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伝統・科学・世界を知りマネジメントに活かす

日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

ブレインライティング/高橋誠



★★

既出の発想法の紹介+ブレインライティング

ブレインライティングを実際に試してみて、効果が得られることは確かめられました。一方で参加者が様々な発想法を活用した経験があるか、若しくは固定観念に縛られない発想を意図的にしないと、あまり効果が得られないことも確かめられました。
そこで、これがブレインライティングという手法そのものの限界なのか、それとも使い方が良くなかったのか、を確かめるために本書を手に取りました。

本書は、全9章のうち、ブレインライティングの解説が3章、あとは既出の発想法(KJ法、NM法、マインドマップ等)の簡単な紹介がなされ、これらの発想法を使ってブレインライティングをするように、との解説でした。
結論としては、ブレインライティングには確かに効果があるものの、それを活用するためには、これまで世の中で開発されてきた様々な発想法を習得していないと、あまり効果がでない、ということになります。

様々な発想法が参考文献と共に紹介されていますので、世の中にある発想法をこれから学ぼうとされる方にとっては便利な本だと思います。
但し、既にある程度発想法を学んできている方にとっては、かなり重複部分があると思います。また各々の発想法については、その提唱者の著作を読まれたほうが得るものが多いでしょう。更にブレインライティングそのものは、それほど複雑なものではありませんので、これだけを学ぶために1,500円を払う価値があるかどうかは微妙です。
  1. 2008/03/30(日) 20:08:33|
  2. コミュニケーション
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情報大爆発/秋山隆平



★★★★

現実と理論が上手く融合された解説

ネット社会で起きていることについて、豊富な調査データや著者の経験を踏まえてわかりやすく解説しています。

これだけなら他の書籍でも行われているのだと思いますが、本書の価値は、これらを適切なネットワーク理論(スモール・ワールド・ネットワークやスケール・フリー・ネットワーク等)をこれまた非常にわかりやすく紹介しながら、理論的な裏づけをとっていることにあります。ネットワーク理論の入門書として捉えても十分に価値があります。

更に、関連する諸分野の歴史にもページを割いており、現在に至る流れもわかるようになっています。

また、著者が電通の方ですので、上記を踏まえた広告のあり方についても意見を述べられています。広告関係の方であれば、この辺りも価値ありなのだと思います。


本書を企業経営に適用してみると、また興味深いことが見えてきます。
組織構造のあり方については、今後ネットワーク型になっていくだろうという説は本書以前から結構ありましたので別段新しくはありません。

但し、様々な企業変革における、変革マインドの醸成や変革プログラムの浸透を目的とした社内コミュニケーションのあり方としてみてみると、結構新たな発想ができるのだと思います。
顧客に商品・サービスを購入してもらうためのコミュニケーションの努力・投資ほど、従業員に変革を受け入れてもらうためのコミュニケーションの努力・投資をしていない企業の方が圧倒的に多いでしょうから。
  1. 2008/03/30(日) 00:12:04|
  2. マーケティング
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M&Aを成功に導く人事デューデリジェンス/マーサージャパン



★★

トピックは役に立つが。。。

各章の最初に掲載されている人事DDにおけるトピックは役に立ちます。人事DDが財務的な調査・分析だけでないことが上手く表現されています。

但し、本書の全体構成が論理的・構造的ではないこと、人事DDで実際に行うべき個別・具体的な事項が整理されていないこと、調査・分析における難しい局面やその解決手法にほとんど触れていないこと、から、タイトルにあるような実務書としての価値はかなり低いと言わざるを得ません。

この会社は現場での泥臭い局面を苦手とするので、実務の現場に入り込まないと得られないようなノウハウを書くことができないのか、
またコンサルファームが書く本にありがちな、あくまでも営業ツールとしての位置付けにして、クライアントから連絡させるように仕向けているのか、
理由は定かではありませんが、いずれにせよ本書だけで人事DDを行うことはできません。

人事DDってこういうこともあるのか、という参考情報を得ることに限定して活用されることをお勧めします。
  1. 2008/03/27(木) 11:41:15|
  2. M&A
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テストだけでは測れない!/吉田新一郎



★★★★

これほどまでにギャップが大きいとは。。。

海外では当たり前になっている教育方法が、日本ではほとんど導入されていないという話です。

現在行われているテストは各教科で教えたことをどれだけ暗記できたか、というだけのものであり、
これを続けると、これからの世の中で生きていくことのできる子供は育たないこと、
今後はテストだけでなく、パフォーマンス評価、プロセス評価等、人が学習を好きになり意欲的に行うために必要なものを取り入れていく必要があること、
一方で、現在の教育界は己の既得権益を守りたいが故に、陳腐化した方法に固執しているため、なかなか変革が進まないこと、
などが要旨です。

書いてある内容は当たり前のことなのですが、そうであるだけに、日本の教育界の古さ、硬さに唖然とします。

なお、本書の内容は、間違った成果主義を導入して混乱している企業や、成果主義導入に躊躇している企業にも非常に参考になります。
  1. 2008/03/25(火) 18:02:05|
  2. 子育て
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神経言語プログラミング/リチャード・バンドラー



