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伝統・科学・世界を知りマネジメントに活かす

日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

資本主義と自由/ミルトン・フリードマン



★★★★★

名著とはこういう本のことを言うのでしょうね

1962年初版の本書を2019年の今、読み直してみました。
60年近く昔の本になります。


全く古びていないどころか、
日本の「失われた30年」の本質的な病根を抜本的に治療する処方箋が、
極めてロジカルに書かれています。

また、私が日本で経済政策について唯一信頼している
数量政策学者の高橋洋一氏が解説を書かれています。

本書を読むと、日本経済の本質的な病根は政府を含めた行政の権力の集中と肥大化にある、と集約されそうです。

例えば、日銀による金融緩和をする、しない、で揉めていますが、
そもそも日銀なんかに権力を集中させ、金融政策の裁量権を握らせ独裁化させていること自体が問題だとわかります。
本書によれば、金融政策のルールを法制化し、それに従った運用だけを日銀にやらせれば済む話です。
例えば、失業率が高くなったら緩和、賃金が上昇するまで緩和、一般物価が上昇しすぎたら引き締め、などです。
そうすれば、日銀人事ごときで日本経済が右往左往させられることはなくなります。

また、財務省がよく国民を騙す手口として使う財政健全化ですが、
そもそも補助金を政官業の利権獲得・維持のために使っていること自体が問題だと思います。
政治家は選挙当選のため、官僚は権限と天下り先確保のため、企業は自由競争回避のため、です。
本書によれば、そもそも国や地方自治体は市場を歪めるような補助金の支給を一切やめれば済む話です。
どれだけこのような補助金があるかは知りませんが、全て止めれば財務省の言う財政健全化はできるでしょう。

あと、今なら長期国債がマイナス金利ですので、
高橋洋一氏が言われるように、100兆円ぐらい国債を発行して金利を受け取りながら財政出動するのもありでしょう。
借金して儲かるんですから、財務省が論理的に反論できる余地はないでしょう。
やれないのであれば、政府が無責任だということになるでしょう。

なお、教育や福祉でどうしても国や地方自治体が関与しなければならない場合は、バウチャー制度を利用すべきです。
利用者に直接バウチャーを支給し、利用者が自由に気に入った機関を利用すればいいだけのことです。
教育・福祉の受益者は教育・福祉機関ではないので、利用者が自由に選択でき、提供者に自由競争させるべきです。
教育機関や福祉機関に補助金を支給するので、これらが既得権益化し質も生産性も上がらなくなるのです。

他にも様々な処方箋がありますが、本書と現在の日本を比較して、ひとまず主なものを挙げてみました。


あと、フリードマンでよく誤解されがちなのは、市場任せにしすぎているということでしょうか。
これに対してフリードマンは、
政府は何もしなくて良いわけではなく、自由市場が上手く回るためのルールとモニタリングはすべきと言っています。
主なものとして、反トラスト法(≒日本の独占禁止法)などによる自由市場機能の秩序維持は政府の仕事としています。

また、自由資本主義経済の副産物である格差について冷淡だという誤解もあるようです。
これに対してフリードマンは、
一生懸命仕事をしている人と遊んでいる人が同じ報酬の方が不平等だと切り返しています。
また社会主義の方が格差が大きくなると当時のデータに基づいて解説しています。
さらに、特に似非ケインジアンは隠蔽しますが、
今で言うベーシック・インカムを負の所得税として本書で提唱しています。


本書の一言一句全てについて賛同するわけではありませんが、
戦略を描けない政府、選挙しか考えない政治家、保身しか考えない官僚、既得権益の維持しか考えない財界
が日本を腐らせ、今のような体たらくの原因を作っていると思われます(例外はいるでしょうが圧倒的少数でしょう)。
皆、日本の将来よりも近視眼的な自身の利益しか考えていません。

経済がこのような状態では、外交も安全保障も言わずもがなです。
このまま放っておくと、いずれアメリカからも見放されるでしょう。
お隣の半島南半分を笑っていられる状況ではありません。

少し前に、日本に警鐘を鳴らした某アパレルメーカーのCEOがいましたが、
そのCEOとて、日本の将来よりも近視眼的な自身の利益しか考えていないという点では、同じ穴のムジナです。

この体たらくを少しでも打ち破るために、本書は役に立つと思われます。

  1. 2019/10/27(日) 16:21:53|
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2018年 戦争へ向かう世界 日本経済のラストチャンス/三橋貴明



★★★★★

日本は自らの強みに磨きをかけているか?弱みを克服しているか?

グローバリズム対ナショナリズム
エスタブリッシュメント対ピープル
資本主義対共産主義
独裁主義対民主主義
主な対立軸を挙げるだけでも複雑であり元々困難な将来予測が益々難しくなっていきます。

また日本の周辺諸国だけを見ても、
核保有国のロシア、チャイナ、北コリア
反日国のチャイナ、ダブルコリア
とありますが、
チャイナとドイツの関係や、北コリアとイランの関係など、
周辺諸国だけを見ているだけでは何もわかりません。

更に戦争も従来の形態だけではなくインテリジェントウォーが、
WW2のソ連のコミンテルン時代から東西冷戦を経て現在に至るまで、
形を変えながら繰り広げられています。
チャイナやコリアによる捏造反日プロパガンダは表に出ている一例にすぎません。

