FC2ブログ

伝統・科学・世界を知りマネジメントに活かす

日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

この人についていきたい、と思わせる21の法則/ジョン・C・マクスウェル



★★★

個々の内容は良いのだが。。。

リーダーシップに求められる21の要素をわかりやすく解説しており、その一つひとつは確かに納得できるものです。

自分自身の現在のリーダーシップのありようを振り返り、強み弱みを確認し、伸ばしていくには良い本だと思います。


但し、リーダーシップ本によくあることなのですが、とにかく必要だと思われる要素を盛り込んでいます(なので21)ので、全体を俯瞰すると、全知全能になれ、というメッセージに見えてしまいます。

リーダーも人ですので、全てを求められても無理ですし、全てが揃わなければリーダーではない、というのであれば、この世の中にリーダーはいなくなります。

一方で、本書の中には「強みを活かせ」「短所と同居せよ」というメッセージもありますので、全体としては矛盾があります。


従って、本書の使い方としては、21の要素と自分自身の現在のリーダーシップを比較し、リーダーシップとしての強み弱みを見極め、幾つかの強みを更に強化する、ということになると思います。

なお、本書の原著初版は1999年です。
  1. 2008/05/02(金) 08:33:43|
  2. リーダーシップ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

「いい人」だけがビジネスで成功する/アレクサンダー・J・ペラルディ





サーバントリーダーシップを語る資格無し

第2章の「利己主義がすべてをぶち壊す」で生物学者のリチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」を引用して利己主義を否定していますが、その引用方法が無茶苦茶です。

本書では「利己的な遺伝子」から構成された生物や人間がどうしようもなく利己的である、と引用していますが、ドーキンスは「遺伝子」が利己的であるとは言っていますが、その「利己的な遺伝子」で構成されている生物や人間が利己的だとは一言も言っていません。

また利己的な生物や人間は絶滅する、と引用していますが、ドーキンスは利己的・利他的ともに絶対的な優位を持続することはできないし、一時的に何れかが優位になりえる、と言っています。

むしろ利己的かつ利他的なもの(互恵的利他行動:互いの利己を踏まえて戦略的に利他的になること)や、しっぺ返し戦略(やられる前は利他的だが、やられたらやり返す)というのが生物学・進化理論では正しいとされています。

「利己的な遺伝子」を読んでいないのか、読み解く能力がないのか、自説を正当化するために意図的に歪めているか、定かではありませんが、いずれにしてもこのような引用の仕方をする人が「利他主義」を語る資格はありません。

サーバント・リーダーシップそのものは有益なものですが、本書は読むに値しません。
サーバント・リーダーシップについては、最近のものでは、ジョセフ・ジャウォースキー「シンクロニシティ」がお薦めです。
  1. 2008/04/13(日) 14:27:19|
  2. リーダーシップ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

シンクロニシティ/ジョセフ・ジャウォースキー



★★★★★

リーダーで「ある」こと

多くのリーダーシップ本が、リーダーに「なる」ことや、リーダーが「する」ことを扱っているのに対し、
本書はリーダーで「ある」ことを扱っています。

自分が世の中のために本当に貢献したいと感じていることを深く見つめ、
それに心底コミットして行動していくことで、
世の中に対する意識・無意識での見方・考え方・感じ方が少しずつ変わっていき、
それに応じて周りの人たちとの関係のあり方が新たなものとなり、
それによって協力者が集まり、貢献したいことが実現できるようになる、
ということのようです。
行動することからではなく、自分を見つめなおすことから始める必要があるようです。

同時期に出版された、デヴィッド・ボーム「ダイアローグ」や、
ピーター・センゲ等との共著である「出現する未来」を併せて読むとよさそうです。
  1. 2008/03/15(土) 21:41:16|
  2. リーダーシップ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

認められたい!/太田肇



★★★

承認の重要性と限界

人が「認められたい」という欲求を持つ事は、
心理学でも、脳科学でも、進化理論でも正しい事が検証されています。
人は周囲における自分の位置付けについて、
確立することで恐怖から逃れ、
強調することで生存・繁殖が可能になり、
他者に知らしめることで望むものを手に入れます。
そうやって生き残ってきた人たちの子孫が我々です。

認められたいと思うことは人の本能です。

ですから、人を認めることは非常に重要です。
人には誰でも、自分とは違った所で個性を発揮します。
それを認めてあげることで人は気分が良くなります。

しかし、認めることをやりすぎることはちょっと危険です。
なんでもかんでも認めてしまうと、認めてくれる人に依存します。
認める内容を恣意的に選ぶことで、人は操作されることがあります。

また、認めてもらいたいという自己欲求のみ重視し、
他者の同じ欲求は認めないという人が多いことも結構見受けられます。

大事なことは、自分で自分を認めること、
そのために、自分の個性を見極めてそれを伸ばしつづけること、
そのうえで、自分に自身をつけること、
その自分を持ったうえで、認めてもらうことです。
あと、そのようにしている他者をありのまま認めることです。

M・チクセントミハイ「フロー体験 喜びの現象学」
カール・E・ワイク「センスメーキング・イン・オーガニゼーションズ」をお薦めします。
  1. 2008/03/14(金) 23:22:26|
  2. リーダーシップ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ボビー流/ボビー・バレンタイン



★★★★

マリーンズの強さ

本書は、千葉ロッテマリーンズをこれほどまでに強くしたボビー・バレンタインのマネジメント哲学をシンプルに著したものです。

3つのR、Responsibility(責任を持つ)、Respect(敬意を払う)、Reality(現実を直視する)を基本原則としてチームを強くしたとのことです。

