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Rising Sun

Author:Rising Sun
日本を愛するリヴァタリアン
倉山塾生・江崎塾生

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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グローバリゼーション-文化帝国主義を超えて/ジョン・トリムソン



★★★★

偏っていないグローバリゼーションの解説

グローバリゼーションvsアンチ・グローバリゼーションといった単純な対立軸で、
また、とかく市場経済に偏り社会や文化を経済に従属させるような書籍や言説が多い中、
文化に光をあて、かつ多元的・相互作用的・動的にグローバリゼーションを分析した本書はそれだけでも価値があると思います。

一方で、安易な相対主義を否定し、それに陥るべきではないことを重ねて指摘しているなど、
著者が真剣にグローバリゼーションと向き合っていることも理解できます。

また、様々な分析を踏まえたうえでのコスモポリタニズムに関する言及についても、
各人が自己実現を追及しながら世界にも目を向けることが大事である、というように、
斬新さや即効性はないものの、浮かれた展開や強引な展開ではないところも、
本書の信頼性を高めていると思います。

ただし、進化理論や社会生物学等への嫌悪感が随所に漂っています。
人間についての様々な自然科学の知見に基づいて人間の特性を更に見極めれば、
より実現可能性の高い方策を検討することができると思われることから、多少残念な気がします。

グローバリゼーションを擁護する/ジャグディシュ・バグワティ



★★

やりすぎ

確かに本書で記されているように根拠のない浅薄な議論に終始する団体も多いでしょうし、
そのことで自由市場経済から隔離され貧困から脱することができない民が数多くいることも事実でしょう。

しかし、グローバリゼーションを「べき論」として展開し、グローバリゼーションに従うべきだという著者の展開はやりすぎではないかと思います。
それが、グローバリゼーションのポジティブな要素と反グローバリゼーションのネガティブな要素を比較してグローバリゼーションの正当性を論じ、
更に、多国間の自発的な相乗効果によって生み出されるものではなく、アメリカ主導のものをグローバリゼーションとして擁護するかのような内容であればなおさらです。

グローバリゼーションが現在のように進んでいる背景には確実にメリットがあるはずなのですが、
著者のような展開をすればするほど、かえって反グローバリゼーションへの掛け声が強くなるのではないか、と危惧します。

また、反グローバリゼーションへの批判はあっていいのですが、
グローバリゼーションのあり方や、グローバリゼーションそのもののポジティブな要素とネガティブな要素を冷静に分析し、
様々なグローバリゼーションへの選択肢や効果的方法を提示することのほうが重要でしょう。

経済学者にはもっと本質的な研究・検証をしてもらいたいと思います。

富の未来 下/アルビン・トフラー等



★★★★★

第三の波をどれだけ上手く乗りこなすかが鍵

上巻で丁寧に説明された時間・空間・知識という基本的条件の深層に基づいて、
波の違いと波対波の争いが最新情報並びに近未来予想を駆使して鮮やかに書かれています。

第三の波である知識社会が
如何にして貧困低減を含めて人の幸せに貢献することができるのか、
その波を加速させるためには何に気をつけなければならないのか、について
各地域(アメリカ、日本、中国、インド、アフリカ、ヨーロッパなど)毎に深く洞察しています。

また、上巻で提示された常識・一貫性・権威・啓示・時の試練が、
どれだけ新たな知識社会を阻む既得権益であるか、
それが人の幸せという点においてどれほど愚かなことであるのか、も
非常にわかり易く書かれています。

日本でも、とかく新たな知識社会に対する批判が目立ちますが、
様々な批判についての是非を適切な目で確かめることが出来ます。

日本の文化・伝統は、
古来より他の文明が持つ知識を貪欲かつ見事に取り込んできたというものですから、
日本古来の良さと新たな知識を上手く両立させていくことができるとも思いました。


「未来の経済と社会が姿を現してきているので、個人も企業も組織も政府も全て、
過去のどの世代も経験しなかったほど急激な未来への旅に直面している。
何ともすさまじい時代に、われわれは生きているのである。
21世紀の新しい時代にようこそ。」
本書最後の文章です。

富の未来 上/アルビン・トフラー等



★★★★★

やはり凄い!

