FC2ブログ

≪プロフィール≫

Rising Sun

Author:Rising Sun
元経営コンサルタント
専門分野:ヒト

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。
また、マネジメントは企業だけのものではなく、国家を含めあらゆる組織体や個人にとっても必須のものです。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

Amazon殿堂入りレビュアー
(2017・2018)
2018/07/18、突然Amazon.co.jpが事前通知なく全レビュー強制削除&レビュー投稿禁止措置を発動。

Amazon.co.jpアソシエイト
iTunesアフィリエイト

レビューごとに、Amazon.co.jp指定の商品画像バナーリンクを貼っています。もし、「書籍タイト/著者名だけでは、どんな本かわからん!」という方で、商品画像リンクが表示されない場合は、広告ブロックを解除してください。Amazon.co.jpおよびTunes以外のバナー広告は一切掲載しておりません。

≪FC2カウンター≫

≪カレンダー≫

05 | 2021/06 | 07
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

≪カテゴリーサーチ≫

≪カテゴリーツリー≫

≪ブログ内検索≫

≪リンク≫

≪最近の記事≫

≪月別アーカイブ≫

日本史上最高の英雄 大久保利通/倉山満



★★★★★

尊王攘夷実現のために生命を懸けた現実主義者

大久保利通については、
著者の他の書籍でも多少語られており、
また著者の『工作員 西郷隆盛』第5章では西郷隆盛とダブル主演となっていましたが、
大久保利通にフォーカスした著作は本書が初めてですので、興味を持って読みました。

『工作員 西郷隆盛』同様、小説(維新関連)よりも
本書(歴史書)の方が面白く読むことができました。

それだけ面白いので、レビューでのネタバレはやめておきます。
是非手にとってお読みください。

本書でのポイントは、
大久保利通が現実主義者であったのに対し、
徳川慶喜が現状主義者であったということです。

現実主義者とは、理想を掲げ、一方で現実を直視しながら、一歩一歩理想を実現していく者。
現状主義者とは、目の前の現実を切り回すことに囚われている者

この違いが非常に重要ではないでしょうか。

今の日本のトップ層(政治でも経済でも)、果たして現実主義者がどれだけいるでしょうか。
現実主義者がトップ層に存在すれば、今の日本はここまで劣化していないと思います。

官僚はそもそも現状主義者でないと務まりません(法律の枠内で職務を全うしているのですから)。
ですので、政治家が現実主義者でないとダメなのですが、政治家が現状主義者に成り下がっています。
だから、今の日本は官僚全体主義国家になっているのではないでしょうか。

今、大久保利通はいません。
ただし、大久保利通に学ぶことはできますし、
大久保利通の1/10000ぐらいの活躍は、一人ひとりの国民にできるかもしれません。

まずは、大久保利通の現実主義に学ぶことから始めたいと思います。

工作員・西郷隆盛/倉山満



★★★★★

ドラマより面白い西郷を中心とした維新前後の歴史

大河ドラマ「西郷どん」よりも面白く読めました。
それだけ裏の西郷隆盛の工作員・革命家としての活動と、
著者の歴史的洞察と文章の構成力が素晴らしいのだと思います。

それだけ面白いので、レビューでのネタバレはやめておきます。
是非手にとってお読みください。

裏で工作員・革命家として活動していながらも、
今なお日本に最も愛された日本人であり続けるというのは、
両面を併せ持ちながらも、一流の証なのでしょうね。

「維新革命」への道/苅部直





つまらない、くだらない、薄っぺらい

明治維新関連の本は何冊か読んでいますが、
本書ほど読後に空虚感を感じた本はありません。

冒頭、ハンチントンの「文明の衝突」を徹底的に批判し、
固有の文明だけではなく、人類普遍の文明もあるはずだ、
と威勢良く始まったので期待して読み始めましたが、
これに対する回答や示唆については一切ありませんでした。
何のためにハンチントンを持ち出してきたのか、さっぱりわかりません。

その後の章は、とにかく19世紀の西洋思想至上主義一色です。
日本の代表的な思想家を取り上げながらも、
その思想体系全体は無視し、西洋思想を賞賛する箇所だけを抜き出して、
日本の思想家は西洋思想に向かっているという演出をしています。

この中には国学の大家である、本居宣長や平田篤胤も入っています。
彼らがこの本を読んだら何と思うでしょうかね。

最後に福沢諭吉の明治中期の書物から引用して、
維新の志士は無学無知だったと言わせることで、
維新の志士を貶めて締めくくっています。

明治中期であるからこそ、
明治維新を総括し冷静に振り返ることができるでしょうから、
このようなことも言えるのでしょう。

また維新の志士達は相当実践的な知識と知恵を学んでおり、
だからこそなんとか明治維新を最小の被害で成功させることができました。

著者は何をしたかったのでしょうかね。
思想家は頭が良くて武士は頭が悪いとでも言いたかったのでしょうかね。

といった感じで全く読むに耐えない本でした。

Amazonで肩書を見たら東大法学部教授とのこと。IYI総本山じゃないですか。頷けました。

未完の明治維新/坂野潤治



★★★★

愛国が故の四つ巴の争い

維新政府内部が四つ巴の争いに終始していたことは本書で初めて知りました。
殖産興業、外征(というより国防)、議会設立、憲法制定の四つです。
更に維新の志士達が亡くなるまで、いずれの目標も未完であったことも初めて知りました。