このような状況下にありながら日本国内においては、
自国民を拉致されても何もできない政府
チャイナやコリアに媚びへつらっている与党議員
反日売国活動に勤しんでいる野党議員
既得権益と岩盤規制の死守を使命としている官僚
金儲けのためだけに日本と日本人を危険に晒す企業・経済団体
働く民間人を豊かにすることを二の次にしている労働組合 など、
世界が複雑化し、国難が迫っているのにこの体たらくです。
とても独立国とは言えません。

ではどうすべきか。
日本は自らの強みに磨きをかけ、弱みを克服することです。
予測不能な世界に対応していくためには、相手に合わせていくのでは乗り切ることはできません。
また、いくらグローバリズムが危険であっても、今の時代に鎖国をすることもできません。

日本の強みとは何か。
縄文時代から脈々と築き上げられてきた歴史・伝統・文化
125代続いている万世一系の男系男子の皇統
神ながらの道によって磨き上げられた和を尊び徳を重んじる精神
匠の技を持ってモノに魂を吹き込むモノ造り文明
日本古来のモノと外来のモノを融合し日本化する能力
アメリカ以外の外国に有史以来戦争で負けたことがない潜在的な抑止力 など
今、これらがどんどん失われているのではないでしょうか?
また、グローバル化の名の下に自ら捨ててしまっているのではないでしょうか?
更に、東京裁判史観や自虐史観の洗脳に囚われてしまっているのではないでしょうか?
温故知新。日本は素晴らしい強みを持っています。それに気づき取り戻し活かしきることだと思います。
そのために、日本人自らの手でこれらを盛り込んだ憲法を作ることが重要だと思います。

日本の弱みとは何か。
無能エリート
彼らに欠けているもの
・愛国心
・清明正直(神ながらの道の真髄)
・マネジメント能力(俯瞰・ビジョン構築・イノベーション・変革など)
日本の政治・経済が停滞しているのはこれが原因だと思います。
特にバブル崩壊後の日本企業の体たらくはこれが原因だと思います。
(勿論マクロ経済政策が間違っていたことも原因ですが、企業にも原因があるのは明らかです)
更に無能エリートがエスタブリッシュメントになって既得権益と岩盤規制に固執していることが、
日本をおかしくしているのだと言えるでしょう。政治家、官僚、学術界、メディア、経済界などです。
また大東亜戦争でアメリカに負けた原因もここにあるのではないかと思われます。
これは、教育・人材発掘・人材登用の仕方次第で克服できます。人事が万事だと思います。
実際に幕末から明治維新を経て日露戦争勝利までは維新の志士達がいたお陰で、
日本が西洋列強に植民地化されることなく、むしろ西洋列強と対等になることができました。
その後志士達がいなくなり、無能エリートがリーダーになってから日本がおかしくなっていきました。

著者の認識や結論とは完全に一致しているわけではありませんが、
本書を読みつつも下記著者の数々の類書も併せて読んでのレビューとなりました。
藤井厳喜氏、倉山満氏、江崎道朗氏、高橋洋一氏など
  1. 2017/12/13(水) 21:37:57|
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アベノミクスによろしく/明石 順平



★★★

分析はどんどんやるべき。だが本当に必要なのは実質所得増大のための実効性ある政策の策定と断行

統計データはあくまでこれまでの経験値に基づく理論に基づいて計算されたものですので、
全てを正しく表せるものではなく、様々な角度から不備を指摘することができるものです。
世の中で最も信頼できないもの、それは統計データである、という格言もあるぐらいです。
ですので、本書のように世の中に流布されているものとは異なった視点から統計データを分析・指摘することには一定の意味はあると思います。

しかし、本当に重要なことは経済面からは国民の実質所得が増えることであり、
そのための実効性ある政策は何かを検討し、それを政策に落とし込み、確実に実行することだと思います。

この観点からいえば、アベノミクスというのは、マクロ経済政策の中での金融政策・財政政策に相当します。
なお、政府が政策として実行できるのはマクロ経済政策しかありません。すなわち金融政策・財政政策しか実行できません。
ミクロ経済政策も理論的には実行できるのですが、これまでに実行して成功した例はありませんので、実際には実行不能です。

既に知られているように、
金融政策は日銀が政府から国債を買い付け、その分の紙幣を発行することでお金の価値を相対的に下げてインフレを引き起こすことです。
財政政策は政府が投資効果の高いものや民間資金投入の呼び水効果の高いものに財政出動を行うことで需要を引き上げることです。
また、今の日本においては金融政策が十分に機能しなければ財政政策は機能しませんので、両方を併せて行うことが必要です。

そして、今の金融政策・財政政策が上手くいっているという実感が湧かないのは、
金融政策がまだまだ不十分であること、財政出動がまだまだ不十分であること、消費税増税をしたこと、にあると考えられます。
繰り返しになりますが、政府ができるのはマクロ金融政策・財政政策だけですので、上手くいかない原因を他に求めることはできません。

また、バブル経済の原因を読み間違えた日銀による金融引き締め政策に始まった、
バブル崩壊とそれに続く20年以上に渡るデフレ経済の痛手から完全に脱出するのにはまだまだ時間がかかります。
更に、未だデフレを脱却していないにもかかわらず日銀には金融引き締め派が、財務省には緊縮財政派が、
そして日銀や財務省に洗脳されてしまった政治家が与党にも野党にも少なくない中で、
さらなる金融緩和、財政出動、消費減税を行うのは容易ではありません。
今のマクロ金融政策・財政政策が間違っているのではなく、
更に加速させるべきなのにブレーキをかける勢力がいることがデフレ脱却を阻んでいるというのが正しい認識だと思われます。

