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Rising Sun

Author:Rising Sun
日本を愛するリヴァタリアン
倉山塾生・江崎塾生

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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人は原子、世界は物理法則で動く/マーク・ブキャナン



★★★★★

べき乗則で社会現象の解説を試みる

著者の『歴史の方程式(歴史は「べき乗則」で動くで再出版)』『複雑な世界、単純な法則』に続く「べき乗則」の本です。

本書では「べき乗則」を社会現象にあてはめ、(著者が選定した)社会現象は「べき乗則」で説明できるとし、様々な解説を試みています。

既存の社会科学の成果では社会現象をモデル化することはできないと結論づけ(いいすぎの感はありますが、確かに動的なモデル化はできていないようです)、物理学の知見である「べき乗則」を社会科学でも上手く活用すべきと提言しています。

実際に本書で提示された社会現象では「べき乗則」は上手く当てはまりますし、経済学ではブライアン・アーサーらが複雑系理論を取り入れることに孤軍奮闘していますので、社会科学の世界ではこれからもっと注目され、研究が進んでいくのだと思われます。

社会現象の複雑性はもともと人間の複雑性に起因するとされてきましたが(これからもそうだと思いますが)、人間の複雑性を持ちださずに説明できる部分があるのであれば、それはそれで秀逸な知見なのだと思います。


ただ残念なのは、社会現象が「べき乗則」で説明『できる』ことは説明していますが、『なぜ』「べき乗則」となるのかや、「べき乗則」を『いかに』政策に活かしていくのか、については説明がありません。
社会科学は社会現象を理解するだけでなく、よりよき政策を立案することも目的でしょうから、このあたりの解説が欲しかったところです。

それでも取り上げられた社会現象については見事に「べき乗則」でモデル化できているようですので、本書はそれだけでも価値あるものといえるでしょう。

創発/スティーブン・ジョンソン



★★★

自己組織化の事例集

本書には、自己組織化の事例が沢山挙げられています。
但し、なぜ自己組織化が起こるのかは論証されていません。
したがって、「へぇ」と思うことはあっても、自己組織化は理解できません。

本書は以下の書籍を読んだ後の方が役に立つと思います。
ミッチェル・ワールドロップ「複雑系
スチュアート・カウフマン「自己組織化と進化の論理

なお、「複雑系」は絶版になっています。
複雑系を理解するための最高の入門書ですので再出版を切に願います。

複雑さを生きる/安冨歩



★★★★★

複雑系社会科学

日本人による複雑系理論に基づく社会科学領域の考え方を提起しています。

脳内現象に始まって、コミュニケーションのあり方、社会のあり方、戦争、市場に至るまで、
とかく断片化されがちで、イデオロギーありがちな社会科学の世界に対して、
複雑系理論によって中立的かつ一貫した説明をしています。

これからの生き方を考えるうえで、また世の中の見方を養ううえで、
この理論は非常に力があるといえます。

最も重要なメッセージは、
一人ひとりが自分だけでなく他者も含めて学習を促すことで世の中がより豊かになる、ということです。

最近話題になっているものについても、冷静に論じています。
コミュニケーションが人を豊かにする反面、ハラスメントは不可避であり、
不可避を前提として対処することが重要である。

市場拡大=共同体破壊という論調は、短絡的な二極化であり、
ここからは何も豊かなものは生まれない。
東大経済学教授が短絡化の原因だそうです。

歴史の方程式/マーク・ブキャナン



★★★★★

べき乗則が最もイメージしやすい本

邦訳タイトルが誤解を生む恐れがありますが、
本書はべき乗則を様々な事象によってイメージし易くした本です。

複雑系理論ではとにかくべき乗則が出てきますが、
なぜべき乗則なのかという点についてはあまり触れていない本が少なくありません。
本書はとにかくべき乗則を読者に理解してもらうことに専念しています。
また、自然科学を専門にしていない人でもべき乗則が理解できるようになっています。

生命とは何か/金子邦彦



★★★★★

物理学者による複雑系進化論

複雑系を熟知した物理学者による進化理論です。
物理学者ならではの冷静な分析がなされています。

進化理論については唯一絶対解はありえないのですが、
科学的な説明については幾つもなされており、
本書もその一翼に位置することは間違いないといえます。

基本的にはネオ・ダーウィニズムを冷静に分析し、妥当だとしたうえで、
複雑系生物学者のスチュアート・カウフマンの主張とそれほど違わない展開を示しています。
更に複雑系理論の活用方法はカウフマンよりも厳密かつわかりやすいところが素晴らしいと思います。

