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Rising Sun

Author:Rising Sun
リヴァタリアン


マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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マルチ能力が育む子どもの生きる力/トーマス・アームストロング



★★★★★

子供一人ひとりが持つ能力を最大限に引き出す育成方法

心理学者のハワード・ガードナーが確立したMI(心理学では「多重知能」と訳されていますが、教育の世界では「マルチ能力」と訳されています)をベースとして、子供一人ひとりが持つ能力を最大限に引き出すために学校で求められる教育方法を提示しています。

MIを活用した教育方法は欧米ではかなりあり(何故か日本ではほどんど見られませんが)、中にはトンデモの部類に入るものもあるようですが、本書はハワード・ガードナーが推奨していますので、間違いはないものとなっています。

本書では、MIで定義されている8つの能力の説明に始まり、教師・子供が持っているMIの判定方法、授業の仕方、教室の環境、学級運営、能力を引き出す方法、評価の方法など、実際に教室で教師が生徒と向かいあううえで必要な手法を解説しています。

能力の定義方法はMIだけではないでしょうけれど、IQだけで人を判断したり育成したりすることよりは、はるかに可能性が広がり、かつ能力を高めることができると思いますので、意義は高いと思います(なお、IQはMIの中の能力の一つとして位置づけられています。また、近年注目されているEQもMIの中の一つです)。

またMIは様々な角度から科学的な根拠で裏付けられています(本書に書いてありますが、詳しくはハワード・ガードナー「MI:個性を生かす多重知能の理論」を参照)ので、信頼に値します。

なお、本書出版に際して、原著にはあった参考文献、9つめの能力として定義できる可能性のある「生存のための能力」の解説が削除されています。
海外文献の邦訳時にはありがちな処理なのですが、本書に触発されてより詳しく学ぼうとされる方にとっては言語道断なものですので、出版社には再考願いたいものです。
私の知りうる範囲での参考文献は以下のものです。ご参照ください。
ハワード・ガードナー「MI」「多元的知能の世界」
J.S.レンズーリ「個性と才能を見つける総合学習モデル」

日本では暗記量を増やすか減らすかの議論に終始しているようですが、本書を読むと、このことがどれだけ愚かなことかがわかります。
ただアメリカにおいても未だ学習=暗記という時代遅れの発想があるようですので(本書の原著初版が2000年なので)、日本で本書のような内容がまともに議論されるのは、まだまだ先だといえるでしょう。
心理学や教育学の世界で、人の成長の多様性・可能性についてオープンな発想を持った研究者の方々にもっと活躍して頂きたいと思います。

キュリアス・マインド/ジョン・ブロックマン



★★★★★

世界レベルで一流な科学者達の少年/少女期の自伝集

世界レベルで一流な科学者を様々な分野から27人選び、少年/少女期はどうだったかという問いかけに対して、各科学者が10ページ前後で述べた内容を集めています。

興味深いのは、この27人が具体的な経験レベルでは全く異なっていること、そしてそれが各人の科学者としての独自性を形成してきたようであること、です。あえて共通項を探すのであれば、強烈な好奇心と好奇心に基づく徹底的なこだわりぐらいです。

未だに均質を是とし、その中での記憶量を増減させることしか思いつかない日本の教育メカニズムから、世界レベルの一流の科学者が出にくい理由がよく分かります。

更に、本書は科学者だけを取り扱っていますが、内容としては科学の世界以外でもあてはまると思います。


本書は子供達が将来を描くことを目的として書かれたものであり、文章もそれに合わせて優しいものになっていますので、子供自身が読んでもいいでしょうし、親子で一緒に読んでもいいと思います。
また親が自身のキャリア形成のために読んでも十分有益なものになっています。