そのうえで、マクロ金融政策・財政政策が本来のかたちで上手くいったとして、本来の目的である実質所得増大につながるのか。
平均値では実質所得増大になるでしょう。ただし日本人全員が実質所得増大になるわけではないと思います。
産業・企業の差、付加価値・生産性の差、個人の能力の差などにより当然変わってきます。
またこれからのロボット化、AI化により人間が行う仕事の中身がドラスティックに変わっていくと思われます。
これは自由市場経済下では当たり前のことでしょう。

そのうえで、政府として2つだけやるべきことがあると思います。

1つ目は外国人労働者の受け入れ制限です。
特に低賃金を目的とした外国人労働者の受け入れは禁止すべきです。
これは日本国内での労働市場における賃金相場を下げるだけでなく、
外国人を奴隷として扱うに等しい人権問題に観点からも認められません。
受け入れるのであれば、同一労働同一賃金でなければなりません。
また人手不足による賃金上昇を抑制してしまうデメリットもあります。
ここには外国人留学生による低賃金でのアルバイトも含みます。
また、当該国の中には反日国や犯罪率が日本の数倍という国もありますので、
日本国内の治安維持という観点からも禁止すべきです。

2つ目は所得の再配分です。
目的は、所得格差があまりにも開きすぎると国内の治安が悪化する傾向があるからです。
たとえ実質所得の絶対額が上昇したとしても相対額が開いてしまえば人は文句を言いたくなるものです。
また、障がい等で働きたくても働くことができない方もいらっしゃるので、この機能は必要です。

施策はいろいろと考えられているのですが、個人的にはマイナス所得税と諸費税廃止がいいのではないかと思います。

マイナス所得税は、収入が一定額に満たない場合には一定額との差額をマイナス所得税として還付するというものです。
これは、リベラル派経済学者が嫌ってやまない新自由主義派経済学者のミルトン・フリードマンが提唱したものです。
この制度の良いとことは、年金や生活保護などの社会保障系の給付を全て吸収して一本化できるとことです。
また還付率に傾斜をつけることで働くことに意欲を持たせることもできます。
これで低所得者層をカバーします。

消費税廃止は、言わずもがなですが消費税自体が逆進性があるため、所得が低くなるほど痛手を受ける税制だからです。
これで再配分を狙います。

こういうと「財源は?」と必ず聞かれますが、
「経済成長による税収自然増」
「歳入庁新設による税・保険の100%徴収」
「電波オークション導入による電波使用料増」
「在日特権剥奪」
と答えておきます。

また、「財政再建は?」と必ず聞かれますが、
バランスシートベースや対GDPベースでは財政再建はほぼ完了しています。
単年度のPB黒字化など財務省の戯言でしかありません。

そのうえで、指標としては、
国民実質総所得増加率及び中央値(消費税を含む税引き後、社会保険控除後の金額)
ジニ係数(格差を見るもの)
国民負担率(所得に対する税と保険料の負担割合)、
などがよいのではないでしょうか。

なお、政府がよく利用している以下の指標は悪くはないが、実質所得の増大には直接繋がらないのでどうなのかなと思わされます。
GDP向上:国の経済力の強さを表す、国民の経済力の必要条件ではあるが十分条件ではない
株価向上:国や企業の強さを表す、年金資産運用益をもたらす、しかし株を買えない層には直接恩恵はもたらさない
失業率低下:様々なデメリットを解消する、国民の幸福の必要条件ではあるが十分条件ではない

あと、以下は経済政策ではないのですが、「生産性革命」を謳う前にやっておくべきことだと思います。
・同一労働同一賃金(正社員・契約社員等の雇用形態の区別なく。給与・賞与・退職金等の支払形態の区別なく)
・残業代の完全支給と不支給時の企業への罰則強化、残業時間の上限設定とインターバル制度導入
・有給休暇の完全取得と未取得時の企業への罰則強化、有給休暇の有効期限廃止、有給休暇の貸借対照表負債の部への計上
・労災認定基準の緩和と労災認定時の企業への罰則強化と労災被害者への救済措置の強化
・労働法全般の罰則強化、労基署の権限強化、ブラック企業への制裁強化(営業停止・入札停止・人材紹介停止等) など
これらは、本来であれば野党やメディアが連日追及していいものだと思います。モリカケよりも大事なことだと思います。

以上、実効性ある政策の一例にすぎませんが、こんなかたちで議論を戦わせて頂きたいものだと思います。
国民の実質所得を増大させるために右も左も、与党も野党もありません。実効性のあるものは全て動員すべきでしょう。

ちなみにアベノミクスは完全に左の政策です。そしてデフレ下では左の経済政策を行うのが正解です。
左翼の野党・メディアが何故アベノミクスを批判しているのか、全く理解に苦しみます。反日売国なら理解できます。 続きを読む
  1. 2017/11/18(土) 13:39:56|
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戦後経済史は嘘ばかり/高橋洋一



★★★★★

歴史から学ぶとはこういうこと

戦後経済史で巷で言われていること(学者が言っていることも含む)を取り払って、
数学と確立された理論で真の因果関係もしくは相関関係を明確にし、
これからのマクロ経済政策に活かす、これが歴史から学ぶということでしょう。
今行われている、もしくは今後行われるであろうマクロ経済政策の是非を検討するには必読の書だと思います。

戦後経済の栄枯盛衰について切り込んでいるので、各々のエピソード自体も面白く学べますが、
なんといっても資本主義経済におけるマクロ金融政策の重要性を知ることができたのは大きな収穫でした。
また為替変動相場制下ではマクロ金融政策の発動なくして財政政策が機能ぜず、を知ることができたのも大きな収穫でした。

