FC2ブログ

≪プロフィール≫

Rising Sun

Author:Rising Sun
元経営コンサルタント
専門分野:ヒト

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。
また、マネジメントは企業だけのものではなく、国家を含めあらゆる組織体や個人にとっても必須のものです。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

Amazon殿堂入りレビュアー
(2017・2018)
2018/07/18、突然Amazon.co.jpが事前通知なく全レビュー強制削除&レビュー投稿禁止措置を発動。

Amazon.co.jpアソシエイト
iTunesアフィリエイト

レビューごとに、Amazon.co.jp指定の商品画像バナーリンクを貼っています。もし、「書籍タイト/著者名だけでは、どんな本かわからん!」という方で、商品画像リンクが表示されない場合は、広告ブロックを解除してください。Amazon.co.jpおよびTunes以外のバナー広告は一切掲載しておりません。

≪FC2カウンター≫

≪カレンダー≫

05 | 2021/06 | 07
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

≪カテゴリーサーチ≫

≪カテゴリーツリー≫

≪ブログ内検索≫

≪リンク≫

≪最近の記事≫

≪月別アーカイブ≫

君主論/ニッコロ・マキャヴェリ



★★★

当たり前のことが書いてある

君主国を立ち上げ、その君主国を維持するために、
何を為すべきか、何を為すべきではないか、について、
散文ではありながらも、論理構造的にまとめられたものだと思います。

とかく過激な言葉だけが取り上げられていますので、誤解されがちですが、
じっくり読めば、ほぼ当たり前のことが書いてあるだけです。
特に驚くような発見はありませんでした。

もしこれが当時(15世紀)のイタリア・ヨーロッパで新鮮さを持って読まれたとすれば、
よほど君主のレベルが低く、酷かったのでしょうね。

それに比べて、日本では7世紀に、聖徳太子が17条憲法をつくっています。
日本がヨーロッパに比べて、遥か昔よりどれだけ文明的だったかがよくわかります。
ただ、今はそれを失いつつありますので、何とかして取り戻さないといけませんね。

戦略論/B・H・リデルハート



★★★★★

西洋に受け継がれた孫子の兵法

古代ギリシャからWW2までの主要な戦争を吟味し、
孫子の兵法が西洋においても時代を超えて通用することを解き明かしています。
本書において、孫子の兵法が西洋に受け継がれたと思います。

一方で、クラウゼヴィッツの戦争論の誤ちと危うさを痛烈に批判しています。
何故ならクラウゼヴィッツの戦争論からは決して平和は生まれないからです。
総力戦・殲滅戦と言われたWW1、WW2の戦禍の悲惨さが明らかにしています。

まとめの章である第19〜22章は必読ですね。

これまでも、これからも孫子の兵法の時代だと思います。

なお、孫子の兵法については以下の解説書が秀逸です。
デレク・ユアン「真説ー孫子
なお、この本によると、
リデルハートもまだ完全には孫子の兵法の真髄には達していないとのことです。

戦争論/カール・フォン・クラウゼヴィッツ



★★

「戦争の目標は敵の完全な打倒」ねえ

第1,2,8章は精神面という戦いと名のつくものに重要かつ普遍的なテーマを扱っています。
クラウゼヴィッツが生きた時代の戦争だけから導出したにしては秀逸だと思います。
いろいろと悩ましい問題提起がなされていますが、ここは孫子の兵法で補うべきところでしょう。

一方で残りの章はクラウゼヴィッツの生きた時代特有のものですので、
現代においては、適用できるところは次第に少なくなっていくでしょう。

問題は、戦争の目標は敵の完全な打倒と定義しているところです。
クラウゼヴィッツだけの責任にはできませんが、
この定義が、総力戦・殲滅戦と言われたWW1とWW2を引き起こし、
日本においては広島と長崎への原爆投下につながったと言われても仕方ないと思います。

この本は、あくまでも戦争のことしか考えていません。
戦争の後に行うべき政治の仕事については全く無視しています。
ですので、この本に従って戦争を行い勝利した後、勝者敗者何れにも平和は訪れません。
そういう内容の本だという認識のもとで読まれた方がいいでしょう。
孫子の兵法の方が遥かに優れています。

これがもし国家戦略の名の下に行われるとしたら、
部分最適を優先することで全体最適を犠牲にする愚策の典型と言わざるを得ませんね。
ですから、後の戦略論ではこれを打ち消すように、別概念として大戦略を定義しているのでしょう。

クラウゼヴィッツの戦争論をわかりやすく例えるなら、
捻りのない直線的なハリウッドのアクション映画みたいなものだと言えるでしょう。
クラウゼヴィッツが未だに支持されているのは、理論的優位性というより文化的嗜好性故なのかもしれません。