マリーンズの試合は、日本シリーズからしか見ていませんが、実に個性的な選手が揃い、また変幻自在な打順・守備、守備でのダブルプレーの多さ、打たせても点は取らせないチームプレーなど、野球観を変えさせるものが多々ありました。すごいのは全員が個性的に全力を出しながら楽しんでプレーしていることです。また、ファンが素晴らしいと思います。

ボビーマジックとよく言われていますが、マジックではなく、彼が重要だと信じたことを徹底的に実践した結果だと思います。

本書は野球だけでなく、またスポーツだけでなく、企業・組織のマネジメントにも有益です。
  1. 2008/03/14(金) 22:45:30|
  2. リーダーシップ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

オルフェウスプロセス/ハーヴェイ・セイフター





26人の集団が30年かかってできたことの例

マルチリーダーシップそのものは、これからの経営理論の一つとしてカウントできると思いますが、本書は駄目です。

26人という小集団が30年もかかってやっとできたことを、企業にそのまま当てはめることはできません。

また、他の交響楽団を独裁者としての指揮者に支配されたものとして、オルフェウスの素晴らしさを比較していますが、
世の中の一流の交響楽団は本書でステレオタイプ化されているものとは異なります。
一流の交響楽団では楽団員は曲の選定や解釈などについてかなり深い議論をしていますし、
自分たちよりレベルが低い指揮者だと感じた瞬間に指揮者を無視し、最後には追い出します。

更に、P.F.ドラッカーが提唱している「これからの組織はオーケストラのようになる」ということに挑戦していますが、
この程度の内容で論破できたと断言していること自体、愚かなことだといえます。

ドラッカーが提唱していることは、楽譜(戦略)を指揮者(リーダー)が提示し、
演奏者(プロフェッショナル)が協力して最高の演奏(成果)生み出すこと、
しかも企業においては指揮者が作曲家として楽譜を書きながら(変化への適応)指揮することが必要である、
ということです。

読むに値しません。
  1. 2008/03/14(金) 21:35:33|
  2. リーダーシップ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

リーダーシップ・サイクル/ノール・M・テイシー等



★★

大事なことを伝えようとしているのだが。。。

前作「リーダーシップ・エンジン」もそうでしたが、
肝となるメッセージは大事なことのはずなのですが、それを納得させるだけの中身が薄いといわざるを得ません。
本書全体に渡って文章が冗長であり、まとまりがなく、質の高い知見もあまり含まれていません。

メッセージそのものは大事であることと、前作よりは内容があるので★2つにしましたが、
第一優先順位で読むビジネス書ではありません。
ピーター・センゲの「最強組織の法則」と2冊のハンドブックを何度も読んだほうが役に立つと思います。
  1. 2008/03/13(木) 20:07:08|
  2. リーダーシップ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

リーダーシップ・エンジン/ノール・M・テイシー等





ボリュームは多いが中身は少ない

成功する組織では、リーダーがリーダーを育てているというメッセージそのものは価値があると思いますが、
「学習する組織」よりも本書の理論の方が優れている、と著者自身が謳っているほど優れた理論体系は示されていません。

また、ボリュームはかなり多いのですが、構成・事例ともに凡庸であり、時間をかけるほどの中身ではありません。

  1. 2008/03/13(木) 20:04:58|
  2. リーダーシップ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

実践EQ 人と組織を活かす鉄則/ リチャード・ボヤツィス等



★★★★★

リーダー自身のための本

リーダーシップに関する本のほとんどは、リーダーに誰かのために何かをすべきである、という論調のものです。
それらの本に記載されていることには重要な事項もかなり含まれていますが、
それらの事項に真面目に取り組もうとするほどリーダー自身が疲弊していくという弊害もあります。

本書は、それらの書籍とは異なり、
リーダー自身が幸せになることでリーダーシップを発揮するためにはどうしたらよいか、について書かれています。

リーダーが置かれた環境、それによって陥る心理的な状況についての分析は、
経営学、心理学、神経科学等の様々な学術的な知見に裏付けられており非常に意義があると思います。

但し、リーダーが疲弊したあとに「再生」するための処方箋については、分析ほど洗練されてはいません。
これは著者らの力量不足というよりは、諸科学がそれらの知見を未だ培っていないことに原因があるのでしょう。
このあたりは、優れた自己啓発書を読まれたほうが役に立つと思われます。
  1. 2008/03/09(日) 14:57:56|
  2. リーダーシップ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

EQリーダーシップ/ダニエル・ゴールマン等



★★★★★

脳科学に基づくリーダー論

本書の素晴らしいところは、脳科学に基づいてリーダー論を展開しているところです。抽象的なリーダー論・カリスマを持ち上げたリーダー論を解説している書籍が多い中、脳科学に基づいている稀少な書籍です。

脳科学については、まだまだ発展中ですが、自然科学を踏まえていないマネジメント手法は今後死に絶えていくはずです。この流れの中での本書の存在は非常に重要です。

なお、脳科学に興味のある方は、アントニオ・ダマシオの「感じる脳」やV.S.ラマチャンドランの「脳のなかの幽霊」、ジョセフ・ルドゥーの「シナプスが人格をつくる」、ダニエル・デネットの「自由は進化する」などがお薦めです。
  1. 2008/03/09(日) 14:55:35|
  2. リーダーシップ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
前のページ 次のページ

プロフィール

I am that I am.

Author:I am that I am.
誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

Amazon.co.jpアソシエイト
iTunesアフィリエイト

FC2カウンター

カレンダー

03 | 2020/04 | 05
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

カテゴリーサーチ

カテゴリーツリー

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

最近の記事

月別アーカイブ

RSSフィード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる