も掲載されています)ので、更に深く学びたい方には良書だと思います。

更に、各々の領域について、ありがちな事例も添えていますので、実際にチェンジマネジメントを担う方にとっては、共感しやすいものだと思います。

複雑な理論を並べ立てている(実際にチェンジマネジメントは複雑ですので仕方がないのですが)類書や、学術的な裏付けなく著者の経験だけで解説している(これはこれで重要な視点を提供してくれるのですが)類書が多い中、わかりやすく、かつ実践しやすい本書は有益だと思います。

但し、複雑な変革(例えば、企業再生においてM&Aを実施し組織再編とBPRをやりながらリストラもするなど、実際の企業変革でよくあるのですが)においては、本書の内容だけでは済まされません(本書が間違っているというのではなく)ので、あくまでも基本的な実務書として捉えておくことが必要でしょう。

戦略学/菊澤研宗



★★★★

複眼的に戦略を考える有益なフレームの一つ

これまでの戦略論を踏まえて、戦略論を物理的な視点、心理的な視点、知性的な視点に分類し、それらについて解説しています。

物理的な視点については、ポーターの戦略論、ブルーオーシャン戦略等これまでの主な戦略論は全てここに分類され、であるが故にこれだけでは上手くいかないと論じています。また、ここに属する戦略論は、新古典派経済学が大元にあり、新古典派経済学が人間が完全合理性を持っているという前提であるが故に、これだけでは上手くいかないと論じています。

心理的な視点については、人間が決して合理的には動かないということ前提とした行動経済学を取り入れ、これを踏まえた戦略が必要であると論じています。

知性的な視点については、これも経済学ですが、取引コスト(新しいものに切り替えるためには、これまで持っていたものを捨てる手間を考えるべき)を取り入れ、これを踏まえた戦略が必要であると論じています。


これまでの主要な戦略論でも、著者の論じるような視点全くなかったわけではありませんが、この3つの視点を同格に取り扱うことで、より有益なフレームを検討することができるようになると思います。

また戦略のレベルについてはあまり触れられていません(企業・事業・機能・商品などのレベル)し、例示については商品レベルのものが多いです。このあたりが論じられていると更にいいのではないかと思います。

更に知性的な視点については、心理的な視点との明確な違いが少なくとも本書では見えてきませんし、また取引コスト以外のものもあるのだと思います。


決して完成したフレームではないのでしょうけれど、複眼的な戦略フレームを検討するには有益な切り口だと思います。

遺伝子があなたをそうさせる/ディーン・ヘイマー等



★★★★★

遺伝と環境についての丁寧な解説

人間が遺伝と環境からどのような影響を受けているのかについて、スリル・不安・怒り・依存・能力など、人間の重要かつ気になる領域について、一つひとつ丁寧に解説しています。

各々の領域において、現在既にわかっていること、わかりつつあること、まだわからないこと、を適切に分類して解説しています。いい加減な類書にありがちな、主義主張ありきで偏った解説をしているわけではありません。

また、遺伝子だけでなく、それが脳のどこに対して、何が、どのような影響を及ぼしているのか、についても解説しています。

更に、環境がどのような影響を及ぼすのか(重要かどうか、どのような環境が重要なのか)についても解説しています。

あと、単にこれまでの様々な研究結果を提示するだけでなく、これらを批判的にとらえ(例えば、ある研究結果に対して必要な視点が抜けているなど)ていますので、安心して読むことができます。

出版時期が少し古い(2002年)ですので、出版後に研究で得られた知見で本書の内容で書き換えられる部分はあると思いますが、それでも人間が遺伝と環境からどのような影響を受けているか、またそれらに関する情報を適切に検討するためにどのような観点が必要か、については十分に参考となります。


幸せはいつもちょっと先にある/ダニエル・ギルバート



★★★★

人間の脳が如何にいい加減かがわかる

人間の脳が如何にいい加減なものかを、心理学だけでなく脳科学や哲学の知見も交えながら解説しています。

人間の脳の使い方を過去(記憶)、現在(知覚)、未来(想像)という時間軸で整理したうえで、
人間の現在に対する知覚は知りたいことしかインプットしないこと、
そのうえで、
人間は無意識に現在の知覚を使って記憶を捏造すること、現在の知覚を前提としてしか未来を想像できないこと、
過去や未来に対する感情は現在の感情に引きずられ、実際の過去や未来の時点で生じる感情とは異なる感情を想起すること、
など過去や未来が如何に現在(しかもいい加減な知覚)に依存して考え感じるものであるかを説明しています。

時間軸で人の脳を捉えて解説していること、また認知と感情を併せて解説していることから、非常にまとまったものになっています。

更に文章が簡潔で、事例も豊富に取り入れていますので、理解しやすいものになっています。


ただ本書は「人間の脳はどうなのか」についての本ですので、これらのいい加減な現実を踏まえて「ではどうすればいいのか」についてはほとんど述べられていません。

また本書は「人間の共通性」を前提として書かれていますので(本書でも念押ししています)、「人間の多様性」を踏まえて、何がどれほど個人差があるのか、についても述べられていません。

更に参考文献が一切掲載されていませんので(原書もそうなのかどうかはわかりませんが)、何故このような展開になったのか、どんな知見をベースとしたのか、についても分かりません。


上記のような要望はあるのですが、それでも「人間の脳が結構いい加減」であることを理解するためには、またいい加減であることを前提に記憶・知覚・想像を上手く活用していくためには、有益な本だといえます。

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