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Rising Sun

Author:Rising Sun
リヴァタリアン


マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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サイエンス・インポッシブル/ミチオ・カク



★★★★★

SF世界を最先端物理学で検証

SF世界で登場する様々なテクノロジーについて、
最先端の物理学の知見で、それらが可能かどうかを検証している本です。

著者が凄いのは、物理学に精通していない読者でも理解できるように、
かつ一般読者向け書籍にありがちな科学的知見の単純化・表層化をせずに、
深層な物理学の知見をわかりやすく紐解きながら、SF世界と対比していることだと思います。

著者の直近の著作3冊(本書も含めて)を連続して読みましたが、
何れも単純化・表層化せずにわかりやすく解説しているため、
楽しくかつ興味津々で一気に読み通すことができました。

SF世界で登場するテクノロジーが実現可能か否か、最新科学の知見は如何なるものか、
に興味がある方にとっては、お勧めの本、著者だと思います。

フューチャー・オブ・マインド/ミチオ・カク



★★★★★

凡庸なSF作品より面白い

最先端の理論物理学者が、最先端の自然科学各分野の科学者の知見を集めて体系化したヒトの心についての本です。
前著『2100年の科学ライフ』では科学全般の未来予測を取り扱っていましたが、
本書では、ヒトの心にフォーカスして、科学・テクノロジーの進歩で心がどうなっていくか、を未来予測しています。

勿論のこと、前著同様、物理学上の制約、進化生物学上の制約等、自然の制約を踏まえた予測ですので、
信憑性は高いと思われます。

特に、意識についてしっかりと定義し、AIのどの部分がヒトの能力を超えられるのか、また超えられないのか、
について論じているところは非常に興味深く読ませていただきました。

また、本書は『2100年の科学ライフ』の出版から数年経過しており、
その間のAI等のテクノロジー進歩についてアップデートされていますので、
読み比べることで、ここ数年での科学、テクノロジー進歩の様子もうかがえます。

前著のレビューにも書きましたが、数年おきに最新科学をアップデートして出版していただきたいと思います。

2100年の科学ライフ/ミチオ・カク



★★★★★

科学的根拠を踏まえた未来予測

著者は現役の理論物理学者ですので、あくまでも科学的根拠を踏まえた未来予測をしています。
本書で取り上げられている未来予測は、すべて物理学上の制約(モノ)と進化生物学上の制約(ヒト)を踏まえています。
例えば、ムーアの法則がいずれ物理的制約により通用しなくなる、人間の本能により実用が拒絶される領域がある、等です。

また、様々な自然科学分野における最先端の科学者300人との対話により生まれたものですので、
科学的かつ幅広い分野に対する未来予測となっています。

メディアや未来学者が煽っているようないい加減なものではありません。
また、科学という名を借りただけの、また科学という言葉を貶めている社会科学の知見はほぼ無視されています。
現在の社会科学は再現性や反証可能性に乏しいので、科学というよりもイデオロギーといったほうが相応しいと思いますので。
例えば、サイエンス誌が発表したように、心理学論文で再現可能なものは4割に満たない状況です。
さらに、複雑系理論を取り入れていない経済学は、その時点でもう学問ではありません。
ですので科学といえる自然科学の叡智だけに基づいた未来予測へのアプローチは真摯な姿勢だと思います。

なお、あくまでも科学者として自然科学の叡智に基づいて未来予測していますので、
予測不可能な政治・経済・社会・文化の要素は入っていません。
これらの要素によって、著者が提言している未来予測が実現しない可能性はあると思います。
・不況により研究開発に予算がつかない
・保守的な文化により基礎研究の実用化が妨げられる
といったことはあると思います。
しかし、これら不確定要素を無理に決めつけていい加減な予測をするよりも、適切なアプローチだと思います。
本書自体が、他の科学者たちによって再現性を確認したり、反証したりできるようになっています。

以上のように素晴らしい本ですが、科学は進んでいきますので、必然的に本書は陳腐化していきます。
ですので、できれば5年ごとぐらいに、本書の情報をアップデートして出版して頂きたいと思います。

国家はなぜ衰退するのか/ダロン・アセモグル&ジェイムズ・A・ロビンソン



★★★★★

シンプルかつ強力な理論

国家の繁栄と衰退は、その国家が採用している政治・経済の制度にかかっていると論じている本です。

その政治・経済の制度は、包括的なものと収奪的なものの2つに分けることができるとしています。
包括的とは、権力や富が幅広く分散し、中央集権による法の秩序の元で公平性が担保されていること、
収奪的とは、権力や富が一部のエリートに集中し、独裁者の裁量若しくは法の秩序の欠落により公平性が歪められていること、と定義しています。

また、包括的な制度を採用し、その正のフィードバックにより更に包括的になることで、より繁栄し、
収奪的な制度を採用し、その負のフィードバックにより更に収奪的になることで、より衰退するとしています。

