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伝統・科学・世界を知りマネジメントに活かす

日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

未来のリーダーへの手紙/ラム・チャラン



★★★★★

リーダーシップ=マネジメントの実践

著者は、一つの会社に10年以上という長きに渡り、また深く関与して、経営者をサポートするタイプの経営アドバイザーとのことです。また本書はそのような経営アドバイザーとして様々な企業に関与してきた経験を踏まえて書かれているとのことです。

そのような経営アドバイザーの書籍だからか、事例が単に豊富なだけでなく、深い洞察や長年の栄枯盛衰も含めて紹介されていますので、一つ一つの事例紹介が非常に有益なものとなっています。また、それらの事例を踏まえて整理された提言も、非常に価値あるものとなっています。

現場をほとんど知らない学者が書いたものや、関与が浅く短いコーチ、トレーナー、コンサルタントらの書いたものとはレベルが全く違います。

そのような本書の提言ですが、一言でまとめると『リーダーシップはマネジメントの実践である』ということになるのかと思います。

マネジメントやマネジャーとリーダーシップを無理矢理にでも分けて論じることで、新しさを醸し出そうとする書籍や文献をよく見受けるのですが(そしてこれらに対してずっと違和感を抱いてきたのですが)、本書の提言はマネジメントやリーダーシップについて、21世紀の企業を論じながらも原点回帰していると思われます。

まるで、ドラッカーの『マネジメント』を最新事例に置き換えたものではないか、という錯覚に陥りました。

リーダーシップに関する書籍は様々な著者のものを読んできましたが、本書及び著者はその最高峰に位置づけられるのではないかと思います。リーダーシップについて学ばれる方々にとっては必須の書籍ではないでしょうか。

  1. 2010/04/27(火) 18:36:01|
  2. リーダーシップ
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CEOを育てる/ラム・チャラン



★★★★★

リーダー不足をシステマチックに解消するための処方箋

邦訳タイトルは『CEOを育てる』ですが、企業のあらゆる領域/階層でリーダー不足を解消するための方法が書かれた本です。

企業の生き残りにとってリーダー育成が不可欠であることを企業全体に浸透させ、次世代リーダー育成を既存リーダーのミッションとして位置づけ、包括的な仕組みを構築・導入し、一人ひとりのリーダー候補を丹念に時間を費やして育てていく、その方法/プロセスについて、既に実施しているグローバル企業の事例を提示しながら、分かりやすく解説しています。


率直な感想としては、リーダー育成を本気で考えている企業は、本気度に見合うだけの手間暇をかけて育てているんだな、というものです。

リーダーの要件定義では、教科書からそのまま引用したり、他社事例をまねたりしている企業が多い中で、自社の環境・戦略(の変化)に応じて何度も協議を繰り返しながら独自の要件を導き出しています。

またフィードバックでは、年に1度の人事評価フィードバックすらまともにできない企業/管理職が多い中で、一人のリーダー候補(1ポジションに数名)に対して複数のリーダーが協議しながら成果/プロセス/能力/性格を見極め、適性を見出し、何度もフィードバックを重ねてリーダーを育てています。

更にリーダー候補の配属においても、空きポストを待つのではなく、(企業全体の整合性は確保しつつ)育成に必要であればポストを新たに作ってでも配置し、育てています。最近は減っているとは思いますが、能力がないのに年功で昇格してしまった管理職のポストを作って組織も人材もだめにしてしまう企業とは正反対です。

まさにリーダー育成が経営戦略の主要な構成要素となっています(戦略実現の手段というよりも)。

リーダーが不足している、人が育たないと嘆いている企業は数多く見受けられますが、本書に登場する本気の企業ほどの努力をしているところはほとんどないのではないか、と思わされます。また本気でない企業には真似のできるような努力ではないと言えるでしょう。


なお、社内人材登用、徒弟制度、ゼネラルローテーションなど、日本企業が従前実施していたようなキーワードが結構でてきますが、質的には全く異なります。質的な違いを読み取ることができないと、本書のメッセージを間違って捉えることになりかねませんので、注意が必要でしょう。


