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伝統・科学・世界を知りマネジメントに活かす

日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

神は妄想である/リチャード・ドーキンス





これは科学ではない

ドーキンスは『神は存在しない』『宗教は悪である』ことを本書で訴えたかったのだと思います。

しかし、攻撃の仕方が全く科学的ではありません。
科学者であれば、科学的な裏付けのとれた知見のみを証拠として訴えるべきだと思いますが、
本書では、そのような科学的な知見はほとんど使われず、比較実験もほとんど試みられず、
ただ、誰かがそういった、どこかにそう書いてある、という非常に稚拙な材料に基づいて訴えています。
また、自分の主張を裏付けられる情報だけ集めて、それに反する情報は全く無視しているようです。

もし、本書の著者がドーキンスという著名人でなければ、単なるトンデモ本として片づけられるでしょうし、
もし、本書をまともな科学雑誌へ投稿しようとすれば、簡単に弾かれると思われます。

創造論者が、この稚拙な書物を武器にして進化論そのものに対して反駁してくることがあれば、科学にとって大きな損失でしょう。
  1. 2016/04/29(金) 18:01:27|
  2. 西洋思想・哲学
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100分de名著 アラン『幸福論』/合田正人



★★★★★

優れた副読書

NHKのテレビ番組で初めてアランや三大幸福論の存在を知りました。
テレビ放映は観ていたのですが、どうも体系だって話が進んでいないような気がしましたので、
アランの幸福論そのものへの興味を持ちつつも、しばらく放ったらかしにしていました。

最近になって、アランの『幸福論』、これを含めた三大幸福論が、
再度気になりましたので、全て読んでみました。

ですので、本書はアランの『幸福論』を読んだ後、頭の中を整理するために手に取りました。

本書は、テレビ放映とは異なり体系的かつ簡潔に解説されていますので、非常に役に立ちました。
また、関連する哲学・哲学者などの紹介もされており『幸福論』を読むだけよりも視野が広がりました。
優れた副読書だと思います。

『幸福論』と本書を交互に読み返しながら理解を深めていければと思います。

なお、本書を読んでいながら、『幸福論』を未読の方には、ぜひ『幸福論』を読まれることをオススメします。
本書は優れた副読書ではありますが、あくまでも副読書です。
93のプロポの一つひとつに味がありますので、本書では味わえないものがあります。
  1. 2012/07/24(火) 14:57:38|
  2. 西洋思想・哲学
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幸福論/アラン



★★★★★

散文の内に科学あり

2011年にNHKで「アランの幸福論」を観て、初めてアランや三大幸福論があることを知りました。
そして、たまたまですが、三大幸福論の中で、ラッセル、ヒルティを先に読み、最後にアランを読むことになりました。

訳者によれば、本書はプロポ(哲学断章)であり、幸福「論」という理論ではないとされています。
確かに、93編の独立した文学的な色合いのある散文を載せたのが本書の中身です。

ただ、それらの散文を読むにつれ、
これは現代の人間についての科学を約100年も前に先取りしているものだとわかりました。

私は、人間についての科学(認知科学、心理学、脳科学など)を、それなりにかじっていますが、
本書の内容はそれらの知見と異なるものではありません。
むしろ、現代の人間についての科学が未だ発見できていない知見についても登場してきます。
それだけ凄い本だと思います。

本書で提示された知見について、人間の科学により科学的な知見となることを期待しています。

また、散文とはいえ、本書の内容は結構深いものがありますので、
何度も読み返しながら理解を進めていこうと思います。


なお、三大幸福論を全て読みましたので、それなりの比較ができそうです。
・アラン『幸福論』:隣に座って優しく語りかけててくれる
・ラッセル『幸福論』:一歩離れて客観的にみたものを教えてくれる
・ヒルティ『幸福論』:一段高いところから教えを授けてくれる
今のところの理解では、この三つの根幹にそれほど大きな違いは無いように思えます。
ですので、幸福論に興味を持たれた方は、ご自身にあったものを選んで読めばいいのではないでしょうか。
また、三つ全てを読んで比較しながら理解していくというのも、面白いかもしれません。
  1. 2012/07/08(日) 08:34:49|
  2. 西洋思想・哲学
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幸福論/ヒルティ



