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Rising Sun

Author:Rising Sun
リヴァタリアン


マネジメントは、ビジネス書の知識を得るだけでは上手くいかないでしょう。

日本の伝統から日本ならではの価値創造の源泉を知り、最新の自然科学からヒトの何たるかを知り、また科学的思考力を磨き、国内外情勢から立ち位置を知ることが重要だと思います。

勿論、基本はP.F.ドラッカー。

このブログでは、私が読んだ上記に関する書籍についてのレビューを紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

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ひらめきを富へ変える天才 ひらめきをドブへ捨てる普通人/シドニー・ショア



★★★★

訓練あるのみ

本書は、アイデアを創造するための方法を提示したものです。

アイデアを創造するためには以下が必要とのことです(要約)。
・ポジティブであること
・五感を研ぎ澄ますこと
・見えないつながりをみつけること
・本書に掲載されているテンプレートを使うこと
・とにかく数多くアイデアをひねり出すこと
・上記を毎日繰り返し行うこと
 
とにかく毎日欠かさず訓練を行うことが必要だと繰り返し述べています。
アイデアを創造するための近道はなさそうです。

なお、著者が提示している上記の要件は、ブレーンストーミングの本でいわれていることと同じだと思います。
ブレーンストーミングの目的が集団でアイデアを創造することですので、当然といえるでしょう。

アイデアの創造を訓練したい方にはお勧めです。

ただ、タイトルが本書の内容と少しズレていますので、★1つ減らしました。

誰が世界を変えるのか/フランシス・ウェスリー等



★★★★

ソーシャル・イノベーションの事例集

ソーシャル・イノベーション(貧困・紛争・犯罪等の社会的問題の解決)について、複雑系理論やイノベーション理論などを参照しながら主要なポイントを整理したうえで、様々な事例を紹介している本です。

ソーシャル・イノベーションの書籍はほとんど読んでいませんので、類書との比較はできませんが、結構わかりやすく書かれていますし、失敗事例も載っていますので、親切な本なのではないかと思います。
少なくとも、特定の思想・信条に偏って、効果よりも自説を主張している開発経済等の書籍よりはいいのではないでしょうか。

また、本書は社会的な問題の解決を中心としていますが、ビジネスの世界でも十分に応用できるものだと思います。
ビジネスの世界でのイノベーションについての書籍は技術革新にかなり偏ったものが多いです。
しかし、実際には世の中に受け入れられてこそのイノベーションであり、また市場経済において何かを解決するために企業のイノベーションが必要といえます。
ですので本書の内容はビジネスの世界での重視される必要があるのだと思います。

ただ、豊富な事例の一方で、ソーシャル・イノベーションそのものの理論化が十分にはなされていません。
世の中は理論通りにはいかないものですが、とはいえ理論がなければ上手くいかないのも確かでしょう。
理論については、エベレット・ロジャース『イノベーションの普及』が有益な理論を与えてくれますので、こちらを参照されるとよいのではないでしょうか。

教育×破壊的イノベーション/クレイトン・クリステンセン等



★★★★

教育システムを題材としたイノベーション理論のケーススタディ

本書は、クレイトン・クリステンセンが構築・提唱したイノベーション理論を、教育システム全体の変革を題材として適用したケーススタディです。

イノベーションを学習する方々にとっては、教育システム全体(学校・教師・生徒・親というだけでなく教育委員会・教育研究者・行政にまで、学校教育だけでなく乳幼児教育にまで広げています)という大きな題材に対して、また企業とは異なる環境のものに対して、クリステンセンのイノベーション理論がどこまで通用するか、という濃い知見を得るには有益なものとなっています。
これまでも事例を紹介した書籍はあったのですが、一つの産業を題材としてイノベーション理論を適用したものはありませんでした。本書によってイノベーション理論の全体像や適用方法がより鮮明になると思います。
また実際にイノベーションを推進する際に必要となる新たな観点・解釈も紹介されています(イノベーションだけでなく通常のマネジメントでも有益です)ので、より実践的なものとなっています。『イノベーションへの解 実践編』と併せて読まれると、より理解が深まると思います。

