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伝統・科学・世界を知りマネジメントに活かす

日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

人事大変革/デイブ・ウルチッチ等





旧態依然とした人事部向けの本

本書は、従来の労務管理を未だに人事部の主要業務だと信じて疑わない、
旧態依然とした人事部や企業向けに書かれた本だといえます。

既にこれからの企業にとって人事機能はどうあるべきかを自身に問いかけ、考え、行動し、
既存の業務をできる限りIT化やアウトソーシング化を進めながら、
コンサルタント、コーチ、カウンセラー、ファシリテーターなどのプロを社内人材で育成しているような、
企業や人事部には不要な本です。

また、旧態依然とした人事部(人事機能)を変革させようという意図で書かれてはいますが、
内容はきわめてチープで、参考になりそうなものは見つけられませんでした。
ですので、旧態依然とした人事部(人事機能)を変革させる際の参考にもなるとは思えません。

デイブ・ウルチッチの能力が低下したのか、共著者が多いために鋭さが失われたのか、理由はわかりませんが、
本書は読むに値しません。

人事部や人事機能を変革したいのであれば、以下の書籍をお勧めします。
デイブ・ウルリッチ『MBAの人事戦略』
ラルフ・クリステンセン『戦略人事マネジャー』
ピーター・キャペリ『ハーバードビジネスエッセンシャルズ 人事力』
  1. 2011/03/21(月) 17:51:11|
  2. 戦略的人事
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ハーバード・ビジネス・エッセンシャルズ 人事力/ピーター・キャペリ



★★★★★

人材マネジメントへの重要な提言

本書は、人材マネジメントのなかで、獲得・維持・開発という領域において重要な提言をしています。

原著初版は2002年とやや古いものの、提言されている内容は、現在においても全く古びれてはいません。
アメリカでは本書の提言内容が具現化されている企業も見受けらることから、現在進行形の内容なのだと思います。

一方で、日本では本書の内容が人事戦略や重要施策として取り扱われているようには見受けられません。
逆に、本書において日本企業の強みとして紹介されている社員の絆の形成といったものを捨て始めているような気もします。

本書を読むことで、
どうも日本企業の多くは、バブル崩壊以降、景気変動に対して近視眼的な対応に終始しすぎているのではないか、
景気の善し悪しに流されない、地に足の着いた人材マネジメントが求められるのではないか、とも思わされます。


なお、エッセンシャル版と銘打って出版される書籍の中には、表層的なものもありますが(例えば、ロバート・L・マティス『人的資源間理論のエッセンス』)、
本書はそれらとは異なり、真剣に検討・実践しなければならない重要なもの(エッセンス)が提言されていると思います。

本書は、ハーバード・ビジネス・エッセンシャルズというシリーズの1つのようですので、他のシリーズ本も読んでみようと思います。
  1. 2010/08/25(水) 13:03:52|
  2. 戦略的人事
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戦略人事マネジャー/ラルフ・クリステンセン



★★★★★

戦略的人材マネジメントの全体像を提示した稀有な本

本書は、企業が持続的な成長を推進するために、ライン部門が差別化し、顧客ニーズに応え、成果を生み出すうえでの、様々な人材・組織面での課題を上手く解決していくこと、を戦略的人材マネジメントと定義し、その全体像を提示したものです。

戦略的人材マネジメントを真正面から提示した書籍は極めて珍しく、私の知りうる範囲では、David Ulrichの『MBAの人材戦略』『人事が生み出す会社の価値』ぐらいしかありません(著者名は日本語での表記が統一されていないので英語表記です。それぐらい浸透していません)。日本人による著作は皆無だと思います。

戦略という単語をつけた人事関連書籍は数多くあるのですが、何れも表層的・局所的なものであり、戦略的人材マネジメントとは何か、を包括的に著してはいません。

一方で、BPR、BPO、IT化による効率化・コストダウンをやりつくしてなお、競争優位が得られない状況の企業では、人材や組織文化での差別化を本気で検討すべき状況になりつつあり、戦略的人材マネジメントはその重要性を日に日にましていると思われます。そしてこの要請に応えている人事部門はあまり見受けられません。

