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伝統・科学・世界を知りマネジメントに活かす

日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

the four GAFA/スコット・ギャロウェイ



★★★

GAFAって何?という方にはご一読をオススメします。

GAFAとは、金儲けで世界を席巻しようと企んでいる、
Google, Apple, Facebook, Amazonの略称であり、
近年その活動が良くも悪くも目立つようになってきたことから、
つけられたもののようです。

本書の内容は、
国際政治におけるグローバリスト(GAFA)vsナショナリスト(国民国家)
という大局的な構図で描かれているものではありません。
MBA教授によるビジネス書です。
ですので、両者の攻防についてはほとんど触れられていませんので、
こちらの方にご興味のある方は注意された方がよろしいかと思います。

また、
著者はニューヨーク・タイムズ(日本でいえば朝日新聞)を中立公正な新聞だと信じて疑わない
筋金入りのリベラルのようですので(本書内で著者自身が明記)、
本書を読まれる際には、その辺りを割り引かれた方がよろしいかと思います。
一読しただけですが、印象操作と思われる箇所が複数見つかりました。

さらに、
理由はよくわかりませんが、
著者はAppleのスティーブ・ジョブズが大嫌いなようで、
他の3社やその経営者との比較で明らかに、Appleとジョブズを不公平に扱っています。
Appleをブランドだけの会社だと断言し、
iPhoneやiPadなどに込められたAppleにしかなし得ない技術革新を無視しています。
この辺りが、時価総額1兆ドル一番乗りはAppleであり、
著者が予想したAmazonが見事に外れた理由だと思われます。

あと、
せっかくGAFAについて取り上げたにも関わらず、
GAFAの裏の顔についてはあまり触れられていません。
各国での法律違反、タックスヘイブン利用による税金逃れ、個人情報漏洩・販売など、
軽く触れてはいますが、補足情報程度の扱いです。

GAFAはグローバリストであると同時にリベラリストですので、
意図的にクローズアップしていないのかもしれません。

因みにGAFAの裏の顔によるアメリカ国民への悪影響を防ごうとしているのは、
リベラリストが嫌ってやまないトランプ大統領です。
裏の顔をクローズアップして解決策を述べ出すと、
大嫌いなトランプ大統領の政策を支持することになってしまうので、
意図的にクローズアップしていないのかもしれません。

ですので、
GAFAって何?という方には、こういうものがあるんですよ、
という意味でご一読をオススメしますが、
ネットなどでGAFAについて敏感に情報収集をされておられる方や、
グローバリズムvsナショナリズムといった大局的な構図での攻防を知りたい方には、
オススメできません。

評価をもっと下げてもよかったのですが、
GAFAについて正面から取り上げた最初の本ということ、
Amazonが、
カスタマーやサプライヤーを金儲けのために使い捨ての駒として利用している、
と具体例を挙げながら正しい指摘をして警鐘を鳴らしていますので、
この評価にしました。
  1. 2018/08/08(水) 16:23:10|
  2. マネジメント
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宅配クライシス/日本経済新聞社





既得権益の破壊者から既得権益そのものになっただけ

サービスレベルを下げる一方で価格を上げることで、顧客満足よりも利益を追求する、
競争は激しいものの寡占状態にある業界で主要な地位にある会社ならではの、
ありきたりな既得権益維持行為を単に実施しただけのことだと思います。

そして自ら為すべき経営改革をせず、
EC事業者やその利用者を悪者扱いして責任回避しただけのことだと思います。

メディアでは擁護するニュースが聞かれますが、
自分たちは被害者でありEC事業者や利用者が加害者であるかのように、
所属する経済団体お抱えのメディアに、記事を書かせた、読ませたと思われても仕方ないでしょう。

また、価格引き上げがインフレターゲット達成の一助になる、きっかけになると、
リフレ派経済評論家が誉めそやしていますが、経営理論の基礎も知らない戯言としか思えません。

創業者が存命であれば、このような暴挙は絶対に許さなかったのではないでしょうか?