  1. 2010/04/15(木) 18:49:35|
  2. リーダーシップ
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未来組織のリーダーシップ/フランシス・ヘッセルバイン等



★★★★★

秀逸なリーダーシップ論文集

ネットでのお薦め書籍や良書の参考文献などを参考に書籍を購入すると、たまにではありますが、全く見逃していた良書にであうことがあります。本書もその一つです。

本書は、ドラッカー財団が企画した未来シリーズ三部作の一つです(他は『未来社会への変革』『企業の未来像』)。

著名なリーダーシップ研究者・コンサルタントや企業のリーダーたちによる提言を集めた論文集です。様々な方々が、様々な切り口からリーダーやリーダーシップを語っています。

リーダーシップとはこうあるべき、というものが世の中で収斂されている状況ではないことから(収斂されるものでもないでしょうから)、各々の提言については全てを貫く共通項はありつつも、各々独自の見解が展開されています。

ただし、著名な著者らの提言ですから、各々が秀逸なものであることは間違いありません。これらの提言を読むだけでもリーダー・リーダーシップに対する理解が深まります。

また、各々の切り口は頷けるものが多く、リーダー・リーダーシップとは何かについて考える際には、本書は有益な視点を与えてくれます。

更に、リーダー・リーダーシップとは何かについて更なる知識を収集するうえで、共著者らの書籍や論文を紐解くきっかけとしても、本書は有益なきっかけを与えてくれます。

そのうえ、訳者解説において、共著者らの提言の共通項が整理されていたりと、本書を有効活用するために役立つ解説がなされています。


ただし、本書は紙面の都合で原著からかなりの章を削除したようで(訳者解説による)、これが非常に残念だと思います。出版社にも様々な都合・制約があるのでしょうけれど、良質な情報を提供するという出版社としての使命を忘れてほしくはないと思います。
  1. 2009/12/10(木) 11:55:11|
  2. リーダーシップ
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こうしてリーダーはつくられる/ウォレン・ベニス



★★

「リーダーになる」ほどの価値はない

著者の名著「リーダーになる」(既にレビュー掲載)が見事でしたので、こちらも読んでみましたが、それほど価値のある内容だとは思えません。

異なる世代のリーダーを調査し、その背景も踏まえてリーダーの要素を抽出しています。ただ、このアプローチは他の著作でも行われていることであり、また、得られた要素(適応力、意味共有力、意見力、高潔さ)についても、特段目新しいものではありません。

リーダーにはEQが重要であると述べていることは適切だと思いますが、これとて既に類書でかなり述べられています。


また、(本書が書かれた環境ではリーダーシップは生まれながらの才能が重要であるという論調が多かったようですので、それに対抗してか)リーダーは育つものである、と論じています。

リーダーになった人たちのインタビュー調査から、どのような試練が必要か、についての記述はありましたが、凡人がどのようにすればリーダーになれるのか、については言及がありませんでした。更に、それらの試練も凡人が容易に乗り越えられるものではなさそうです。

従って、リーダーは育つものであるという著者の主張は、本書内では証明されていません。

リーダーが才能か育成かというのは、リーダーシップは才能であると言い切っている、マーカス・バッキンガム「最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと」も読んでから考えてみる必要がありそうです。


本書内でドラッカーを含め、著名な方々が本書を賞賛していますが、個人的には「リーダーになる」でこけおろしていた類書とそれほど変わらないと思います。


ただ、旧世代と新世代の置かれた環境と、それらを踏まえたリーダーシップの形成についての比較は興味深かったですので、その分評価を高くしています。

  1. 2009/03/02(月) 16:59:50|
  2. リーダーシップ
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影響力のマネジメント/ジェフリー・フェファー



★★★★★

パワーを適切に行使するために

最近のリーダーシップ論やチーム・組織運営論は、どちらかというとメンバーをモチベートさせながら、またコーチング・カウンセリングしながら、その気にさせて仕事をしてもらうタイプのものや、参画、民主主義的なアプローチのものが増えてきています。