従って、本書は全体像を著したというだけでも非常に価値のある本だといえます。

また、どうすべきか、といったゴール設定だけでなく、いかにすべきか、といった変革プロセスも書かれていますので実践での有益性もあります。

更に、著者が事業会社の人事担当副社長として、実際に人事部門を戦略的人材マネジメントができる組織に変革した実績に基づいて書かれていますので、信頼性もあります。


著者自身も記していますが、戦略的人材マネジメントの領域自体が新しいものであり、これから関与していく人たちが競争・協業しながら発展させていく必要があり、従って、本書の内容は決して洗練されたものではありません。

しかし、大まかには何をすべきかは明確に示されており、また個々の領域での参考文献も提示されていますので、戦略的人材マネジメントを推進しようと考えている方にとっては、有益な指針を与えてくれます。また、推進するに際して、自身の強みと弱みもわかる程度には踏み込んだ内容になっていますので、スキル開発・キャリア開発の参考にもなります。


残念なのは翻訳です。日本での経営用語として定着していないカタカナを使ったり、外来語として定着していないカタカナを使ったりと、読むのに多少苦労します。あと、タイトルも本書の内容に合っていません。
  1. 2009/12/16(水) 17:19:00|
  2. 戦略的人事
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MBAの人材戦略/デーヴ・ウルリヒ



★★★★★

人材マネジメントを役割&成果から体系的に解説した稀有な本

人材マネジメントについて解説した本は数多くありますが、それらのほとんどは既存の人事機能(配置・育成・評価・報酬・組織・コミュニケーション)における作業・ツールの解説を断片的に行っているものがほとんどです(それらはそれらで役に立つのですが)。

しかし、本書は人材マネジメントを企業経営を成功させるための役割や成果という観点から体系的に解説しようと試みている稀有なものです。

経営環境の大きな変化を俯瞰したうえで、人材マネジメントの役割と成果を、戦略VS運営軸、プロセスVS人材軸を用いて4つに分類し(戦略的人材経営のマネジメント、トランスフォーメーションと変革のマネジメント、企業のインフラストラクチャーのマネジメント、従業員からの貢献のマネジメント)、それぞれについて事例を紹介しながら解説しています。

更に、これらの役割と成果を推進するための人事部門の3つの要件(戦略的HRM、HRM戦略、HRM組織)についても解説しています。

原著初版から10年以上経過しているのですが、個別事例の紹介を除いて全く古さは感じさせません。むしろ10年以上経過しているにも拘らず、本書で解説されているような企業経営に価値ある貢献をしている人事部門はほどんど見受けられません。


環境が変化し、景気が悪化し、企業業績が落ち込む度にコストカット中心の人事思索が強固になっている昨今ほど、本書で解説されている原理原則(役割と成果)に立ち戻った人材マネジメントを重視すべきだと思います。

人材マネジメントに携わる方にとっては最初に読むと有益な本だと思います。また、個別の作業・ツールについての書籍を読む際に、それらが全体のどこに位置づけられるのか、を本書に求めるのも効果的だと思います。


なお、本書は人材マネジメントの体系化を試みてはいますが、構造的に脆弱なところも幾つか見受けられますし、文章も冗長なところが目立ちますので、決して読みやすいものではありません。

また、参考文献が掲載されていません(原著からなのか、邦訳でなのかはわかりませんが)。これだけの内容の書籍ですので、様々な文献が参照されているはずであり、それらも紐解いていくことでより理解が深まると思うだけに、残念です。

更に、とにかく邦訳がひどいですのでかなり疲れます。本書の価値を相当下げていることは間違いありません。

ただ、本書の内容そのものの価値が高く稀有であることから、★は減らしていません。



  1. 2009/11/18(水) 20:11:36|
  2. 戦略的人事
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プロフィール

I am that I am.

Author:I am that I am.
誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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