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伝統・科学・世界を知りマネジメントに活かす

日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

隠れていた宇宙(上下)/ブライアン・グリーン



★★★★

マルチなマルチバース理論

しばらく東洋の哲学・思想に入り浸っていましたので、バランスをとるために読んでみました。

著者のことは以前「エレガントな宇宙」を読んで感銘を受けたので知っていました。
こちらの本ではスーパーストリング理論を解説していましたので、
その後の展開も知りたくて、著者の最新刊(といっても原著初版は2011年と古いのですが)を読んでみました。

物理学の理論に基づく様々なマルチバース理論が紹介されています。
マルチバース理論というものがあることは知っていましたが、中身については本書で初めて知りました。
いずれのマルチバース理論も興味深く読ませていただきました。

ただ、何らかの物理学理論を正当化するためにマルチバースである必要がある、
といった感じのものが多く、宇宙そのものについて真正面から取り組んだものでは無いように思えました。

更に、全ての理論が仮説に過ぎません。
既存の物理法則と数学に基づいた仮説だとのことですが、
仮説に仮説を重ねているようで、SFとの境が不明瞭になっているようにも思えます。

また、スーパーストリング理論あらためM理論も前著からそれほど進展がないな、と思えました。

それでも、刺激的な理論のシャワーを浴びたようで、爽快でした。
  1. 2016/08/07(日) 18:29:16|
  2. その他自然科学
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「無限」に魅入られた天才数学者たち/アミール・D・アクゼル



★★★★★

天才数学者カントールの壮絶な人生!

数学という学問は洗練された学者達により合理的に発展してきたものだと、
漠然と思っていましたが、そのいい加減な思いが見事にぶち壊されました。

数学者同士の壮絶な争い、
宗教との駆け引き、
何よりカントールの壮絶な生き方、
どれも数学という言葉からは想像できないものばかりです。

私たちが日常当たり前に使っている数学が、
このような生々しい歴史のうえに成り立っていることを多少なりとも知って、
数学のありがたさを実感しました。

なお、本書はカントールを中心に書かれていますので、
数学の歴史について更に多様な視点を知りたい方々には、
チャールズ・サイフェの「異端の数ゼロ」がお薦めです。
  1. 2008/03/09(日) 16:43:33|
  2. その他自然科学
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異端の数ゼロ/チャールズ・サイフェ



★★★★★

ゼロを中心に様々な視点で楽しめる

本書はゼロ(と無限大)がどのように取り扱われてきたか、
という歴史を語っています。

面白いのは、単なるゼロの歴史書ではなく、
宗教と数学という、現代では全く両極にあるような分野が、
常に闘ってきたということを提示してくれたことです。
また、著名な理論を打ち立てた科学者や、革新的な実験を成功させた科学者も、
宗教・信仰との間で起きた様々な葛藤を描き出してくれたことです。

宗教も数学も人が創り出したものですから、当然といえば当然なのですが、
人が創り出したもの同士がぶつかり合って、世の中発展していくんだな、と思いました。

なお最近、様々な数学の書籍が出ていますが、
本書の方が分かりやすく、かつ奥深く楽しめます。
また、数学・物理学の成果についての歴史も、
専門書よりも楽しく理解することができます。

科学本として素晴らしいものです。
  1. 2008/03/09(日) 16:40:49|
  2. その他自然科学
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エレガントな宇宙/ブライアン・グリーン



★★★★★

理論物理学ってすごい!

私はこの領域の専門家ではありませんが、
書店でパラパラとめくって面白そうだったので買って読みました。
初めて理論物理学に接したので、読み終わるまでに結構時間がかかりましたが、
かなり興味を抱かせて頂きました。しばらく世の中が「ひも」に見えたくらいです。

ダークマター、ダークエネルギーなど、我々人類が未だ観測する術すら知らない世界で、
理論先行にせよ、このような理論を考えつくだけでもすごいと思います。

最終的にどのような実験結果がいつでるのかは、全く想像もつきませんが、
実験物理学者の方々には、この理論の検証をいつかはして頂きたいと思います。
是非はともかく検証できるようになったらすごいでしょうね。

私としては、このような理論を考えてしまう人達が世の中に存在すること、
理論を考える時には、「視点の飛躍」と「論理の武装」が必要であることを、
存分にわからせてくれただけで大満足です。

  1. 2008/03/09(日) 16:30:10|
  2. その他自然科学
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宇宙 起源をめぐる140億光年の旅/ニール・D・タイソン等



★★★★★

壮大なストーリー

宇宙の起源から生命の誕生まで、最新の物理科学を踏まえて壮大なストーリーを展開しています。

ビッグバンから始まる宇宙の膨張、
星の誕生?死?再生の輪廻による物質の再生産、
これらの物質から構成される生命といった、
宇宙と我々生命との関係のありように感動しました。

また、ダークマター、ダークエネルギー(訳ではダークを暗黒としているが)等の
未知なる領域についても踏み込んでおり、
人間がまだまだ無知であることを再認識させられました。