これらについては、権力や圧力だけでは人は動かず、また動かしたとしてもメンバーの能力を最大限に発揮されないという、過去の反省・反動から来ているものであり、また有効な手法であることは間違いないと思います。

ただ、これらがあまりにも主張されるために、権力や圧力が必要な場合でも活用しないという状況が生じているようであり、本書はそのことに警告を発しつつ、適切なパワーの使い方や、パワーの影響、発生から消滅までの流れを解説しています。

変革において、ソフトアプローチとハードアプローチの両方を上手く活用しながら進めていくことの必要性を再考させてくれる本です。

また、参考文献も豊富に掲載されており、更に学習を進める際には参考になります。

  1. 2009/02/13(金) 16:11:09|
  2. リーダーシップ
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リーダーになる/ウォレン・ベニス



★★★★★

リーダーになる=自分自身になる

*以下のレビューは初版を読んだ際のものです。増補改訂版については読んだ後に追加でレビューする予定です。


今から20年前に書かれたものとは思えないぐらい、現在の、そしてこれからのリーダー、リーダーシップとして相応しい内容だと思います。

工業社会モデルが限界に達し、組織の危機といわれているようですが、それを見越したように、人間と人間関係を中心とした提言となっています。


特筆すべきは、リーダーになるということは、自分自身になる(自分の価値観・性格・才能を開花させる)ことということを真正面から提唱していることです。

様々なテクニックを紹介、またリーダーとしての要件を抽出した書籍は山のようにあり、それなりに読んできたのですが、どうもやらされ感を抱いていました。リーダー個人の人間としての視点がないのではないかと。また周りからの要請でリーダーに強要しているだけではないかと。

そのような書籍が多い中で、本書はリーダーになる個人そのものに焦点を当て、その個人が人間として成長することがリーダーに繋がると説いています。

よって、優れた自己啓発書で述べられていることと重なるものが多い内容となっています。

更に、自分自身になっている独自性のあるリーダー、その多様性を上手く活かすことで変革やイノベーションも可能になるとしており、これからの組織に必要な課題にもつなげています。

また、リーダーが自分自身になる成長をしていくことで、他の人間に対しても人間としての扱いができるようになり、その人たちをモチベートさせながら成長させていくことができるとしています。

そして、これらの中心にある営みが学習であり、学習する個人・学習する組織といった、これから求められる組織文化の原動力としても繋がっていきます。


本書で取り上げられている上記の内容については、幅広い視野、深い洞察、豊富な実戦経験、心理学をはじめとした人間に関する科学知見を踏まえたリーダー論を提唱していますので、安心して読むことができます。

その上で、理屈に終始するのではなく、実際の事例を豊富に紹介し、わかりやすく伝えています。


さすがリーダーシップの大家だけのことはあって、王道を示しているといえます。


個別具体的なテクニックはそれほど書かれていませんが、本書でも述べているようにテクニック紹介本は世の中に氾濫していますので、本書を紐解きながら必要なテクニックはそれらの紹介本で習得すればよいのでしょう。

リーダーシップの書籍としては最高の部類にはいるといえます。
  1. 2009/02/06(金) 12:38:09|
  2. リーダーシップ
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サーバントリーダーシップ/ ロバート・K・グリーンリーフ等



★★★★

give&takeのリーダーシップ

本書が提唱しているリーダーシップを一言で要約すると“give&take”になります。

それをサーバント(奉仕)という言葉を用い、人に奉仕し、それを持って奉仕される関係を自ら積極的に創り出し、それによって互いの追求したいことを成し遂げていくという、ことです。

人間関係という観点からは、特に新しくも珍しくもないのですが、リーダーシップと絡めたことがポイントなのだと思います。


類書はこれまで幾つも出ていましたが、本書を読むことで本来の「サーバント・リーダーシップ」が理解できると思います(類書は本書の提唱する内容と結構違ったりしていますので。例えば、部下にとにかく奉仕せよ、という一方的な内容の本だったり)。