そうなるとマクロ金融政策を一手に握っている日銀の政策が極めて重要になります。
本書で著者が主張しているように、
日銀は内閣直轄機関にして明確な目標を与え、手段のみ日銀に任せる、という法改正が必要になりますね、
また日銀総裁及び幹部の人事権は内閣が掌握しなければならないでしょう。


これから、補正予算で大胆な財政出動が期待されますが、
その前に、これまでの金融緩和が十分であったかどうかを吟味しなければなりませんね。
  1. 2017/11/10(金) 14:25:06|
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ついにあなたの賃金上昇が始まる/高橋洋一



★★★★★

マスメディアの報道では決して得られない貴重な情報が満載。政治家の言動のリトマス試験紙として有益

日本のマスメディアは、一部を除いて左翼思想によって思考停止に陥っていますので、
基本的に思考停止した自分たちの都合の良いように一次情報を偏向・捏造して報じていますので、
原則として信用できません。
また、海外の出来事については自ら取材をせず、仲良しの左翼海外メディアの記事をコピペしていますので、
こちらも原則として信用できません。

著者の主張は全て、世界で通用している理論や得意の数学を用いて行われており、かつ反証可能ですので、
いつも安心して読むことができます。
本書での主張も、しっかりした検証の裏付けのある理論でしか反論できないと思います。
従って、単に気に入らないからと言って反対するという態度は、自らの無知・愚かさを露呈しているだけになります。

マスメディアは、そのうち役割を終えるでしょうから(残滓として存在するとは思いますが)、相手にするだけ時間の無駄です。

ただし、国会での議論は反日売国左翼政党が存在する限り、税金の無駄遣いの温床になるでしょう。
税金の無駄遣いを無くすためには、最低でも本書を含めた著者の根拠ある主張に基づいて議論を展開してほしいものです。
森友・加計といったくだらない議論を延々と続け、ついに国民にも飽きられてしまった野党は勿論ですが、
真に国益を考えていない与党議員も同様です。むしろ与党議員の方が表に見えないだけにたちが悪いかもしれません。

著者の主張を国会議員を評価するためのリトマス試験紙にするのが、本書の有効活用方法ではないでしょうか。

本書の要約としては以下のようなものだと思います。
・トランプ大統領は、アメリカで蔓延るグローバリズムから草の根保守を守り抜くために誕生した。
・ドイツは過去の栄光を取り戻すため、あろうことかチャイナと結託しながらEUを支配している。
・チャイナとダブルコリアは明らかに日本の敵である。
・日本の国難の本質は日本の中にいる反日売国左翼勢力と反日売国グローバリストである。
・小池百合子は、東京都のことも日本のことも真剣に考えていない、単なる自分大好き権力大好きの恥ずべき日本人である。
・アベノミクスは確実に成功している。更に加速させることで更にうまくいく。

総選挙で安倍自民党が圧勝したことで、上記のことに対してより上手く対処できるようになるでしょう。
・トランプ大統領と連携することで、日本にも及んでいるグローバリズムの弊害を軽減できる。
・日英同盟を締結することで、ドイツの覇権にストップをかけ、ドイツに再考を促すことができる。
・日米豪印同盟と憲法9条改正と安全保障強化によって、チャイナとダブルコリアの暴走を抑止することができる。
・安倍自民党が国民から信任を得たので、反日売国左翼勢力に自信を持って対峙することができる。
・小池百合子は総選挙の結果によって国政復帰は無理となり、いずれ都政からも負われることになる。
・アベノミクスを加速させることが国民に信任されたので、反対勢力をより押さえやすくなる。
  1. 2017/10/28(土) 17:25:45|
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日本を救う最強の経済論/高橋洋一



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今の日本で最も信頼できる数量政策のプロフェッショナルによる提言

財務省官僚として官僚世界の裏側まで熟知しており、
かつ小泉政権において官僚サイドで改革を担い、
海外留学で最先端の経済理論を学んだうえで、
これらを駆使したうえで著者得意の数学によって、
成功する経済とは何か、失敗する経済とは何かを、
知り尽くしているのが著者です。

最近、数名のまともな経済評論家が売れてきていますが、
著者には遠く及ばないと思います。

本書だけでなく何冊か著者の本を読みましたが、
何れも上記の知見満載で、著者の解説を論理的・実証的に理解することができました。

さて本書ですが、
著者曰く、政府のマクロ経済政策は、国民の雇用を確保することが目的であるとしています。
賃金格差、最低賃金、実質賃金上昇、社会保障の充実なども重要ではあるものの、雇用の確保からすれば二次的なものとしています。
雇用が確保できずに失業者が増えると、自殺者が増え、治安が悪化し、国が不安定化し、敵を外に求めることになるからです。
日銀の金融緩和政策におけるインフレターゲット目標は、雇用の確保のための手段です。
また、マクロ経済政策ですので、個々の業種・地域等に差が出るのは当たり前であり、これは別の政策で検討すべきとしています。
この観点においては、現在のマクロ経済政策は消費税増税を除いてほぼ成功しています。

また、日本のこれまでのマクロ経済政策を振り返り、成功・失敗の原因を精査したうえで、
上記政策が正しいことを明らかにしています。
世界大恐慌発生後、濱口内閣は金融引き締め政策をとったことで国民をより苦しめるかたちになりました。
その後、高橋是清が金融緩和政策をとったことで、経済が上向き、国民が豊かになりました。
また、バブル崩壊後の金融引き締め政策は完全に間違いであり、これが「失われた20年」をもたらしました。