教育改革のあり方について学習する方々にとっては、どのような切り口・アプローチで改革することが最も効果的か、ということについての新たな知見を得ることができると思います。
ゆとり教育をどうすべきか、習熟度別学習をどうすべきか、教員更新制度をどうすべきか、統一テストをどうすべきか、といった枝葉の議論に終始しているように見受けられる現在の教育改革の議論に対して、確実に一石を投じるものになっています。


また、教育のイノベーションに際して取り上げられた様々な事実・知見にも有益なものがあります。
生徒一人ひとりが異なる知能・学習スタイルを持っていること(ハワード・ガードナーの多重知能理論など)、生後36ヶ月までの親子の雑談が認知機能に決定的な差をつけること、といった心理学・神経科学の知見や、多くの教育研究の知見が記述的理解(現象を観察・調査して相関関係を見出すところまで)で留まっており、規範的理解(様々な状況を分類してそれらの因果関係を見出し予測可能性を確立するところまで)には全く至っていないこと、といった教育研究の実態、などです。


なお、本書の結論としては、破壊的イノベーションの第一弾としてITを駆使すること、それを現在の教育システムの補完としてではなく、現在満たされていない用途に対して適用すべきであること、というものです。
ただ、それらを教育の目的として本書で設定している「生徒一人ひとりの知能・学習スタイルに合わせた教育の提供」にまで持っていくためには、やはり既存の教育システムを破壊する必要があるということです。そして、教育システムのさまざまな関係者自体が自らを変革していく必要があるということです。
この辺りが市場における企業の破壊的イノベーションと異なるところでしょう。市場における企業においては、新たな企業が破壊を仕掛けることができ、競争の中でイノベーションが成功するのですが、教育システムでは新たな学校が自由に立ち上がることはありえず、かつ競争がないため、既存の教育関係者が自ら変革していくしかない、ということになります。学校を競争させることには様々な議論がありますが、競争がないことで持続的イノベーションが強化されることは間違いないでしょう。
この点が、市場における企業をベースとしたイノベーション理論の限界ということになるのかもしれません。


あと、監修者による解説は不要です。本書を読んだとは思えない表層的なものですので、かえって本書の価値を下げます。
また、翻訳も目立った箇所でミスがあります。大事な切り口を紹介する箇所での誤字は致命的ですので、これも本書の価値を下げます。

メディチ・インパクト/フランス・ヨハンソン



★★★★★

充実したイノベーション指南書

主要なイノベーション理論・背景となる科学的な知見・イノベーターへのインタビューという幅広い知識、アイデアの生成?イノベーションの実践までのプロセス全体、イノベーションの促進要因・制約要因(物理的・社会的・心理的)、これらを一つのかたちにしている本です。

イノベーションに関する書籍の多くは、これらのどれか一つに特化しているものなのですが、本書はイノベーションにおいて重視すべきほとんどの領域をカバーしています。このことだけでもイノベーションを学習する際に最も中核に据えることのできる本だといえます。

また、事例のトピックがふんだんに盛り込まれていること、わかりやすい文章・用語を使用していることから、頭の中に入りやすい解説となっています。

更に、イノベーションにおいては常識となっているものについても、科学知見を活用して建設的な批判を行っているものが幾つもあり、その誠実な姿勢にも好感を得ることができました(例えば、ブレーンストーミングはイノベーションでは常識的な手法なのですが、科学的な実験ではその効果は検証されていない、など)。

あと、参考文献も記載されており、本書を中核にしてイノベーションの様々な観点を掘り下げるのに有益なものとなっています(参考文献の記載は当たり前のことなのですが、それを邦訳時にカットする出版社が少なくないですので。特にビジネス書になるとその傾向がありますね)。

広く、深く、わかりやすい本です。


なお、本書はメディチ家の歴史について解説している本ではありません。またルネサンスにおけるメディチ家の活躍を分析した本でもありません。

ゲームの変革者/A・G・ラリー、ラム・チャラン



★★★★★

『イノベーションと起業家精神』の現代実践版

本書は、P&Gのイノベーション戦略・実践を事例として前面に押し出しつつ、体系的なイノベーションの方法論について解説しています。

イノベーション関連の書籍は、方法論メインのものと事例メインのものに大きく分かれているように思えます。方法論メインのものは体系的ではあるのですが、実践でどのように適用すればよいかがわかりにくく、事例メインのものは実践でのヒントは多いのですが、それらをどのように効果的に組み合わせればよいかがわかりにくくなっています。
本書は、方法論メインと事例メインの書籍の良いとこどりをしていますので、体系的にも実践的にも活用しやすいものとなっています。