また、27人の中で、著作を読んだことのある科学者も結構いたので、著作を思い出しながらこの自伝を読むことができ、一味違う楽しみ方もできました。

本書の中で私が著作を読んだ科学者は以下のとおりです。

ミハイ・チクセントミハイ(心理学者)
ハワード・ガードナー(心理学者)
スティーブン・ピンカー(心理学者)
ジュディス・リッチ・ハリス(心理学者)
ニコラス・ハンフリー(心理学者)
ダニエル・C・デネット(哲学者)
ジョセフ・ルドゥー(脳科学者)
V・S・ラマチャンドラン(脳科学者)
リチャード・ドーキンス(生物学者)
マレイ・ゲルマン(物理学者)
スティーブン・スロトガッツ(数学者) など

なお27人の中には経済学者は一人もいませんでした。理由は不明です。

テストだけでは測れない!/吉田新一郎



★★★★

これほどまでにギャップが大きいとは。。。

海外では当たり前になっている教育方法が、日本ではほとんど導入されていないという話です。

現在行われているテストは各教科で教えたことをどれだけ暗記できたか、というだけのものであり、
これを続けると、これからの世の中で生きていくことのできる子供は育たないこと、
今後はテストだけでなく、パフォーマンス評価、プロセス評価等、人が学習を好きになり意欲的に行うために必要なものを取り入れていく必要があること、
一方で、現在の教育界は己の既得権益を守りたいが故に、陳腐化した方法に固執しているため、なかなか変革が進まないこと、
などが要旨です。

書いてある内容は当たり前のことなのですが、そうであるだけに、日本の教育界の古さ、硬さに唖然とします。

なお、本書の内容は、間違った成果主義を導入して混乱している企業や、成果主義導入に躊躇している企業にも非常に参考になります。

なぜフィンランドの子どもたちは「学力」が高いか/教育科学研究会





日本教育の危機

評価が★1つなのは、フィンランドの学習レベルのことではありません。
日本の教育界の識者といわれるであろう人たちのレベルについての懸念です。

なぜ、に対する答え、解釈が極めて浅いといわざるを得ません。
グローバリゼーションや競争を完全否定し、平等ありきのイデオロギーに終始しています。
さらにはジェンダーイデオロギーを展開しているものまでありました。
各人の自論を展開するためにフィンランドを利用しているとしかおもえないものがほとんどでした。

民族、文化、宗教、市場、技術など、社会をとりまく環境との関連や、
日本の現在の教育体系・体制との比較もまるで出てきません。

フィンランドの素晴らしさや、日本の教育のひどさについてよりも、
このような人たちが識者であること自体が、日本の教育の未来を閉ざしているように思えます。

フィンランドの教育についてのまともな論文を探していたのですが、
完全に期待はずれです。

教育格差/和田秀樹



★★★★

これからの世の中にどう立ち向かうか

親が自分自身を冷静に見極めることが大事であり、
自分の能力と生み出す価値、自分の成功体験と世の中の変化、などを自覚したうえで、
子供の性格と将来への布石、必要な教育と現行教育制度との乖離、などを踏まえて子供の成長を促すことが重要だということでしょう。

あと、ゆとり教育の是非で議論がさかんですが、
本質的な問題は、現行の教育制度自体が、これからの世の中で求められるものと大きく乖離していることです。

既存の知識をどれだけ暗記しても、これからの世の中では価値を生み出すことはできません。それは全てITがやってくれます。
また、企業における大半の業務もITか中国・インドの30億の民が代替してしまいます。
個々人の個性を見極めたうえで、想像力・創造力をどれだけ高めていけるかが勝負になります。
これらを親がどれだけ理解しているかも重要でしょう。

人が学ぶということ/今井むつみ等



★★★★★

新生児の凄さ

新生児がこれほど学習できるのか、と思い知らされました。
これだけの能力を持って人は生まれてくるのだな、という感慨もありました。
そして、生まれ持った能力を大切に育んでいくことの重要性を痛感させられました。

「生まれ」イデオロギーもなく、「育ち」イデオロギーも無く、
淡々と語っていること、その姿勢にも共感しました。
これらが今後の脳科学の実験で検証されることを願います(当然新生児に影響を及ぼさない方法で)。

