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Rising Sun

Author:Rising Sun
リヴァタリアン


マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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人工知能は人間を超えるか/松尾豊



★★★★★

ディープラーニングの将来展望をわかりやすく提示しています。

第三次AIブームまでの歴史やディープラーニングの内容・効用・限界については、
他の関連書籍を通じて知ることができましたが、
ディープラーニングそのものの将来展望についてわかりやすく提示されている本は本書が初めてです。
ディープラーニングベースでもかなりのことが期待できそうですね。とても参考になりました。
本書も含めて何冊か関連書籍をを読みましたが、
ディープラーニングベースでは、シンギュラリティが到来しないということがはっきりしました。

AIまるわかり/古明地正俊他



★★★

ビジネスでAI導入を検討する際のきっかけ作りの本

ビジネスでAIの導入を検討してみたい、という企業にとってはきっかけ作りに読まれると良い本かと思います。
ただし、ビジネスでの導入成功事例のみの紹介ですので、失敗事例や投資金額・期間についての説明はありません。
従って、あくまでもきっかけ作りとしての本です。というか野村総研の営業本に近い位置づけと言っていいかもしれません。
とはいえ、導入事例はそこそこありますので、参考にはなります。

また、用語の使用方法に違和感を感じます(AGI・AI、大人のAI・子供のAI、強いAI・弱いAIなど)。
これについては、研究者の対談本である、強いAI・弱いAIの方が正確なんだろうと思います。

強いAI・弱いAI/鳥海不二夫



★★★★★

第一線の研究者らによる第三次AIブームの紹介

AIを研究されておられる日本人研究者らによる9本の対談を集めた本です。
読みこなすになある程度のAIの知識と自然科学(特に脳科学・神経科学)の知識が求められますが、
その分、非常に読み応えのある本になっています。
・対談のテーマがバランスよく設定されているので、幅広い知識が得られる
・対談が各々のテーマについての日本での第一線の研究者同士なので、本質的な知識が得られる

また、最新の脳科学・神経科学の知見との比較においてAIが語られていますので、
所謂AGI(汎用人工知能)やシンギュラリティが現在のディープラーニングの延長線上では不可能であることが、
科学的知見に基づいて解説されています。

更に、実際にAIを研究されておられる方々による対談ですので、
AIを過小評価することなく、また過大評価することなく、実際に現在のAIでできること、できないことが提示されており、
現在のAIブーム程度は一喜一憂する必要はなく、便利な道具として上手く利用すればよいということがよくわかります。

個人的には、
AIが意思や自律性を持つためには、
身体・本能・感情を持たなければならない、
一方で、データ認知だけではなく推論や、推論そのものを自覚するメタ推論がなければならない、
といった脳科学・神経科学の知見がAI研究でも議論されていることに興味を持ちました。
また、脳科学・神経科学でも、意識・意思・自律性・心といったものは未だ解明されておらず、
それが故に、AI研究においても現時点ではその分野を避けざるを得ないということにも興味を持ちました。

科学系の書籍で久しぶりに知的好奇心をくすぐられる本に出合うことができました。ありがとうございます。

決定版AI 人工知能/樋口晋也他



★★★★★

AI利用者向けの入門書

AI利用者向けの入門書を探しており、なかなか見つかりませんでしたが、
本書はAIそのものやAIの利用事例を幅広に紹介しており、
AIに対するイメージが湧きやすいものになっています。
また繰り返し読み込むことでAI活用の想像力も湧いてくるかもしれません。
更にAI万能論に陥っておらず、AIブームはすでに過ぎ去ったとしているところは、
AI紹介本としては、誠実で好感が持てます。

AIがどこまで人の仕事を奪うことになるのかは未だ結論つけられませんが、
少なくともどんな仕事でも、能力のない人は淘汰のスピードが増していくことは確かでしょう。

そろそろ人工知能の真実を話そう/ジャン・ガブリエル・ガナシア





AIとシンギュラリティを語るなら、哲学ではなく、自然科学の知見をベースにすべき

AI構築のベースとなる脳科学や物理学等の自然科学の知見を駆使していないので、
本書の記述は回りくどく、空回りしているような気がします。

例えば、AIが意識を持つ、 人間の意識を移植する、ということについては、
脳科学・神経科学でも未だ「意識」を解明できておらず、容易に解明されそうもない、
という実態を提示するだけで論破できます。
これは意識についての「ハードプロブレム」と言われています。

また、意識については、
知識や記憶から生じるわけではありませんので、
いくらAIに情報を蓄積させてもAIに意識は生じません。
(ご参考:脳はいかに意識をつくるのか

更に、知能についても、
ようやく脳科学・神経科学で扱えるようになってきたところですので、
人間と同様の知能をAIに移植することは現段階では困難です。
(ご参考:知性誕生

あと、ムーアの法則について色々と解説されていますが、
物理学の基本法則を持ち出して、ムーアの法則はいずれ破綻するといえば済むことです。
これ以上小型化・集積化すると放熱でチップ自体がやられてしまう段階が必ず到来しますので。
また量子コンピュータが期待されていますが、量子物理学を量産技術として使える段階ではありません。

自然科学の最新知見を駆使して、
現在主流のディープラーニング型のAIでどこまで行けるのか、
次世代のAIがどのようなものになりそうか、
シンギュラリティはどのようなかたちで到来するのか、しないのか
それらによって人類の生活がどのようなものになりそうか、
例えば、テクノロジーが雇用の75%を奪うで提起されたことがいつどのように実現しそうか、など
についての解説を期待して読んだのですが、
完全に期待外れでした。

少なくとも科学書ではありません。

なお、以下の本を読んで、少なくとも第3次ブームのAI(ディープ・ラーニング)では、
シンギュラリティは到来しそうもないことがわかりました。
強いAI・弱いAI
人工知能は人間を超えるか
決定版AI 人工知能

テクノロジーが雇用の75%を奪う/マーティン・フォード



★★★★

邦訳タイトルは大げさだが、主張は頷ける

テクノロジーの指数関数的な発展によって、雇用なき市場経済が生まれるという主張です。
邦訳タイトルの元は、本書後半で論じられている極端なシミュレーションの前提として使われているものですので、
タイトルにするにはちょっと大げさだと思います。
しかし、本書で主張している未来予測はそれほど大げさだとは思いません。

同時並行で理論物理学者のミチオ・カク博士の未来予測本を2冊ほど読んでいますが、
それと比較しても、本書が物理学の制約、進化生物学の制約等の自然の制約を無視しているわけではありません。

また何度か注目されては忘れられているAIの発展についても、かなり現実的な範疇で予測しているので、
早くなるか遅くなるかはともかくとして、いずれ本書で予測している状況にはなるのだと思います。

★を1つ減らしたのは、本書で予測していることに対してではなく、予測していることへの対処法の拙さに対してです。
雇用なき市場経済を抑制するために、国家がその権力と責任において介入せざるをえない、としていますが、
本書で展開されている対処法を機能させるためには、すべての国家が同じ政策を同時に行う必要がありますが、
国連が完全に機能するか、世界国家が生まれるのでない限り、現実的には難しいと言わざるを得ないでしょう。
国家の介入以外の選択肢が示されていれば、優れた未来予測&指南書になっていたと思います。

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