また著者曰く、国の財政は全く問題なく、財政再建はほぼ完了しており、積極的な財政出動は可能であるとしています。
財務省やそれに媚びを売っているマスメディアは、国の借金の額だけを取り上げて声高に財政危機を訴えていますが、
国のバランスシート、または日銀を併せた連結バランスシートを見れば、国の財政は全く問題ありません。
財政危機を訴えている人やそれを信じている人は、基本的な簿記の知識もないのでしょうか。
因みに日本が発行する国債は、円建てで発行されており、万が一の場合でもお札を刷れば解決します。
また世界中の投資家から日本国債が信用されていることを鑑みれば、日本が国債を発行しても何の問題もありません。
財政均衡そのものは重要ですが、その手段は財政緊縮・増税ではなく、経済成長政策を採ることで中長期的に解決されてしまいます。

ですので、経済成長のために国債を発行するという投資&リターンの考え方を採用すればよいということです。
そして経済成長のための投資としては、教育と科学技術研究開発が相応しくかつ国でしかできないことです。
なお、個人的には教育と科学技術研究開発の中に安全保障をテーマにしたものを加えるべきだと思います。
また財政出動するのであれば、戦争しないための抑止力に予算を使ってもらいたいと思います。

更に著者曰く、改革と規制緩和も進めるべきだとしています。
意欲・能力のある人たちが、官僚に邪魔されずに自由かつ道徳的に新たな価値を創造していくことや、
親日国家からの進出や投資を促進することで、生産性の高い経済成長を図っていくことができます。
これについては、官僚だけでなく、左翼野党も邪魔していますので、それを蹴散らして進めてほしいと思います。

そして著者曰く、これらの前提となる国家安全保障も重要であるとしています。
本書では戦争に巻き込まれないためには、価値観を共有できる国家との対等な同盟関係が必要だとしています。
日本が戦後70年余り平和であったのは、憲法9条があるからではなく、
日米安全保障条約があったこと、特にアメリカから円安状態を黙認されていたことで高度経済成長ができ国民が豊かになったこと、
が原因であるとしています。

以上が本書の要旨ですが、これらを全て確立された理論と数字の計量分析で証明していることが本書の特徴です。
この特徴がなければ本書への言いがかりもつけられるのでしょうが、この特徴があることで反対論を論破できてしまいます。
本書を超えるマクロ経済理論があるのであれば別ですが、そうでなければ単なる無知・言いがかりでしかないと思います。

また、著者は政治色があまり表に出てこない、興味がない方のようですので、変な形で誘導することもないと思われます。
上記は全てアベノミクスの内容ですが、著者は民主党政権時代にも民主党議員に同じ政策の実施を推奨しています。
あと小泉政権時代からのブレインである竹中平蔵氏について、最近ナショナリストが彼は売国奴だと猛攻撃を仕掛けていますが、
著者は竹中氏のマクロ経済政策を是々非々で捉えています。

国のマクロ経済政策は、国民の雇用を確保するためのものですので、「何」をするかが重要であって「誰」がやるかはどうでもいいことです。
安倍政権が推進しているからダメといって憚らない左翼野党・マスメディア等は本書を読んで頭を冷やしてほしいと思います。
  1. 2017/09/02(土) 17:32:54|
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なぜ日本だけがこの理不尽な世界で勝者になれるのか/高橋洋一



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科学的思考法

基本的なデータ、検証済の理論、ロジカルシンキングの合わせ技で、
日本が抱える様々な課題について事実を提示し明確な提言をしています。
とかくイデオロギーや固定観念、思考停止がまかり通っている、
政治・経済・社会の分野において、
このようなアプローチで攻めていく学者・著書は貴重だと思います。

個人的な経験ですが、本来数学を使用すべき経済学において、
イデオロギーのみで主張を展開する本をたくさん見てきましたので、
本書のような科学的思考に基づく主張は非常にありがたいと思います。

それ以上に素晴らしいのはこのような科学的思考を採用することで、
再現可能性や反証可能性の余地が生まれることであり、
著者の提言を確認したい、反対したいと思われる方々は、
異なるデータ、異なる理論、異なるロジックで攻めていくことが可能だということです。
科学的思考を持つ者同士が議論することで、
初めて議論がが深まりますし、本質が見えてきます。

一つだけ本書から引用してみます。アベノミクスです。
アベノミクスは、金融緩和・財政出動・規制改革の3本の矢から構成されています。

先ず、金融緩和ではインフレターゲットが2%ということ、それの未達が問題視されていますが、
そもそもインフレターゲットは、
インフレ率の増大と失業率の低下が相関し、
またインフレ率の増大と有効求人倍率の増大が相関していることから、
失業率の低下と有効求人倍率の増大のために金融緩和政策を推進しインフレターゲットを設定しているのであり、
インフレターゲットが達成できていないことを非難するのではなく、
失業率が低下し、有効求人倍率が増大していることを喜ぶべきです。
この観点からすれば、金融緩和は成功しつつあるので全く問題のない政策だといえます。
未だにハイパーインフレになると騒いでいる人たちがいますが、
本当にそうなりそうになる段階で金融緩和を停止すればいいだけのことです。
金融緩和について正当な理由・科学的な検証で批判している主張は聞いたことがありません。

