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伝統・科学・世界を知りマネジメントに活かす

日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

新訳 正法眼蔵/ひろさちや



★★★★

正法眼蔵の入門書として良い

正法眼蔵は現代文に訳されていても、読んで理解するのが難しいです。
何度か挑戦してみましたが、読むだけでも最後まで到達すること叶いませんでした。

本書は、ひろさちや氏の解釈が多分に盛り込まれてはいると思いますが、
(人文系である限り、このことは避けようがありません)
キーワードを絞り込んだうえで、わかりやすい訳と解説がなされていますので、
入門書として正法眼蔵を少しでも理解するのには良い本だと思います。

なお、ウパニシャッドを多少かじっているせいか、
道元の主張がウパニシャッドに先祖がえりしているように思えてきます。

ただ、4仏性の中で
「偏界我有は外道の邪見なり」を
「全世界が我(アートマン)のつくったものだというのは、外道(仏教以外の思想家)が唱える邪説である」と訳していますが、
我=アートマンとするのはおかしいと思います。
一切衆生悉有仏性を、一切の衆生が悉有(全宇宙)であり、悉有が仏性である、と道元が再定義しているのであれば、
一切衆生悉有仏性=ブラフマンであり、梵我一如の観点からはブラフマン=アートマンだからです。
多分ですが、文脈からすると、ここの我は「自我」であり、アートマンとは異なるものです。
  1. 2016/12/06(火) 14:12:56|
  2. 仏教思想
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まんだら人生論/ひろさちや





騙された!

タイトルから、空海の密教の教えを踏まえた人生論を想像して購入しましたが、
中身は全く異なり、著者の大乗仏教の知識などを羅列した上で、
著者が考える人生論を展開するに留まっています。
密教ベースの人生論を知りたい方にはオススメできません。
  1. 2016/11/14(月) 19:46:38|
  2. 仏教思想
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道元 仏道を生きる/ひろさちや



★★

著者のこだわりが強すぎる

心身脱落というキーワードを中心に解説しているのは、確かにわかりやすいです。
しかし、著者の仏教観や大乗仏教・在家仏教へのこだわりが強すぎて、
真の道元に迫っているかどうか、道元が本当に貫きたかった仏教がどのようなものなのか、
判断のしようがありません。
やはり、正法眼蔵を読むしかないでしょう。

なお、著者の解説が正しいのであれば、
道元は空海と同じく梵我一如を説いているように思えます。
そうなると、仏教の外観を保ちつつ、ウパニシャッドに還っているのではないでしょうか。
  1. 2016/11/13(日) 18:32:42|
  2. 仏教思想
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日本宗教史/末木 文美士



★★★★★

完全な宗教など存在しないことを気付かせてくれます。

本書は、日本で取り入れられた主要な宗教の思想について、
時代を追いながら著者ならではの鋭い切り口を用いて分析・解説を試みています。
新書ですが、宗教思想を鋭くえぐっていますので、読みごたえがありました。

著者の他の書籍を読んでも同じ気付きを与えて頂けるのですが、
いかなる宗教・思想でも、所詮は人の作ったモノである以上、
普遍の真理であるはずもなく、特定の時代・場所・文化の制約を受けていることがわかります。

特定の宗教・思想に身を委ねることの危険性と、
宗教・思想に普遍の真理を求めることの愚かさを、
著者は再度、本書で教えてくれたような気がします。

  1. 2016/06/08(水) 14:32:41|
  2. 仏教思想
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仏教という思想/末木 文美士



★★★★★

入門書をかじり始めてから末木文美士氏の著作を数冊読み終えることで、
仏教について知りたいと思ったことは一通り知ることができたかな、と思います。

様々な方々が様々な形で仏教の特徴を唱えていますが、
個人的にはこれだけが意味あるものとしてとらえることができました。

自己の外側:空=縁起=無常=無我(非我)=中道
自己の内側:空=静寂かつ広大な時空間の確立

また、仏教内の様々な論争・対立・分裂の歴史を知ることで、
仏教そのものも無常なんだな、という理解に至りました。
従って、『空』という教えだけを仏教からいただき、仏教の知識面の学びは終わりにします。






  1. 2016/05/28(土) 12:52:10|
  2. 仏教思想
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思想としての仏教入門/末木 文美士



★★★★★

他に類を見ない入門書

日本の仏教思想について様々な角度から分析され、仏教に内在する様々な矛盾があぶりだされています。
また必要に応じてインドや中国での仏教思想との対比させながら、日本の仏教思想の特徴も明示されています。
更に他の仏教学者や僧侶とは異なり、主張が仏教の特定の思想に偏っておらず、一歩引いて仏教思想を考えることができます。

仏教入門というタイトルのついた本は数多くありますが、本書はこれらとは全く次元が異なります。
仏教に限らず、入門書といわれるものは、内容が浅い、対象が狭い、主張が偏る、といった弊害があるのですが、
本書にそういった弊害はないと思われます。

ただ、仏教に関して全く知識がない方が本書を読まれると、難しいと思われるかもしれません。
入門書をいろいろ読んで、読むほどに仏教に対する疑問がわいてきた方にとって、お薦めできる本かと思われます。 続きを読む
  1. 2016/05/25(水) 12:34:31|
  2. 仏教思想
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日本仏教の可能性/末木 文美士