更に、包括的・収奪的のいずれが採用されるかは、
その国の制度、権力の構造、岐路での決断、歴史的偶然などによって決まってくるとし、
それがいかに小さなものでも後々に大きく影響を及ぼすとしています。

そして、包括的制度は、国民のモチベーションと産業のイノベーションによる創造的破壊を上手く取り入れることによって国家を繁栄させ、収奪的制度は、これらを排除・弾圧することによって国家を衰退させる、としています。

そのうえ、国家として採用される制度のデフォルトは収奪的なものであり、
よほど意識的な決断がない限り包括的な制度を採用・維持し続けることはできない、とされています。


以上が、本書の要約ですが、包括的・収奪的な政治・経済制度というシンプルな枠組みで、
国家の繁栄と衰退の理由をかなり説明できているという点に本書の価値があると思います。
社会科学の分野ですから、本書の枠組みの例外は当然あると思いますが(本書では提示されていませんが)、
本書で採用されている豊富な事例を踏まえると、かなり強力な理論なのだと思われます。

本書でも触れられていますが、開発経済が上手くいかない理由も本書を読めば納得できると思います。
収奪的な制度を採用している国に、いくら経済援助をしても一部のエリートに富が集中するだけですし、
民主主義のルールを形だけ採用させても、一部のエリートがそれを都合のいいように利用するだけです。
最悪の場合には善意による経済開発援助が収奪的な制度をより強固にしてしまう場合もあるようです。

デフォルトが収奪的制度であるが故に包括的制度に移行させるのは容易ではないことですけれど、
制度は人が変えられるものですから、衰退し貧困から脱却できない国(民)が一筋の光明を得られるのは良いことだと思います。


なお、本書が対象としている国家の繁栄と衰退については、
類書として著名な、ジャレド・ダイアモンド氏の『銃・病原菌・鉄』があります。

本書では、『銃・病原菌・鉄』では説明できない繁栄と衰退の実態があるとして、この理論を否定しています。
確かに『銃・病原菌・鉄』は地理的特性によって繁栄と衰退が決まるとしていますので、
本書で挙げられた同一地域での繁栄と貧困の格差の理由は説明できませんから、否定する理由もわかります。
但し、『銃・病原菌・鉄』が、地理的特性だけ繁栄と衰退のかなりの部分が説明可能であると証明した本だと位置づければ、本書と相互補完関係にあるのではないかと思われます。


ちなみに、本書は電子書籍で購入し、iPhone5にダウンロードして読みました。
画面は書籍よりも小さいですがストレスなく読むことができました。
また、片手で持って寝っ転がって読むことができたことが楽でした。
更に、このような良書を常に手元に置いておけるというのもいいと思いました。
この便利さを知ってしまいましたので、『銃・病原菌・鉄』も伝書書籍で購入してしまいました。

昨日までの世界/ジャレド・ダイアモンド



★★★

正しい認識


近代国家より前の世界について流布されている、誤ったノスタルジーやステレオタイプを払拭してくれる本です。
但し、著者の『銃・病原菌・鉄』ほどのインパクトはありませんでした。
また、本書内の具体例はともかく、著者の言いたいことは他の書籍で知見を得ていましたので、
個人的には斬新さを感じることができませんでした。

長い20世紀/ジョヴァンニ・アリギ



★★★★★

資本主義サイクル発展の歴史

本書は資本主義の世界が登場したルネサンス期以降、資本主義がどのように発展したのか、また一つのかたちの資本主義の生成?崩壊というサイクルがどのように起きるのか、そのサイクルの相違点は何か、について、マルクスやシュンペーターなどの先人の知見を検証しつつ組み込みながら、理論構築をしています。

資本主義には、生成?崩壊までの一つの大きなサイクル(100年?200年ぐらい)があり、それは新たな実体経済の拡大⇒その行き詰まり⇒金融経済の拡大⇒その行き詰まりという順序で必ず移行するものである、とされています。

これは、資本が利潤を求めて新たな実体経済に投資するものの、その実体経済が必ず競争激化と成熟化により適正な利潤を得られなくなることで、資本が実体経済から離れ金融商品に移行し、最終的にはそれも限界に達するということからきているようです。

ただし、これで資本主義が終えんするのではなく、そのサイクルに組み込まれ、かつその中心ではない実体経済の力学を持つ中心が金融経済の行き詰まりの段階で発生し、資本が新たな実体経済に向かうことで、次の資本主義のサイクルがはじまる、ようです。

また、資本主義のサイクルが一段進むごとに、資本のパワーと軍事のパワー、内向きのパワーと外向きのパワー、規制のパワーと緩和のパワー、などについて振り子が行ったり来たりしつつ、より規模が拡大し複雑になっていく、ということです。

これらのことを、ヴェネチア⇒ジェノヴァ⇒オランダ⇒イギリス⇒アメリカと資本主義の覇権国が移り変わっていく様を描きながら解説しています。


ただ、原著が1994年出版ですので、バブル崩壊後の日本、台頭するBRICs、9.11以降のアメリカ、については全く触れられていません(勿論リーマンショック以降のアメリカについても)。
邦訳初版が2009年ですので、このあたりの分析や未来予想があるのでは、と思われるかもしれませんが、何もないですのでお気を付けください。


