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Rising Sun

Author:Rising Sun
元経営コンサルタント
専門分野:ヒト

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。
また、マネジメントは企業だけのものではなく、国家を含めあらゆる組織体や個人にとっても必須のものです。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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市場・知識・自由/F・A・ハイエク



★★★★★

自由主義の意味と歴史

様々な意味で使用される自由主義について、ハイエクは歴史を紐解きながら本来的な意味を明確に定義しています。
また、自由主義と民主主義は異なるものであり、民主主義なき自由主義も、自由主義なき民主主義もありえることを説いています。
更に、政治・社会・経済は相互に密接に関連するものであり、その一つを単独では考えてはならないことを再認識させてくれます。

あと、デビット・ヒュームが1740年に出した「人間本性論」において、
既に現在の最新の人間に関する自然科学(脳科学・進化心理学など)でようやく解明されてきた洞察をしていることを
知ることができたのは想定外の収穫でした。

最近の社会科学はとかくより細分化された領域についての研究が多いように思われます。
それはそれで大事なことだと思いますが、ハイエクと本書で取り上げられたハイエクに影響を与えた社会科学者のような、
社会全体を俯瞰した研究も進めて欲しいと思います。

隷属への道/F・A・ハイエク



★★★★★

本当の自由主義

自由主義がとかく自由放任主義だと誤用される傾向が多いのですが、本当の自由主義は、
他者の自由を不当に制限しない範囲で、各個人が自由を自己責任で享受すること、
そのためには特定利益集団が権力を不当に得られないようにするために、権力の分散が必要であること、
更には各個人が競争を通じて、不断の努力を通じて個人だけではなし得ない発展を促進すること、
だとしています。

また、これらを継続して推進していくことは決して楽なことではないのですが、
それを避けるために競争を避けようとする資本家と競争を避けようとする労働者が手を組むことが、
その集団の権力を不当に強化し、他の集団の地位を強制的に貶め、それが全体主義につながる恐れがあることを、
相当な危機感を持って警告しています。

ハイエクの主張は全くの正論だと思いますが、
現在の各国の政治や国際経済を照らしてみると、ハイエクの危惧していることが着実に進んでいるように見受けられます。

本書を読むことで本当の自由主義の考え方を理解し、その上で日常生活で起きていることを理解することが、
今の時代にこそ必要なことだと再認識させられました。

著者解説(wiki):フリードリヒ・ハイエク

選択の自由/ミルトン・フリードマン



★★★★★

人の強さと弱さ

人の強さが自由市場経済を成長させ、人の弱さが政府を膨張させる、ということなのでしょう。
そして、人の強さを十分に理解しているからこそ自由主義を進めるべきだとし、
人の弱さを十分に理解しているからこそ政府の膨張を意識的に抑制するべきだとしているのでしょう。

とかく人間的な側面を経済学は無視しているとの批判がありますが、
人の持つ強さと弱さを理解しているフリードマンにこの批判は当てはまらないと思います。

著者解説(wiki):ミルトン・フリードマン

資本主義と自由/ミルトン・フリードマン



★★★★★

自由主義経済の本質を知る

古典的な存在ではありますが、逆に現在の政治経済を考える際には貴重な本だといえます。

メディア等では何かと自由主義経済を悪だと吹聴する傾向が強いのですが、
本書を読むとそれらの言説が如何に根拠のないものであるかを再認識させてくれます。

自由主義経済は、誰でもなく個人が自分の自由裁量を拡大するために必要であること、
また他者の自由も自己の欲する自由と同等に認めることであり、
自由市場を通じてそれらを効率的・効果的に促進させるための現在では最もまともな政策であることがわかります。

政府の政策が如何に道義的に正しい主張から展開されたとしても、
それらが直ぐに利害関係のあるバラバラな消費者よりも、力を結集した生産者によって、
既得権益を維持するために使われてしまうこととなり、結果として消費者を不利にしてしまうことが、
本書の全編を通じて証拠立てて解説されています。

このことから問題は、自由主義経済そのものにあるのではなく、
政府の政策が既得権益を守るための生産者に都合のいいように利用されてしまうこと、
政府の経済問題への介入がこれらを促進してしまうことが問題であることが理解できます。

また、本書で展開されている政府と既得権益による経済への不当な介入が、
既得権益を更に守ることで、自由主義経済を歪んだものにしてしまい、
結果として日本で最近問題とされている格差問題を大きなものにしていることも理解できます。

自由主義経済が悪だという短絡的な思考法ではなく、
自由主義経済に過剰な介入をする政府の行動が問題であることを再認識するために、
本書は今の日本でこそより読まれることが必要なのだと思わされます。

著者解説(wiki):ミルトン・フリードマン

政府からの自由/ミルトン・フリードマン



★★★★★

今でも重要な経済学理論

経済問題に関する政府と行政のいい加減さを明確な理論と実証で解説しています。

フリードマンの主張は、人間が万能でないが故に、また利己的であるが故に、
政府や行政(とそれにぶら下がる圧力団体)の施策よりも、
全員がしのぎを削る自由主義市場の方が効率的・効果的であり、
また政府や行政が様々な施策を講じるほど、人がそれらに依存し自ら自由と責任を放棄してしまい、
その結果、生産性が落ちて経済が停滞するというものだと受け取りました。

そうであれば、フリードマンの主張は当たり前のことですので、
他の経済学派の主張・理論は(無政府主義を除けば)いったい何なのだろうと思わされます。

古典に分類される本だと思いますが、経済学の原点を見つめ直す意味で、今でも重要なものだといえます。

著者解説(wiki):ミルトン・フリードマン

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