ドラッカーはマネジメントの重要な要素として、マーケティング・イノベーション・生産性を挙げています。
まずはEC事業者とその利用者のマーケティングを徹底すべきではないでしょうか?
  1. 2018/06/03(日) 12:03:56|
  2. マネジメント
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包むマネジメント/近藤寛和



★★★★

読み手によって価値が変わる本

自社独自の差別化をなんとしてでも確立したい、
差別化への試行錯誤をどれだけでも続けたい、
そのためにはトップ自らが先ず変わらなければならない、
という覚悟を持った中小企業の経営者にとっては本書は価値の高いものになると思います。
  1. 2014/10/15(水) 18:36:27|
  2. マネジメント
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利益や売上ばかり考える人は、なぜ失敗してしまうのか/紺野登+目的工学研究所



★★★★

悪くはないが、まだまだこれから


本書は、P.F.ドラッカーの『マネジメント』『非営利組織の経営』など数々の書籍や、
サステナビリティ経営、ソーシャル・ビジネスに馴染んでいる方々にとっては違和感のない内容だと思います。
ひっくりかえせば、斬新さの少ない書籍だとも言えます。
ただ、新しい事例が豊富にあり、古い事例もフレーム化して整理されていますので、理解を促してくれます。

また、本書内で「20世紀は手段の時代」として、本書の内容がそこから離れた斬新な発想であるとしていますが、
これまでもコーポレート・アイデンティティ(CI)、ミッション経営、ビジョナリー・カンパニーなど、
本書が掲げる「目的による経営」という理論は決して斬新なものではありません。
ただ、これまで謳われてきた理論は、売上・利益に蹴落とされて定着しない、広告代理店やコンサルティング会社に発注して歪んで導入された、などといった経緯があるため、再度、不確実時代の経営にとって重要なことは何か、を再認識させてくれます。本書内でも「目的による経営」を正しく扱うよう念を押しています。

ただ、残念なのは、「目的による経営」という理論が未だ揺籃期だからかもしれませんが、成功事例と失敗事例の比較がなされていないことです。
最低でも「目的による経営」で成功した組織・失敗した組織、従来の経営手法で成功した組織・失敗した組織、を比較する必要があると思います。


日本人の経営学者の書いたビジネス書はほとんど読まないのですが、たまたま機会を得て読むことができ、
また内容も決して悪いものではないため★4つとさせていただきました。
今後のさらなる研究による理論の深化・進化を求めたいと思います。

ただ個人的には、本書で掲げている「目的による経営」が多くの組織で実践、実現されることを期待しています。
  1. 2013/05/01(水) 15:41:20|
  2. マネジメント
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オヤノタメ商品 ヒットの法則/今井啓子



★★★★

高齢化社会において企業・顧客双方に得るものがある本

内容としては、様々な分野での高齢者向け商品・サービスを紹介したものです。
これらの紹介から高齢者向けマーケティングのエッセンスを抽出しているわけではありませんし、
戦略理論を提起しているわけでもありません。

しかし、数多くの商品・サービスが紹介されていることで、
高齢者を対象としたマーケティングや商品化のヒントがつかめると思いますし、
顧客である高齢者やその家族にとっても、不便さを解消してくれる商品があることを知ることができると思います。

ただ、紹介されている商品・サービスには高額のものが少なくありません。
商品・サービスの内容から判断すれば妥当な金額だとは思いますが、
果たしてどれだけの高齢者が本書のような商品・サービスを利用できるのか、よくわかりません。
高額な商品・サービスの提供により、高齢者間に大きな格差が生じないことを期待したいと思います。
  1. 2012/11/14(水) 11:14:32|
  2. マーケティング
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ビジョナリーカンパニー4/ジェームズ・C・コリンズ



★★★★★

哲学・意志・規律を持つリーダーだけがカオスを乗り切れる

これまでのビジョナリーカンパニーシリーズでも、リーダーやヒトの重要性が述べられていましたが、
本書ではカオスを乗り切るためには、リーダーの思考・行動がどれほど重要であるかが説かれています。