世の中の変化について著した書籍は沢山ありますが、
本書ほど本質を突いたものは稀有だと思います。

富の変化を知識・時間・空間軸で深くとらえています。

まず、知識については様々なメディアやITで情報が氾濫しているとしたうえで、
人はそれらをなぜ信じるのか、という真実の基準を知ることが大事だと述べています。
人は「常識」「一貫性」「権威」「啓示」「時の試練」「自然科学」の
どれか(複数)を競合した基準として使っているとしたうえで、
「自然科学」以外の基準は自分で進化する力を有しないので、十分に注意する必要があるといっています。
日本に当てはめると、学生の科学技術離れが叫ばれていますが、
そのうち興味の問題だとはいっていられなくなるのでしょう。

次に、時間については、時間軸における様々な非同期化による摩擦が大きな問題だといっています。
企業、社会団体、家族、労働組合、官僚機構、公教育制度、世界的統治機関、政治構造、法律
の順にスピードが遅くなっており、それを同じ速度にすべきだといっています。
日本に当てはめてみると、まあ同じ構図なのでしょうね。

更に、空間については、世界で富を得られる空間は流動的であり、
知識と時間と空間を密接に関連させて相互作用を上手く起こさないと、
富が逃げていくといっています。
古い産業、古い文化、古い社会構造にとらわれていると富が逃げるということです。
日本に当てはめてみると悲惨な状況だと思います。既得権益がまだまだ強すぎます。

技術や経済の動きについては「フラット化する世界」の方が具体的でしたので、
ビジネスを考える際の重要なヒントを与えてくれましたが、
本書はより深く洞察することで世の中の見方、自分の考え方について、
再度整理するための視点を与えてくれました。

これからの世の中を生きるための必読書でしょう。

フラット化する世界 下/トーマス・フリードマン



★★★★★

社会のフラット化

技術と経済の話だけで終わらないのが本書の良いところです。
下巻では3〜5部にかけて、フラット化と社会・文化の関係を扱っています。
ビジネスに関心のある人は上巻だけを、社会に関心のある人は下巻だけを読まれるかもしれませんが、
ビジネスと社会は相互関係にありますし、また上巻を読まないと下巻の意図が掴みきれないと思いますので、
上下巻併せて読まれることをお薦めします。

ここでは、文化・社会をフラット化の進展を阻むものでもあり、
逆にフラット化の恩恵を受けるものでもあるとしています。

夢(未来)と思い出(過去)のどちらに思いを馳せるかで、
フラット化の恩恵を受けられるかどうかが決まるようです。
フラット化と夢をつなげれば恩恵を受けることができますし、
フラット化と思い出をつなげれば恩恵は受けられないだけでなく、
恩恵を受けたいと思っている人が、得るべき恩恵を受けられなくなります。
フラット化の恩恵を受けながら、様々な社会が独自の文化を世界に広げていくことで、
豊かな多様性が次々と生まれることが人の幸せにつながるのだと思います。

あと、最終章でイマジネーションの重要性を説いています。
人を高みに引き上げるためのイマジネーションと、人を奈落に突き落とすイマジネーションがあるとのことです。
前者はフラット化を使って人を幸せにすること、後者はフラット化を使って人を殺すことです。

下巻の内容は、上巻の内容を踏まえてよく読まないと、その本質が見えにくいと思います。
しかし、結構大事なことが書いてあります。

参考までに、以下の書籍を併読することをお薦めします。
社会・文化:アルジュン・アパデュライ「さまよえる近代
→経済以外にフラット化に影響を及ぼす要素をどう見極めるか

イマジネーション:ピーター・センゲ「出現する未来
→何を目的として如何にイマジネーションすべきか

フラット化する世界 上/トーマス・フリードマン



★★★★★

技術と経済によるフラット化

上巻では、技術と経済のフラット化を丁寧にまとめています。

断片的に、また衝撃的に個々の技術革新やそれに基づく経済の変化を著していた書籍は多くありましたが、
本書では、それらの動きを様々な角度から洗い出し、明確に描写すると共に、
相互作用する一つの大きな流れとしてわかり易く提示しています。

このような動きを通じて、膨大な物的資本が求められた工業社会よりも、
この流れの方が公平に世界中に浸透していくとしています。

新たな技術とそれに基づく新たな経済メカニズムのメリットを見据えて、
新たな価値創出に挑戦していく人、企業、国は栄えていきますし、
それらを無視・拒絶して従来の工業社会にすがる人、企業、国は衰えていくということです。

日本にいると気付きにくいのですが、
アメリカでは個人が大企業並みにビジネスを行うことの出来るソフトウェアが無料で使えるそうです。

このような流れをみると、価値を生み出すための考え方・方法などがこれまでと全く違ってくるのでしょう。
これから活躍できる人材モデルなども書かれています。
要約すれば機械やITでできることは全て代替され、
代替出来ない作業はこれから発展していく国・地域が担い、
先進国では、個人の知恵と個人間の創発だけが価値を生むということです。

