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伝統・科学・世界を知りマネジメントに活かす

日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

複雑ネットワークの科学/増田直紀



★★★★★

ネットワーク理論の優れた解説書

本書は様々なネットワーク理論を判り易く解説しています。

代表的なネットワーク理論の一つひとつについての概要、効用と限界を
丁寧に解説すると共に、数式を使っての解析をしています。
数学が苦手な人にとってありがたいことに、読まなくてもいい範囲を提示してくれています。
また、特定のネットワーク理論を過剰に擁護することなく、冷静に比較していることも好感が持てます。

更に、ネットワーク理論は未だ完成しておらず、
今後の研究開発により解決すべき課題が多いということを正直に認めているところも誠実だと思います。

あとは、なんといっても参考文献が豊富に掲載されていることが本書の価値を高めています。

ネットワーク理論を初めて学ぼうとされる方は、
著者の「複雑ネットワークとは何か」の後に本書を読まれることをお薦めします。
ワッツとバラバシは本書を読まれて概要を掴んだ後の方が、理解が一層深まるような気がします。
  1. 2008/03/10(月) 23:01:31|
  2. ネットワーク理論
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「複雑ネットワーク」とは何か/増田直紀



★★★★★

必読入門書

ネットワーク理論をこれから学ぼうとする方には最適な1冊です。
ダンカン・ワッツのスモールワールドネットワークと、
アルバート・ラズロ・バラバシのスケールフリーネットワークを、
両理論の長所短所を踏まえながら、身近な事例を使って判り易く解説しています。
また、ネットワーク理論の歴史についても触れていますので、学問としても理解できます。
更に、学者さんとしては珍しいのですが、著者のお二人ができるだけ中立的に解説しようとしています。

ワッツやバラバシを読まれた方も、頭の中を整理するには最適の本です。
  1. 2008/03/10(月) 22:07:14|
  2. ネットワーク理論
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ティッピング・ポイント/マルコム・グラッドウェル



★★★★★

荒削りだが複雑系&ネットワーク理論の要点を抽出

ティッピングポイントを主眼として、著者が調べたことを何とかまとめようとしているので、
論理構成が荒削りなところがあります。

しかし、複雑系理論(相転移・自己組織化)やネットワーク理論(スモールワールド・スケールフリー)の具体例としてみれば、
結構分かりやすい説明になっています。
また、進化理論・遺伝学・脳科学の中心的なところを押さえているので、
単なるレポートではなく、科学的な根拠のある仕上がりになっています。

もう少し煮詰めれば更によい仕上がりになったのでしょう。
但し出版時期を考えれば、逆にここまで仕上げたことを賞賛すべきでしょう。

なお、訳者解説は不要です。著者の主張を曲解しているようです。
  1. 2008/03/10(月) 22:03:34|
  2. ネットワーク理論
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スモールワールド・ネットワーク/ダンカン・ワッツ



★★★★

理論そのものの奥深さはみえないが、仕事や生活では結構使えそう

最初の仮説設定が甘かったのか、スモールワールドネットワークという理論そのものには奥深さを感じることはできませんでした。

はじめのほうでこの法則を打ち立て、他の学問分野を古いと強調してはいるものの、
ページをめくるにつれて、法則から見た例外事項が結構出てきます。
そして、バラバシ「新ネットワーク思考」で提唱されている、スケールフリー・ネットワークを批判しながらも、
提出している資料が結局バラバシを肯定するものになってしまっています。
美しい数学を第一目的としたことが結果として美しくなくなってしまった、ということでしょうか。
カオス理論や複雑系理論から入れば、もっといいものになったのではないでしょうか。

スモールワールドの説明については、
マーク・ブキャナン「複雑な世界、単純な法則」の方が判りやすいと思います。
また、バラバシに匹敵する内容としては、
マルコム・グラッドウェル「ティッピングポイント」の方が有益です(理論としては荒削りですが)。

但し、仕事や生活では結構使える考え方だとは思います。
普段接点のない人・集団などが、異質な刺激・視点・思考・知識を得たいと思ったときには、
この理論をヒントにするならば、リンク先を意図的に変えてみることが大事だと言えます。
特に、イノベーションをしたいと思うときには、このような考え方で試してみるといいのではないでしょうか。
イノベーションを最初に唱えたシュンペーターは、イノベーションを新結合と定義しています。
スモールワールド・ネットワーク理論とスケールフリー・ネットワーク理論(バラバシ)は、
目的・場面に応じて使い分けることで、相互補完的なものになると思います。

あと、訳注と訳者解説は不要でしょう。明らかに本書とは整合しない自説展開を意図しています。
翻訳者としての役割を逸脱しています。

  1. 2008/03/10(月) 19:41:03|
  2. ネットワーク理論
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新ネットワーク思考/アルバート・ラズロ・バラバシ



★★★★★

わかりやすく、かつ実用性が見込めるネットワーク論

スケール・フリー・ネットワーク理論の解説書です。

ネットワーク理論をわかりやすく歴史を紐解きながら、様々な分野との関連性も踏まえて解説しています。
また、ネットワークの法則としての基本的な要素についての解説も丁寧にされており、
ネットワーク理論の入門書として優れた本だと思います。

法則の解説である以上、執筆時点ではわかっていない要素や、無意識的に除外された要素もあるでしょうが、
それは自然科学につきもののことですので、今後の更なる発展に期待したいと思います。

また、ネットワーク理論にはダンカン・ワッツのスモール・ワールド・ネットワークがあります。
なぜ世界が狭いのかについての理論的な説明をしていますが、そのダイナミクスには触れていませんので、
スケール・フリー・ネットワークの方が理論として優位だと思います。

なお、邦訳タイトルがいまひとつなので、注目を集めにくいのではないかと危惧します。
(最近の新書のようにタイトルだけという本よりはよほどいいのでしょうが)

あと、訳者解説は不要ですね。
本書の理論の背景には複雑系と進化理論が大きく貢献しているはずですが、
訳者はそれを過小評価していると思わざるを得ない解説をしています。

  1. 2008/03/10(月) 19:38:58|
  2. ネットワーク理論
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複雑な世界、単純な法則/マーク・ブキャナン



★★★★

ネットワークが何であるかはわかる。しかし。。。

様々な領域をネットワーク理論で説明しようと挑戦したものだと思いました。
ネットワーク理論の眼鏡で見るとそうなるんだな、という新たな視点はいただきました。
それで★4つをつけさせて頂きました。

しかし、なぜ様々な領域でこのような関係が重要な視点だといえるのか、
この理論で説明できないものがどれほどあるのか、領域を超えて同じような「関係」が見えるのは何故か、
さらに、それは単なる相関なのか因果なのか、という点ははっきりしませんでした。

本書でとりあげられた領域について、個人的に知識の濃淡がありますので、よく知らないところは何もいえないのですが、
脳(ニューロン・ネットワーク)については、かなり浅い分析だといえます。
著名な脳科学者(アントニオ・ダマシオ、V.S.ラマチャンドラン、ジョセフ・ルドゥーなど)の引用もありません。
物理学と生物学は次元が違うのですから仕方ないのでしょうが。
  1. 2008/03/09(日) 15:40:09|
  2. ネットワーク理論
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プロフィール

I am that I am.

Author:I am that I am.
誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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