★★★★

神経言語プログラミングの元祖

本書が神経言語プログラミングの元祖のようです。
プログラミングの技術については詳細なかたちで構造化されているわけではないのですが、それがむしろ本来の目的を浮かび上がらせているので、最初に読む本として相応しいと思います。

人間の記憶は、想起される度に実は再構成されてしまうという、案外いい加減なものです。
それを逆手にとって、記憶を自分のために自分の力で塗り替えてしまうことで、人生楽しく生きよう、そのために必要な技術を習得しようという主旨です。

原著初版から20年以上経過してることから、この分野も相当発展していると思われますので、技術については多分最新の書籍を読んだほうがいいのでしょうけれど、このことで本書の価値が損なわれることはないと思います。

この理論について(wiki):神経言語プログラミング
  1. 2008/03/24(月) 18:50:47|
  2. 自己成長
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リンク

各書評において、著者についての情報をわかる範囲でリンクしました。
ひとまず学者さんについては、wikiに掲載されているものは、wikiにリンクを張りました。
また、ビジネス書については、著者がブログサイトを持っている場合には、そのブログにリンクを張りました。
  1. 2008/03/23(日) 23:47:00|
  2. 書評について
  3. | トラックバック:0
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クリエイティブ資本論/リチャード・フロリダ



★★★★★

ドラッカーの予測通りになってきた

ドラッカーが随分前に「知識資本」「ナレッジワーカー」の時代になると予測していましたが、本書を読むとまさにその通りになってきていることが分かります。

本書では、クリエイティブ・クラス(ドラッカーのいうナレッジワーカーに相当)が台頭してきており、彼ら/彼女らが最大限に活躍できる環境を整備しているエリアが経済発展を遂げていることを、社会科学の様々な分野の知見を駆使して調査・分析することで説明しています。

また、その環境の必須条件として3つのT、すなわち技術(technology)、才能(talent)、寛容性(tolerant)を挙げています。

社会科学の常として、複雑かつ変化する環境において、全ての要素、その重要性、関係性、因果関係を捉えきれないこと、またこれらの捉え方によって結論が変わることがありますので、本書だけを鵜呑みにすることはできませんが、今後の経済・文化・社会・個人を考えるうえで重要な視点を提供していることは間違いないでしょう。

少しそれますが、本書を読んで感じたことがあります。
それは、本書の視点が企業におけるイノベーションにも適用できるのではないか、ということです。
昨今、イノベーティブな人材、クリエイティブな人材を積極的に求めている企業は多いのですが、そのような人材が最大限に活躍できる環境を整備している、若しくは真剣に整備しようとしている企業がいったいどれだけあるのでしょうか。
いくらこのような人材を集められたとしても、企業内環境が従来のワーキング・クラスをベースとした中央集権的・管理統制的なものでは、クリエイティブであればあるほど逃げていくのだと思います。
更にそのような人たちが企業に対して抱くネガティブな印象が広まっていくと、このような人材を採用することができなくなり、結果としてその企業が衰退していく、ということが起きるのではないか、既に起きているのではないか、また企業側はそのような人たちに対する印象を悪くして採用をあきらめてしまうということも起きているのではないか、そのような二重の悪循環が起きているのではないか、と推察されます。

人と環境をセットで考えていくことの重要性を痛感させてくれる本です。

なお、本書の内容は基本的にはアメリカ国内のものですが、日本では先に出版された「クリエイティブ・クラスの世紀」では、グローバルに視野を広げて展開しています。こちらでは、グローバルレベルでクリエイティブ・クラスの獲得競争が起きており、彼ら/彼女らを惹きつけることができた国・都市が反映しているということを解説しています。併せて読まれることをお薦めします。
  1. 2008/03/19(水) 08:30:35|
  2. 空間軸(グローバル化等)
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お引越し3

7&yに掲載していた書評もこちらに移し、7&yの店舗を閉店しました。
またamazonに掲載していた書評も一部を除いて全て削除しました。

  1. 2008/03/17(月) 11:53:17|
  2. 書評について
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お引越し2

SNSに掲載していた書評も移しました。
今現在で書評数が430です。まあよく書いたもんだと思います。
  1. 2008/03/16(日) 00:56:32|
  2. 書評について
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お引越し

今まで幾つかのHPやSNSに五月雨式に書評を書いてきました。
気付いてみると400近い書評を書いてきており、自分自身でもどのジャンルで何を書いたのか整理がつかなくなっていました。

そこで、ジャンルごとに書評を整理するために、ブログを活用することにしました。
先ずはamazonに投稿し掲載された書評を当ブログに移しました。
2008/3/15までの日付のものがこれに該当します。
なお、amazonに掲載された日付と当ブログの日付は全く異なっています。

あと、各書評において関連書籍を紹介していますが、現段階ではこれにリンクは張っていません。時間と必要性があればリンクも考えたいと思います。

なお、書籍の画像があったほうがわかりやすいですので、amazonのアフィリエイトを活用しています。その関係で評価の低い書籍にもアフィリエイトがついてしまっています。


  1. 2008/03/15(土) 22:07:28|
  2. 書評について
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プロフィール

I am that I am.

Author:I am that I am.
誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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