次に財政出動ですが、これはまだ発動されているとはいえません。
財政出動すると国家財政が破たんするという論理破たんした主張がかなりあるからだと思います。
財政出動反対派は、日本の借金だけを見て非難していますが、日本の資産は無視しています。
日本の財政をバランスシートでみれば、むしろ財政再建は完了しつつあるというのが事実です。
また、国債は円建てであり、かつほぼ日本人が購入しているので、債務不履行はありえません。
実際に、国債はマイナス金利でも投資家に買われているぐらいで、需要に供給が追い付いていない状況です。
もし債務不履行という事態が起きそうであれば、日本銀行券を増刷すれば良いだけです。
著者は25兆円の財政出動ができれば経済の主要な問題はほぼ解消すると述べています。
あとは、与党内の財政緊縮派がしっかりと勉強し、財務省を説得できれば大丈夫です。

それでも財政が心配な人は、次に述べる規制改革にも繋がるのですが、
例えば、テレビ局が使用している電波使用料を引き上げることを要求すべきでしょう。
携帯キャリアが支払っている水準まで引き上げるか、
電波オークションを導入すればいいでしょう。
捏造を報道の自由、隠蔽を報道しない自由と称して、
視聴者を欺きながら、高額の給与、高水準の利益を出していますので、
公平性の観点からもいいのではないでしょうか。
また、本来支払う必要のない、
在日外国人への生活保護その他の特権や外国人学校への助成金をやめてしまうことを要求すべきでしょう。
特に反日国家に対しては厳しく行うことが安全保障の観点からも必要でしょう。
更に、最低賃金で働いている人より優遇されている生活保護支給額を最低賃金に併せることも必要でしょう。
生活保護受給者は医療費が無料、家賃も無料、社会保険の納付義務なし、など額面よりも多くのメリットを享受しています。
働いている方々の不公平感を緩和し、働く意欲を高めるためにも必要でしょう。

なお、財政出動で大事なことは、
以前のように無駄な公共事業に使わないということです。
個人的には、
喫緊の課題である安全保障上の抑止力の確立と
(敵基地攻撃能力の整備、海自・空自の増強、サイバー防衛力の確立、自衛隊員への報酬増額、軍事研究の拡大など)
長期的な国家基盤整備のための自然科学分野への研究開発投資が
(反日サヨクを生み出している社会科学分野は予算削減)
いいのではないかと思います。

また、ここで問題になるのが消費税率引き上げです。
前回の消費税率引き上げ(5%→8%)で、確実に景気が悪化しました。
金融緩和の成果がうまく出なかったのも消費税率引き上げです。
税収を増やしたい財務省に屈した形での引き上げですが、
彼らは税収を増やすことではなく、税率を引き上げることが目的のようです。
税収は課税対象の数量×金額×税率で決まりますが、
税率を引き上げることで課税対象の数量を減らしてしまえば、税収は減ります。
著者によれば、財務省内では既存の税金の税率を引き上げることが最も評価されるとのことです。
今後、消費税率が10%に引き上げられる予定ですが、
これをやってしまうとアベノミクスは失敗するでしょう。

最後の規制改革ですが、これはまだまだ時間がかかりそうです。
市場原理は万能ではありませんし、負の部分もありますが、
それよりも既得権益・岩盤規制による損失の方が遥かに大きいでしょう。
そして、既得権益・岩盤規制は、これまで政官業の癒着で長年に渡って築き上げられてきたものですので、
破壊するのは容易ではないでしょう。
例えば、話題になった加計学園の獣医師学部新設ですが、
日本獣医師会と文部科学省と政治家(与党も野党も)が結託して50年余にわたって固守してきました。
本来であれば、野党やマスメディアがこれらの癒着による既得権益・岩盤規制で政府を非難すべきですが、
何れも政局ありき倒閣ありきでむしろ既得権益・岩盤規制を擁護している始末です。
また日本で最も強力な既得権益・岩盤規制の一つはマスメディアそのものですので、
彼らが本気で既得権益・岩盤規制を破壊する政策を支持するとは思えません。
国家戦略特区が頑張っているのですが、
獣医学部新設については、本来違法である申請受付を受理しないという現状を受理するに改善しただけです。
規制改革というのであれば、獣医学部新設は許認可制ではなく届け出制に変えるぐらいのことが必要でしょう。


右とか左とか関係なく、もはやイデオロギーや結論ありきの意見は、
科学的思考の前には通用しません。
政治家・役人・マスコミ・活動団体は、
本書のような科学的思考で対抗していかないと、
次第に国民からバカにされて支持を失っていくと思います。

それでも心配なのはポスト安倍が自民党内に見つからないことです。
強力なリーダーシップで経済と安全保障を強力に推進していく方が見当たりません。
個人的には、ロシアを参考にして頂きたいと思います。
プーチン大統領が任期満了に伴いメドベージェフ大統領に代わり、そのあと再度プーチン大統領が再任されています。
安倍首相&麻生副首相→麻生首相&安倍副首相→安倍首相&麻生副首相といった具合にするといいかな、と思います。
これを続けていく間に自民党は真剣に次世代リーダーを教育し、選別し、修羅場を経験させるのです。
例えば、東京裁判史観・自虐史観を持たず正しい国家観を持った稲田朋美氏を鍛え上げるというのも手です。


なお、本書のような科学的思考法で、より多くの論点をより完結に提言している著者の本があります。
「日経新聞」には絶対に載らない 日本の大正解
こちらも併せて読まれることをお勧めします。
  1. 2017/07/22(土) 14:50:10|
  2. 経済・財政
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「日経新聞」には絶対載らない日本の大正解/高橋洋一



