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Rising Sun

Author:Rising Sun
日本を愛するリヴァタリアン
倉山塾生・江崎塾生

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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「心は遺伝する」とどうして言えるのか/安藤寿康





行動遺伝学という心理学の一分野の解説書。新たな知見なし

本書は、行動遺伝学という心理学の一分野の解説書です。
人間の行動には遺伝子の影響があるという、
当たり前のことを踏まえて調査しています、というだけのことです。
また、内容もこの類の自然科学系の書籍を読んでいる方にとっては、
新たな知見は何もありません。
(脳科学・神経科学・遺伝学・進化学など)
むしろ心理学という領域の狭さ浅さが目立ってしまうと思います。

本書よりも、
進化心理学者であるスティーブン・ピンカー氏の以下の本の方が圧倒的に優れています。
心の仕組み(上下巻、原著初版1997年)
人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か(上中下巻、原著初版2002年)

錯覚の科学/クリストファー・チャブリス等



★★★★

ヒトの錯覚についての実験心理学

本書は、世の中で起きている様々な問題の原因の一つとして、ヒトが生来持っている「錯覚」に焦点をあて、
どんな「錯覚」がどんな問題を引き起こすかを解説しています。

本書で取り扱っている錯覚は以下のとおりです(章立てとおり)。

・注意の錯覚:見えているのに見ていない。注視しているもの以外は、視野に入っていても見えない、脳が認識しない。
・記憶の錯覚:記憶は案外いい加減なものである。他人の記憶でも自身の記憶にしてしまうことがある。
・自信の錯覚:実力のないヒトほど自身の実力を過信する。自信満々なヒトを信じやすい。
・知識の錯覚:自身の持っている知識を過大評価しやすい。専門家も自身の専門分野ですらその傾向がある。
・原因の錯覚:パターンを求めたがる。相関関係を因果関係に飛躍させたがる。時系列の前後関係のある物語を好む。
・可能性の錯覚:自身の潜在能力を簡単に向上できると思いやすい。その手の商品につられやすい。

そのうえで、これらに共通することとして以下を挙げています。

・自身の能力や可能性を過大評価させる。
・自身が簡単にできることを、上手くできることと混同しやすい。

そして、これらの錯覚の影響を減らしてくれ「そうな」方法として以下を挙げています。

・日常的な錯覚の働きについて知る。
・自身の認知能力をトレーニングで鍛える(但し、あまり期待できないとのこと)。
・テクノロジーを使って補う。


紹介されている錯覚の骨子については他の書籍を通じて概ね知っていましたが、
本書で紹介されている豊富なエピソードや実験結果によって、より鮮明に認識させてくれました。

中には、たったこれだけの情報でそう言い切っていいの?というものや、
心理学で結論がでていないものを但し書きなしで触れているものもをありましたが、
本書の骨格に影響を及ぼすほどのものではありませんでしたので、このことで★を減らすことはしていません。
(ただ、このことに直接関係している方にとっては重要なことだと思いますので、実験を継続する必要はあるでしょう)

また、エピソードや実験結果の量の多さを、豊富と捉えるか冗長と捉えるかは、意見が分かれると思います。


なお、本書は自身の錯覚に気をつけようというトーンですが、錯覚が悪いことだけかというと、そうでもないようです。
ポジティブ心理学では、これらの錯覚があることで幸福感が得られるといわれています。
(現実を直視するとつらくて耐えられないそうです)
これについては、マーティン・セリグマン『世界でひとつだけの幸せ』が参考になると思います。

パーソナリティ心理学/榎本博明



★★

心理学という学問の限界を教えてくれる

本書は性格心理学についての本です。

性格の捉え方について様々な方式が提示されているのですが、心理学という学問領域における統一見解はないようで、今後も統一される気配もなさそうです。

このことが理由でもあるのだと思いますが、心理学だけではなく社会学や脳科学・神経科学での性格の取り扱い方についての解説もあります。但し、3分野での取り扱いについて統合するわけでもなく、補完させ合うわけでもなく、ただ単に併記しているだけです。
著者は、これが新たな挑戦であるという主旨を述べているのですが、この程度で新たな挑戦というのでは、先が思いやられます。少なくとも海外では分野を超えた共同研究が行われ、複数分野の知見を踏まえた統合理論を提唱していますので。

本書でも冒頭2章で述べられているのですが、手法の限界(表層的な現象しか追えない、断片的な調査しかできない、研究者の主観から逃れられない、研究対象者が真実の情報を提供するとは限らない、統計手法を駆使しても基となるデータの信頼性が高くない、など)から、心理学で用いられる既存の手法をどれだけ丁寧に慎重に駆使しても、その結果は世の中では参考程度にしか活用できないことがよくわかります。
本書では、心理学の書籍には珍しく、前置きでこのようなことが述べられているので、まだ誠実な部類に入るのでしょう(このことにより★を追加しました)。

