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伝統・科学・世界を知りマネジメントに活かす

日本の伝統・ヒトの自然科学・現在の国内外情勢・マネジメントなどに関する、ブックレビュー

プーチンの国家戦略/小泉 悠



★★★★

国家戦略というより現実問題への対処

北方領土返還の可能性と最近の半島情勢についてのインプットが欲しくて手に取りました。

タイトルは国家戦略ですが、
内容は軍事的側面がほとんどを占めており、
しかも、戦略というよりもロシアが抱える様々な問題への軍事的対処の実態がについての解説がほとんどです。

経済・財政・外交・文化・科学技術・食料・教育・社会保障などの、
国家が考えるべき様々な領域についての国家戦略については、
ほとんど触れられていませんでしたので、狙い通りのインプットにはなりませんでした。

しかし、ロシアが抱える様々な問題への軍事的対処の実態については、
細部にわたってきめ細かく書かれていますので、
狙いとは違いましたが、ロシアとプーチン大統領の一側面を知ることができたのは収穫です。

読み終わってわかったことは、
・天然資源に依存しており、競争力のある産業がなく、財政がひっ迫している
・ソ連時代のプライドは持ちつつも、ソ連時代の力はもはやなく、回復しようとしているものの、遥かに及ばない
・ソ連崩壊後独立した旧ソ連構成国家との対立・紛争がいたるところで生じている
・ロシア国内の民族・宗教の多様性による内部紛争もいたるところで生じている
・軍を完全掌握できておらず、また派閥抗争もバランスをとることで精いっぱいである
・従って、西側諸国との全面対決には耐えられない
といったことです。

また、このような状態で、北極海航路・資源による権益を確保することで現状打破したい、
そのためには、北方領土を含めた極東領土が極めて重要な拠点である、と考えているようであり、
北方領土返還・そのための経済協力・日露平和条約締結については、
ロシアの国内外の問題に加えて、この観点も考慮に入れて見つめる必要がありそうです。
本書を読む限りでは、北方領土は簡単には返還されないと思う方が自然でしょう。

あと、半島情勢におけるロシアの立ち位置についても、
北朝鮮との間に国境がありますので、何もしないわけにはいかないのでしょうけれど、
アメリカ・チャイナが絡んできますので、好き勝手にはできないでしょう。
本書を読む限りでは、全面介入は難しいのではないかと思われます。

本来的な意味でのロシア・プーチン大統領の描く国家戦略を知り、
そこから、北方領土・半島情勢を多少なりとも紐解きたかったのですが、
本書の情報ではその狙いは叶いませんでした。



  1. 2017/05/20(土) 17:28:20|
  2. ロシア
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誇りある日本の復活を望む一日本人

マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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