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Rising Sun

Author:Rising Sun
元経営コンサルタント
専門分野:ヒト

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。
また、マネジメントは企業だけのものではなく、国家を含めあらゆる組織体や個人にとっても必須のものです。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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「帝国」ロシアの地政学/小泉悠



👍👍👍👍👍

ロシア&プーチン大統領の思考・指向性がよくわかります

ロシア関連のしっかりした解説書が少ないため
ロシアやプーチン大統領を理解する上で非常に助かりました

ロシアやプーチン大統領の言動の裏にある
ロシア特有の事情(アイデンティティ・地政学・経済・歴史など)が理解できました

著者の前著「プーチンの国家戦略」は軍事がメインでしたが
(著者はロシアの軍事・安全保障分野の専門家)
本書は軍事だけでなく主要なポイントについてしっかりと解説されていました

例えば
多民族を抱え広大な領土を持つロシアのガバナンスには強固なアイデンティティが必要なこと
ソ連時代の共産主義というアイデンティティがなくなったため、新たなアイデンティティが必要なこと
しかし新たなアイデンティティになり得るものが、WW2でナチスドイツのヨーロッパ覇権を打ち破ったことだけであること
よってWW2で戦勝国になったことを新たなアイデンティティにするしかないこと
といった解説がありました

最後の部分は他書でも書かれていましたが
何故そうなのかは解説されていませんでしたので疑問に思っていました
この疑問が本書によって解消できました

このように背後にある特殊事項が
本書で取り上げられているテーマ全てで解説されていますので
一段深く理解することができます

本書の解説が正確か、すべて正しいのかについては
他に良書が見当たりませんので比較検討しようがありませんが
筋は通っているのではないかと思います


中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日/北野幸伯



★★★

北野幸伯氏の著書の読み方がわかった

順序は出版時期と前後しましたが、
本書でレビュー時点(2021/1/2)での著者の書籍を全て読み終えました。

ここで、備忘として著者の著作の読み方をまとめておきます。

大局的な視点は非常に参考になります。
ただし、そのレベルから下がるにつれて視点の精度が落ちていきます。
したがって、大局的な視点だけを取り込み、
その上で自分自身でその視点を使って分析・予測してみることが大切だと思います。

著者の予測は当たっているものもあれば、外れているものもあります。
将来予測は、様々要因が入ってきますので、
大局的な視点を持ってしても必ず当たるわけではありません。
当然のことではありますが、
最近、予測が当たる国際政治アナリストというキャッチコピーで売り出していますので、
予測をそのまま信じるのではなく、
予測に至る視点・プロセスを吟味してみることが大切だと思います。

自然科学に対する知見は非常に乏しいと言わざるを得ません。
例えば、エネルギー資源についての話題はいろんな諸書で話題になっていますが、
基本的に情報が間違っています。
したがって間違った結論を導き出してしまっています。
自然科学が少しでも絡んでくる話題については、すべて同じようなことになっています。

また、タイトルだけ変更して、内容が前著とあまり変わらない書籍を出版する傾向があります。


ちなみに本書では、上記の全てが該当しています。
そのうえ、本書では著者が提唱している五大情報ピラミッドの罠に自ら陥っています。

ということで、
著者の前書籍のなかで、手元に残しておきたいものは、以下の3冊のみです。
ボロボロになった覇権国家(アメリカ)
隷属国家日本の岐路、(改題増補版:「自立国家」日本の創り方
日本人の知らない「クレムリン・メソッド」





プーチン 最後の聖戦/北野幸伯



★★★★★

少し古いが(2012年初版)、ロシア・プーチンの大戦略がはっきりわかる

ロシアやプーチン大統領に関する書籍がそもそも少ない中で、
本書はロシア・プーチン大統領の大戦略がはっきりわかる価値ある本です。

少し古い本ですので、
著者の世界構図についての将来予測は完全には当たっていませんが、
それでもプーチン大統領の基本的な大戦略については変化はないと思います。

国内におけるインターネットなどへの情報統制には全く賛成できませんが、
ロシアの国益を最優先に位置付け、理想を持ちつつも現実を冷静に見極めた上での
世界を見据えた大戦略の構築・実行能力は、見事としか言いようがありません。

残念ながら、
日本にはプーチン大統領に匹敵するような政治家は存在しないでしょう。
また、プーチン大統領が実行している大戦略を構築できる政治家や官僚も日本には存在しないでしょう。
したがって、北方領土も日本の思うような交渉は全く進まないでしょう。

ですので、
どのようにロシア・プーチン大統領と付き合うのが中長期的に日本の国益に最も叶うのかを、
戦略的に考え抜いた上で付き合う必要があると思います。

本書を読んだだけなので、まだまだロシア・プーチン大統領に対する認識は十分とは言えませんが、
本書を読んだだけでも、ロシア・プーチン大統領の凄さはよくわかりました。