追記(20180628)
念のため、リデル・ハート「戦略論」のまとめの章である、第19〜22章を読んでみました。
私のクラウゼヴィッツに対する所感が間違っていないことが確認できました。
今後、クラウゼヴィッツ信奉者の戦略論は読まないようにしたいと思います。

クラウゼヴィッツの「正しい読み方」/ベアトリス・ホイザー



★★★★

クラウゼヴィッツの戦争論が何故難解であるかがよくわかりました

クラウゼヴィッツの戦争論はいろんな意味で難解であるとよく言われます。
以前挑戦してみましたが、見事に撃沈してから見向きもしませんでしたが、
本書のタイトルに惹かれて読んでみました。

何故難解であるかが丁寧に紐解かれていましたので、
その難解さの理由がよくわかりました。

最も大きな問題は、
観念主義者としてのクラウゼヴィッツと、現実主義者としてのクラウゼヴィッツが、
戦争論という一冊の本の中に同居しており、
現実主義者のクラウゼヴィッツとして全篇を書き換える前に他界してしまったが故に、
理論が混在し、不整合が生じてしまったことです。

これが元になって、
戦争論という同じ本から真逆の記述を引用することができ、
それによって真逆の解釈を成立させてしまうことが可能となり、
クラウゼヴィッツの信奉者の間でさえ戦争に対する考え方で大きな対立を生み出してしまっています。

最悪なのは、
軍事指導者の中で単純・短絡的・野蛮な人間がクラウゼヴィッツを引用すると、
総力戦となってしまい、
実際に第一次世界対戦から第二次世界対戦までその通りになってしまいました。

そして、戦争論を最も深く理解して最大限に活用したのが、
毛沢東という非西洋人であり、国共内戦を戦争論を駆使して勝利したというのも皮肉なものです。

戦争論の利用者の責任ではあるでしょうが、
戦争論を未完のまま世に出したクラウゼヴィッツにも責任があると言われても仕方ないでしょう。

このように戦争論は読み手に都合よく利用されてしまう危険性の高い本だと言えます。

一方で、真摯かつ冷静に戦争論に向き合うことができれば、
「戦争をどの様に考えるべきか」を説くという目的に関して言えば、
クラウゼヴィッツはそれ以前やそれ以降のどの戦略家よりも優れていると著者は述べています。

それ以降についてはよくわかりませんが、それ以前については、簡単に反論できます。
孫子の兵法があります。
クラウゼヴィッツの戦争論と比べてみると、
より一層、体系的・包括的・普遍的・整合的・論理的・道義的・実践的です。
(ご参考:デレク・ユアン氏著「真説ー孫子)」


上記の孫子解説書でも、毛沢東が登場して、孫子の兵法で国共内戦を勝利したとあります。

毛沢東自身は、ヒトラー・スターリン・ルーズベルトと並ぶ20世紀の大悪党ですが、
戦略論を研究する上では重要な人物だと思いますので、
クラウゼヴィッツと孫子の両方からアプローチすると興味深い研究ができるのではないでしょうか。

追記(20180627)
クラウゼヴィッツの「戦争論」読みました。
戦争の目標は敵の完全な打倒と明確に定義しています。
また、あくまでも戦争のことしか考えていません。
戦争の後に行うべき政治の仕事については全く無視しています。
ですので、この本に従って戦争を行い勝利した後、勝者敗者何れにも平和は訪れません。
孫子の兵法の方が遥かに優れています。

クラウゼヴィッツの戦争論をわかりやすく例えるなら、
捻りのない直線的なハリウッドのアクション映画みたいなものだと言えるでしょう。
クラウゼヴィッツが未だに支持されているのは、理論的優位性というより文化的嗜好性故なのかもしれません。

本書の著者の言い分はわかりますが、クラウゼヴィッツを擁護し過ぎている感じがします。
従って、評価を少し下げます。

追記(20180628)
念のため、リデル・ハート「戦略論」のまとめの章である、第19〜22章を読んでみました。
私のクラウゼヴィッツに対する所感が間違っていないことが確認できました。
今後、クラウゼヴィッツ信奉者の戦略論は読まないようにしたいと思います。

戦略の未来/コリン・グレイ





つまらない、つかえない、なのに値段が高い

コリン・グレイ氏の他の著書を事前に読んでいないと、
何を言っているのかよくわからないと思います。
それほど一般論的・抽象論的な解説に終始しています。

個人的には、
戦略の格言―戦略家のための40の議論」を読んでいましたので、
本書を理解することはできました。
それでも、「戦略の格言」の方が読み応えがありましたし、
「戦略の格言」から特に戦略論としての発展は見受けられませんでした。

それよりもっと問題なのは、戦略の一般理論と謳っていながら、
孫子の兵法に全く触れていないことです。
「戦略の格言」では辛うじて触れられていましたので、
むしろ後退といっても差し支えないでしょう。