本書は、ピーター・センゲが「これ一冊でよい」と論じたものですが(その後もう一冊増えましたが)、それは人間関係に踏み込んだものであり、彼の提唱する「学習する組織」に上手く繋がるからだと思います。


これまで様々なリーダーシップ関連文献を読んできましたが、マネジメントとの関連では、今後もせめぎあいが続くのだと思います。

マネジメントの全体像を最初に提唱したのが、P.F.ドラッカーですが、彼はマネジメントにはリーダーシップが必須だとしており、特段区別して論じてはいませんでした。

但し、マネジメントがcommand&controlを中心に実践されてきたことから、マネジメントとリーダーシップを区別することで、これまでのやり方を変革する必要が出てきたのだと思います。ジョン・コッター等のリーダーシップ論は、このあたりを踏まえて提唱されたのだと思います。

それでもリーダーシップという言葉のイメージから、誰かを率いる、先頭に立つ、などが彷彿されることから、変革が思うように進まず、また、世の中の変化により工業社会モデル(軍隊型モデルをベースとした)の形態が通用しなくなるにつれて、人間・人間関係により焦点を当てたリーダーシップが求められるようになってきたのでしょう。本書はこの段階に相当すると思います(であるからこそ、25年も前に提唱されたこと自体、凄いことだとは思いますが)。

これらの経緯を踏まえて、今後どのようなことに焦点をあてたリーダーシップ論が出てくるのか、楽しみではあります。


あと、感じたことですが、結構キリスト教の影響を受けた内容だと思います。巻末に金井教授が「日本人に受け入れられやすい」旨のコメントを寄せていますが、一概にそうともいえないと思います。
  1. 2009/02/04(水) 15:59:05|
  2. リーダーシップ
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最前線のリーダーシップ/マーティ・リンスキー



★★★★★

生々しいリーダーシップ

リーダーシップを発揮し続けることが、如何に困難なことであるかを、生々しい事例を数多く紹介しながら解説しています。

リーダーシップについての書籍は、理想論を語ったもの、事例を集約して成功へのエッセンスを提示したもの、様々なツールの活用により必ず成功すると謳ったもの、など、どちらかといえば「きれいごと」を盛り込んだものが多いように思えますが、本書はこれらの書籍に良い意味で「冷や水」を浴びせるものになっています。

また本書では、成功事例だけでなく失敗事例も豊富に盛り込まれていますので(失敗事例のほうがはるかに多いと思います)、成功事例だけの書籍よりも学ぶことが沢山あります。

あと本書で紹介されている事例が生々しいのは、政治・行政に関するものが多いためなのでしょうけれど(エゴ剥き出しの世界でしょうから)、ビジネスの世界が生々しくないわけではないので、世界が違っても十分に参考になります。


リーダーシップに関する書籍を読んで「きれいごと」かな、と感じた際に、本書で検証するとバランスがとれると思います。

また本書を読むと、「誰でもリーダになれる」「誰でもリーダーシップを開発できる」という人材育成・自己啓発系の書籍によくある謳い文句が虚しく聞こえるようになります。
  1. 2008/06/30(月) 11:50:29|
  2. リーダーシップ
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最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと/マーカス・バッキンガム



★★★★★

調査と科学に基づくリーダーシップ論

本書は、著者がギャラップ社に在籍時に行った膨大な調査結果(これはギャラップ・パスとして整理されている)と、最新の心理学・脳科学・遺伝学の知見を踏まえた、成功するリーダー、マネジャー、個人の条件について解説しているものです。

リーダーシップやマネジャーについては、数多くの書籍が出版され、数多くの切り口で様々な定義がなされてきていますが、どれも決定打といえるものではなく、定義が収束ではなく拡散している状況にあると思います。

