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日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

保守主義とは何か/宇野重規





日本の保守主義を考える上では何の役にも立たない

日本の保守主義の在り方についてアカデミックな知見を得たいと思い本書を手にしました。

イギリスやアメリカの保守主義の過去の経緯については参考になるのでしょうが、
日本の保守主義を考える上では何の役にも立ちません。

まず、あとがきで明治以降を「アジアの植民地化など批判すべき点の方が多い」と明言していますが、、
これは完全に東京裁判史観・自虐史観に洗脳されているか、それを利用しているか、どちらかとしか思えません。
いずれにしても、このような史観でもって日本の保守主義を解説すること自体がそもそも間違っています。

次に、日本の保守主義を語るのであれば、最低でも古事記・17条憲法・五箇条のご誓文に触れなければなりませんが、
なぜか明治以降からしか扱っていません。
また明治維新を日本の断絶としていますが、江戸時代からの継続性の歴史を知らないのではないでしょうか。
西洋思想学者にありがちなことですが、西洋視点でしか日本を見ることができないのではないかと思います。

更に、現在の日本国憲法を是として保守思想を打ち出す必要があるような書きぶりですが、
アメリカへの従属条約である日本国憲法をなぜ是としなければならないのか、理由がわかりません。
日本国憲法は、日本の継続性を破壊するために、国際法を違反してまで押し付けられたものですので、
日本の保守思想を語るのであれば、日本国憲法を否定するところから始める必要があるのではないでしょうか。

そのうえ、ナショナリズムを悪い意味で扱い、
かつ保守主義とナショナリズムを著者の都合の良いように当てはめている箇所が散見されます。

従って、日本の保守思想を考える上では何の役にも立ちません。百害あって一利なしです。
東京裁判史観・自虐史観の肯定、日本国憲法の肯定、いずれも反日左翼の発想です。

なお、イギリスやアメリカの保守思想についても、最近の動向についての言及がありません。
グローバリズムによる国家破壊勢力と、これに対抗するナショナリズムの攻防が欠けていますので、
本書だけだと本質を見誤ります。

従って、イギリスやアメリカの保守思想を考えるうえでも役に立ちません。


  1. 2017/09/14(木) 11:18:39|
  2. その他思想・哲学
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完訳 7つの習慣/スティーブン・R・コヴィー



★★★★★

人格を磨くということ

10年ほど前に、旧約を読み感銘を受けたことを記憶しています。
完訳が出たとのことで手にして読んでみました。

副題である「人格主義の回復」を頭の片隅に置きながら本書を読んでみると、
単に経済的・社会的に成功するためにはどうすればよいのか、というハウツー本ではなく、
混迷の時代にどう生きていくのがいいのか、そのためにどのような人格を磨く必要があるか、
という人生の指南書として書かれていることがわかります。


秀逸な人生の指南書だとは思いますが、実践するのはなかなか難しいことが書いてあります。
一つだけ例に取ると、「刺激」と「反応」の間に「選択の自由」があり、
これは人間だけが持つ能力なので、選択して反応を選ぶことができる、とされていますが、
脳科学の知見では、意識的に「選択」するより前に無意識下で「反応」が起きますので、
実際には、起きた「反応」を意識した上で、一歩戻って「選択」するという難しいことが求められます。
この例のように、本書で提示されていることは、読んですぐ実践できるものではなく、
何度もトライ・アンド・エラーを繰り返しながらしか身につかないものだと思います。
(だから「習慣」という言葉が選ばれたのだと思います。)


なお、本書では旧約よりも宗教色が強いように思えます。
旧約出版時よりも、世の中で人間の精神面がより重視されてきていることを反映しているのかもしれません。
私個人としては、浅薄ながら仏教を学んでいますので、本書の宗教色については違和感はないのですが、
宗教アレルギーのある方にとっては、旧約の方が良いのかもしれません。

  1. 2013/10/01(火) 10:44:40|
  2. その他思想・哲学
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7つの習慣/スティーブン・R. コヴィー



★★★★★

王道!

タイトルに数字のつく書籍は「どうせたいしたことないだろう」と思って、
本書の出版当時には見向きもしませんでした。

しかし、気になってはいたので、
しばらくしてから読んでみたら、とにかくすごい。

単なる依存を断ち切り、個を際立たせ、そのうえで相互依存を確立する。

本書の内容を一行でまとめるとこのようなものになると思います。
これは現代社会を生きるために非常に重要な事ではないでしょうか。

依存は、
自分の人生の責任を誰かに押し付け、自分は擁護してもらって当たり前、という状況であり、
これを断ち切ることは、過去からの、また統制から自分を自由にすることにつながります。

個を際立たせることは、
自分の「氏」と「育ち」のなかで、自分の志向・嗜好・強みを見出し、それを最大限に磨き続けることであり、
自己の(責任を伴う)自由を維持するための最も重要な武器となります。

相互依存は、
自由を確立・維持し続けている個人が、互いの志向・嗜好・強みを認め合い、
互いに協力しながら、相乗効果を生みだすことになります。

個から始まるところは、いかにもアメリカらしく、
滅私奉公を美徳としてきた日本では、なかなか受け入れにくいのかもしれません。
しかし、責任ある個人が大事にされなければ、社会も組織も国家もその存在価値はないと思います。

また、本書の内容を全て実践するのは容易ではありませんが、
毎日少しづつでも実践しないと、社会の「パラサイト」になってしまいます。

本書ができるだけ多くの人に読まれることを願います。

  1. 2008/03/09(日) 18:34:31|
  2. その他思想・哲学
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第8の習慣/スティーブン・R. コヴィー



★★★

もはや人という種を超えてしまった哲学書

書いてある内容は全て正しいと思いますし、これが実現すればユートピアだと思います。
また、習慣として常に意識して生きていくことも大事だと思います。

しかし、これはもはや人という種の限界を超えてしまっているのではないでしょうか。

内なる声(ヴォイス)を聴け、と書かれているが、
仏教でいう悟りに近いものがあり、出家者でも数十年かかるようなことは、
凡人にできるとは思えません。

また、内なる声の聴き方についての明確かつ具体的な方法が書かれておらず、
自己啓発書としては、弱いと思います。

更に、現在の脳科学、進化心理学から見ると、
あまりにも人の良い面ばかりをクローズアップし、悪い面を軽視しているとも思います。
人間の脳は石器時代と変わらず、
宗教や法律で人の悪い面を罰してきた歴史があること、
戦争を繰り返しながら、争いは何も産み出さないことがやっとわかってきたこと、
脳のニューロンネットワークは、情動から認知に向かう方が、その逆よりもはるかに多いこと、
などがどうも無視されていると思います。

あと、自己啓発ものの悪い癖ですが、
人には無限の可能性がある、と本書でも書かれています。
無限という言葉をあまりにも軽々しく使う事は人を惑わします。

前作「7つの習慣」は良かったのですが、ちょっと行き過ぎですね。

自然科学の知見(未だ発展途上ですが)を十分に踏まえた上で、
次作を出されることを切に願います。

なお、自己啓発という観点では、
M・チクセントミハイ「フロー体験 喜びの現象学」がお薦めです。
  1. 2008/03/09(日) 17:22:16|
  2. その他思想・哲学
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Author:I am that I am.
誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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