また、企業経営とイノベーションを整合させていますので、企業経営という観点からもイノベーションという観点からも、確かな知識・視点を与えてくれます。
そうなっている大きな理由は、P.F.ドラッカーの『イノベーションと起業家精神』をベースとしているからだと推察します(実際に引用が数多くなされています)。ドラッカーは、企業の第一の目的は『顧客の創造』であると述べ、重要な企業活動は『マーケティング』『イノベーション』『生産性』だと述べています(『現代の経営』より)。本書で提示している方法論もP&Gの事例も、まさにこの原則を忠実に踏襲しています。また、イノベーションは人のつながりから生まれるという重要な知見も、人を中心に経営を考えたドラッカーならではのものでしょう。

改めてドラッカーの凄さを認識させられると共に、それを忠実に実践してイノベーション・成長を続けているP&Gの凄さも認識させられます。


更に、インターネットの活用、オープンイノベーションの推進など、ドラッカーをベースとしつつも最新のテクノロジーやイノベーション手法を取り入れた事例を紹介しています。まさに『イノベーションと起業家精神』の現代実践版だといえます。


これだけ有益な本書ではありますが、活用される際には幾つか留意点がありそうです。

まず、事例がP&G、GEなど世界を舞台に活躍している一流企業であるということです。イノベーションを経営の中核に据えてからの成長物語は確かに素晴らしいのですが、それ以前からも顧客志向であったこと、世界中から優秀な人材を採用し、育成&選抜を経てリーダーや専門家になった人々が数多く集まっていること、イノベーションに膨大な投資が可能であること、といったこれらの企業ならではのアドバンテージがあります。ですので、この域に達していない企業が本書の通りのことを行ったとして同じようなイノベーションを生み出すことのできる保証はありません。イノベーションの前に適切なマネジメントが求められるようにも思えます。

次に、方法論も事例も、実施して失敗したこと、実施しておけばもっと上手くいきそうだったこと、については記述されていません。また、イノベーション企業に生まれ変わる過程で生じた重要な摩擦・抵抗やその対処方法についても記述されていません。
方法論はどれだけ素晴らしくても方法論ですので、全ての企業に同じように適用できるわけではありません。またP&Gも独自の環境・強み・課題のうえで本書で記述されたような対応をしています。
本書の知見を更に有効に活用するために、このような切り口での情報提供があれば更に有益なものになったのでは、と思います。

このあたりを留意しながら活用されるとよろしいのではないでしょうか。

「多様な意見」はなぜ正しいのか/スコット・ペイジ



★★★★★

多様性の功罪をモデル化

人の多様性を、認識(観点・解釈・ヒューリスティック・予測モデル)と好み(目的の好み・手段の好み)に区分・定義し、各々の多様性が如何なるものか、どのように働くのか、またそれらの関係はどのようなものになるのか、などについてわかり易いモデルと事例、過去の様々な研究結果を活用しながら、解き明かそうとしている本です。

結論としては、能力の高さも能力の違いも何れも同じぐらい重要であること、認識については予測や問題解決という局面では一様であることよりも多様であることの方が効果が高くも低くもなること(分散するということ)、決まりきったことを行う場合には一様であることの方が多様であることよりも効果が高くなること、好みについては目的の多様性は利益よりも損失のほうが大きいこと、などが得られています。

信念先行の書籍にあるような「全面的な多様性の礼賛」とはならない結果が出ていることに価値があるといえます(社会正義の面でどうかということでなく、企業の持続的な成功という観点で)。


企業経営に置き換えてみると、一定以上の能力を持つ人材を採用し、企業目的や価値観を共有した上で、将来予測やイノベーション(問題の発見や解決)という局面では多様性を活用し、そこで得られた解の実践については一様性を活用することが効果的、ということになります。