なお、邦訳版出版にあたり、第二部が上巻・下巻にまたがってしまっています。お気をつけ下さい。

第二部まで読み進めると、個人としてこれらの変化をどう活用していったらよいかがわかります。
これらの変化を無視・拒絶するのではなく、上手く使っていくことが幸せにつながると思います。

ヨーロピアン・ドリーム/ジェレミー・リフキン



★★★★

EUに抱くまさにドリーム

アメリカン・ドリームは終焉し、
変わってEUを中心とするヨーロピアン・ドリームが到来する、
到来して欲しい、到来しなければならない、と説いています。

EUの考え方や方向性については非常に期待を持つことのできる内容でしたが、
一方でEUの素晴らしさとUSの酷さを比較している部分が大半を占めており、
著者の思想ありきで書いているな、という印象は拭うことはできませんでした。

また、東洋の儒教・道教・仏教の引用をしてEUの可能性を高めようとしていますが、
日本人としては、ちょっと東洋思想を美化しすぎかなと思いました。

更に最終章については、EUの成功可能性についてかなり議論が弱くなっており、
現実による論証よりも、むしろ願いとなっています。

本書を読んでの感想を最後にひとつ。
アメリカン・ドリームを否定する本であるにもかかわらず、
アメリカ人の中にもこのような発想をする人がいること、
日本語に翻訳される程度に売れてしまうこと、
良くも悪くもアメリカは自由の国であり本人の実力次第であること、
を強く思わされました。

引き裂かれる世界/サミュエル・P. ハンチントン



★★★★★

21世紀の日本の課題!

日本人向けに易しい文体で近年の世界情勢を解説した本です。
文明の衝突と比べると、あまりにも平易であるが故に、
読後の充実感はそれほどではありませんでした。

また、ドイツは罪の文化であり、罪を認めたが故に隣国と仲良くやっているのに対して、
日本は恥の文化であり、罪を認めていないが故に中国と上手くやれない、
といった批判は、多極化を是とする著者からの発言とは思えません。

しかし、アメリカで影響力を持つ著者ですので、
アメリカではこのように考える人がいるということは認識しておく必要があります。

また、大まかな対立構造自体は本書のとおりでしょうから、
日本としてこれにどう向かっていくかということは真剣に考えるべきでしょう。
それを教えてくれる警告書だという意味において重要な書物です。

現在、憲法改正の議論が始まっていますが、
果たして世界における日本のビジョンを日本文化を損なわないかたちで、
政治家が創り上げることができるのか、
またそのような政治家を私たちは正しく選ぶ事ができるのか、
重要な意思決定局面に来ていると思います。

著者解説(wiki):サミュエル・ハンチントン

文明の衝突と21世紀の日本/サミュエル・P. ハンチントン



★★★★★

「文明の衝突」図解簡略版

文明の衝突を噛み砕いて、図表をつけたものです。
世界地図と衝突エリアが絵になっていてわかりやすく仕上ています。

文明の衝突」は読みたいけど、分厚いし高いと思われる方は、
まずこちらをお薦めします。

著者解説(wiki):サミュエル・ハンチントン

文明の衝突/サミュエル・P. ハンチントン



★★★★★

アメリカから観た世界観

アメリカが世界をどのように観ているのか、を知りたい方の必読書です。
日本人の私としては、アジアに関しては深みが足りないな、とは思いましたが、
戦略として世界を俯瞰すれば、これぐらいにはなってしまうでしょう。

怖いのは、強国アメリカがこのような世界観を持っていると、
世界がそのようになっていく可能性があるということです。
現に、2005年の国連安保理加盟の件でG4が負けたのは、
まさに著者が書いていることが理由に思えるのです。

著者が言うように日本がアメリカよりも中国を選ぶ、ということについては、
経済的には中国依存が高まるとしても、政治的・社会的にはまず無いでしょう。
しかし、予言書は、それを信じる人が多ければ、現実が予言に近づきます。

本書を通じてアメリカの世界観を知るだけでなく、
他国の世界観も知ったうえで、交流する必要があると感じさせられました。

アルジュン・アパデュライ「さまよえる近代
ブルーノ・アマーブル「五つの資本主義
を併読される事をお薦めします。

著者解説(wiki):サミュエル・ハンチントン

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