図解雑学 複雑系/今野紀雄



★★★★★

わかりやすい入門書

わかりやすい数学で、カオス、フラクタル、複雑系を丁寧に解説しています。
複雑系の入門書としては最適だといえます。

複雑系に関する書籍には、複雑系の定義自体が幾つもありますが、
本書はサンタフェ研究所の定義を使用していますので、
本書を読んでより理解したい方には、同じくサンタフェ研究所で成果をだした研究者の本を読まれると良いでしょう。
スチュアート・カウフマン、ブライアン・アーサー、マレイ・ゲルマンが該当します。

バタフライパワー/J・ブリックス等



★★★

複雑系自己啓発書

複雑系理論(カオスの縁、自己組織化、相転移など)に基づいた、生き方・考え方の指南書です。
世の中の見方を要素還元主義から複雑系理論に置き換えることで、
今まで気付かなかったことに気付いたり、諦めていたことに挑戦したりできるとのことです。
荘子をはじめとした東洋思想を引用したりしながら解説していますので、複雑系を身近なものとして感じるためには良書です。

ただ、著者が進化理論を悪者として取り扱っていること(しかしダーウィン自身を褒めているが)、
訳者が本書の内容を歪めた解説をしており、更に訳者解説が冒頭に掲載されていること(読むのをやめようかと思った)、
は★マイナスです。

新しい自然学/蔵本由紀



★★★★★

新しい科学の見方

カオス理論、複雑系理論、ネットワーク理論に関する本を読み漁り、
その主張するとことは理解できましたが、
今までの科学とどこがどれだけ異なるのか、どれだけ新たな知見が得られるのか、どれだけ効用があるのか、
についてはなかなか得られるものがありませんでした。

それを本書が見事に解消してくれました。
本書は単に非線形科学の解説本ではありません。

1.科学描写の構造
これまでの科学、すなわち主語的統一(モノの科学)に知識・思考が偏在しており、
それを上手く昇華するには、これからの科学、すなわち述語的統一(コトの科学)を発展させる必要があること、
それを非線形科学が担っていること、を判り易く説明しています。

2.非線形科学から見る自然
その両輪を見定めた上で、非線形科学の基礎を、
カタストロフィ、カオス、フラクタル、複雑系といった、
これまで登場した用語を丁寧に整理して紹介しています。

3.知の不在と現代
更に、知の偏在がもたらす不幸を説き、
これからの非線形科学の発展と、主語的統一と述語的統一を、
上手くバランスさせることが本当の幸福であることまで説いています。

科学を通した世界観を見事に変えてくれる本です。
日本にこれだけ素晴らしい科学者がいることに感動しました。
★5つでは足りません。

「複雑系」を超えて/ケヴィン・ケリー



★★★★★

広範かつ緻密な複雑系の整理

これだけの広い分野について、各々緻密に事象・理論を抽出した複雑系関連本は他にはないでしょう。
こんなすごいサイエンスライターがいたとは知りませんでした。
しっかりした理論書にはかなわないとは思いますが、
事例やトピックのみを扱った他の本よりは、ずっと役に立ちます。

カオス/ジェイムズ・グリック



★★★★★

複雑系の前段階

本書はカオス理論の形成・発展の歴史が、登場人物と周りの環境、時代背景だけでなく、
科学者も人間なのだな、と思わされるようなドキュメンタリータッチで描かれています。

本書でカオスは単純な法則が不規則な振る舞いを生み出すといったことが示されています。ここではカオスは混沌ではありません。

一方で複雑系ではカオスは混沌であり、相転移を表すものとしてカオスの縁という言葉が使われています。

更に、最近ではネットワーク理論も出てきています。
(small world netwok、scale free networkなど)

本書自体は1980年代までの科学史ですので、カオス理論だけを紹介していますが、
近いうちに誰か、この複雑系関連の全体の流れと法則を説明して頂きたいものだと思います。
(単に私が無知だからこのような書籍が既にでているかもしれませんが)

なお、日本人がカオス理論の黎明期に孤軍奮闘していたというエピソードは、
日本の自然科学もなかなかじゃないか、と思わされました。素晴らしいですね。

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