これは当たり前のことのようであり、またイノベーションに関する良書でも同様の解が得られていますが、学術的に裏付けられたことに価値があるといえるでしょう(著者は経済学者)。


なお、でき得るならば、認識の多様性についても好みの多様性についても、心理学や脳科学・神経科学で得られた知見を取り込んで、より科学的に精度の高いモデルを提唱して欲しかったと思います(認識についてはガードナーの多重知能理論など、好みについてはクロニンジャーのパーソナリティ理論など)。

あと、本書の日本語サブタイトルが「衆愚が集合知に変わるとき」はミスリードします。能力の高さと多様性を同等に重視する必要があると結論づけられている本ですので。

イノベーションを生み続ける組織/ランドン・モリス



★★★

イノベーションに関する様々な理論を整理

イノベーションについて、プロセスとタイプの軸をメインとして、その中に既出の様々な理論・方法論を整理した本です。

ビジネス書で扱われている知見だけではなく、社会科学の様々な領域から必要なものを集めています。従って、イノベーションのマネジメントを体系的に学びたい方にとっては価値のある本だといえます。また、イノベーションについての特定トピックについて辞書的に活用することもできます。更に参考文献がしっかり記載されていますので、本書で紹介された様々な理論・手法を更に学習するためのハブとしても利用価値があります。


但し、理論を重視した本ですので、実際のイノベーション事例や、イノベーション実践の生々しい苦労などについては最小限に抑えられていますので、臨場感を得ることは難しいと思います。


また、前提としている人間の本質については浅いといわざるを得ません。人は誰でも創造的であるとか、人は本来変化や新規制を好むとか、人は適切な環境を与えられれば誰でも成長できるといった、育ち主義(生まれ主義に対する)的な発想を前提としています。イノベーションの普及段階についてはエベレット・ロジャーズの『イノベーションの普及』(人の持つ特性によってイノベーションの受け入れられ方が異なるというもの)を活用しているにもかかわらずです。確かに本書の理論を実践することでイノベーションは加速するのだとは思いますが、人の本質部分の個人差を無視していますので、組織内の個々人の持つ特性によっては実践度合いに差が出ると考えたほうがいいでしょう。
人間の本質については、人間の生物学(脳科学・神経科学・遺伝学など)の知見が積みあがってきていますので、これらを取りこんだうえで本書を活用する必要があると思います。

更に、企業活動においては標準化・均質化によって活動の品質を安定させることが重要なものが少なくないのですが、本書はこれらの活動を無視して、全てイノベーションを起こすべきであるという認識に立っています。本書でのイノベーションには漸進的なものも含まれていますが(所謂カイゼン)、組織構造・文化の段になると、せっかくのイノベーションのタイプ分類が崩れてしまっています。
企業活動において、イノベーションの追求と効率化の追求との二律背反するものをどうすべきか、ということについては、クレイトン・クリステンセン『イノベーションのジレンマ』など、ジェフリー・ムーア『キャズム』など、P.F.ドラッカー『イノベーションと起業家精神』など、を体系のメインにする必要があると思います。

この点が気になりましたので、★を減らしています。


ただ、これらの点に気をつければ、本書は非常に役に立つ本だと思います。

イノベーションへの解 実践編/スコット・アンソニー等



★★★★★

イノベーション=持続的&自律的な成長戦略の実践

クリステンセンのイノベーション3部作『イノベーションのジレンマ』『イノベーションへの解』『明日は誰のものか』を踏まえつつ、クリステンセンと著者らでつくられたイノサイトというイノベーション・コンサルティング会社での実践を通じて得られた知見を、方法論として構成した内容を紹介しています。

類書とは異なる本書の価値は以下のようなものです。

持続的かつ自律的な成長戦略としてイノベーションを捉えています。
イノベーションに関する書籍には、イノベーションを単なる新商品開発として定義していたり(空間軸)、イノベーションを一回限りのイベントとして捉えていたり(時間軸)、というように、また、イノベーションのためのアイデア創出に偏っていたり、定型的なプロセスに偏っていたり、というように、イノベーションの一部のみを取り扱っているものが多く見受けられます。
しかし、本書では成長戦略としてイノベーションを位置づけていますので、企業経営においてイノベーションがどのように取り扱われるべきかについて俯瞰することができます。