これまでのシリーズ同様、社会科学の世界では最も綿密な部類である調査方法を駆使して得られた結論を、
・10X型リーダー(第五水準リーダーシップを原動力とした以下3つの発揮)
・20マイル行進(狂信的規律)
・銃撃に続いて大砲発射(実証的創造力)
・死線を避けるリーダーシップ(建設的パラノイア)
・具体的で整然とした一貫レシピ<SMaC>(上記3つを融合させて生成進化される原則)
・運の利益率<ROL>(上記によって、遭遇した運不運を如何に上手く活用するか)
といったわかりやすい用語に集約したうえで、わかりやすく解説しています。

また、これまでのシリーズと本作との関連について一章を割いており(Q&A方式という形態で)、
シリーズを通して整合性は確保していると説明しています。


本書で最も驚きだったのは、
イノベーションが組織の生死を分けるものではないということ、
変化に遭遇する度に、適応するための組織変革をすべきではないということ、でした。


一方で、より一層核心を深めることができたのは、
経営層が如何なるリーダーシップを発揮するかが、組織の生死を分けるものだということでした。

何か不運があるたびに、
慌ててプロジェクトを進めたり、コンサルタントを呼んだり、リストラしたり、ということの前に、
経営層自らが、自分自身の哲学・意志・規律が如何なるものか、どうあるべきか、どうすべきか、
を考えることが肝心だということです。

特に、業績不振を市場のせいにしたり、社員のせいにしたりしている経営層(実に多い)は、
本書を読んで自己点検すべきでしょうね。
(ただ、こういう経営層に限って本書は読まないでしょうし、読んでも部下にお任せなんでしょうけれど)


更に本書を読んで思ったのは、
個々人の人生も周りの環境がカオスであることから、
務めている組織だけではなく私生活でも本書の内容を実践した方がよいのではないかということです。
他の所謂自己啓発書と比べても本書は優れていると思いますので、
どうせビジネス書として読まれるのであれば、自己啓発書としても読んで損はないはずです。

  1. 2012/10/08(月) 13:51:25|
  2. ビジョナリー
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ビジョナリーカンパニー3/ジェームズ・C・コリンズ



★★★★★

あらためて「企業は人なり」だと感じさせられました

本書で登場する衰退の五段階は、
どの組織にでも、またどんな人にでも、内在されているものだと思います。
仏教でいう「煩悩」だともいえます。「煩悩」が露出すると衰退すると考えられます。

・様々な縁によって成功したのに、それを全て自分の手柄だとする身勝手な傲慢さ(第一段階)
・世の中のためでなく、物質的欲望のために貴重な資源を不必要に追及する貪欲さ(第二段階)
・自己を正当化するために、失敗の原因をすべて自己以外に求めようとする卑しさ(第三段階)
・窮地に立たされ我を忘れ、妄想に次々と期待を寄せ頼ってしまおうとする愚かさ(第四段階)
・道理をわきまえずに、守るべきものとそうでないものとの区別がつかない無明さ(第五段階)

上記を書きながら、これまでコンサルティングをさせて頂いた組織と照らして思ったのは、
行政の影響が強いほど、組織規模が大きくなるほど、個人の役職が高くなるほど、
これらの傾向が強く出ているな、ということです。

ですので、これらの傾向は常に自分自身の中にあると思って、
意識的にセルフチェックをしておく必要があると思います。

また、組織の中では、これらの煩悩をさらけ出したり、自身の煩悩に気づかないような人を、
人の上に立たせないようにすることが必須です。
しかも他者に対するその見極めは難しくはないですので、実践する決意があれば済むと思います。


なお、本書の元となる調査手法は『ビジョナリーカンパニー』『ビジョナリーカンパニー2』と同様、
社会科学で採用可能なものの中で最も信頼される部類にはいりますので、信頼性は高いと思います。


また上記で本書の内容を要約しましたが、これらは心理学では当たり前のものとされていると思います。
その意味では、経営学と心理学を繋ぐ本だともいえます。
さらに、仏教でも上記と同様のことが2000年以上も前に謳われています。
その意味では、経営学と仏教をを繋ぐ本だといえます。
ちなみに仏教は心理学だとも言われていますので、これで経営学・心理学・仏教が繋がることになります。