とはいえ、過去数世紀におきた数度の資本主義サイクルをこのようにみせてくれることで、現在の経済の混乱についても、世に出回っている報道や評論とは異なる観点から見ることができます。

実体経済中心の日本の産業のバブル崩壊後からの低迷、実体経済を飲み込んでしまった金融経済とその破綻、アメリカの相対的なパワー低下、などについて様々なことが言われていますが、本書を読むことで、そのほとんどが近視眼的・表層的な反応であることがわかります。と同時に、言われている様々なことでは現在の問題は解消されないということもわかります。

現在の問題は、一つの資本主義サイクルの終えん段階でこれまでも発生してきたことであり、新たな資本主義サイクルが生まれなければ根本的な問題は解決しないということです。

本書を読んでも、現在の問題は何も解決しませんが、少なくとも本質的でない情報に一喜一憂することはなくなると思います。

また企業経営においては、新たな需要を見つけ出してイノベーションを起こすことしかなさそうです。

株式会社/ジョン・ミクルスウェイト



★★★

株式会社システムの歴史

株式会社というシステムについての歴史を会社と社会との関係を中心に解説しています。

それほど深く掘り下げられたものではありませんが、
このような類の書籍はあまり見受けられませんので、一通り目を通しておいて損はないと思います。

また、経済発展との関連については、
ウィリアム・バーンスタインの「『豊かさ』の誕生―成長と発展の文明史」を併せて読むとより理解が進むと思います。


ただ、P.F.ドラッカーの著作についての重大な事実誤認がありましたので、評価は下げざるを得ません。

「豊かさ」の誕生/ウィリアム・バーンスタイン



★★★★★

近代文明の科学的な解明

社会科学の各専門分野に限定して歴史を紐解く書籍は数多くありますが、
何れも分野を限定していることから説明が過度に単純化される傾向があります。

しかし本書は、
政治(私有財産権の確立等の法律の重要性や司法・立法・行政の分立の重要性など)、
文化(科学的合理主義の重要性や宗教的寛容の重要性など)、
経済(資本市場の重要性やロジスティクスの重要性など)、
さらには人の心理(マズローの欲求段階説の取り込みなど)、
といった多岐にわたる分野にわたって綿密な統計処理を踏まえたうえで、
近代・現代文明の成長と発展の鍵をそれらの相互作用の賜物であることを立証しています。

本書の内容そのものについては、各方面からの異論がでそうなものですが、
立証するために使用した情報の多さから、適切に反論することは容易ではないと思わされます。
一方で、本書の展開そのものが科学的合理主義を踏襲しており、
適切な情報の入手・分析による反証可能性を用意していますので、
新情報の発見や更なる分析によって、より洗練されていく余地があるものとなっています。

なお、本書と同水準の以下の書籍を併せて読まれると更に理解が深まると思います。
ポール・ケネディ「大国の興亡
マイケル・クック「世界文明一万年の歴史
アルジュン・アパデュライ「さまよえる近代
ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄

数量化革命/アルフレッド・W・クロスビー



★★★

視覚化・数量化の「何が」「どのように」の歴史

当時の世界におけるあらゆる分野において、視覚化・数量化が進展していく歴史を見せてくれます。
音楽の記譜法、絵画の遠近法などが時間と空間における新たな概念から生まれた、など
現在当たり前のように使われていることに対する生成過程を知ることができますので、
結構楽しめる本です。

ただ、著者も「難しい」と断りをいれているのですが、
「何故」についての考察があまりありません。
何故、視覚化・数量化の進展が始まったのか、
何故、それまでの長い間、始まらなかったのか、
何故、ヨーロッパで始まり、他の地域では始まらなかったのか、
については触れられていません。
このあたりについての考察がしっかりと盛り込まれていれば、
更に多くの事柄を歴史から学ぶことができるのではないか、と残念に思います。

大国の興亡/ポール・ケネディ



★★★★★

興亡の生々しさが伝わってくる

500年間の大国の興亡の流れが生々しく伝わってきます。
国としての経済成長を図るための消費や投資の促進と、
成長した経済を守るための軍備の促進のバランスを如何に上手くとるか、
また、地政学的な条件や技術革新の流れを如何に上手く捉えるか、
更に、時間差で発生するこれらの動向を如何に上手く見極めるか、
が膨大な資料と共に提示されています。

資料が膨大であることから、簡単に読み進められるような本ではありませんが、
膨大であることが説得力を増しています。

原著初版が1987年ですので、ソ連の崩壊や日本経済の崩壊は予測できていませんが、
それでも、ソ連や日本が持続するための要件についての記述があり、
現在から振り返ると、それらの要件が満たされなかったが故の崩壊であることが見て取れることから、
結果として、著者の情報収集・分析・整理の力が秀逸であることが裏付けられています。

著者解説(wiki):ポール・ケネディ

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