しかし、彼らは日本を愛し国益を守り抜くために何が最も重要か、で争っており、
極めて高度なレベルの争いであったことは間違いないと思います。
(藩閥や個人の生理的な好き嫌いが全くないとは思いませんが)

本来なら、新政府としての百年の計、すなわち国家大戦略をじっくり練るべきだったとは思いますが、
望みすぎですかね。

現在の、薄っぺらいイデオロギーや自身の利権のための争いとは次元が全く違いますね。

なお、台湾による沖縄侵攻に対する日本の自衛権発動について、
著者が日中戦争と呼んでいるところは少し気になります。
台湾は有史以来チャイナの領土であったことも属国であったこともありません。
チャイナが日本に対して文句を言ってきたことは確かですが、
日中戦争としてしまうのはどうかと思います。

明治維新1858−1881/坂野潤治 大野健一



★★★★

明治維新を構造的・体系的に理解するための必読書

本書は、
幕末から明治維新までを教科書的に時系列で単に説明するのではなく、
明治維新とは何だったのか?
なぜ明治維新は成功したのか?
日本ならではの成功要因は何だったのか?
などについて、
維新の志士だけでなく、諸藩の体制、江戸期の実態など、
様々な要素について構造的かつ体系的に解析し、答えを導き出しています。

本書で語られている個別の要素は類書でも触れられているものもありますが、
これらの要素を構造化・体系化して見せてくれている本は他には知りません。

幕末・明治維新は様々な人物が登場し、様々なキーワードが生まれ、
かなり複雑になっています。
従って、特定の人物や、特定のキーワードに特化した解説書が溢れています。
これが余計に幕末・明治維新の理解を妨げているような気もします。

しかし、本書を読むことで、包括的な内容を構造的・体系的に理解できますので、
非常にクリアになりました。

なお、維新政府の政策に対する庶民の反乱について、
マルクスの階級闘争史観を引き合いに出して説明しているところが少し引っかかりました。

素顔の西郷隆盛/磯田道史



★★★★★

理想的英雄ではない生の西郷隆盛

流石、膨大な一次史料を読み解きながら、
わかりやすく解説してくれる著者ならではの本です。

とかくヒーロー扱いされる小説では味わうことのできない、
生の西郷隆盛の人間臭さ、多様さ、成長による変わり具合など、
存分に味わうことができました。

小説よりも歴史書の方が楽しく読めるというのが、著者の特徴ですね。

西郷本については、倉山満史の
「工作員・西郷隆盛 謀略の幕末維新史 」
も読みましたが、磯田本の方が内容が濃く歴史を知る上では、より役に立つと思います。

龍馬史/磯田道史



★★★★★

維新から150年。史実から学ぶことの大切さ

著者は膨大な一次史料を読み込んだ上で、
読者にわかりやすく歴史を解説してくれる稀有な歴史学者です。
またイデオロギーを持ち込まず出来るだけ中立的に解説してくれるので信頼できます。

本書は龍馬を中心として幕末から維新を史実に基づいて解説したものですが、
はっきり言って小説よりも楽しめましたし、得るものも多かったです。

特に最近、浅はかで薄っぺらいイデオロギーに染まった、
明治維新が日本をダメにしたという妄想や
この妄想に基づく小説が出回っていますので、
史実に基づく本書の価値はその分逆に高まっていると思われます。

明治維新で変わらなかった日本の核心/猪瀬直樹 磯田道史



★★★★★

通史の大切さを教えていただきました

日本史を通史で振り返ることでしか見えてこないものが見えてくるものですね。
目から鱗の史実をたくさん教えていただきました。

時代を超えて変わらないもの、一時代を経ることで次の時代に定着するものなど、
様々な時代を経て明治維新を迎えたことがわかりました。

特に、宗教卓越国家から経済卓越国家への移行による優秀人材の多種多様な分野での活躍促進や、
世襲・年功序列と実力主義の二重構造による伝統の維持と変化への対応などが、
日本的な発展に不可欠であったということには、
なるほど、と唸らせるものがありました。
できれば明治維新までで終わってしまうのではなく、
現在の日本までもっと展開していただきたいと思いました。
そして日本人が持つ変わらない核心の強みと弱みから、
現在の国難に対してどう立ち向かって行くのが良いかについて、
提言していただきたいとも思いました。

ただ、このような要望はあるものの、
十分に知的刺激をいただくことができましたので、
本書を読むことができて満足しています。

  【BACK TO HOME】  


 BLOG TOP