できれば、ひも理論、M理論に対してもっと言及して欲しかったと思います。
ブライアン・グリーンの「エレガントな宇宙」を読んでいただけに、
これらの理論に対して、著者の分かりやすい文章による解説が読みたいところです。
  1. 2008/03/09(日) 12:41:42|
  2. その他自然科学
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人間の終わり/フランシス・フクヤマ



★★★★

科学の発展vs人の倫理

科学それ自体が発展していくことは誰も止められないと思います。
本書を読むと、研究開発そのものをとめるべきだと言っているように
受け止めることができますが、多分無理でしょう。
科学者は、(偽造、捏造は論外ですが)探求する才能をもって仕事をしているのですから、
そこに社会倫理という制約を持ち込むと、
研究開発そのものが政争の具とされ、上手く進まないでしょう。

そうではなく、科学者は研究開発に専念し、
一方でその研究開発成果の活用をどのように制約するのか、解放するのかを、
政治家や市民が選択することが重要だと思います。
それが、政治家や市民の責任ではないでしょうか。

科学の危険性を訴えた本書に意義を認めますが、
それが科学の有効性を妨げるところまで侵食するべきではないと思います。

私が読んだ科学者の書籍においても、
科学的にそうである、ということと、だからそうすべきだ、という議論は、
分けて考えなければならないと強く主張しています。
特に自分の領域について先を読むことのできる科学者、例えば、
リチャード・ドーキンス
マット・リドレー
スティーブン・ピンカー
ダニエル・デネット
らのネオ・ダーウィニストほど強く主張しています。

著者解説(wiki):フランシス・フクヤマ
  1. 2008/03/09(日) 11:46:50|
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物理学者、ウォール街を往く。/エマニュエル・ダーマン



★★★

最先端金融工学というほどではないが、読む価値はあり

帯に「理論物理学と金融が出会ったとき、何が起こったのか」とあったので、
理論物理学者による金融工学の最先端の解説があるのかと期待して買いました。

確かに理論物理学と金融の融合についての情報は豊富にありましたが、
理論物理学や複雑系理論をある程度かじっていると少し物足りません。
その視点から見れば、自叙伝に近いかな、という印象です。

ただ、
金融に対して自然科学の知見を活用することは効果的であると共に、
自然科学だけでは未だ説明しきれないことは十分にわかります。
また、社会科学は自然科学と比べるとまだまだ現象面のみを見ているのかな、ということもわかりました。
  1. 2008/03/08(土) 17:44:25|
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ガリレオの指/ピーター・アトキンス



★★★★★

最新理論を導く科学史

本書は今後より発展が望まれる理論について丁寧に解説しています。
またそれらの理論を十分に理解するために、その発端となった理論からの歴史を解説しています。
面白おかしくというよりは、非常にしっかりした教科書となっています。
理論を飛躍させたエセ科学や言葉尻だけをとらえたトンデモ本が多い中、
本書はタイトル以外は地味ですが、非常に誠実な印象を受けます。

これを教科書として利用すれば科学が好きな子供が増えるのではないかと思います。
本書を通して、
科学がものすごい可能性を秘めていること、
それを発展させるために膨大な時間がかかること、
幾多の科学者が挑戦した結果として理論ができること、
科学者も人であり、悩んだり苦しんだり我を通したりといろいろあること、
などを理解していくことで子供は成長すると思います。
  1. 2008/03/08(土) 17:34:06|
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超人類へ!/ラメズ・ナム



★★★★★

極めてまっとうな科学書

近年の遺伝学、神経科学の研究成果と、これに関わる技術の発展について、
冷静に、丁寧に、かつ分かりやすく紹介しています。
入門書としても、また最新の科学技術を知るための本としても価値ありです。

また、これだけの情報が詰まった本にしては値段は安いと思います。

ただ、邦訳タイトルと表紙カバーだけを見るとSFっぽい印象を与えてしまうのが残念です。
  1. 2008/03/08(土) 17:22:06|
  2. その他自然科学
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ナノフューチャー/J・ストーズ・ホール等



★★★

注意して読めば結構楽しめる本です

ナノテクノロジーの将来の実現可能性や実現方法について述べた本です。
実現可能性や実現方法として紹介されたものが、どこまで信憑性のあるものかは正直分かりませんが、
実現できれば良くも悪くも世界が変わるんだろうな、ということは分かるものになっています。
また、生活の様々な分野においてナノテクノロジーが実現した際の姿について具体的に書かれていますので、
読み物としても面白いものとなっています。

但し、テクノロジー万能的な論調が多く、
テクノロジーの発展を阻害するような人間の本性や営みを批判したり、
テクノロジーの発展を擁護するために経済学・心理学等の社会科学の都合の良い部分だけを引用したりと、
テクノロジーを受け入れる人間サイドに対する偏った見方が多々あります。

倫理をとかく声高に叫んでテクノロジーの発展を阻害するのはどうかと思いますが、
著者のようにテクノロジーの発展が全てに優先するという発想もどうかと思います。

テクノロジーそのものについては結構楽しめる本ですので、割り切って読まれるといいかもしれません。
  1. 2008/03/08(土) 17:18:48|
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プロフィール

I am that I am.

Author:I am that I am.
誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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