さらにチャイナの軍事行動について言及している箇所があるのですが、
チャイナの戦略を理解しているとは全く思えません。
戦略理論家としてどうかと思います。

ですので、
これから戦略論を学びたい、
既に始まっている米中対決を戦略論的視点から俯瞰してみたい、
と思われている方にとっては、全く役に立ちません。
そのような希望を持たれておられる方には、
マイケル・ハンデル氏の「米陸軍戦略大学校テキスト 孫子とクラウゼヴィッツ」を
オススメします。

孫子の兵法については、
デレク・ユアン氏による「真説ー孫子」という名著が出ていますので、
コリン・グレイ氏以外の戦略理論家に、洋の東西を超えた大統一戦略論の構築を期待したいところです。

あと、値段が高いですね。
原著はペーパーバックで1,786円、kindle版で1,018円です(20180621時点)。
翻訳作業が必要だとしても、内容の比較とも併せて、2,700円は高すぎです。

戦略の格言ー戦略家のための40の議論/コリン・グレイ



★★★

リアリストとして国際政治を俯瞰するための必読書

本書では、戦略とは政策と軍事の橋渡しだと定義しています。
そして、現実の国際政治においては軍事は必要不可欠のものです。

したがって本書は、
現在の国際政治だけでなく、
これまでの国際政治の歴史についての
成否やその原因について、
イデオロギーの色メガネを外して
リアリストとして俯瞰で見通すための必読書だと思います。

格言というかたちで整理されていますが、
内容は非常に濃いもので、
著者の長年にわたる戦略家としての研究成果や実践経験が凝縮されています。

国際政治については様々な書籍が数多出版されていますが、
本書を読んでから、
まず本書を熟読して基本をしっかりと頭の中に叩き込む必要性を感じました。

本書の40の格言は何も唸らせられるものですが、
ひとつだけ選ぶとすれば以下のものになります。
格言14
もしテュキディデス、孫子、そしてクラウゼウィッツが語っていなければ、
それはおそらく語る価値のないものだ。

テクノロジーがどれだけ発達しても、
人間は2,500年前から全く進化していないことをよく表している名言だと思います。
これはヒトの自然科学でも裏付けられていますので、
このことを真摯に取り込んだものだけが価値ある理論である良い一例でもあると思います。

追記(20180619)
孫子の兵法について以下の本を読みました。
デレク・ユアン氏著:真説 - 孫子
この本を読んで、自身の孫子の兵法についての理解が如何に浅いものであるか、痛感しました。
孫子の兵法を学ばれる方は、先ずこの本を読まれることをオススメします。
なおこの本で孫子の兵法を学びなおすと「戦略の格言」の内容が浅く感じてしまいます。
ですので評価を少し下げました。

追記(20180622)
著者の最新作である「戦略の未来」を読みました。
その中にチャイナの軍事行動について言及している箇所があるのですが、
チャイナの戦略を理解しているとは全く思えません。
戦略理論家としてどうか?と思いましたので評価を少し下げました。

戦略の形成/ウィリアムソン・マーレー等



★★★

『軍事』戦略の形成

内容としてはあくまでも戦争に勝つための軍事戦略形成プロセスについての論文集です。

従って、国益とは何か、国民の幸せとは何か、それを如何に進めるか、
といった国としての戦略形成や、
戦争を如何に回避すべきか、早く終わらせるべきか、戦後処理を如何にすべきか、
といった関連領域についての戦略形成については、ほとんど述べられていません。

更に、地理・歴史・文化等の関連する領域についての視野を広げていますが、
これも戦争で勝つための制約要因として位置づけられており、主役はあくまでも軍事です。

ですので、本書の内容を国家戦略をはじめとした戦略一般に応用することはできません。


また、収められている論文が玉石混交なものとなっています。
本書の狙い(多様な要因のもとでの戦略形成プロセス)を上手く伝えているものがある一方で、
様々な事象を脈絡無く単に時系列で載せているだけのものもあり、なかには論文としての体をなしていないものもあります。
(原著そのものがそうなのか、和訳がおかしくしているのかは分かりませんが)
本書の狙いが新たな試みであり、本書が試行錯誤の中で生まれたという面はあるものの、
本書の狙いとそれに基づいた分析を読者に適切に伝えるぐらいの配慮はして欲しかったと思います。


以上のことから、軍事戦略研究の関係者にとっては重要な情報源の一つとなり得るのだと思いますが、
そうでない方にとっては第一優先順位の書籍ではないと思います。
ポール・ケネディ『大国の興亡』や、ウィリアム・バーンスタイン『豊かさの誕生』の方が、
上手くまとまっていますので、そちらを先に読まれたほうがいいでしょう。

  【BACK TO HOME】  


 BLOG TOP