イノベーションをマネジメントするための整合した方法を提示しています。
既出の戦略論、マネジメント手法、マネジメントツールが数多く登場します。最初は既出の経営理論の焼き直しかと思わせるような印象を持ちましたが、そうではなく、イノベーションを成功させるためにマネジメントはどうあるべきか、ということを踏まえて要所を整理した結果、イノベーションに必要な主要な経営理論が登場し、かつイノベーション用途にカスタマイズされている、ということです。
主要な経営理論・手法を学ばれている方にとっては、よく知っているものが登場しますので、イノベーション用途にどのように再解釈すればよいかがわかると思います。またイノベーション手法を学ばれている方にとっては、経営レベルでイノベーションを検討する際に如何なる経営理論を活用すればよいかがわかると思います。

イノベーションの実例や実践を通じたヒントが数多く提示されています。
本書や理論書などをもとにしてイノベーションを推進していく際に起きそうな個別具体的な問題が大小限らず登場します。これらによってイノベーションを計画する際に陥りがちな問題を事前にある程度把握することもできるでしょうし、実際に問題が起きた際にも「自分たちだけではない」というある種の安心感を得ることもできるでしょう。

なお、イノベーションを推進する人(オーナー・リーダー・メンバー)の能力・経験、人選、体制については重要な鍵であることは訴えていますが、本書はどちらかといえばプロセスに重きを置いている本ですので(それでも前述したとおり幅広いものですが)、人については他の書籍で補完されたほうがよいでしょう。マーク・ステフィック&バーバラ・ステフィック『ブレイクスルー』がお薦めです。

あと、邦訳が少し残念です。経営用語や人名について日本ですでに流通しているにもかかわらず訳者がそれを使っていないことがあります。このあたりはもう一段配慮して欲しいところです。

企業創造力/アラン・G・ロビンソン等



★★★★

非線形のマネジメント

企業が確実・安定的にビジネスを効率的に行うことが線形のマネジメント(戦略⇒組織化⇒業務遂行)だとしたら、イノベーションは非線形のマネジメントだと思いました。

本書で述べられているイノベーションのあり方は、イノベーションの種が偶然の産物(どこから何が生じるかは予測不能)であることを前提とし、その偶然を増やすこと、偶然を必然に変えること、そのための環境を整備することとしています。

そのための6つの条件として、以下のものを挙げています。
・意識のベクトルを合わせる
・自発的な活動を促す
・非公式な活動を認める
・セレンディピティを誘発する
・多様な刺激を生みだす
・社内コミュニケーションを活性化する

進化論・複雑系理論を使ってイノベーションを捉えていますので、このような説明になると思います。

本書の内容そのものは、その通りだと思います。但し、線形のマネジメントを中心とした組織に、如何にして非線形のマネジメントを取り入れるか、また両者のバランスをどう取るのか、についてはほとんど述べられていません。

また、本書で述べられていますが、非線形のマネジメントを導入してイノベーションを起こすには、企業に相応の余力が必要になってきますが、効率化を限界まで求められ、時間的・精神的余裕がなくなっている会社・社員が多い中で、これらを導入するには大きな壁があるのだと思います。

本書の内容には反しますが、まずイノベーションが主要業務の組織において試してみてから検証・導入していくことが必要なのだと思います。

イノベーション・マネジメント/トニー・ダビラ



★★★

十分条件というより必要条件

イノベーションを成功させるためには、通常の企業経営において重視すべき領域(戦略・組織・業務プロセス・人事評価・動機付け・組織学習・組織文化の7つ)に対して適切にマネジメントすること、というのが主旨です。

単に個人の発想に依存するだけではイノベーションは起きない、ということを理解するためには有益だと思います。

但し、各々の領域でイノベーションのためにマネジメントすべきことは、本書でも述べられている通り、斬新なものはありません。
また各々のソリューションもそれほど深く洞察されているわけではありません。
従って、必要条件は書かれているが、十分条件といえるほどの内容ではありません。

もっと深くイノベーションのマネジメントを理解するためには、各々の領域での良書を読み込む必要があるでしょう。

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