★★★★★

マスメディアの捏造報道を見破る力をつけられる貴重な本

とにかく読みやすくわかりやすいです。

著者のデータ分析に基づく提言と
マスメディアの結論ありきの捏造報道との歴然とした差を
はっきり、かつスッキリと知ることができます。

データにもいろいろとあり、
著者が採用しなかったデータもあるとは思いますが、
少なくとも本書の内容に反対したい場合には、
データに基づいて理論武装しなければなりません。
そうでなければ、ただの言いがかりに堕すでしょう。

最近話題の経済評論家の本を何冊か読みましたが、
著者の提言が最も腑に落ちました。

内閣改造では財務大臣若しくは財務副大臣になって頂きたい方ですね。

マスメディアの捏造報道を見破る力をつけることができる貴重な本だと思います。

なお、本書のような科学的思考法で、より論点を絞って深く探求している著者の本があります。
なぜ日本だけがこの理不尽な世界で勝者になれるのか
こちらも併せて読まれることをお勧めします。


  1. 2017/07/22(土) 14:46:56|
  2. 経済・財政
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生産性向上だけを考えれば日本経済は大復活する/三橋貴明



★★★★★

経世済民(経済)で日本を復活させる

久しぶりに己の知的好奇心をくすぐってくれる経済解説書に出会うことができました。

世を経(おさ)め、民を済(すく)う、という経世済民=経済の本来の目的を果たすための
原因分析と本質的対策について書かれています。

タイトルにある「生産性向上」は、GDP1人当たりの生産性を向上させるという意味です。
この生産性を向上させることで、個々人の実質所得が増え、豊かになることが最も重要なこと、としています。
GDPが生産=支出=所得であることから、一人当たりの生産性を向上させれば所得も向上するという論理です。

バブル崩壊以降デフレ状態が今も続いていますが、
これは完全に経済についての政権・政策の誤りが原因ということです。

デフレ状態では民間・個人の投資が当然控えられますので、政府が積極投資をしなければならないのですが、
緊縮財政という誤ったイデオロギーと誤ったプロパガンダがこれにブレーキをかけてきました。
日本政府の国債は円建てであり、日銀が購入しているので破たんするはずがありませんが、
何故か国債発行が日本を借金大国にするというデマゴーグが日本を席巻しています。
円建てであるので、日銀は日本銀行券(お札)を国債購入分だけ刷ればいいだけのことです。
黒田バズーカの結果をみればわかりますが、日銀が日本銀行券を刷ってもハイパーインフレにはなりません。
実際に、リフレ派が推進している金融緩和でも、インフレは起きていません。

ですので、デフレ下においては、政府が積極的な財政出動を行えばよい、それしかないということです。

なお、リフレ派の提唱する金融緩和(たくさんお札を刷る)というのは、
著者曰くそれだけでは何の効果もないということです。
経済学では人間の人間らしさを考慮しません。
金融緩和でインフレが将来起きそうなので、今後お金の価値が下がるから、今のうちに消費にまわそう、
という経済学のいう合理性ではなく、
これまでデフレで財布が厳しいので、安全策をとって節約、貯金しよう、
というこれまでの経験則によって人は動きます。
黒田バズーカによる金融緩和によるインフレターゲットが達成されてないことを見れば明らかでしょう。

政府による積極的な財政出動が行われ、インフラ・技術などへの投資が進めば、GDPが増大し需要が増えるので、
そうなってくると、民間でも生産力・生産性を高めるために人材投資・技術投資などが行われるようになり、
その結果として果実が生まれ、個人に還元される(実質所得が増える)ようになり、それが消費を促し、
経済の好循環が形成されるということです。

ここで重要なのが、GDP一人当たりの生産性向上につながるような投資でなければならないということです。
これに関係ない政府の財政出動や民間の投資は経世済民につながらないとうことです。
民間は結果としての利益に敏感ですので、まともな経営者であれば大丈夫なのですが、
政府の財政出動は、様々な利権が絡んでいますので、財政出動の対象を厳しくチェックする必要があります。

例えば、
日本は世界最古の文明が今でも受け継がれ、
クールなサブカルチャーを生み出しつつ、
一方で世界最先端の科学技術を蓄積・追求していますので、
これらを世界最高レベルにし、未来に受け継ぎ、発展させ、世界に知らしめるような目途で
財政出動すればよいのではないかと思います。
また、これらに携わる方々への人材投資も健全な財政出動先だと思います。
更に、これらによって日本の世界に対する競争優位が一層高まりますので、
国力の強化にもつながると思います。
世界一の文明国家、科学技術国家になるための財政出動は筋がよいのではないかと思います。
(二番では駄目)

また、
日本の地政学的な位置づけは、グローバルな視点でみると、極めて危険な場所になります。
安全保障は経世済民にとって重要な柱だと思いますので、
現状の俯瞰、冷静な分析、明確な戦略、実効性ある戦術のうえで、
安全保障に対する政府の財政出動も健全なものだと思います。
現在の防衛予算はGDPの1%というよくわからない理屈で縛られていますが、
周辺の反日諸国の国防費に均衡させるぐらいの財政出動はあってしかるべきだと思います。

これらの政府の財政出動によって経済がうまく回り始めたら、
あとは民間がマーケティング&イノベーションで需要を創出することで、
買いたいものがある状態を作り出せばいいと思います。
自由主義経済に任せればよいのだと思います。

