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Rising Sun

Author:Rising Sun
日本を愛するリヴァタリアン
倉山塾生・江崎塾生

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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社会はなぜ右と左にわかれるのか/ジョナサン・ハイト





お粗末な道徳心理学の本

人間は進化により小さな集団の中での道徳心を得てきた。
道徳には大きく分けて6種類あり、コンサバはそのすべてを、リベラルはそのうち3つを提供している。
したがって、リベラルはコンサバほどは支持を得ないだろう。
といった内容です。

一見科学的に見えますが、結構粗い論理展開です。

進化生物学の現時点での共通見解としては人類は4万年前から変わっていないというものがあります。
しかし著者は、それ以降現在までの淘汰圧があるはずなので、4万年前から人類は進化している「はず」と、
何ら科学的根拠もなく決め込んで持論を強化しています。
ちなみに、本書で述べられている進化生物学の知見は既知のものばかりで、新たな発見はありません。

また、訳者あとがきでも触れられていますが、著者は進化生物学が持論を支持するように歪めて使っています。
道徳を本能に還元し、本能は進化で得られたものだから動かしがたい、としていますが、
同時に進化で得られた新皮質=論理・思考についてはかなり乱暴に過小評価しています。

また、道徳の6種類についても、なぜその6種類なのか、については科学的根拠を明示していません。
膨大なアンケートにより6種類の道徳についてコンサバとリベラルの傾向は明らかになっているのですが、
そもそもその6種類が正しいのかについては述べられていませんでした(道徳心理学の世界では通説なのかもしれませんが)

さらに、著者の持論だとリベラルがコンサバよりも支持を受けることは無いように思えますが、
リベラルの本来の根源(自由の獲得)のための様々な革命の歴史については、なんの説明もありません。

真のリベラルとは何か、他のイデオロギーとの違いは何か、なぜ分かれるのか、
等を知りたくて本書を読んだのですが、知りたいことは全く知ることができませんでした。

センスメーキング・イン・オーガニゼーションズ/カール・E・ワイク



★★★★★

複雑系心理学!

著者が複雑系を意図しているかどうかはともかく、
本書で述べられていることは紛れも無く複雑系心理学です。
よくある経営学・経済学になじんでいる方にはさっぱりわからないかもしれません。
間主観性と集主観性の移ろいは、まさしくカオスの縁といわれるものでしょう。
ビジネスの世界では線形思考がはびこっていますが、
世の中はほとんど非線形で動いていますので、本書は貴重な内容を提示しています。

複雑系理論は、様々な分野で展開されていますので、
これからもっと発展し、かつ統合されていくと思われます。

複雑系に興味をもたれた方には以下をお薦めします。
M・ワールドロップ「複雑系」:サンタフェ研究所のリポート
マレイ・ゲルマン「クオークとジャガー」:理論物理学者による複雑系を軸とした統合科学
スチュアート・カウフマン「自己組織化と進化の論理」:生物学者による複雑系アプローチ
ブライアン・アーサー「収益逓増と経路依存」:経済学者による複雑系アプローチ
アルジュン・アパデュライ「さまよえる近代」:人類学者による複雑系アプローチ

組織化の社会心理学/カール・E・ワイク



★★★★★

人の関係を扱った数多くの書籍の頂点

とにかくすごい本です。
人の種としての本質を十分に踏まえたうえで、
進化理論に基づいて組織「化」の過程を見極め、
複雑系理論に整合する組織化理論を提唱しています。

さらにすごいのは本書の初版が1969年であるということです。
30年以上前に書かれた本であるにもかかわらず、
現在の自然科学の最新の知見と整合しているのです。

人を個人として扱った数多くの書籍の頂点は、
M・チクセントミハイ「フロー体験 喜びの現象学」だと思っていますが、
本書は、人の関係を扱った数多くの書籍の頂点だといえます。

人・組織のマネジメントについては、
この2冊を熟読・再読することでほとんどカバーできると思います。
ビジネス書を読むよりもよほど価値があるでしょう。
この2冊と同等以上に価値あるビジネス書は、
P・F・ドラッカー、トム・ピーターズ、ヘンリー・ミンツバーグ、マイケル・ポーター
ぐらいだと思います。

なお、関連分野については以下の書籍をお薦めします。

人の本性について:
ダニエル・デネット「自由は進化する」(科学哲学)
スティーブン・ピンカー「人間の本性を考える」(進化心理学)
アントニオ・ダマシオ「感じる脳」(脳科学)

進化理論について:
リチャード・ドーキンス「利己的な遺伝子」「延長された表現型
ニコラス・ハンフリー「獲得と喪失
マット・リドレー「やわらかな遺伝子

複雑系理論について:
マレイ・ゲルマン「クォークとジャガー」(理論物理学)
スチュアート・カウフマン「自己組織化と進化の論理」(生物学)
ブライアン・アーサー「収益逓増と経路依存」(経済学)

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