フィンランドに学ぶ教育と学力/庄井良信等



★★★★

様々な論者がフィンランドを語っている

各論者が自分の自論と経験に基づく視点でフィンランドを理解し、まとめています。
本書に掲載されている記事でフィンランドをしっかり語っているのは、
西島徹「見えてきた“学力世界1”の素顔」
ペトリ・ニエメラ「相手に勝るためはなく異国に見習うことは」
川崎一彦「福祉と経済を両立させる知業時代の教育システム」
山川亜古「多文化社会の言語的人権を保障する学校教育」
庄井良信「コラボレーションの発達援助学」
です。
ここまでで☆4つです。

あとは、フィンランドのいいところばかりを紹介し、現実世界を無視しているものが多いです。
それも教育改革を真剣に取り組もうということ以上に、
グローバル競争を否定したいというイデオロギーありきで語られているような気がします。
教育関係者だけでは日本の教育改革・教師改革はできないのだなと思いました。
意志・能力・行動を最も変えなければならないのは教育者自身です。

図解フィンランド・メソッド入門/北川達夫等



★★★★★

人を育てるということ

フィンランドの方法が唯一正しいものではないでしょうが、
このメソッドは有効だと思いますし、共感できるものです。

問題は、
日本の教育界の識者なる方々がこれを採用する度胸を持っているかどうか(自己否定につながるので)
日本の教師がこれだけの内容を充分に理解し、実践する能力があるかどうか(一方的な情報伝達しかできないので)
だと思います。

「個性」を煽られる子どもたち/土井隆義



★★★★

教育の根本を直さなければならないのか

まさか個性を煽られているとは知りませんでした。

確かに昔の詰め込み教育は、
工業社会のために人を規格品にするためのものであり、既に破綻しています。

これから必要な教育は、
不確実な将来に向けて自分の力で考え、行動し、成長していく人を育むものであるべきです。
そのためにはできるだけ沢山の種類の経験をし、成功したり失敗したりしながら、
自分の個性を見つけだし、それを磨き続けることが不可欠です。

人間の脳はとてつもなく複雑ですので、人類が60億いても個々人で異なります。
従って、個性は必ずあります。
それをじっくり見つけることが必要です。

しかし、個性を煽られているのであれば、おかしなことになります。
個性を見つけろといわれるだけでは、何も生まれません。
昔の「勉強しろ」のキーワードが変わっただけではありませんか。
要するに教える側が何も理解していないということです。
教育とは何かについて根本的な見直しが必要でしょう。

個性と才能をみつける総合学習モデル/ジョーセフ・S・レンズーリ



★★★★★

アメリカの国家人材育成戦略

本書は心理学者の
ハワード・ガードナー「多重知能」と、
R・J・スターンバーグの「思考スタイル」を中心として、
人の個性を最大限に引き出すためにどうするのが最も効果的か、
それを初等教育で展開するためにどうするのが最も適切か、
をあらわしたものです。
驚くべきは、これがアメリカの国家戦略となっていることです。

これと日本の教育現状を比較すれば、日本は完全に周回遅れです。
Educationを教育と訳したところからすでにおかしくなっています。
日本は教えることが可能な知識、
測定することが可能な知識、
一律に教えることが可能な知識を、
重視しすぎた初等教育になっています。
さらに、教師もこれに適した人材が登用されており、
知識伝達以外のことは苦手な人がたくさんいます。
よって「ゆとり教育」にも本来の意義とは反対に、マニュアルがなければできない教師がたくさんいます。

本書は、心理学をフルに駆使したプログラムになっていますので、
文化の違いによって多少のカスタマイズをすれば日本でも適用可能です。

知識を単に覚えさせるのではなく、
個々人の個性を見極め、それを最大限に引き出し、
市場原理がよりいっそう働く社会のなかで、
自己責任で生きていくことができるような育成が必須です。

最近、ニート、パラサイトなどという言葉がはやっていますが、
原因のひとつには日本の教育制度そのものがあります。
教育制度を変え、教師の要件を変えなければ、
日本の未来は危ういものになるでしょう。

教育界にいる人たちはできるだけ早く改革しなければなりません。
そのために本書は必須のものです。

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