とはいえ、このような前置きをしているわりには、内容解説においては、明確な根拠を提示せずに、これは正しい、と断言している箇所も少なくありません。
また、自然科学を批判している文章が随所に出てきますが、その批判は自然科学に向けられるべきものではなく、自然科学の一部を都合のいいように心理学に取り込んだ心理学者に向けられるべきものです(人の心は測定できないので無視するとした行動科学など)。

このように、心理学の手法の限界を提示しつつも、他の領域を批判することで心理学の地位を保とうとしているかに思えてしまう表現が目につきます。

また、性格心理学だけではないのですが、心理学の理論にはどうも無理矢理構造化しようとしているものが目に付きます。相関関係しか見いだせないのに因果関係・上下関係を無理矢理つけています。

いずれにせよ、心理学の知見はあくまでも参考程度に活用すべきであり、まるごと信用してはいけない、ということを認識させてくれたことについては価値ありだと思います。
本書を読むことで、心理学の書籍にはうかつに近づかない方がいいということを再認識させられました。


あと、性格心理学だけでなないでしょうけれど、個人を対象とした心理領域については、脳科学・神経科学・遺伝学の発展を待つしかなさそうです。
心理学では異端とされている理論でも、脳科学・神経科学では実証されそうだというものはいろいろありそうですので(例えば、ハワード・ガードナーの多重知能は、IQ研究者からは異端視されていますが、脳科学者からは自然な理論だと認識されています)。


なお、上記コメントは著者を含めた心理学者に対しての批判ではありません。学問としての心理学そのものの限界を確認しているものです。
少なくともビジネスの世界では、知見の根拠が明確である(検証可能である)、知見が体系化されている(特定分野だけでなく複数分野をまたいで)、異なる知見が収束しつつある、といったものでないと活用しようがありませんので。
あと、このような意味では、心理学に限った事ではありません。経済学も同様です。そしてなんといっても経営学での理論や増殖を続けるビジネス書が最もあてにはならないのですが。

幸せをよぶ法則/スーザン・C・セガストローム



★★

とにかく読みにくい

心理学領域の書籍をそれなりに読んできましたが、これほど読みにくい本は初めてです。
非常に冗長であり、実験で検証された事実・著者の個人的経験・推察が脈絡もなく登場し、要点がとても掴みにくいものになっています。

また、遺伝学などの人間に関する自然科学の知見を多少取り入れていますが(それ自体はよいことなのですが)、かなり断片的な取り入れ方ですし、脳科学・神経科学といった心理学に近い部分を飛び越えて遺伝学につなげていますので、科学としての構造を無視しており、知識体系としては決して勧められるものではありません。

重要なことが断片的であるにせよ書かれているのですが(ですので★2つ)、それを見つけるのに相当な労力が必要です。

一言で言えば、論理的な構造がこの本にはないということです。ですのでとても疲れます。

シロクマのことだけは考えるな!/ 植木理恵



★★★

わかりやすいのだが、一般向けだからか内容が薄い

一般読者向けに、著者が人生を上手く送るために重要と考えた領域(元気になる、頭が良くなる、人との関係を上手くする)において必要と考えた心理学の知見(但し認知心理学、記憶心理学のみ)を実践を前提としてわかりやすく解説しています。

わかりやすく試しやすいものになっていますので、心理学を活用して生活をするという点についての入門書としてはいいと思います。


但し、ある程度心理学を学ばれた方であれば、何故様々な知見が沢山あるなかで本書に載せた知見だけを選んだのか、何故同じ状況下でも人には相反する心理が生じるのに一方だけを選んだのか、何故複雑な状況下で複数の知見が同時に使われるべきところに知見の一つだけを紹介しているのか、何故他者との複雑な相互作用がなされるはずの状況下で一方の当事者の視点だけで済ましているのか、などなどいろいろと疑問が出てくる内容でもあります。

従って、これらを活用することでましにはなるでしょうけれど、これだけで上手くいくわけでもありません。


更に、「心理学専攻の大学生程度の知識」が本書で得られると著者は述べていますが、逆に心理学専攻の大学生が得る知識はこの程度でしかないのか、とも思わされました。

カリキュラムがそうなっているのか、著者が学生をその程度に見ているのか、学生の能力がその程度なのか、たまたま著者の経験がそうだったのか、定かではないのですが。。。


人間この信じやすきもの/トーマス・ギロビッチ



★★★★

人は如何にいい加減かがわかる

人が如何にいい加減であり、事実でないものを信じやすいか、について心理学の立場から深く解説しています。

何のつながりもないところに因果関係を勝手につくってしまう、わずかな情報だけから全てを知った気になってしまう、思い込みで物事をみてしまう、欲しくないものより欲しいものをみてしまう、自分自身を過大評価してしまう、など、人間が如何に偏った存在かがわかります。

また、これらの特性が一般の人たちに限ったことでなく、専門家でも(心理学者でも)十分に起き得るし、実際に起きていることも事例を通して解説しています。

更に、これらの偏りがマスメディア等の偏った情報発信によって更に歪められていることも指摘し、情報収集のあり方について警告も発しています。

なお、原著初版が1991年ということもあり、その後の脳科学・神経科学の発展により、著者が保留していたことがら(上記の偏った存在が、認知的なものなのか<大脳皮質>、動機的なものなのか<辺縁系>など)について、結論がでているもの、でそうなものがあります。