その中で、本書はこれらの定義の背景にある本質的な要素は何か、を追い求め、調査と科学の知見を踏まえて最も重要な要素を提示しています。


また、とかく様々な議論が生まれているリーダーとマネジャーの違いですが、これについても以下の明確な提示をしています。

・マネジャーは、人の個性に着目し、人の強みを最大限に引き出すことで、成果を生み出すことを支援する人

・リーダーは、人の個性の裏にある普遍性に着目し、将来を明確に見せることで成果を生み出すことを支援する人


更に、これも様々な議論が生まれている、リーダー、マジジャーは育てることができるのか、ということについても以下の明確な提示をしています。

・上記のリーダー、マネジャーの定義を最高レベルで実践するためには、生まれ持った才能が必要であり、その才能を持った人が最高レベルになるためにはスキル開発が必要


なお、最も重要な要素(たったひとつのこと)を明確にしたうえで、それらを実現するための要素やスキルを明示していますので、目的(リーダーであるために)と手段(リーダーになるために)を整理して活用することができます。


本書の内容を更に理解するためには、以下の書籍もお薦めです。

マーカス・バッキンガム
 「まず、ルールを破れ」「さあ、才能に目覚めよう」
ドナルド・O・クリフトン等
 「強みを活かせ」
カート・コフマン等
 「これが答えだ」
以上、ギャラップ社調査結果に関する書籍

ミハイ・チクセントミハイ(心理学)
 「楽しみの社会学」「フロー体験 喜びの現象学」
マーティン・セリグマン(心理学)
 「オプティミストはなぜ成功するか」「世界でひとつだけの幸せ」
スティーブン・ピンカー(進化心理学者)
 「心の仕組み」「人間の本性を考える」
ジョセフ・ルドゥー(脳科学・神経科学)
 「エモーショナル・ブレイン」「シナプスが人格をつくる」
マット・リドレー(遺伝学に関するサイエンス・ライター)
 「赤の女王」「徳の起源」「ゲノムが語る23の物語」「やわらかな遺伝子」
以上、本書が参照している科学分野の知見に関する書籍
(全て本ブログに書評を掲載しています)
  1. 2008/05/23(金) 18:07:27|
  2. リーダーシップ
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サーバントリーダーシップ入門/金井 壽宏・池田守男



★★★★

サーバントリーダーシップの実践と理論

資生堂の池田相談役が実際に資生堂の経営改革を推進した際のサーバントリーダーシップの実践例と、神戸大学の金井教授が様々な知見と自らの研究を踏まえたサーバントリーダーシップの理論を、一度に読むことができますので、わかりやすい書籍になっています。

また池田相談役と金井教授との対談により、実践と理論が上手く組み合わさっており、これもサーバントリーダーシップの理解を促進させてくれます。

本書からは、サーバントリーダーシップは手法というよりは哲学だということが理解できます。
この延長線上で捉えると、本書でも幾つかありましたが、以下のような既出の経営方針・手法とサーバントリーダーシップとの親和性があるように見受けられます。

対社会:CSR(企業の社会的責任)
対顧客:顧客ロイヤリティ・顧客満足・ブランディング
対経営:ビジョナリー・カンパニー
対組織:逆ピラミッド型組織・エンパワーメント
対社員:自律型人材・コーチング・ファシリテーション

あとサーバントリーダーシップが西洋の宗教観から構築されていることもわかりました。金井教授は、どの世界でも通用すると述べていますが、東洋思想(儒教・老荘思想・仏教・神道など)をベースとしたリーダーシップのあり方についても深い研究があると、更にサーバントリーダーシップについての理解・浸透が図られるのではないか、とも思います。

なお本書の第4章では、両者の対談を踏まえてのサーバントリーダーシップのあり方等について述べられていますが、浸透を図りたいからか、既存のリーダーシップの考え方・手法を取り込んでいるため、サーバントリーダーシップの純粋な概念が薄まっている嫌いがあります。

このあたりは、サーバントリーダーシップと既存のリーダーシップとの立ち位置の違い、相違点等を適切に比較検証するような方向で提示してもらったほうがよりわかりやすいと思いました。
  1. 2008/05/05(月) 11:53:39|
  2. リーダーシップ
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プロフィール

I am that I am.

Author:I am that I am.
誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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