更に、日本が経済成長を持続させることの重要性を説いています。
勿論、個々人の実質所得を増大させ、豊かになることを基本とした経済成長です。
成熟したので経済成長は望めない、人口減少するから経済成長は望めない、経済成長しなくてもいいじゃないか、
といった解説をよく聞きます。
ただし、日本が世界で一定の地位を享受しているのは経済大国が大きな理由です。
もし、経済成長を維持できず、シュリンクしてしまうようなことがあれば、
日本の世界での地位は確実に低下し、他国からはどうでもよい存在になりかねません。
もしそうなれば、これまでのような生活が居とめなくなるのは勿論のこと、
確実に志那からの攻勢を受け、占領されかねません。
経済力も安全保障の重要な構成要素であることを再認識する必要があるでしょう。

あと、著者は少子高齢化についての世の中のイメージに大して、鋭い反論をしています。
少子高齢化は暗いイメージが伴いがちですが、著者はこれを好機ととらえています。

高齢化人口が増えることで医療や介護といった大きなマーケットが需要を下支えし、
少子化で労働力人口が減ることで、GDP一人当たりの生産性向上に対して対応せざるを得ない状況が生み出されている、
ということです。
そして、GDP一人当たりの生産性の向上が個人の実質所得を増やし、豊かになることから、
外国人労働者による人手不足の解消は愚策以外の何物でもない、
生産性向上=実質所得増大の妨げにしかならない、と切って捨てています。
高度経済成長期は完全雇用状態でも人手が足りなく、
かつ当時は外国人労働者に頼ることもできなかったからこそ、
生産性向上技術が発達したことで科学技術大国になることができたとのことです。
少子高齢化で生産性向上のせっかくのチャンスを外国人労働者受け入れで潰すというのは愚策そのものでしょう。

AIやロボティクスの科学技術が発展しはじめていますので、
これらを積極的に取り込むだけでなく、これらの科学技術を日本の強みとなるようにすることが重要だと思います。

最後に、シンギュラリティについて軽く触れていますが、これについては著者も妙案はなさそうです。
いつかはシンギュラリティを迎えるのでしょうから、今から様々な議論をしておくことが必要でしょう。

冒頭で触れたように、久しぶりに己の知的好奇心をくすぐってくれる経済解説書に出会うことができましたので、
ついついレビューが長くなってしまいました。

経済についての本は結構読んできましたが、
個人的には、本書は良書の筆頭格に位置づけられると思います。

世の中で流布しているフェイク情報を見極め、
日本がデフレから脱却し、かつ個々人が豊かになる方法は本当は何か、
について理解したい方にはお勧めの本だと思います。

  1. 2017/06/10(土) 08:24:36|
  2. 経済・財政
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経済で読み解く大東亜戦争/上念 司



★★★★

歴史とデータに基づくリフレ政策の検証

著者のこのシリーズは、出版の新しい順に3冊読みました。
経済で読み解く織田信長(室町~安土桃山)
経済で読み解く明治維新(江戸~明治)
経済で読み解く大東亜戦争(本書、明治~昭和)

3冊読み終えて、著者の言いたかったことを要約すると、
・著者が推奨しているリフレ経済政策の正当性を歴史とデータに基づいて検証できた
・リフレ経済政策が国民の経済面での豊かさをもたらす
・経済政策は手段であって、目的化・イデオロギー化してはならない
ということかと思われます。

そのうえで本書が論じていることを要約すると、
・リフレ経済政策を採用しないと国民が経済面で豊かになれない
・国民が経済面で困難に陥っているときには極端な政策やイデオロギーに走ってしまう
・それを商業マスコミが利用し、あおり、儲けることで極端なプロパガンダを醸成してしまう
・その結果として戦争や紛争が起こり、国民を不幸にする
・上記を踏まえると、現在リフレ経済政策を批判している陣営は国民を経済面で豊かにすることはできない
ということかと思われます。

リフレ経済政策の有効性について歴史とデータで検証してきたシリーズですが、
人文・社会科学の世界では、自論に有効な証拠だけを集めて論理展開することが容易だと一般的に言われています。
(ですので、Science誌がすっぱ抜いたように、心理学の論文のうち7割弱も再現可能性がない、ということが起きます)
ですので、リフレ派でない方々が、歴史とデータに基づいて論理展開したものと比較検証することが求められます。
これはリフレ派批判ではなく、リフレ派の有効性を盤石にするための必須要件だと思います。

あと驚いたのは、
著者曰くケインズはリフレ派だったということです。
amazonレビューでも、リフレ派批判のためにケインズを引用しているものが散見されますし、
ケインズ擁護の経済学者の解説書を読む限り、ケインズはリベラルのイデオロギーの中核にしか思えません。
それが、リフレ派だと著者は言っているのです。
ケインズが目指したものは一体なんだったのかについては、
ケインズ自身の著作を読むしかなさそうですので、時間と気力のあるときに挑戦したいと思います。

(追記:20170325)
著者の経済用語 悪魔の辞典で、ケインズについての理解が深まりました。
しばらくはケインズ自身の著作を読まなくて済みそうです。
(追記終わり)

なお、このシリーズでは触れられていませんが、
金融の緩和、財政の出動と併せて需要の創造が欠かせないと思います。
そのためには、シュンペーターの「創造的破壊」、ドラッカーの「マーケティング&イノベーション」が不可欠になってきます。
そして、歴史に照らせば、
行政が需要の創造をリードしても必ず失敗しますので、
民間が需要の創造をリードし、行政はあくまでもサポートに徹するようにしなければならないと思います。

最後に、
いろいろとコメントしましたが、
どの本も結構楽しく読む事ができました。
著者に感謝するとともに、3冊すべてを読む事をお勧めします。
  1. 2017/03/22(水) 15:24:21|
  2. 経済・財政
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I am that I am.

Author:I am that I am.
誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

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