  1. 2012/09/26(水) 18:35:37|
  2. ビジョナリー
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第3の案/スティーブン・R・コヴィー



★★★★

斬新さはないが、秀逸な一冊

本書は、
イノベーションに関する書籍を数多く読まれている方にとって、
また、コミュニケーションに関する書籍を数多く読まれている方にとって、
あるいは、自己啓発に関する書籍を数多く読まれている方にとって、
それほど斬新なことが書かれているわけではありません。

しかし、本書は上記に挙げた分野についてのエッセンスを凝縮し、
一冊にまとめて読者に提供していることに、その秀逸さがあると思います。

7つの習慣と併せて読まれると、より理解が深まると思います。
  1. 2012/04/01(日) 09:52:26|
  2. マネジメント
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ひらめきを富へ変える天才 ひらめきをドブへ捨てる普通人/シドニー・ショア



★★★★

訓練あるのみ

本書は、アイデアを創造するための方法を提示したものです。

アイデアを創造するためには以下が必要とのことです(要約)。
・ポジティブであること
・五感を研ぎ澄ますこと
・見えないつながりをみつけること
・本書に掲載されているテンプレートを使うこと
・とにかく数多くアイデアをひねり出すこと
・上記を毎日繰り返し行うこと
 
とにかく毎日欠かさず訓練を行うことが必要だと繰り返し述べています。
アイデアを創造するための近道はなさそうです。

なお、著者が提示している上記の要件は、ブレーンストーミングの本でいわれていることと同じだと思います。
ブレーンストーミングの目的が集団でアイデアを創造することですので、当然といえるでしょう。

アイデアの創造を訓練したい方にはお勧めです。

ただ、タイトルが本書の内容と少しズレていますので、★1つ減らしました。
  1. 2011/03/22(火) 08:09:40|
  2. イノベーション
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ヒューマン・シグマ/ジョン・H・フレミング等



★★★★★

顧客・従業員・財務成果の総合的なマネジメント

本書は、企業の財務的な成果を生み出すことと、顧客・従業員のエンゲージメントを高めることの関係を明らかにするとともに、
顧客・従業員のエンゲージメントを高めていくためのマネジメントの方法について解説したものです。


内容としては、以前ギャラップ社が出した『これが答えだ!』で解説されているものがベースになっており、
従業員エンゲージメントではQ12、顧客エンゲージメントではCE11、従業員の強みではストレングスファインダーといったギャラップ社なじみの指標が登場してきますが、
その後の更なる調査結果や、心理学・脳科学等の新たな科学的知見の裏づけが、かなり豊富に足されています。

また『これが答えだ!』では時系列的に位置づけられていた、従業員エンゲージメントと顧客エンゲージメントですが、
本書では更なる調査から、これらの関係が時系列で位置づけられるものではなく(よって、従業員エンゲージメントを高めれば自動的に顧客エンゲージメントが高まるわけではない)、
両者の相互作用を総合的にマネジメントしていかなければならないことが示されています。

本書の途中までは、『これが答えだ!』の単なる焼き直しかな、とも思いながら読み進めていましたが、
以上のことから、かなり充実したバージョンアップ版なんだと認識を改めさせられました。


本書の原著初版が2007年、元となった『これが答えだ!』の原著初版が2002年であることから、斬新な理論というには時間が経過していること、
本書が出版される前から、本書の内容を実践して成果を生み出しているリッツ・カールトンなどの企業が存在していること(『ゴールド・スタンダード』参照)、
などを踏まえると、
日本でももっと本書のようなアプローチが導入されていても良いように思われますが、一方では、ギャラップ社が日本から撤退してしまっています。
ギャラップ社の日本撤退の理由はよくわかりませんが、本書の内容が日本企業に受け入れられなかったことが原因であれば非常に残念なことです。
日本でもっと流行らせて欲しかったと思います。
  1. 2010/08/22(日) 17:01:14|
  2. マネジメント
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プロフィール

I am that I am.

Author:I am that I am.
誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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