日本の「安心」はなぜ、消えたのか/山岸俊男



★★★★

安心社会と信頼社会の違い

日本は安心を得るために集団を形成し、その秩序を守ることで秩序に守られてきた。集団の秩序に依存してきたが故に、自らの力で安心を築き守る術を磨いてこなかった。従って、世の中が開かれ、様々な人たちの交流が盛んになり、特定集団の秩序が意味を失っていくなかで、安心が崩壊した。昔に戻ることはできないので、これからは個人が人とのつきあいを試行錯誤しながら、その力をつけ、個人対個人で形成される信頼社会を築かなければならない。それは江戸期の武士の論理ではなく、商人の論理が参考となる。

本書の概要は上記のようなものです。

また、ゲーム理論、壊れ窓理論、等の様々な理論を駆使して展開していますので、社会心理学を学ぶうえでも役に立ちます。


ただ、文化心理学との折り合いが悪いのか、文化心理学の知見を一蹴しているのが気になります。

著者は日本の安心社会は文化ではなく、集団で生じる誤謬としていますが(自分は個人主義だが周りが集団主義なので集団主義っぽく振舞っている、という調査結果を踏まえています)、文化心理学や文化人類学からは当然反論が起こるのでしょう。何が事実なのかはわかりませんが、この辺りはもう少し掘り下げられるとスッキリします。

あと、米国は個人が人とのつきあいを試行錯誤しながら、その力をつけ、個人対個人で形成される信頼社会であるとしています。そしてこの米国の社会と日本の安心社会を比較しながら解説しています。これについてはステレオタイプだという反論が起こるのでしょう。これらが両極であるか否か、これらが二者択一のものであるか否か、については、他の国々も比較しながら検討していく必要があるのでしょう。


「心理テスト」はウソでした。/村上宣寛




★★★

果たして心理学はどれだけ活用できるのか?

対象の本質を探求し、本質についての幾つかの重要な理論・法則を見つけることが学問であるとするならば、
様々な学者による仮説の集合体である心理学を学問として定義することはできないでしょう。

一方で、定量的な実験も難しく、日常環境から隔離した実験しかできないという限界がありますので、
あまり定量的な精緻さを求めることも過大な要求だと思います。
へんに定量化を求めると数値化できるものだけ実験しようということになり、
経済学と同じになってしまいます。

心理学でも結構活用できるものもあり、また仮説でも使わざるを得ない場合もありますので、
何でもかんでも批判するというのはよろしくないと思います。

まあ、心理学に過大な期待をしないということが肝要だと思います。

今後、脳科学・進化理論など自然科学が発展することで、
これまで培われた心理学上の仮説が検証されていくことと思いますので、
そこで得られる知見を上手く活用していくことが重要です。

以下をご参考ください。
脳科学:
アントニオ・ダマシオ「感じる脳
ジョセフ・ルドゥー「シナプスが人格をつくる
V・S・ラマチャンドラン「脳のなかの幽霊 ふたたび」 など

進化理論:
リチャード・ドーキンス「利己的な遺伝子」(進化心理学)
スティーブン・ピンカー「人間の本性を考える」(進化生物学)
マット・リドレー「やわらかな遺伝子」(遺伝学)
ランドルフ・ネシー「病気はなぜ、あるのか」(進化医学)など


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影響力の武器/ロバート・チャルディーニ



★★★

影響についての事例は豊富だが、基本設計が古いか?

人間が影響を受けやすい事象について、6つの領域に整理して解説しています。
その各々について豊富な事例を載せており理解を助けてくれています。
他人に騙されないためには、本書が有益な情報を与えてくれます。

但し、豊富な事例の一方で、かなり冗長な内容になっていることは否めません。
また、6つの領域に整理されているとはいえ、ここに収められている様々な心理学の知見はそれぞれが断片的なものであり、理論として体系化されているとは思えません。

また、最近の行動経済学の良書の方が、より豊富な人間の行動パターンを紹介しています。
行動経済学は発展途上の学問であるためか、まだ体系化された解説をほとんど見受けません。
しかし断片的であるにせよ、様々なパターンを紹介していますので、日常活動においては、より頷けるものがあります。

更に、人の騙されやすさが文化や習慣などの環境面での習得であるという主張にかなり偏っており、
近年の神経科学・進化心理学・遺伝学等の知見で見えてきた人間の本能からくるものがあることについては意図的に無視しているような印象を受けます。
版を重ねて結構改定しているのであれば、自然科学の知見をもっと取り込んで、心理学との統合を試みてもよいのではないか、と思います。

(2010/1/17再読によりレビュー内容更新)

構造構成的発達研究法の理論と実践/西條剛央





構造構成主義はもっと深いはず

学生向けの教科書という位置づけであることから仕方ないのだと思いますが、
解説されている何れの研究についても、構造構成主義の潜在能力を活かしきっていないと思います。
すごくもったいないと思います。

著者解説(wiki):西條剛央

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