★★★★

教条主義的な幸福論

結論からいえば、
キリスト教(多分カトリック)とストア哲学の教えを守れば幸福になれる、
というものだと思います。

従って、内容を冷静に理解するためには、
キリスト教や宗教そのもの(宗教の意義、主要宗教の教義、宗教間の相違点など)
についての基礎的な知識が必要になると思います。

また、文体が、
本書の内容を疑問を持たずに実践せよといった、教条主義的な上から目線のものに思えます。
これは本書のベースがキリスト教であり、キリスト教は一神教であり、
一神教の信者は神の命令に疑問をはさまず従うことで自由を得られる、というものですから、
当然のことだと思います。

ですので、
宗教についてのアレルギーのある方や、上から目線が嫌いな方は、
読まないほうがいいと思います。
私もこれに当てはまりますので、★を一つ減らしました。


なお、本書が主張している内容は、老荘思想や大乗仏教とかなり似ているところがあります。
これは洋の東西で幸福について同じような結論がでていることをあらわしていますので、
本書の内容自体は信じてよいのではないか、と思います。


あと、三大幸福論の中での比較においては、
ラッセルの幸福論と比べると、あまり論理的ではありません。個人的にはラッセルの方が馴染みます。
アランの幸福論ままだ読んでいませんので、読み終わり次第、追記したいと思います。

※追記(2012/7/8)
アランの『幸福論』を読みました。
アランは散文形式で書かれています。
文学的にも優れているようですが、そちらの見識が私に無いので、よくわかりません。
ただ、散文の内に最新の人間についての科学が見えます。
簡潔であり、文学的にも優れ、科学的にも齟齬が無いという点から、アランの方が好きです。
  1. 2012/06/25(月) 14:31:27|
  2. 西洋思想・哲学
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ラッセル幸福論/バートランド・ラッセル



★★★★★

幸福に関する古典にして最先端の思想

NHKで「アランの幸福論」についての番組を観て、
三大幸福論というものが世の中にあることを初めて知り、
本書を手に取りました。
(ちなみに最初にアランでなくラッセルを手に取ったのは、たまたまです)

今から80年以上も前に書かれた、いわば古典と言えるほどの書物ですが、
書かれている内容は、現在でも通用するものばかりだと言えます。
それどころか、未だ黎明期である幸福に関する心理学や脳科学が導き出した知見よりも、
はるかに広く、かつ深く、人間の不幸・幸福とその原因や対処方法が書かれています。

これまで、マズロー、チクセントミハイ、セリグマン等の、
幸福を扱った学者の書籍をそれなりに読んできましたが、
それらをもってしても、本書一冊には及ばないと思いました。

また、かなりロジカルに書かれていますので、体系的に理解したい方には相応しいと思います。
ちなみに訳者の解説では、三大幸福論の特徴は以下のとおりであるようです。
ラッセルの幸福論(本書):合理的・実用主義的
アランの幸福論:文学的・哲学的
ヒルティの幸福論:宗教的・道徳的
アランもヒルティもまだ読んでいませんが、読むのが楽しみです。

一読しただけでは本書の内容やメッセージを完全に理解したとは思えませんが、
どの章をとっても、多かれ少なかれ自分自身に当てはまることばかりでしたので、
何度も読み返しながら、少しずつ自らに照らしつつ理解・実践していければいいな、と思います。

また、生命科学の最先端の技術・知見を駆使して、
本書の内容が科学的に検証されることを期待したいと思います。
そうなれば、本書の内容が思想から科学になりますので、より上手く活かされると思います。

ちなみに、本書の原題は「幸福の獲得」です。
つまり、幸福は自然と与えられるものではなく、自らの意思で獲得すべきものだということなんだと思います。
本書のなかでも、自らの精神をコントロールすることの重要性が説かれています。

なお、表紙の文章や、訳者の解説は、読み進めるための参考にはなりますが、
ラッセルのメッセージの一部分のみをとって強調している印象がありますので、
あくまでも参考程度に留めることをおすすめします。
  1. 2012/06/24(日) 14:47:56|
  2. 西洋思想・哲学
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プロフィール

I am that I am.

Author:I am that I am.
誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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