★★★★★

これからの人間の拠るべき思想への問題提起

タイトルは「日本仏教の可能性」ですが、
本書で著者が問いかけているのは、
「これからの人間の拠るべき思想とは何か」だと思われます。

仏教を存続させるために、というのは著者の主眼ではありません。

仏教がその答えになるか否かは、
関係者が現実を直視して仏教をどう反省し、
再構築できるかにかかっている、と警鐘を鳴らしているように読み取れました。

単に現状にすり寄るのではなく(これまでの仏教は現状にすり寄ってきたことで延命してきただけ)、
また原点に回帰するだけでもなく(原始仏典をもとに普遍性を説くことや大乗非仏説を説くだけでは解決にならない)、
これまでの歴史における仏教の思想・活動を丹念に検証し、反省し、
そのうえでこれからの世の中で何が求められるのかを深く広く考え、
その中の答えの一つとして仏教は何ができるのかを考える必要があると述べています。

そして、今までのように手をこまねいていてるのであれば、仏教は滅んでしかるべきだ、と述べています。
また、現代においては、これまで仏教が説いてきた「悟り」を得てもわからないことはなくならない、とも述べています。

本書によって、著者が単なる仏教思想の文献学者ではなく、
これからの世の中で求められる思想とは何か、を真剣に模索している哲学者・思想家だということがわかりました。

仏教には大事な教えがあるはずだという先入観でもって、仏教を少しずつ学んできましたが、
その先入観に疑問を抱かなければならないこと、
過去の仏典を単に読んで理解した気になっていてはいけないこと、
表層的な二元論・二項対立に惑わされず、その基になったものに注目すべきこと、
仏教の専門用語で詭弁を弄する自称覚者の言動に惑わされないこと、
仏教はあくまでも数多ある思想の一形態に過ぎず、決して普遍の真理などではないこと、
仏教内部の様々な異論にいちいち反応せず、もっと本質的なところを考える必要があること、
など、本書を通じて著者からいろいろと教えていただくことができました。
また、仏教との付き合い方についても教えていただいたような気がします。

葬式仏教から如何にして仏教が再生できるのかという興味で本書を手に取りました。
このような興味に対しては直接的な答えは何ら提示されてはいませんでしたが、
本書に出逢うことができてよかったと思います。

答えは全く出ておらず、考えるべきことだけが増えましたが、
安易な解決方法に頼るな、という警句だと受け取ることにします。
  1. 2016/05/23(月) 20:09:53|
  2. 仏教思想
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日本仏教史/末木 文美士



★★★★★

素晴らしい考察

日本における仏教思想について、聖徳太子の時代から明治に至るまで時系列で俯瞰しています。

著者の考察が素晴らしいのは、
他の学者なら仏教の衰退・退廃と単に切り捨ててしまうような事柄であっても、
そこに何らかの意味を見出し、思想史として紡いでいることです。

例えば、
世俗に迎合し本来の教えから逸脱したことも、その後の反省に基づく復興には必要なプロセスであった、
葬式仏教と揶揄されている現代日本の仏教のあり方も、民俗学的には意味があり、一蹴すべきでなない、
などです。

また、各宗派の祖師の活躍は勿論のこと、後代で改革・復興を図った方々の活躍にもページを割いており、
日本の仏教が様々な時代に様々な方々の努力によって生き残ってきたことが伝わってきます。
更に、これらの方々の活躍が、経典や戒律に基づくもの、それらを再解釈したもの、独創的なもの、
といったように何を根拠としてなされたのか、についても述べられています。

更に、日本における仏教思想史に欠かせない、神道・修験道・庶民信仰との関係にも触れています。

日本の仏教について学びたい方にとっては、貴重な一冊だと思われます。

裏表紙に中村元氏が推薦の言葉を述べておられたので少し不安だったのですが、
(単行本。中村氏は原始仏典こそが真理であり、中期以降の大乗仏教や密教は衰退の一途とみなしている)
良い意味で期待を裏切っていただきました。
  1. 2016/05/21(土) 14:44:13|
  2. 仏教思想
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脳と生命の科学からみた仏教

ここ暫く仏教解説書を読んでいます。
特に学者さんの解説書を中心に読んでみました。

これらによると、原始仏典は人間のあるべき姿としての真理を表しているとのことです。
確かに空&慈悲という理想は素晴らしいと思います。
しかし、この理想に脳と生命の科学を対比させてみると、
人間のあるべき姿(原始仏典)と人間の生の姿(科学)との差に唖然とさせられます。
理想論を唱えることは自由ですが、理想を叶えたいのであれば、人間の生の姿を直視する必要があると思います。
  1. 2016/05/20(金) 20:55:47|
  2. 仏教思想
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宗教における思索と実践/中村 元



★★★★★

著者の決意表明

原始仏典の説く人のあるべき姿に基づいて、
宗教対立を超えた平和の実現に向けた、
著者の決意表明の書だと思います。

著者の他の釈尊や原始仏典の解説書を何冊か読ませて頂きましたが、
これらの著作にみなぎる情熱の源泉は本書を読むとよくわかります。

著者が亡くなられた後、
この想いを受け継いで、著者を超えて探求・実践していく方々が、
数多く世に出ることを期待したいと思います。
  1. 2016/05/20(金) 19:34:25|
  2. 仏教思想
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プロフィール

I am that I am.

Author:I am that I am.
誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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