アフターコロナでまた世界の動きが大きく変わっていきそうですので、
著者にはアップデート版を出版していただければと思います(「プーチン新たな聖戦」とか)。

あと、著者についてはダイレクト出版の「パワーゲーム」「現代君主論」で初めて知りました。
いずれも良いと思うのですが、
個人的には映像を観るよりも文字を読むほうが相性が良いようですので、
今後は書籍やブログで著者の知見を学んでいきたいと思います。


嘘だらけの日露近現代史/倉山満



★★★★★

日本もロシア外交を見倣うべき(共産主義除く)

このシリーズを読むのは本書で3冊目です。
文章のタッチも面白い(人により評価は異なるでしょう)ですが、
ロシアについての良書があまり見つかりませんので、ロシアを知る上でありがたい本です。
また、3冊目にしてわかってきたことですが、
シリーズ各書で当然のことながら内容がオーバーラップしている一方で、
同じ内容が各国の視点で書かれていますので、
より重層的に理解することができるのも私にとっては嬉しいことです。

本書を読んだ感想ですが、ロシアは本当にしたたかな国だということがよくわかりました。
利権にまみれた政治家の外交や国益が何かわかっていない外務省の外交と比べると、
ロシアの外交は非常に魅力的に思えてきます。
勿論、維新の志士たちが活躍していた明治時代では、日本もかなり優れた外交をしていたのですが、
彼らがいなくなったころから現在に至るまで、日本は本当にへなちょこ外交を続け、日本国民を不幸にしています。
本書で挙げられているロシアの以下の外交戦略を是非日本は取り入れるべきでしょう。
・何があっても外交で生き残る
・とにかく自分を強く大きく見せる
・絶対に(大国相手の)二正面作戦はしない
・戦争の財源はどうにかしてひねりだす
・弱い奴はつぶす
・受けた恩は必ず仇で返す
・約束を破ったときこそ自己正当化する
・どうにもならなくなったらキレイごとでごまかす
日本人の特性的に無理な項目もありますが、国家観外交は戦争の一形態ですので、
和の精神が通じない相手には非情さも必要だと思います。
特にチャイナ・朝鮮半島にすら舐められっぱなしの日本では、ロシアを真剣に見倣う必要があるでしょう。

あと、ロシアとの接し方については、著者と馬渕睦夫氏とでは真逆であることもよくわかりました。
両者の主張に白黒つけるだけの知識がありませんので何ともいえませんが、
少なくともロシアに対して無警戒に接することは愚策以外の何物でもないでしょう。

プーチンの国家戦略/小泉 悠



★★★★

国家戦略というより現実問題への対処

北方領土返還の可能性と最近の半島情勢についてのインプットが欲しくて手に取りました。

タイトルは国家戦略ですが、
内容は軍事的側面がほとんどを占めており、
しかも、戦略というよりもロシアが抱える様々な問題への軍事的対処の実態がについての解説がほとんどです。

経済・財政・外交・文化・科学技術・食料・教育・社会保障などの、
国家が考えるべき様々な領域についての国家戦略については、
ほとんど触れられていませんでしたので、狙い通りのインプットにはなりませんでした。

しかし、ロシアが抱える様々な問題への軍事的対処の実態については、
細部にわたってきめ細かく書かれていますので、
狙いとは違いましたが、ロシアとプーチン大統領の一側面を知ることができたのは収穫です。

読み終わってわかったことは、
・天然資源に依存しており、競争力のある産業がなく、財政がひっ迫している
・ソ連時代のプライドは持ちつつも、ソ連時代の力はもはやなく、回復しようとしているものの、遥かに及ばない
・ソ連崩壊後独立した旧ソ連構成国家との対立・紛争がいたるところで生じている
・ロシア国内の民族・宗教の多様性による内部紛争もいたるところで生じている
・軍を完全掌握できておらず、また派閥抗争もバランスをとることで精いっぱいである
・従って、西側諸国との全面対決には耐えられない
といったことです。

また、このような状態で、北極海航路・資源による権益を確保することで現状打破したい、
そのためには、北方領土を含めた極東領土が極めて重要な拠点である、と考えているようであり、
北方領土返還・そのための経済協力・日露平和条約締結については、
ロシアの国内外の問題に加えて、この観点も考慮に入れて見つめる必要がありそうです。
本書を読む限りでは、北方領土は簡単には返還されないと思う方が自然でしょう。

あと、半島情勢におけるロシアの立ち位置についても、
北朝鮮との間に国境がありますので、何もしないわけにはいかないのでしょうけれど、
アメリカ・チャイナが絡んできますので、好き勝手にはできないでしょう。
本書を読む限りでは、全面介入は難しいのではないかと思われます。

本来的な意味でのロシア・プーチン大統領の描く国家戦略を知り、
そこから、北方領土・半島情勢を多少なりとも紐解きたかったのですが、
本書の情報ではその狙いは叶いませんでした。



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